“設計開発の専門企業”として、主に機械設計開発、システム・ソフトウェア開発、電気・電子回路設計を行う株式会社アビスト様(以下、「アビスト」)。
エンジニア採用の難易度が年々高まる中、同社は“社員の信頼関係”を採用力に変えるリファラル採用に注力しています。単なる制度の導入ではなく、「社員が誇りを持てる職場文化づくり」から採用を変える——その取り組みを支えるのが、「MyRefer」による社員参加型の仕組みづくりです。
今回は、事業本部 採用管理部門長の山田 逸平 氏に、経営戦略におけるリファラル採用に対する想いや、「MyRefer」活用による組織の変化などについて伺いました。

株式会社アビスト
・従業員 :1,292名
・事業 :工業設計技術サービス事業、3D-CAD教育事業、不動産賃貸事業、美容・健康商品製造販売事業
・取材対象者:事業本部 採用管理部門長 山田 逸平 氏
働きがいや会社への誇りが持続的な採用力強化につながる

貴社の経営戦略において、リファラル採用はどのように位置づけられていますか?
山田氏:
技術者の人材不足や働き方の多様性など、事業を取り巻く環境が大きく変化する中、弊社は顧客視点での新たな価値創出に向け、デジタル技術とデータを活用したDXへの取り組みを強化しております。また、「人材こそが最重要の経営資本」と考えており、採用戦略としては、中長期的な育成を前提とした新卒採用に加え、顧客ニーズの多様化・高度化に対応するDX人材を中心にキャリア採用も強化してまいりました。
しかし近年、キャリア採用市場の競争が激化する中で、待遇や勤務地などの条件面において競合他社に劣る場面も増えてきました。こうした状況を踏まえ、経営課題である人材確保に直結する取り組みの一つとして、“社員が信頼する友人を自ら紹介する”リファラル採用を、2年前より導入しております。
リファラル採用は、社員が当社の魅力を棚卸し、それを友人に伝え紹介に繋げる活動です。紹介を活性化させるためには、「社員が働きがいを感じ、会社を誇れる状態をつくること」が重要です。リファラル採用は採用活動の一部というよりも、持続的な採用力を創出するための施策だと考えています。
リファラル採用を推進する中で、組織に変化はありましたか?
山田氏:
リファラル採用の導入をきっかけに、“採用は人事部だけの仕事ではない”という意識が社内に広がったと思います。
紹介活動は、社員自身が会社への満足度や信頼を持っていることが前提です。そのため、エンゲージメントサーベイを実施し、その結果を踏まえながら、さまざまなレイヤー層の社員と社長との1on1を実施した上でています。これらの取り組みを通じて、「どうすれば社員がこの会社を人に勧めたくなるのか」を定期的に見直しています。
また、採用部門が定期的に各事業所の会議体に参加し、リファラル説明会を実施しています。そこで「MyRefer」アプリの登録や紹介活動を促すことで、社内におけるリファラルの認知度は、ほぼ100%に達しています。
社員が採用に関わることで、どのような良い影響が生まれていますか?
山田氏:
「自分が紹介した人が活躍している」と感じることで、会社へのエンゲージメントが上がります。リファラルは“採用の仕組み”であると同時に、企業文化や組織の価値を強くするものだと感じました。
また、リファラルを通じて入社した方は、カルチャーフィットの度合いが非常に高いと感じています。紹介してくれる社員自身と似た価値観や仕事観を持っており、入社後の定着率も高い印象です。
「MyRefer」導入後、どのような変化や気づきがありましたか?
山田氏:
導入初年度から一定の成果を実感しておりましたが、さらなる活動の活性化に向けて、職種ごとに求人票を細分化しました。これにより、社員が「この仕事なら紹介しやすい」と感じられる状態を整えています。加えて、社内報での発信やキャンペーン施策を通じて、社員のリファラルへの関心を継続的に高めた結果、「MyRefer」アプリの登録社員は全体の半数を超えています。
また、紹介いただくだけでなく、「MyRefer」を通して採用部門と社員のコミュニケーションも活性化し、距離が縮まっている点にもメリットを感じています。
社員のエンゲージメント向上でリファラル採用をアビストの文化に

今後、リファラル採用をどのように「アビストの採用文化」として浸透させていきたいですか?
山田氏:
今後は、リファラル採用を制度ではなく「アビストの文化」として根づかせていきたいと考えています。社員一人ひとりが会社に誇りを持ち、「一緒に働きたい」と思える仲間を紹介したくなる、そんな流れをつくることが理想です。
そのためには、まず社員のエンゲージメントを高めることが最重要です。
社員が仕事にやりがいを感じ、この会社で働くことに自信を持てる状態を作る。その結果として「紹介が生まれる」ことが、持続可能なリファラル文化の“かたち”だと考えています。
リファラル文化の浸透は、企業価値や文化にどうつながるとお考えですか?
山田氏:
リファラルは、会社の価値を“社員の言葉”で語り、その魅力をより多くの人に広げる活動だと考えています。社員が「自分の会社を人に勧めたい」と感じる状態こそ、企業価値そのものです。
この取り組みを通じて、“社員主義”という理念を採用現場で体現することができる。最終的には「アビストに友人を紹介したい」「一度離れたけれど、また働きたい」と思ってもらえる企業文化を全社で育てていきたいですね。
どのような想いでリファラル採用に取り組んでほしいかなど、社員の皆さまへメッセージをお願いします。
山田氏:
会社への信頼や誇りは、社員一人ひとりの行動から生まれます。リファラル採用は、皆さんの会社への想いや、共に働く仲間に対する想いがあってこそ成立する取り組みです。
「この会社でこんな成長ができた」「こうした仲間に支えられている」そんな実感を等身大で発信することで、アビストの魅力は自然に広がっていきます。
アビストの魅力はもちろん、会社をより良くするために感じている課題があれば積極的に伝えてもらえると嬉しいです。社員と会社が互いに信頼を深めながら、共に成長できる会社を皆さんと創っていきたいと考えています。
一緒に働きたい仲間がいたらぜひ、ご紹介してください!
その仲間集めがアビストをより良い組織に、前進する力となると信じています。
編集後記
リファラル採用は、採用力の強化にとどまらず、社員のエンゲージメント形成や文化醸成にも寄与します。アビスト様はエンゲージメント形成を強化しながら、リファラル採用の文化醸成を図っています。
社員が自信をもって友人に声を掛けられる環境を整えることは、採用力を高めるだけでなく、組織への信頼や企業ブランドの向上にもつながっていきます。
特にエンジニアなど専門職の採用では、待遇ではなく“共感”も意思決定の重要なカギになります。アビスト様のように、社員の信頼関係を採用の原動力に変えるアプローチは、多くの企業にとって具体的なヒントとなるのではないでしょうか。
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▼エンゲージメント向上と事業成長を両立させる戦略的な経営エンジンとして、リファラル採用を推進する都築電気様のお取り組みはこちら。
記事URLはこちら:https://mytalent.jp/lab/case_tsuzuki2/
▼リファラル採用の実施状況について、詳しく知りたい方は、以下も併せてご覧ください。
2025年版 リファラル採用の実施状況に関する 企業規模・業界別統計レポート







