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2024.10.21更新

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リファラルから始める富士通の採用変革──2018年より本格スタートし、累計300名の採用創出やエンゲージメント向上に寄与

「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパスとして掲げ、DX企業への転換に向けてサービスやビジネスプロセスの変革を推進している富士通株式会社様。同社ではジョブ型雇用の導入、そしてそれに伴う人事・評価制度の刷新など、ビジネスの変化に合わせて人材マネジメントも変革させています。そして、世の中の変化の速さに準じて日々人材ニーズが変化していくなかでも永続的にビジネスニーズにフィットする人材を獲得するために、様々な採用革新を進めています。2018年から進めているリファラル採用は、重要施策のひとつです。
今回、人材採用センター シニアマネージャー 松村氏と人材採用センター 長谷川氏に、富士通様の採用戦略やリファラル採用推進の背景、そしてこれまでの成果などを伺いました。

富士通株式会社

従業員数:124,000人(2023年3月31日現在)
事業概要:サービスソリューション、ハードウェアソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューション
人材採用センター シニアマネージャー 松村 洋平 氏
人材採用センター           長谷川 綾香 氏

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下記から是非ご覧ください。

DX企業への変革を背景に、人事戦略や採用戦略をアップデートする富士通

まず、貴社の事業内容について教えてください。

松村氏:

以前は、様々なお客様のご要望をシステムテクノロジーの活用により実現するSIビジネスが中心でした。現在では、テクノロジーで社会課題を解決して人を幸せにする支援に注力しており、富士通自身も「DX企業」となる取り組みを推進しています。

DX企業への変革を進めるなか、ジョブ型雇用の導入など人事戦略や採用戦略も変革されていますね。

松村氏:

現社長の時田が就任した頃から、ジョブ型雇用の導入を進めていました。段階的に進める選択肢もあったのですが、そうなると旧制度と噛み合わずどこかで破綻してしまうと考え、一気にすべてを変えていくことにしたのです。そこで、ジョブ型の導入とともに、そこに紐づく評価制度もドラスティックに変えました。

他にも、自分が描くキャリアビジョンに基づいて異動できる「ポスティング制度」、管理職層と社員が対話を重ねてキャリアビジョンを構築できる「1on1ミーティング」など、ジョブ型を機能させるための様々な制度も設計しています。

続いて、採用計画を教えてください。

松村氏:

一昨年ぐらいまでは、キャリア採用は300~400名、新卒採用は750~800名ほどで推移していました。つまりキャリア採用:新卒採用が1:2の割合だったということです。昨年には、キャリア採用も800名となり、新卒採用とほぼ同等の1:1となりました。
そして今年も、ほぼ昨年同様にキャリアと新卒が1:1になります。私たちキャリア採用担当では、当社の方針にマッチした方の採用を進めていますが、目標の800名を超える方に入社いただける見通しが立っています。

2018年からリファラル採用を推進し、累計採用数300名を突破──文化として根付くような仕組みづくりのためMyReferを導入

次に、リファラル採用について伺います。2018年からリファラル採用を積極的に推進されていますが、当時取り組んでいた採用手法とリファラル採用の導入を決めた理由を教えてください。

松村氏:

以前はエージェントとの連携や、イベント開催やホームページからの直接応募など、主に転職顕在層の方の採用を進めていました。しかしそれだけでは、当時必要だったAI人材にリーチできないという課題があったのです。
そこで、転職潜在層にアプローチすべく様々な採用手法を取り入れることにしました。その一つがリファラル採用です。富士通には社員が多数いるため、その人材ネットワークを活用したいと考え、リファラルに注目をしました。

MyReferの導入を決めた理由をお聞かせください。

松村氏:

リファラル採用の導入を決めた当時は富士通の社員全体に「自分が採用するんだ」という文化は根付いていませんでした。当時は私も営業職として現場にいたのですが、正直なところ採用は人事がするものという認識だったのです。そうした現場に対して堅苦しくリファラル採用制度を導入しようとしても、受け入れられないでしょう。現場に文化として根付かせるためには、紹介しやすい仕組みや風土をつくることが必要です。そこで、転職潜在層に富士通の人的ネットワークを使ってアプローチができ、かつ社員が取り組みやすい仕組みとして、アプリで簡単に紹介ができるMyReferの導入を決めました。

富士通様はリファラル採用で顕著な成果を創出されており、これまで累計300名が入社されました。約5年間取り組むなかで感じたリファラル採用の良い点を教えてください。

長谷川氏:

内定承諾率が高いことです。当社では9割以上となっています。やはり、仕事内容や魅力、メリットやデメリットも併せて、現場の社員がリアルな富士通の姿を届けているからこそ、承諾率が高いのだと思います。これはリファラル採用ならではの良い点ですね。

松村氏:

また、社員の口コミによるブランディングは、リファラル採用の大きな魅力です。会社としての情報発信ではなく、社員一人ひとりが友人・知人に語ることで、良い面も悪い面も深く知っていただくきっかけになると思います。その結果、富士通の変革などに共感いただいた方など、よりマッチング度が高い方に応募していただくという結果につながっています。

採用ブランディングの観点で、着飾ってアピールするのではなく、正しい姿を伝えることの重要性が叫ばれています。社員の方とその友人・知人という前提の関係性があるからこそ、包み隠さず話すことができますよね。

松村氏:

その通りです。悪い面というのはなかなか公には発信しにくいのですが、友人や知人に対しては砕けた形で話せるため、正しい情報を提供しやすいと思います。また、情報を受け取る側も、自分の知り合いからの話ならば正しく伝えてくれているのだという信頼があります。

長谷川氏:

入社後のアンケートを取ると、やはりリファラル採用の方は「入社前後のギャップが少なかった」という方が非常に多いです。それは、社員がリアルな情報を伝えてくれるからこそだと思います。

リファラル採用の推進にあたっての取り組みを教えてください。

長谷川氏:

まず社内施策では、実際にリファラル採用に取り組んでくれた社員のインタビューを記事化し、それを全社サイトのトップに掲載しています。それに紐づき、取り組みやすいきっかけづくりとして、特典付きの期間限定キャンペーンも走らせています。「うちの会社でこういうキャンペーンをしていて」と、友人・知人に話すきっかけになっています。

社外に対しての情報発信としては、リファラルで入社した方へのインタビュー記事を新たに創ろうと考えています。アンケートを取ってみると、応募した多くの方は採用サイトのリファラルページを読み込んでいらっしゃいます。事例紹介も加えて拡充していけば、応募する方の不安を払拭できますし、社外へのアピールにつながると考えました。

富士通様にリファラル採用で入社した社員のインタビュー記事が公開されました。詳しくはこちらをご覧ください。

また、新卒リクルーターを当社では任命しており、今年度は1万人に協力依頼をしました。その新卒リクルーターへのメールに、「富士通では新卒だけではなくキャリア採用も進めている。リファラルリクルーターとしてもぜひ活動して欲しい」という内容を入れて発進しています。これをきっかけに、かなりの数の社員がMyReferのアプリをダウンロードしてくれ、リファラル活動の拡大につながっているのです。このように、全社を巻き込むような取り組みを進めています。

若手からミドル、シニア層など幅広い社員からリファラルが生まれ、エンゲージメント向上にも寄与

リファラル採用を推進して約5年になりますが、定性・定量での成果を教えてください。

長谷川氏:

初年度はリファラル採用での採用数が20名弱でしたが、翌年には倍増し、昨年は80名を超えました。今年は120名を目標にしていますが、達成が見えています。前回のキャンペーンも好評で、キャンペーン期間の採用数としては過去最高値の30名を記録しました。

松村氏:

また、社員の意識が高まり、リファラル採用の文化が醸成されつつあると思います。TalentXの皆様に各種データをもとにしたキャンペーンの打ち方を相談しながら進めているからこそ、参加してもらえる社員数、応募数も増えていき、その精度も高まっているのでしょう。そうした様々なことが組み合わさり、成果が積みあがっています。
リファラル採用ではマッチング度の高い方に入社いただけています。つまり会社にとってはリファラルで入社した社員が増えるとすぐに活躍を頂ける非常に頼もしい戦力となるため、今後も数を増やしていきたいですね。文化が醸成されつつあるからこそ、社員の人的ネットワークで成果が出るという期待値も高まっています。

社員の反応など、リファラル採用を始めた当初と現在で変化を感じることはありますか?

長谷川氏:

以前の社員紹介は、ごく少数の即戦力人材が入社する特殊な採用ルートでした。しかしリファラル採用導入後は、若手からベテランまで幅広い層の社員が活動に参加してくれるおかげで多様な人材の入社に繋がっています。年代を問わずみんなが取り組みやすくなったことは、応募者の幅広さや数の増加からもわかります。

松村氏:

エンゲージメントは、全社員の平均よりもリファラル採用で入社した社員の方が高くなっています。つまり、リファラル採用の数がこれからさらに増えていくと、各チームや部署、そして全社のエンゲージメントが必然的に高まっていくと期待しています。

リファラル採用の社内アンケートやエンゲージメントの計測をしている企業は、まだそれほど多くないと思います。どのようなことをされているのでしょうか。

松村氏:

エンゲージメントサーベイの設計は、私たち人材採用センター以外の部署で行っています。私たちはその部署と連携しながら、リファラル採用の観点で必要となるエンゲージメントのデータを見て、リファラルの活動に活用をしています。

長谷川氏:

また、社員が何を求めているのかを探るために、リファラル採用に関するアンケートを行っています。今回は、入社3~4年目までに広げ、140名ほどに協力してもらいました。そこでヒアリングした声をもとに、次の企画に組み込んでいます。

アンケートの回答率も高く、「ここがやりにくい」「ここは良くない」など率直な意見を書いてくれます。だからこそ、次のキャンペーンで足りないことを補うような企画を出しやすいです。先ほどお話ししたインタビュー記事の作成も、アンケート結果をもとに生まれた企画です。

キャリア採用の目標が800名と倍増するなか、転職潜在層へのアプローチを強化し、自社採用力を高めていく

今後の取り組みについては、どのようなことを考えていらっしゃいますか?

松村氏:

社内にリファラル採用は根付いてきているものの、まだ全員に浸透しているわけではありません。裏を返せば徐々に土台はできており、まだまだ伸びしろがあるということです。リファラル採用の認知を広げ参加する社員を増やすことが中心となるフェーズから、より参加社員がリファラル採用を活用しやすくして応募いただく方を増やすことが中心となるフェーズに移っていきます。

長谷川氏:

少し前までリファラルについて全社に広く伝えていましたが、現在は本部ごとに担当者が説明会を開催したり、人事が直接現場の方に説明する場を設けたりと、変わりつつあります。今後もそうした取り組みを進めていきたいですね。

松村氏:

現場と連携を密にして巻き込んでいくことは大切ですね。採用全体において、以前のように人事が採用した人材を現場に配置するということではなく、現場と人事が一体となって採用していくというアプローチに変わりつつあります。リファラル採用もその一環として、現場と私たちが連動して進めていく文化が、昨年から少しずつ生まれていると感じます。今後も、現場と連携を深めながら、よりリファラルを浸透させていきたいです。

またアンケートでわかったことですが、現場の担当者からすると「リファラルの成果が評価につながっていないため、活動をしていいのだろうか」と不安に思う気持ちもあるようです。それを受けて、今後は上司がしっかりと「大切な採用活動のひとつである」と発信してもらうようにしていこうと思います。上司が自らリファラルを進めれば、部下も安心してリファラルに取り組めますから、管理職への働きかけも今以上に推進していきます。

最後に、採用全体の展望について教えてください。

松村氏:

転職潜在層へのアプローチが重要だと思っています。背景としては、富士通のキャリア採用は過去の400名から800名と倍増し、今後はもっと増やす予定です。しかし転職市場はどんどん活性化して採用に積極的な会社間での競争が激しくなっていますし、VUCAの時代でテクノロジーも進化していき、それに合わせて当社のビジネスも変化し、求める人材像も変化していくため、採用も変化しなければなりません。従来の常識に捉われず、変わり続ける人材像にタイムリーにアプローチすることが非常に大切だと考えています。
そのためには、富士通全体の採用力を高めることが必要です。社員は一人ひとりが会社の顔であり、世の中の変化に適応していかなければ会社として成長はできません。だからこそ今後もエージェントと連携しながら、リファラルやダイレクトスカウト、タレントプール経由でのアプローチなど、多様な手法を柔軟に活用し、変わりゆく世界に対応していきたいです。

編集後記

リファラルを堅苦しい人事施策ではなく、現場も巻き込む取り組みとして根付かせ、文化の醸成を進める富士通様のインタビューをお届けしました。2018年にスタートしたリファラル施策は、キャンペーンなどを有効に活用しながら着実に現場に浸透し、累計採用300名を突破。現在では幅広い年齢層や職種の社員がリファラルに取り組み、会社のビジョンや事業にフィットした人材の採用が進んでいます。
現場にも採用の意識を浸透させ、リファラル採用を効率的に進めたいという方は、ぜひTalentXにご相談ください。

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