リクルートマーケティングパートナーズさんがエンジニア組織のリファラル採用を促進しているみたい。どんなことやっているのか、突撃取材するペン!
昨今、エンジニアは引く手あまたな職種の一つ。そんなエンジニア採用では、社員が知人・友人を紹介して採用する「リファラル採用」が盛り上がっているそう。ただし、「リファラル採用を導入したいけど、現場が動いてくれない」「エンジニアは業務が忙しくて、採用まで手伝ってくれない」……こういった悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか?
結婚情報サービス「ゼクシィ」や中古車情報メディア「カーセンサー」、オンライン学習サービス「スタディサプリ」などを展開する株式会社リクルートマーケティングパートナーズでは、リファラル採用を有効に活用して内製開発エンジニア組織が創り上げられてきたそうです。
そして今、エンジニア組織の中には、リファライオン率いる(?)リファラルグループがあるそう。今回は、リファライオンの友達である、リファラルグループの鳥倉氏と村松氏に、エンジニアのリファラル採用促進の秘訣についてお話を伺いました。
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
ネットビジネス本部 プロダクトディベロップメントユニット プロダクトディベロップメント部 リファラルグループ
村松 愛 氏(左)
広告代理店で営業・営業企画・総務を経て、現在はリクルートマーケティングパートナーズにてネット組織の組織開発に従事。
内製開発組織では採用ブランディング・インターナルブランディングを担当。
内製開発人材が中長期的に活躍できる環境づくりが目標。
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
ネットビジネス本部 プロダクトディベロップメントユニット プロダクトディベロップメント部 リファラルグループ
鳥倉 広大 氏(右)
主に組織開発を担当。
エンジニアがより幸せに働ける環境を作ることが最大の目標。一般的な人事業務の無駄をテクノロジーを使って解消することにも興味がある。
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エンジニア主導で”リファラルグループ”が立ち上がる
お二人の所属している組織・グループについて教えてください!
村松氏:
当社は「ゼクシィ」や「カーセンサー」、「スタディサプリ」などを展開していて、私たちはネットサービス統括部隊の中のエンジニア組織に所属しています。
組織の中で、プロジェクトグループとして立ち上がったのが “リファラルグループ” です。
“リファラルグループ“はプロジェクトグループなんですね
鳥倉氏:
エンジニアと我々2人あわせて7,8人のプロジェクトグループです。あくまでも我々はサポート。”リファラルグループ”といってもリファラル採用を促進するだけではありません。
組織コンディションを向上させて採用の士気を高めるために、「どうやったら組織がよくなるか?」を現場ドリブンで取り組んでいく組織です。
どうやって立ち上がったんでしょうか?
鳥倉氏:
1年半前ほどに、現場からの声が上がって立ち上がりました。もともと、我々の組織ってリファラル採用が活発だったんですよね。
ただ、自然にやっているだけだといずれ声をかけるリストも枯渇してしまう……ということで、リファラル採用を促進するためにプロジェクトグループを作って、組織を耕すことから始めることにしました。
もともとリファラル採用は自然に起こっていたんですね
村松氏:
実は、リクルートマーケティングパートナーズが2012年にリクルートから分社化し、ネット組織に力を入れ始めたときに内製開発エンジニア組織ができました。当時はインフラも開発環境も今ほど整っていませんでしたね。
そんな中、当時のメンバーがリファラル採用でどんどん仲間を連れてきて、ようやく今の組織になったんです。成り立ちはベンチャーのような組織ですね(笑)
“MAKE OURSELVES” 現場が主導で動きやすいような取り組み!
リファラルグループでは、どのような取り組みをしているのでしょうか?
鳥倉氏:
まずは、リファラル採用のフローを整えて、紹介する流れをスムーズにしました。
友人紹介をしたあとは、現場の人が面接をするんですか?
村松氏:
基本的にはマネジャーですね。候補者との最初の面談はエンジニアが実施するカジュアル面談になるので、誰が担当しても会社の魅力を話せるように「リーフレット」を作りました。会社全体の話から、エンジニア組織のビジョンや行動指針も載せています。
エンジニア組織独自のビジョンがあるんですか…!?
鳥倉氏:
リファラルグループが中心になって、エンジニアも全員参加でビジョンを作ったんです!ボトムアップでみんながやりたいことや価値観を共有し合い、最終的に組織のあるべき姿を考えビジョンと行動指針に落とし込みました。
- ビジョン:”BUILD THE FUTURE” 世の中にあってよかったを作り出す
- 行動指針:”KEEP INTEGRITY” “THINK FREELY” “BEYOND THE BOUNDARY”
実際に、カジュアル面談のときにこのビジョンを発信することが、ビジョンの浸透にもつながっていると思います。
素敵ですね…!他にはどんな内容が載っているんですか?
村松氏:
開発環境や、ツール、制度、エンジニアの一日の働き方など。これを読んだあと「候補者がうちに応募したいかどうかを意思決定できるか」といった視点で作っています。
これがあれば、現場主導で全員が会社のことを話せそうですね。
鳥倉氏:
そうです!我々は現場の皆さんが主体的に組織を作っていくサポートができるような施策を目指しているので。実は、リファラルグループでもビジョンを作っていて…… “MAKE OURSELVES” —「自分たちの手で自分たちの組織を作ろう」という想いを大事にしています。
ずばり、エンジニア主導リファラル採用のポイントは?
現場主導でエンジニアのリファラル採用を促進するにあたって、うまくいくポイントを教えてください!
現場主導の勉強会。採用色は出さない!
鳥倉氏:
外部との勉強会は継続的にやっていますね。エンジニアの方々は知見共有系のイベントだと集まりやすいです。
採用色が出ると興味を失う方も多いので、イベントの場づくりには気を付けるようにしています(笑)。リファラルグループ主導でエンジニアの人に参加してもらうのではなく、エンジニアの人に主体的に企画してもらうことが重要です。
業務外のプロジェクトだからこそ、効果検証をしっかり
鳥倉氏:
基本的にすべての意思決定や効果検証を数字で追うようにしています。最終的に採用数を達成できたらいいんですが、我々はそこに至るまでの組織作りも大事にしているので。
実行した各施策だけで終わりではなく、期ごとに実施するサーベイの結果をベースとした定量的な振り返りを行っています。
例えば、2018年では「横断コミュニケーションの活性化」を目標に置いていたので、プロダクトを超えたコミュニケーションについてサーベイ結果の数値が上がったことを確認しました!
メンバーにも情報はフルオープンにしているので、納得感をもって、現場がプロジェクトを進めていくことができていると思います。業務が忙しいエンジニアを巻き込むからこそ、納得感は重要です。
ゆるキャラで心理的安全性を確保
村松氏:
リファライオンも仕掛けの一つです。エンジニアにいきなり「採用しましょう!」とお願いしても弊社社員も候補者も固まってしまいます。できるだけ採用色を出さない様、カジュアルにコミュニケーションをとれる仕組みを作りました!このゆるキャラもその一部です!(笑)
リファライオンは、エンジニア組織でそんな重要な役割を担ってたんですね…!
でも、なんでライオンなんだろう??
村松氏:
ライオンって「百獣の王」と言われているけど、意外と自分中心じゃないんですよ。群れになるときは後ろについて、みんなを支援している。そうやって、内製開発組織の応援団としてみんなのリファラル採用をバックアップするのがリファライオンなんです!!
エンジニアが一緒に働きたい仲間を連れてくる
実際にリファラル採用で入社した人は、どんなことに期待されて来るのでしょうか?
村松氏:
まず、働きやすさに魅力を感じてもらうことは多いですね。エンジニア組織は、フルフレックスでリモートワークOKなので。特に月曜と金曜はリモート推奨日で会議は入れないようにしています。
例えば、もともとベンチャーでバリバリ働いていた仕事好きな人が、こういった働き方に魅力を感じていらっしゃることもありますね。
あとは、プロダクトの魅力も大きいと思います。社会貢献度の高いプロダクトが用意できるので、そこに惹かれていらっしゃる方も多いです。
採用の成果としてはどうですか?
村松氏:
ミスマッチは少ないですね。そして、なかなか採れないマネージャークラスの方も、リファラル採用の実績があります。組織をみんなで耕して、安心して働ける環境を作っている結果だと思います。
鳥倉氏:
たしかに、いろいろな会社に来てと言われているような、引く手あまたの人が入ってくれていますね。これだけコストをかけずに優秀な方々に来てもらうのは、リファラル採用ならではだと思います。
すごい!エンジニアが自発的に優秀な人材を紹介してきてくれているんですね。
村松氏:
そうです。「採用枠はあるから、いい人いたら紹介してね」と言っているだけで、あとは彼らが自発的に連れてきてくれます。インセンティブ制度もありません。
エンジニアは「一緒に働きたい仲間がいるから、連れてくる」という文化があるみたいです。
その文化を浸透させるために大事なことは何ですか?
鳥倉氏:
リファラル採用の活動自体が文化をつくることにつながっていると感じます。採用は“組織のことを考える”最たる例だなと。
いつもリファラル採用のメッセージングをしていると、常時メンバーがリファラル採用ひいては組織のことを気にする状態になっていると思います。組織開発の取り組みも乗り気でやってくれるようになりましたし。
もし採用活動が完全に人事だけの仕事だったら、組織課題も同じように人事に任されるようになってしまうと思うんです。「採用」という組織開発の一発目から参加してもらうことで、組織に対する意識が醸成されていると感じます。
村松氏:
私も採用と組織開発は表裏一体だなと思います。社外への採用ブランディングとインターナルブランディングもつながっていますよね。
例えば、採用ブランディングの一つでゆるキャラを作って外向けの発信をしていたんですが、あるエンジニアが、社内チャットでリファライオンになりきれるアプリを作ってくれたんです。その機能があることで、発言の心理的安全が担保され、チャンネルコミュニケーションが活発化しました(笑)。思ってもいなかった副次的効果でしたね!
まさに、組織開発と採用がつながっているんですね。今後のビジョンがあれば教えてください。
鳥倉氏:
採用という観点でいうと、「いつの間にか来る」の次のフェーズにいきたいなと。具体的に、どういう人がほしいかを狙って、リファラル採用でアプローチしていくようにしたいですね。メンバーの自発性を担保した状態でやれるといいと思っています。
村松氏:
エンジニア組織で、ある程度リファラル採用の成功事例が生まれたかなと思っているので、社内の他の組織にも展開できたらいいなと思っています。
リファライオンの展望も教えてください!
村松氏:
リファライオンは、リファラル採用で困っている企業のコミュニティリーダーにしていきたいです!リファラル採用の担当者がカジュアルにつながれる場があればいいなと思っています。
それでは、最後に一言お願いします!
鳥倉氏・村松氏:
エンジニアが一緒に働きたいエンジニアを連れてくる、そんな働く環境と風土がある組織です。興味があったら、ぜひカジュアルに遊びに来てください!リファライオンと私たちが待っています!
編集後記
今回は、リクルートマーケティングパートナーズさんのエンジニア組織のリファラル採用についてお伝えしました。「一緒に働きたい仲間を連れてくる」というエンジニア組織の文化がリファラル採用につながっている。とにかく“現場主導“を貫かれているところが強みだと感じました。
もちろん鳥倉さん、村松さんと、リファライオンがそんなエンジニア組織を力強く支えているのでしょう。
引く手あまたのエンジニアをいかに獲得するか?ぜひ、リファライオンにならって、現場主導で進めるリファラル採用を検討してみてください!