日本最大級の総合エネルギー事業グループである、関西電力株式会社様。エネルギー新時代の中で、ゼロカーボンエネルギーや国際事業、そして新規事業など、挑戦を続けていらっしゃいます。そうした背景から、同社はキャリア採用を本格化させ、従来の同社にはいないタイプの人材や、新たな取り組みを推進できる人材など、多様性を推進しています。そして、2021年から新たにリファラル採用を導入。まずは本社からトライアルを行い、この10月下旬より全社展開に踏み切りました。今回は、同社の採用戦略やリファラル採用導入の背景、MyReferの活用方法などについて、人財・安全推進室 採用グループ 福嶋 悠大氏と、露峰 佑太氏にお話しを伺いました。
関西電力株式会社 | |
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職員数: | 8,633名(グループ全体:31,963名) |
事業概要: |
電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業 等 |
人財・安全推進室 採用グループ リーダー 福嶋 悠大 氏(右) | |
人財・安全推進室 採用グループ 露峰 佑太 氏(左) |
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前年比2倍・70名のキャリア採用を計画──多様性を推進し、事業の可能性を広げる
まずは、貴社の事業内容と採用方針についてお聞かせください。
福嶋氏:
関西電力は、電力事業を中核とする、日本最大級の総合エネルギー事業グループです。2021年に「ゼロカーボンビジョン2050」を策定し、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動全体でCO2排出をゼロにすることを目指しています。具体的には、再生可能エネルギーの導入や、水素に関する事業の推進などに取り組んでいます。また、エネルギー事業のみならず、情報通信事業や生活ビジネスソリューション事業など、幅広い事業を展開していることが強みです。
次に採用方針に関してですが、2023年度は全体で470名の採用目標を掲げています。このうちキャリア採用は70名で、前年比の2倍です。キャリア採用を倍増させる背景としては、多様性の推進があります。関西電力はもともと新卒採用の割合が非常に大きいのですが、キャリア採用を拡大することで社内だけではなかなか培えない文化やスキルを積極的に取り入れ、企業としての可能性を広げていきたいと考えています。
キャリア採用においては、どのような人材を求めていますか?
福嶋氏:
多様性を推進するという背景があるため、型にはまった人物像を描いてはいません。事業を拡大し、未来を切り拓いていくために、新たな価値やサービスの創造ができる方に、ご入社いただきたいと考えています。関西電力に染まらずに新たな風を起こし、他の社員や組織に良い影響を与えることができる方に、ご活躍いただけると思います。
リファラル採用導入前は、どのような採用手法を取られていましたか?また、キャリア採用で感じていた課題を教えてください。
福嶋氏:
採用手法としては、エージェントが一番大きなシェアを占めていました。他に、ホームページからの直接応募もあります。2022年4月、キャリア採用のホームページを一新しました。キャリア採用で入社した社員のインタビュー記事などコンテンツを充実させ、関西電力に興味を持っている方に、会社の魅力をより知っていただけるようにしています。その結果、ホームページ経由での応募が増えています。
課題については、採用人数を倍増させるために、キャリア採用へ取り組む当社の姿勢をお伝えし、応募者をさらに増やす必要があると考えています。当社は新卒採用中心のイメージをお持ちになる方も多いかもしれませんが、キャリア採用にも積極的な会社だと自負しています。これからキャリア採用の応募を増やすためには、「関西電力がキャリア採用を本格的に推進している」ことを、分かりやすく発信していかねばなりません。
採用目標が倍増するなか、既存の形式にとらわれない新たな採用手法として、リファラル採用導入を決定
リファラル採用の導入を決めた背景や、期待することを教えてください。
福嶋氏:
応募数を増やして採用人数を倍増させるには、既存のやり方にとらわれず、新たな手法を取る必要があります。そのため、リファラル採用の導入を決めました。
大きな目的は関西電力に関心を持っていただき、キャリア採用の門戸を叩いていただくことですから、まずはリファラル採用で応募が増えることを期待しています。またリファラル採用が転職エージェントや採用ホームページと言った採用手法と大きく異なるのは、転職潜在層にもリーチできることです。例えば友人と飲み会をしている時、ゴルフに一緒に行った時などに、何気なく「関西電力もこんな事業をやっているんだ」という話になり、チャレンジしてみようという気持ちを呼び起こすことができたら嬉しいです。
露峰氏:
実際に、これまでリファラル採用で入社した社員の中には、「当時は転職活動をしていなかったけれど、友人と話すうちに関西電力の事業や取り組みを知り、応募した」という人もいます。まさに、それがモデルケースですね。
リファラル採用を推進するにあたり、MyReferを導入いただいた理由を教えてください。
福嶋氏:
これまでリファラル採用は特に制度として設けておらず、社員から個別に「友人を紹介したい」という相談が寄せられた時に対応していた程度でした。これからリファラル採用を制度として本格的に推進するには、しっかりと社員に広報し、システマチックに紹介できる導線を設計する必要があると考えていました。MyReferは、リファラル採用に必要な機能がしっかりと揃っています。ワンタッチで求人を紹介できるなど、使いやすいツールだと感じて導入を決めました。
本社限定でトライアルを実施し、新規事業のハイタレント人材などを採用──10月下旬からは全社約17,000名へ展開
導入当初は、どのようにリファラル採用やMyReferを展開しましたか?
福嶋氏:
まずは2021年度、関西電力本社ビルに勤務する約4,000名の従業員に限定して、トライアルを行いました。
露峰氏:
当時、私は本社の別事業部に在籍していましたが、その頃は当社の採用戦略のことを深く知らず、新卒中心だというイメージを持っていました。そのため、リファラル採用のトライアルは、関西電力がキャリア採用に力を入れ始めたことを知る機会になりました。また、自分の友人・知人を紹介できるリファラル採用というスキームがあることも初めて知りました。「こういうキャリア採用の方法があるんだな」という印象でしたね。
福嶋氏:
確かに、社員がリファラル採用に興味を持ってくれた印象があります。トライアルスタート後、社内から「新しいことを始めたんだね」と何度か声を掛けられました。そこから定期的に情報発信をして、徐々にMyReferの登録や紹介が増えていったのです。何名か採用の実績も上がってきたため、2022年10月下旬からは展開範囲を広げて、約17,000名に全社展開することになりました。
どのような方が、リファラル採用で入社されたのですか?
福嶋氏:
一例では、新規事業で活躍する、ハイタレント人材が入社しました。その社員は、もともと特に転職を考えていなかったそうですが、関西電力の社員と学生時代の先輩・後輩の仲で、会った時にたまたま「こういう事業をやりたいと思っている」と話をしたところ、「それ関西電力でやっているよ」という話になり、紹介につながったそうです。まさしくリファラル採用制度があったからこそ、応募・入社につながった事例だと思います。
露峰氏:
他にも、キャリア採用で入社した方が、友人・知人に声をかけて紹介につながる、「キャリア to キャリア」といったリファラルの広がりを感じるエピソードも増えています。
リファラル採用を進めるにあたり、工夫していることを教えてください。
福嶋氏:
まずは、社員に友人・知人を紹介しようと思ってもらわなければ紹介につながらないため、情報発信については工夫しています。例えば、定期的に情報を配信するなど、リファラル採用を日頃から印象づけ、ふとした時に思い出してもらえるような仕掛けをしています。理想としては、同窓会などで仕事の話題になった時に、リファラル採用について話してもらうことです。そういった事例が1件でも多くなることを目指して取り組んでいます。
露峰氏:
リファラル採用のことが頭の片隅に残っていることが大切だと思います。社員が業務のなかで自社の採用ページを開いて、募集しているポストを知る機会はほとんどありませんよね。そのため、「今どんなポストを募集しているのか」が分かるよう、求人情報も発信しています。例えば、「再生可能エネルギーに携わるポストを募集しているんだ」ということを頭の片隅に置いてもらっていれば、友人・知人とその話題になった時にすぐに話すことができるからです。
トライアルの実施から、どのような経緯で全社展開が決まったのですか?
福嶋氏:
トライアルで採用実績が出れば、その先に全社展開ということは、当然視野に入れていました。実際にトライアルで数名の入社につながったため、さらなるキャリア採用拡大に向けて全社展開を決めました。
紹介したくなる組織・職場づくりでファンの輪を広げる──リファラル採用を通じて、多様な人的ネットワーク構築による組織力向上も
リファラル採用の今後の展望について、教えてください。
福嶋氏:
いよいよ、10月下旬から全社展開です。まずは多くの社員に登録・紹介してもらい、リファラル経由で入社する方を増やすことを目指しています。また、リファラル採用での入社が増えると、人と人との繋がりが社内に広がっていきます。そういった人的なネットワークがたくさん生まれたら、理想的ですね。
露峰氏:
社内に知り合いがいることは、心強いですよね。リファラル採用の取り組みを通じて多様なつながりができれば、社内が活性化するはずです。それは結果として、組織の強さにもつながると思います。
人事や組織づくりにおける、今後の展望もぜひ教えてください。
福嶋氏:
リファラル採用に紐づけてお答えすると、社員が「関西電力で一緒に働こう」と友人・知人に声を掛けたくなるような組織・職場づくりも大切にしたいです。気に入ったものを人に紹介したいという想いは、人間心理としてあると思います。だからこそ、社員にそういう想いを持ってもらい、結果的にリファラル採用につながるような環境づくりに取り組みたいですね。
露峰氏:
リファラル採用は、関西電力が多様な人材を増やしていく上での一つの手段としての位置付けであり、社員に紹介を強要するものではあってはならないと思います。まずは社員に気軽に登録してもらい、「関西電力ってこういう領域に注力して人材を募集しているんだ」、「こんな風にキャリア採用に力を入れているんだ」と、会社の動きに興味を持つきっかけを提供することが大切です。そして、「自分も良い人がいたら紹介してみようかな」という気持ちで応援してもらい、その輪が広がっていけばいいなと思います。
編集後記
変化の激しい時代において、関西電力様に限らず多くの企業がこれまでにない姿の長期ビジョンを掲げ、新規領域にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。そうした中、既存社員とはタイプの異なる人材を採用する動きも活発になっています。そこで、従来の方法にとらわれない新しい採用手法として、リファラル採用は非常に効果的です。実際に関西電力様も、リファラル採用を通して新規事業のハイタレント人材を獲得するなど、成功事例が生まれています。
リファラル採用の導入により、組織の活性化を目指す方は、MyReferにぜひお声掛けください。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。