「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する。」を経営理念に掲げ、交流創造事業を展開する株式会社JTB。同社は急速なデジタル化やパンデミックによる外部環境の変化を受け、旅行業から交流創造事業への事業変革を推進しています。
ダイナミックな事業変革とリブランディングを実施する中、人財を持続的な価値創出の源泉と捉え、人的資本経営に取り組んでいます。
その一環として、「MyRefer」「MyTalent」を導入して、リファラル採用やタレントプール構築といった潜在候補者にアプローチする取り組みをスタートしています。今回は、人事チーム 小倉氏・伊沢氏・山本氏にインタビューを実施し、採用変革を推進している背景や取り組み、今後の展望について伺いました。
※記事内容は2024年10月時点のものです。
株式会社JTB
・従業員数 :11,800名(2024年10月1日現在)
・事業概要 :交流創造事業
・取材対象者:
人事チーム グループリーダー(求人担当) 伊沢氏(左)
人事チーム 求人担当マネージャー 小倉氏(中央)
人事チーム グループリーダー(求人担当) 山本氏(右)
中期経営計画に紐づいた人財戦略を掲げるJTB──ドラスティックな事業変革を加速させるため、キャリア採用を強化
まず、貴社の事業概要と戦略を教えてください。
小倉氏:
JTBは「旅行の企画・販売」というイメージを超え、さまざまな分野で新しい価値や交流を創造する「交流創造事業」を事業ドメインとして定義しています。
「交流創造事業」とは、JTBならではのソリューション(商品・サービス・情報および仕組み)の提供により、地球を舞台にあらゆる交流を創造し、お客様の感動・共感を呼び起こすことです。
次に、人財に対する考えと求める人物像を伺えますか。
伊沢氏:
JTBは無形商材を扱っているため、持続的な価値創出の源泉は「人財」であり、社員の成長・活力が企業グループ及び各事業の成長・飛躍・変革を支えるものだと考えています。
※JTBでは、“人材”は「企業や組織の成長を支える財産となる大切なリソース」であるという意思を込め、“人財”と表記しています。
求める人物像は「ONE JTB Values」に心から共感し、グループ経営方針を体現できる「自律創造型人財」です。また、「自律創造型人財」として自己成長し続けることや価値を作り出すことに加えて、社員のデジタルの基礎力向上や外部からのデジタル人財の採用といった、JTB全体としてDX化を加速させる戦略も掲げています。
キャリア採用の採用方針や採用目標を教えてください。
山本氏:
これまでは新卒一括採用をメインにキャリア採用は欠員・要員補充に留まっていましたが、キャリア採用を2023年から強化しています。
現状はまだ新卒採用の割合が多いですが、中長期的には新卒/キャリア比率が50%ずつになるように計画を立てています。
JTB様は就職企業人気ランキングでも上位に入っており、新卒採用で多くの応募が来ると思いますが、そうした状況下でキャリア採用を推進される背景は何でしょうか?
小倉氏:
大きくふたつあります。ひとつは時代の変化で、事業成長に貢献する即戦力人財を外部からも積極的に採用することが求められています。
もうひとつは、少子化により新卒学生が減少する中、外部環境に応じて人気度が変動しやすいツーリズム業界で、現状維持を続けるだけでは我々が考える優秀な学生を採用できなくなるという危機感です。今は計画通り採用できていますが、キャリア採用ではJTBのブランドは十分に認知されていないので、今のうちからキャリア採用に取り組まないといけないと考えています。
自社採用力を強化するために「Myシリーズ」を導入して、リファラル採用とタレントプール構築をスタート
キャリア採用において、これまでの採用施策と課題について教えてください。
小倉氏:
これまで人材紹介(エージェント)、自社ホームページ、ダイレクトリクルーティング経由で採用していましたが、外部サービスを活用した採用だけではコストの折り合いがなかなかつきませんでした。
今後キャリア採用を強化することも考えると、JTBが自身の力で優秀な人財を獲得できるように採用活動を変革する必要があると感じていました。その取り組みの一環として今回、リファラル採用とタレントプール構築をスタートしました。
そのなかで「MyRefer」と「MyTalent」を導入した理由を教えてください。
小倉氏:
転職潜在層の人数が年々増えているとよく聞く一方で、社員の友人や内定辞退者、キャリア登録などの転職潜在層に対して、どのようにアプローチしたら良いのかわからなかったので、PDCAを回せるシステムと豊富な知見に基づいてコンサルティングいただける点が魅力的でした。
伊沢氏:
リファラル採用とタレントプール構築をスタートするとなった時に「Myシリーズ」というひとつのプラットフォーム上で連携できる点は非常に便利だと感じました。例えばリファラル採用で辞退となった候補者をそのままタレントプールに移行してナーチャリングできるというのは「Myシリーズ」ならではだと思います。
山本氏:
転職潜在層にもさまざまな属性がありますが、「MyTalent」では各属性に合わせて個別アプローチや一人ひとりをスコアリングして興味度合いを可視化できる点が非常に良いと感じました。これまで「採用はタイミングやご縁だから仕方ないよね」で終わってしまっていたことも多いですが、入社意向が高いタイミングを検知することができれば機会損失を防ぐことができます。
多様な個性が輝き、新たな価値を作り出すために。転職潜在層とつながり続ける持続可能な採用へ変革を進める
「MyRefer」「MyTalent」導入後の取り組みと今後の展望を教えてください。
伊沢氏:
「MyRefer」はツールが使いやすく気軽に紹介できることもあり、初動としては良い成果が出ていると感じています。また、リファラルの際に候補者の紹介文をいただくことも多いですが、その人の客観的な魅力も伝わってきます。
JTBは社員が1万人以上もいて、社員とつながっている人は魅力のある方々が多いと思いますので、新しい採用の柱になっていきそうだと感じています。自分たちが優秀な人財を採用して良い会社を創っていくという意識を根づかせるきっかけにもなると思います。
12月からの社員全員への展開に向けて、リファラル採用の波を全社一丸となって起こしていきたいです。
山本氏:
「MyTalent」ではキャリア登録をスタートしていますが、自社ホームページの改修を予定しているので、取り組みの認知拡大とキャリア登録への流入数を増やしたいと考えています。また、運用年数を重ねていけば転職潜在層のタレントプール数が増えるので、タレントプールの属性やスコアリングに合わせて戦略的にアプローチをしていきたいです。
採用変革の取り組みについても、今後の展望を教えてください。
小倉氏:
先ほども少しお話しましたが、まずはキャリア採用を加速させるにあたり、新卒採用とキャリア採用の比率が50%ずつになるように目指しています。また、通年で多様な業界から多様な人財が入社するようなキャリアの流動性を担保していきたいと考えています。
加えて、外部からの人財を採用するということは新しい気づきを得るきっかけにもなります。そうした観点で多様な個性が輝き、新たな価値を創り出していくDEIB (Diversity, Equity, Inclusion, Belonging)が推進されるきっかけにもなると考えます。
編集後記
旅行業から交流創造事業へダイナミックな事業変革とリブランディングを実施する中、自社採用力を強化するため、リファラル採用やタレントプール構築をスタートしている株式会社JTB様のインタビューをお届けしました。
「Myシリーズ」を活用して、リファラル採用やタレントプール構築など、潜在候補者にアプローチする採用マーケティングを推進したい採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声がけください。