「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます。」を経営理念に掲げ、損害保険事業を展開するあいおいニッセイ同和損害保険株式会社様。
同社は、人財を最重要の経営資本と位置付けて人的資本経営に取り組んでおり、社員一人ひとりの成長を会社の成長につなげていくことを目指しています。
その一環として、「MyRefer」「MyTalent」を導入して、リファラル採用やアルムナイ採用・タレントプール構築といった潜在候補者にアプローチする多様な採用変革の取り組みをスタートしています。今回は、人事部 採用グループ 課長補佐 杉山氏と永瀬氏にインタビューを実施し、採用変革を推進している背景や取り組み、今後の展望について伺いました。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
・従業員数 :12,505名
・事業概要 :損害保険事業
・取材対象者:人事部 採用グループ 課長補佐 杉山氏(左)
人事部 採用グループ 課長補佐 永瀬氏(右)
人財を経営の最重要資本と位置づけ、「CSV×DX」を推進するあいおいニッセイ同和損害保険
まず、貴社の事業概要と戦略を教えてください。
永瀬氏:
世の中がドラスティックに変化しているなかで、新たな事業ポートフォリオを創る必要があると感じており、当社は「CSV×DX」という戦略を掲げています。「CSV×DX」は、デジタル・データ活用などにより保険事業を新たな価値にシフトすることで、お客さま・地域・社会とともに社会・地域課題の解決を目指すというものです。
次に、人財に対する考えと採用方針を伺えますか。
杉山氏:
このような環境の中で、当社は人財を最も重要な経営資本と位置づけ、“Advance for myself, Design the future” を目指す姿とし、経営戦略「CSV×DX」と連動した人的資本経営に取り組んでいます。
「CSV×DX」を実現するためには、多様なバックグラウンド・経験を持つ人財を採用する重要性がますます高まっています。採用活動も従来の新卒一括採用中心から大きく変化し、今では新卒採用とキャリア採用の比率が3:2ほどになっています。
多様な人財獲得に向けてキャリア採用の複線化を図るとともに、持続可能な採用のあり方を目指すため「MyRefer」「MyTalent」を導入
キャリア採用において、これまでの採用施策と課題について教えてください。
永瀬氏:
これまでの採用施策はダイレクトリクルーティング中心で、そのなかでの課題は主に競合とのバッテイングとコスト、そして一過性に留まった採用手法です。
競合とのバッテイングの観点では、労働人口が減少しているなか、同じデータベースの中で多くの企業が取り合いをしている状況で、限界を感じていました。
また、今後もキャリア採用数が増えていくことを踏まえると、ダイレクトリクルーティングで全ての人数を採用していくことはコスト的に現実的ではないと考えていますし、候補者との継続的な関係構築に課題感を持っていました。
そうしたなか、リファラル採用とタレントプール構築をスタートした理由を教えてください。
永瀬氏:
現状の採用活動に課題感を持っていて、新しい採用チャネルの開拓など、採用手法を変革する必要があると考えたからです。そうした背景があり、リファラルやアルムナイ、タレントプールなどキャリア採用の複線化を図り、多様な人財の採用につなげるとともに、安定的で持続可能な採用活動の構築を目指すことにしました。
実は、リファラル採用制度や退職者の再雇用制度はこれまでもあったのですが、継続的に情報発信する機会や相互にコミュニケーションを取る機会がなかったこともあり、全社員には周知徹底できていませんでした。一方で、人的資本経営への関心の高まりや人財獲得競争の激化といった外部環境の変化もあり、本格的に推進していく運びとなりました。
杉山氏:
「CSV × DX」を実現するためには、多様な経歴・経験を持つ人財が集まり、新たな領域にチャレンジしていく必要があります。同じ視座でゴールを目指すためには、社員自らが一緒に働きたい人財を迎え入れるリファラル採用が効果的だと考えています。
また、アルムナイは当社の企業文化も知っているのでマッチ度が高く、他社で培った経験やスキルも活かして、新しい風を吹かせてくれると期待しています。
リファラル・アルムナイ採用は、当社への理解度も高い人財となりますので、リテンション向上にもつながります。
そのなかで、「MyRefer」と「MyTalent」を導入した理由を教えてください。
永瀬氏:
「MyRefer」は、社員が紹介する際のハードルを下げてくれることが導入の決め手でした。
リファラル採用が根づきにくかった原因として「紹介する方法がわからないこと」と「自社をどのように伝えればいいかわからないこと」がありました。「MyRefer」は社員がスマホで簡単に求人をシェアできますし、知人・友人向けに自社の魅力を伝えやすくする記事コンテンツを作ることもできるので、リファラル採用にかかる工数を簡便にして促進できるツールだと考えました。
杉山氏:
「MyTalent」は、過去に接点を持った人たちと継続的にコミュニケーションを取れることが導入の決め手でした。
これまでは選考が終わるとそこで関係性が終わっていましたが、せっかく当社に興味を持って応募してくださったのにもったいないと感じていました。昨今では転職がスタンダードになっているので、自社に興味をもってくださった方々と接点を持ち続けるということの意義が高まっていると感じています。
永瀬氏:
また、リファラル採用やタレントプールは新しい取り組みになるため、KPIの設定・計測や導入後の振り返りも求められてきます。「MyRefer」「MyTalent」は数値の可視化と分析が詳細にできるので、採用DXを推進できる点も魅力的でした。
もうひとつは、自分たちだけでこれらを全て実施するのは非常に労力がかかりますが、豊富な知見のあるプロフェッショナルが伴走支援してくださることも大きいです。
人的資本経営時代に適した採用のカタチを目指し、多様な人財が自然と集まる”強固な会社”を創る
─「MyRefer」「MyTalent」導入後の取り組みと現時点での所感をお聞かせください。
永瀬氏:
「MyRefer」はまずトライアルで一部社員に展開しており、すでに入社が決定している候補者もいらっしゃいます。リファラル採用で応募いただく方はマッチ度が高く、他の採用チャネルで入社される方と比べて定着率や活躍度合いが高い傾向にあります。やはり前提としてリアルな情報を知った上で応募いただいていますし、社員によってスクリーニングされているという側面もあると思います。
杉山氏:
タレントプールは今年度にスタートした取り組みではありますが、アルムナイ・選考辞退者・キャリア登録者を含めて、数百名に登録いただいております。また、そこから早速選考に進んでいる方もいらっしゃるので、こちらも非常に期待している取り組みです。
「MyRefer」「MyTalent」の活用について、今後の展望を教えてください。
永瀬氏:
「MyRefer」は10月にさらなる拡大展開を予定しておりますので、社員・候補者へ刺さるコンテンツの分析や課題・改善点の洗い出しなど、さらなる促進と浸透施策を打っていきたいと思います。
杉山氏:
新しい求人ポストができた時に、そこから母集団形成をスタートするのではなく、既にある自社独自のタレントプールにアプローチできるというのは非常に魅力的で、そういった環境を作りたいと考えています。
また、アルムナイ向けのイベント開催も検討中です。世間的にアルムナイが浸透しつつありますが、前の会社に戻ることに対して後ろめたさを感じている方もいらっしゃると思います。そうした気持ちを払拭できるような場を設けて、会社のスタンスを示していきたいです。
採用変革の取り組みについても、今後の展望を教えてください。
永瀬氏:
まずは「リファラル採用やアルムナイ採用で入社した人は活躍し、生き生きと働いていてすごい」と社員に思ってもらうことが大切だと思っています。リファラル採用やアルムナイ採用の価値を肌で感じて、社員が能動的に参加してくれ、入社が決まるといった良い循環が生まれることで、社員一人ひとりが仲間集めする会社の文化を創っていきたいです。
特にリファラル採用は愛社精神やエンゲージメントが重要なファクターになるので、会社の魅力を改めて発見して伝播するきっかけになると嬉しいです。
杉山氏:
当社は、人的資本経営の目指す姿を「Advance for myself, Design the future私が、つくる。新たなミライ。」と定めており、社員一人ひとりの成長を会社の成長につなげていくことを目指しています。
組織の土台である「人財」を全社員一丸となって集める採用風土を築くことで、会社として持続的な成長を遂げる強固な会社にしていきたいと思います。
編集後記
人的資本経営時代に適した採用変革として、多様な人財獲得に向けてキャリア採用の複線化を図るとともに、持続可能な採用のあり方を目指すあいおいニッセイ同和損害保険株式会社様のインタビューをお届けしました。リファラル採用やアルムナイ、タレントプール構築によって、潜在候補者と継続的にコミュニケーションを取る仕組みづくりを推進されています。
リファラル採用やアルムナイ、タレントプール構築などこれからの時代に適した採用手法を導入したい企業様や、潜在候補者にアプローチする採用マーケティングに興味のある採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声がけください。