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2025.12.15更新

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なぜ、JA三井リースのリファラル採用は形骸化しないのか? 人的資本経営の核となる「想いの伝播」と本質的マッチング

「入社後のカルチャーギャップによるミスマッチを減らしたい」「自社の魅力を候補者へ正確に伝えたい」多くの企業の人事担当者が、このような課題に頭を悩ませているのではないでしょうか。さらに、人的資本経営への注力が高まる昨今、候補者と企業の質の高いマッチングは、企業の持続的な成長に不可欠な要素です。

そうした中、リファラル採用を単なる採用手法の一つではなく、人的資本を活かすための戦略的採用施策の1つとして位置づけ、本質的なマッチングと組織強化を実現しているのが、JA三井リース株式会社様(以下、「JA三井リース」)です。

今回は、同社の人材開発室長の岡田 藍 氏と、人材開発室の大庭 康介 氏にお話を伺いました。本記事では、リファラル採用サービス「MyRefer」を活用したリファラル採用によって創出される、企業経営や組織文化醸成への価値、リファラル採用を採用ブランディングやエンゲージメント向上につなげるための実践的なヒントが得られるはずです。

JA三井リース株式会社

・従業員  :724名
・事業   :賃貸事業、割賦販売事業、各種ファイナンス事業、その他付帯事業
・取材対象者:人事総務部 人材開発室 室長 岡田 藍 氏
      人事総務部 人材開発室 サブリーダー 大庭 康介 氏

社員の「想い」を乗せて伝播していくリファラルこそが、人的資本を最大限に活かす要

貴社のリファラル採用は、経営戦略の中でどのように位置づけていらっしゃいますか
岡田氏:
当社は「Go for it!」をスローガンに掲げ、挑戦を当たり前とする社風へのさらなる進化を目指し人的資本経営を進めています。その持続的な成長に向けて、人の資源を最大限に活かす手段こそが、リファラル採用であると考えています。単なる採用手法の1つとは捉えておらず、人と人とのつながりを広げ、そこに会社の「想い」を乗せながら展開していくために不可欠な取組みです。

「会社の想いを乗せる」というお話ですが、社員の皆様が自信を持って知人を紹介できる、その土壌はどのようにして築かれているのでしょうか。

岡田氏:
当社の文化の土台となっている企業理念「Real Challenge, Real Change」は、社員が集まって考え、自分たちの想いを言語化したものです。策定当初から誰かに押し付けられたものではなく、社員の心の中にずっと存在する「拠り所」のような存在になっています。何か判断に迷ったときに立ち返る指針であり、社員の心の土台になっているこの「想い」をつなげる手段として、リファラル採用は非常に重要だと考えています。

リファラル採用を通じて、具体的に貴社のどのような想いやカルチャーを届けていきたいですか。

岡田氏:
社員それぞれが感じている会社の良さは年齢や立場で異なるため、特定のメッセージを押し付けるつもりはありません。ただ、会社の文化を自身の言葉や姿勢でしっかりと伝えてもらえたら嬉しいです。当社には、企業理念のとおり「挑戦を後押しするカルチャー」があります。そのうえで大事なのは、社員一人ひとりが自分の考えを持ち、それを臆せず伝えられる環境です。もちろん、すべての意見が必ず認められるわけではありませんが、まずは受け止められ、尊重されることが大切だと考えています。

当社は数年前より中途採用を本格化させており、今後より多様性を重視する中で、多様な人材がそれぞれの考えを発信し、それが尊重される環境であることは、リファラル採用を通じて伝えていきたい点です。

ミスマッチ解消に留まらない、入職後のエンゲージメントや社員の成長にも貢献するリファラル採用の価値

採用における大きな課題として「ミスマッチ」が挙げられます。リファラル採用はこの課題にどう貢献するとお考えですか

岡田氏:
採用は単なるスキルや業務のマッチングではなく、「誰と働くのか」価値観や思考のマッチングが極めて重要です。リファラル採用は、社員自身がともに働きたい相手と想いを共有し合うことから始まる、まさに価値観のマッチングが実現できることが強みです。

大庭氏:
紹介してくれる社員を信頼しているからこそ、その社員が一緒に働きたいと思う方であれば、我々の理念に近い考えをお持ちのことが多いと期待できます。「社員への信頼が、その紹介者への信頼にもつながる」という側面もありますね。実際にリファラル採用で入社された方は組織へのフィットが早いと実感しています。

入社後の定着という観点ではいかがでしょうか。

岡田氏:
そこも大きなメリットの一つです。中途入社者の中には、入社後に孤独を感じてしまう方も少なくありません。リファラル採用では、入社直後から些細な悩みを共有できる紹介者がおり、この存在が、入社後に起こりがちな孤立や悩みの蓄積を防ぎ、早期離職のリスクを低減させると考えています。

採用だけでなく、社員の皆さんにとってもリファラル採用はどのようなメリットがあると思いますか

岡田氏:
リファラル採用によって、社員自身も採用活動に携わっているという当事者意識を持つことができます。これは、社員一丸となって会社づくりを考えていく貴重な経験につながります。加えて、自分が紹介した方の活躍を見れば、大きな喜びを感じるはずです。当事者意識をもって何かを創り出すという体験は、社員のモチベーション向上や成長にも影響し、自分自身をさらに高める良い機会になるのではないでしょうか。リファラル採用が自身の成長への第一歩になる、そう感じてほしいと期待しています。

大庭氏:
部署や役職、在籍年数を問わず誰もが取り組めるアクションこそが、リファラル採用です。会社の取り組みを身近に感じ、自分ごととして捉えるきっかけになれば嬉しいですね。

社員参加率51%の秘訣―「人間味」と「強制しない」巻き込み術

「MyRefer」を導入されて1年で社員の「MyRefer」ログイン率が51%と、導入企業の平均よりも高い数値を記録されていると伺いました。社員の方々を巻き込む上で、何か秘訣があるのでしょうか。

岡田氏:
例えば、社員に送る告知メールの配信時間にこだわっています。12時台のお昼休憩の時間帯など、社員が少し手を休めてメールチェックしやすいタイミングを狙っています。

大庭氏:
メールの文章も、いわゆる「広告っぽさ」や一斉送信の印象を出さないように、人事担当者の顔が見えるような、手作り感のある文章を心がけています。「人事が頑張っているな」と感じてもらうことで、少しでも見てみようという気持ちになれば…と考えています。紹介ノルマも特に課しておらず、「良かったら紹介してね」というスタンスを意識しています。この強制していない点が、社員に素直に受け入れてもらえた一番の理由かもしれません。おかげさまで、「リファラルって何?」という段階から、「JA三井リースはリファラル採用に注力している」という社員の認識変化につながっていると感じます。

リファラル採用の第一歩は「どんな人と働きたいか」を考えること―社員が会社の「語り部」になることが最強の採用ブランディング

リファラル採用を通じて、会社として最終的にどのような価値を生み出していきたいか、今後の展望をお聞かせください。

岡田氏:
採用人数の達成も重要ですが、それ以上に、「リファラル採用」を組織がより良くなっていくためのきっかけにしたい、という想いが強いです。社員が誰かを紹介する際、必ず自分の言葉で自社のことを語ります。その経験こそが、社員の当事者意識を育み、組織を強くしていくと信じています。そうして社員が自社の“語り部”になることが、どんな採用サイトよりも強力な採用ブランディングになると信じています。最終的には採用を、人事任せではなく「会社の未来を社員みんなで創っていく」という文化を醸成していきたいです。

大庭氏:
今回「MyRefer」を導入し制度やシステムを構築・体系化したことで、エージェント経由に加えてもう一つの強力な採用手法の柱として確立したいです。そのためにも、社員に広く周知し、社外の人と会った時に「そういえば、うちの会社に合うかもしれない」と自然に想起してもらえるくらい、意識の中に根付いてもらうことが重要だと考えています。

最後に、リファラル採用をともに進める社員の皆さまへメッセージをお願いします。

岡田氏:
リファラル採用は単なる紹介活動ではありません。「誰と一緒に働きたいか」を考え、その想いを共有することから始まります。
ぜひ、身近な人を思い浮かべながら、「この人となら一緒に挑戦できる」と感じる方を探してみてください。その一歩が、会社の成長を支える大きな力になるのではないかと思います。
自身の価値観や当社の理念に共鳴する人材を思い描き、その想いを自らの言葉で伝えることが、質の高い採用につながるのではないかと思いますし、結果としてリファラル採用につながっていけば良いと考えています。

編集後記

JA三井リース様への取材を通じて、リファラル採用が単なる採用チャネルの一つではなく、経営や組織づくりの要であることをお届けしました。特に、多くの企業が課題とする「社内浸透」の鍵は、社員が参加しやすい仕組みづくりと、「誰と一緒に働きたいか」を会社全体で考える文化づくりであることを再認識するインタビューでした。

自社の採用課題に対し解決策を知りたい、戦略的なリファラル採用の仕組みづくりや効果的な推進方法についてご関心のある採用ご担当者は、ぜひ一度TalentXにご相談ください。貴社の事業特性や組織課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

JA三井リース様も語られていた従業員エンゲージメントとリファラル採用の関係性について、詳しく知りたい方はこちら
記事URL:https://mytalent.jp/lab/ex_referral/

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