創業58年、不動産情報サービスのパイオニアとして業界を支え続けてきたアットホーム株式会社様(以下、アットホーム)。同社は今、アナログな業務が多い不動産業界のDX化を推進し、各不動産会社の業務効率化を支援する取り組みを強化しています。そうした事業戦略の変化に伴い、人財戦略においてもDX人財やリーダーシップを発揮できる人財の育成・獲得が、これまで以上に重要なテーマとなっています。
その中で、リファラル採用を単なる採用手法の一つとしてではなく、社員が自社を深く理解し、知人に誇りを持って語れるような「組織づくり」そのものと捉えています。
今回は、人事部 次長の南 晋作氏に、人的資本経営の観点から見たリファラル採用の位置づけや、今回「MyRefer」を導入いただいた背景について、詳しくお話を伺いました。

アットホーム株式会社
・従業員 :1,819名(2025年12月末時点)
・事業 :不動産会社間情報流通、消費者向け不動産情報、不動産業務支援
・取材対象者:人事部 次長 南 晋作 氏
不動産業界をアップデートするDX人財獲得を「全社活動」へとシフト
まずは、事業内容を教えてください。
南氏:
当社は、各不動産会社が保有する物件情報を共有化する、BtoBの不動産情報流通事業を原点としています。不動産の仲介などの実務を行う会社ではありませんが、全国6万3,000店を超える加盟店をつなぐプラットフォームとして、不動産会社同士の情報共有や早期成約を支援してきました。
現在では、消費者向け不動産情報メディアの運営に加え、アナログな業務が多い不動産業界のDXを支援するなど、業界全体を支える「縁の下の力持ち」としての役割を担っています。
人財戦略や採用テーマはどのように変化していますか。
南氏:
不動産業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社としてもデジタル化・DXを重要なテーマとして位置づけています。その実現に向けて、DX人財や次世代を担うイノベーティブな人財、リーダーシップを発揮できる人財の育成が、これまで以上に重要になってきました。社内ではAI活用の促進や研修内容のアップデートなどにも継続的に取り組んでいます。
採用については、職種ごとに方針を分けて考えています。営業職は新卒採用を中心に、長期的な視点で育成していくスタイルを継続しています。一方で開発職については、内製化を推進しており、現在は約200名規模の開発体制となりました。その中で、新卒・若手の育成に加え、外部で培った知識や経験と当社の文化を融合させることで、組織としてさらに発展していくことを目指し、ここ数年は中堅層のキャリア採用を強化しています。
開発職のキャリア採用において、これまでの手法でどのような課題を感じていましたか。
南氏:
これまでは人材紹介を中心にキャリア採用を進めていましたが、開発職の市場価値が高騰し続ける中で、年収水準やスキルスペックだけで比較される「価格競争」に陥り、紹介数が伸び悩む状況が続いていました。
また、エージェントという第三者を介することで、当社の社風や自社開発ならではの面白さといった、言語化しにくい魅力が十分に伝わっていないのではないかという危機感も抱いていました。
こうした課題を背景に、当社の文化や価値観を深く理解している社員が自らの言葉で魅力を伝えられるリファラル採用を強化することで、当社の文化にマッチした人財と出会えるのではないかと考えるようになりました。
「紹介したい」と思える組織へ、人事と現場が一体となって醸成する新たな企業文化

人的資本経営の観点で、リファラル採用をどのように位置づけていますか。
南氏:
リファラル採用は、単なる採用コストの最適化やチャネルの多角化に留まるものではなく、社員が自社のことを深く理解し、自らの言葉で誇りを持って語れるような「組織づくり」そのものだと捉えています。
多くの社員に紹介活動へ参加してもらうためには、まず社員が「誇れる会社」である必要があります。人事としても社員が会社の理念や価値観を理解し、自社に対する納得感や愛着を持てるような風土を醸成していかなければならないと考えています。そのプロセスこそが、帰属意識やエンゲージメントの向上にも直結すると期待しています。
この観点から、KGIを採用コストの最適化とするならば、その達成に向けた重要なKPIは「社員が自社を誇り、語れる組織づくり」だと考えています。社員が自らの実体験をもとに会社の魅力を発信し、正しい企業ブランド価値を伝えることで、ミスマッチのない質の高い人財獲得に繋げていくことこそが、当社の人的資本経営におけるリファラル採用の戦略的な位置づけです。
アットホーム独自の文化と、リファラル採用の親和性についてどのように感じていますか。
南氏:
当社には「社会への貢献、自己実現の追求で企業も個人もカッコよく」という行動基準があり、この行動基準を支える3つの要素として、「調和(共生)」「科学(技術)」「倫理(クリーン&フェア)」という3つの要素を掲げています。社内ではお互いを尊重し支え合う風土のもと、挑戦を後押しする文化が根付いています。
こうした独自の文化は、求人媒体の文字情報よりも実際に働いている社員の「生の声」を通じてこそ、より鮮明に伝わります。だからこそ、社員の「生の声」を起点に魅力を届けられるリファラル採用は当社にとって非常に親和性の高い取り組みであると感じています。
以前にも「MyRefer」の導入を検討されていたそうですが、今回改めて導入された決め手は何ですか。
南氏:
2022年にリファラル制度を導入した当時は「システムを入れなくても、制度さえあれば回るだろう」と考えていました。しかし、営業職では複数名の紹介があったものの、開発職においては3年間で紹介がゼロという結果でした。
制度が十分に浸透しなかった要因として、「紹介することが面倒」「どのように紹介すればよいのかが分からない」という社員側の心理的なハードルがありました。リファラル採用を社内に浸透させ、紹介活動を促進するためには、社内広報の強化や管理職を巻き込んでいく必要があると痛感しました。
そこで、紹介しやすい仕組みを整えられるだけでなく、TalentXさんの持つノウハウや社内向けコンテンツ制作を含めて長期的な伴走があることが「MyRefer」を導入する最大の決め手となりました。また、コスト面でも年間に数名採用できれば十分に費用対効果が見込めると判断できたこと、今着手しなければ将来的に手遅れになりかねないという危機感も重なり、このタイミングでの導入を決断しました。
「MyRefer」を活用したリファラル採用をどのように発展させていきたいですか。
南氏:
今後は、採用を人事の仕事と切り離すのではなく、全社員が「自分事」として捉える文化をつくっていきたいと考えています。自分が紹介した仲間と一緒に働くことは、現場の活性化や離職防止にも直結します。リファラル採用を通じて、「組織は自分たちでつくっていくものだ」という主体的な意識の浸透が、持続可能な組織成長には欠かせないと考えています。社員が自然と知人に勧めたくなるような組織づくりを続けていくことで、リファラル採用が持続可能な採用モデルとして定着している状態をゴールに据えています。
採用を「自分事」に、全社で会社を好きになるきっかけをつくる

社員にはどのような想いでリファラル採用に取り組んでいただきたいですか。
南氏:
リファラル採用を単なる友人紹介の手段ではなく、改めて自分の会社のことを理解し、好きになるきっかけにしてほしいと考えています。 自分たちが扱っている情報の価値や自社開発ならではの面白さを再認識し、それを自然に周囲へ伝えたくなるような状態を目指したいですね。その上で、採用を人事だけの取り組みとして切り離すのではなく、当事者意識を持って全社活動として関わってもらえたら嬉しいです。
今後は、リファラル入社者の事例なども積極的に発信しながら、社員一人ひとりが自社の魅力を語れる状態をつくっていきたいと考えています。
編集後記
アットホーム様は、リファラル採用を単なる採用手法の一つとしてではなく、「社員が自社を誇り、語れる組織づくり」そのものと捉え、人的資本経営における重要な施策と位置づけています。社員一人ひとりが採用を自分事として捉え、自らの言葉で正しいブランド価値を発信することで、組織そのものがより強くなっていく、その姿勢が印象的でした。こうした「仲間集め」が企業文化として根付くことで、「人財」という資産の価値が最大化され、持続的な企業成長と企業価値の向上に繋がると感じました。
「人的資本経営」と「エンゲージメント向上」を両立させるリファラル採用の具体的な仕組みや、貴社ならではの採用戦略設計についてご興味のある方は、ぜひTalentXにご相談ください。
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記事URLはこちら:https://i-myrefer.jp/corp/download/388/input







