株式会社フロンティアキッズ | |
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リクルーター:つばき保育園 園長 高橋 直子さん 人事:本部 荒井 哲央さん |
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従業員数: | 275名 |
事業概要: | 保育所の運営 |
自社の採用に変革を起こした会社と個人を表彰する祭典「Japan Referral Recruiting Award 2022」で、リファラル採用ならではのユニークな採用に貢献したリクルーターに贈る「ユニークリクルーター賞」として、株式会社フロンティアキッズ ・高橋さんが表彰されました。採用難の保育業界で2020年から継続してリファラル採用活動に積極的に取り組み、これまで5名の応募、3名の採用につながっています。また、友人の友人経由での紹介や同じ園の職員も巻き込み、リファラル採用の輪を広げています。
地域から良いと思ってもらえる保育園づくりを目指してリファラル採用を自発的に取り組み、多くの人に自社・保育園をおすすめしている高橋さんに紹介のきっかけやリファラル採用にかける想いをお伺いしました。また、そのように紹介の輪が広がっている背景や人事の工夫を株式会社フロンティアキッズ・人事の荒井さんに伺いました。
安心して長く働けて、明日も行きたいと思える園作りを目指して、現場からリファラル採用を広げる
この度は、「ユニークリクルーター賞」のご受賞おめでとうございます。これまで5名の応募・3名の採用につながっていますが、なぜ積極的にリファラル採用活動に参加しているのですか?
リクルーター・高橋さん:
私が園長先生を勤めているつばき保育園は2年前に開園しました。新しい場所で保育園を始めたからこそ、安心して長く働ける園を作りたいと思っています。保育士は子どもが好きで先生になりたくて入ってくる人が多いのですが、ハードワークな側面もあり辛くなって辞めてしまう人もいます。安心して長く働くためには、知り合いが働いていて、何かあった時に相談しやすい環境の方が良いと思って、紹介活動をしています。
また、保育士は働く環境において人間関係がとても重要な職種だと思います。知り合いが全くいない場所で働くより、知り合いの知り合いでも良いから、何かしらのつながりがある人が同じ園にいる方が働きやすいです。加えて、園や園長先生との保育観が合わないという理由で辞めてしまうケースが多いですが、知り合い経由だと事前にその人の保育観を知ることができ、ミスマッチが起こる可能性も減ります。
どのようなきっかけから紹介していますか?
保育士のコミュティーやつながりは強いので、よく前職などで繋がった先生たちと会って市内の保育園の事情について話しています。これから認可保育園になっていく流れの中で、小規模の保育園がつぶれたり、働く場所や時間が変わって家庭の都合で続けられなかったりという状況も自然と耳に入ってきました。自分の直接の友人ではなくても、友人を通して声をかけてもらってつばき園を紹介してもらうこともありました。
印象に残っているリファラル採用のエピソードはありますか?
前職でつながった先生の知り合いのお子さんで、幼稚園の職場から転職してきた人がいます。その人は新卒で幼稚園に就職したのですが、現実とのギャップがあり疲れてしまって保育園に行こうかなと思っていたようです。実際に園を見学してみて、自分の趣味の時間も持てるし、楽しい仕事ができると感じてもらい、入職をしてくれました。子供とじっくり関わりたいという保育観がマッチしていたので、今は生き生きと働いてくれています。
前職でつながった先生の知り合いのお子さんを紹介されるというのは、高橋さんがとても信頼されている証だと思うのですが、なぜ周りから相談が来るのでしょうか?
その先生とは普段から仕事の価値観などの話もしていて、「この先生の保育園であれば、自分の知り合いのお子さんが勤めても大丈夫だろう」と思ってもらえたようです。
採用に対する根本的な考えとして、園側が選ぶのではなく、保育士の方に選んでほしいと思っています。無理して採用するのではなく、あくまで良い園を作ることが目的で組織づくりやリファラル採用に取り組んでいます。日常的に「この保育園面白そうだな」と思ってもらえれば、自然に興味を持ってもらえると思います。実際に「保育士を募集していますか?」という電話をもらったこともありますね。
誠実なコミュニケーションをとることで、段々とつながりが広がっていく
紹介する際には、具体的にどのような点をおすすめしましたか?
大きな園なので時間の融通が効くことや収入も安定していることも伝えましたが、一番は明日も行きたいと思ってもらえるような環境づくりに努めていることです。業務として子どもを面倒みるのではなく、先生自身が楽しんで仕事をしてほしいと思っています。日中は子どもの面倒を見て、夜は保護者の対応をすると疲れてしまうので、定時で上がることを意識してもらっています。仕事の時間は楽しく仕事ができて、プライベートが充実できる時間があることが大切だと思います。
定時後に対応が必要な時はみんなで相談したり、事務の時間が取れないときは状況を見て土曜日に取れるように工夫してもらったり、子どもの少ない時間に抜けてもらったりと工夫しています。大きい行事や事務作業で先生が切羽詰まっている時は声をかけたりすることで、1年かけて助け合いの風土ができてきたかなと思います。
園の職員にも協力してもらって実際に採用に繋がっていますが、まわりの人を巻き込む上で意識していることを教えてください。
職員には働いている中で自分が良いなと感じた点を素直に言ってほしいという思いがあって、「こういう風に紹介してね」と言ったことはありません。「良い人がいたら繋げてね」と声をかけています。実際働いて楽しかったと感じた職員は、また知り合いを紹介してくれるという良い循環が起こっています。
ゴールドリクルーター(※)としてMyReferを活用いただいていますが、使っている感想を教えてください。
以前はパンフレットを持っていかないと職場の紹介ができなかったのですが、MyReferだと求人情報をすぐ送れますし、知り合い経由で求人を送ってもらえるので紹介しやすかったです。
また、社内ニュースで他園の取り組みや雰囲気を知ることができるので良かったです。うちの園だと場所的に遠いけど、他園であれば就職できるという方もいます。MyReferのニュースや求人があると、他の園も紹介しやすいです。他園が何をやっているか実際足を運ばないとわからなかったので、実際に行かなくても他園の雰囲気がわかるのは良かったです。加えて、他園で行っている取り組みを知って自分の園でも取り入れることができるのもありがたいです。
(※)ゴールドリクルーターとは、知人・友人(=求職者)と組織(=採用企業)の双方の成長支援に貢献している、そんなリクルーターにMyReferから贈られるリクルーターランクです。MyRefer上でリファラル活動をすることでランクが付与されます。
リファラル採用をするリクルーターにはどのような資質が必要だと思いますか?
誠実なコミュニケーションをとることだと思います。普段から嘘偽りなくコミュニケーションをとることで、相手に自分や園のことを知ってもらって、ふとしたきっかけで知り合いを紹介してくれ、段々とつながりが広がっていくのだと思います。求人媒体や就活イベントだと、会社の良いことしか書いていないので入社後のミスマッチが起こる可能性もあり、その現場で働いている人のリアルな情報を得づらいです。リアルで信頼性のある情報を得ることできるのは候補者にとってのリファラル採用のメリットにつながると思います。
今後のご自身のキャリアの目標や組織としての展望を教えてください。
地域から良いと思ってもらえる保育園づくりを目指しています。それが必然的に、地域で保育士を探している方や保育士に復帰したい方に伝わり、選んでもらうきっかけになると思います。
MyReferを活用して、社内コミュニケーションの活性化と横のつながりの強化を進める
リファラル採用制度を導入している背景を教えてください。
人事・荒井さん:
MyReferをコミュニケーションツールとして活用しつつ、リファラル採用を推進しています。基本的に職員は現場で働いていただいているので、PCを開いてメールを見るといった機会はそうそうなく、園長先生経由で情報を伝達することが多かったです。そのため、従業員に直接的な発信ができず正しい情報が伝わっているかわからないという懸念と連絡がどこまで伝わっているか可視化できないという、情報伝達や社内コミュニケーションの観点で課題がありました。また、園で働いていると他の園の状況はなかなか知る機会がなく、横のつながりが薄いことも課題でした。これら2つの課題から社内コミュニケーションを活性化するためにMyReferを導入しました。
また、これまでは紹介会社経由での採用が多く、採用コストのウエイトが大きくなっていましたが、リファラル採用を取り入れることで採用コストの削減につながっています。現場の先生の採用となると、人柄やその方自身の能力が重要になります。面接だけでは人柄や能力を見抜くことは難しいですが、紹介の場合は質も担保できるので人事として検討しやすいというメリットもあります。専門的な業界なので、つながりによる紹介・採用がしやすいといった背景もあります。
エンゲージメントを高めるために取り組んでいることや工夫を教えてください。
会社として社員を大事にしたいという考えがあります。例えば、女性が多い職場になるので、職員のライフステージや家庭の事情に合わせた勤務形態や時間を考慮するなどの取り組みを行っています。また、働く環境としては、園長と先生同士で保育や園の内容を共有しあって、仕事の効率化をお願いしています。園の雰囲気や人間関係でも、気軽に話しかけやすい雰囲気づくりを意識してもらっています。
人事の取り組みとしては、週2回ペースで社内ニュース配信を実施し、他の園の面白い取り組みなどを積極的に配信しています。勉強会などで先生が集まる機会では、「あの園の先生ね」という感じで、MyReferの社内ニュースがきっかけで先生同士のコミュニケーションにもつながっています。
最後に、リファラル採用と会社全体における今後の展望について教えてください。
リファラル採用を中心にしていきたいと思っているので、さらに活性化していきたいと思っています。「なにかあったらこの職員に声かけてみよう」と一人ひとりの職員が思ってもらえるような環境や制度づくりをしていきたいです。
組織としては、来年度から園同士の関わりをより強くしたいと考えています。園長先生を中心に悩みごとを周りの園に相談して解決していく取り組みを4月から始めようと計画しています。その取り組みの中で、リファラル採用についても深く考察し、活性化していけると嬉しいです。今後より一層、会社としてのつながりを強化していきたいと思います。
編集後記
今回は、友人の友人経由での紹介や同じ園の職員も巻き込み、リファラル採用の輪を広げているユニークリクルーターならではの話を伺いました。リファラルで入職した職員が実際働いて楽しかったと感じ、知り合いを紹介してくれるという良い循環が起こっているエピソードは、明日も行きたいと思ってもらえるような保育園づくりを目指していて、誠実なコミュニケーションを心がけている高橋さんらしいエピソードだと感じました。
社員を大事にしたいという考えのもと、MyReferを活用して社内コミュニケーションの活性化と横のつながりの強化を進める株式会社フロンティアキッズ様の事例でした。今後も、エンゲージメントの向上と採用の好循環を生むべく、従業員との”つながり”をベースに採用・組織づくりを期待しています。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。