施工不備問題を乗り越え、「社員が主役」のボトムアップ経営へと大きく舵を切ったのが、株式会社レオパレス21様(以下、レオパレス21)です。さらなる企業成長が求められる中、採用においては、より多くの方に新たな企業ブランディングや変わらない魅力を届けていく必要があります。
その重要な鍵として、社員や元社員が会社の魅力を発信するリファラル採用・アルムナイ採用を強化するため、レオパレス21では「MyRefer」「MyTalent」を導入しています。
今回は、人事部 人材採用グループ 吉野 智子氏・音 政彦氏にその裏側と展望を伺いました。

株式会社レオパレス21
・従業員 :連結3,909名、単体2,723名(2025年3月31日現在)
・事業 :アパート・マンション・住宅等の建築・賃貸管理及び販売
リゾート施設の開発・運営、ブロードバンド通信事業、介護事業 他
・取材対象者:人事部 人材採用グループ グループマネージャー 吉野 智子氏
人事部 人材採用グループ 本店 キャリア採用課 マネージャー 音 政彦氏
過去の困難を乗り越え「社員が主役」を目指し、現場の主体性を重視した人的資本経営

貴社の事業内容と、人的資本に対する考えをお聞かせください。
音氏:
当社は全国に54万戸の単身向けワンルームアパートを管理し、建築から管理まで一貫して手がける総合不動産会社です。その他にもシルバー事業や、グアム島にリゾート事業なども展開しています。
吉野氏:
当社では「社員が主役」の会社を目指し、ボトムアップで経営する方針を掲げています。社員一人ひとりが主体性と熱意をもって会社を動かしていける人材が必要ですし、採用と育成それぞれの観点で取り組みを行っています。
育成では、次世代リーダー向け研修などの研修を通じて「ポータブルスキル」等どの組織でも通用するスキルを身につけていただけるような教育体制を敷いています。昨年からは若手で意欲や能力がある方を管理職登用する「レオレボ」という取り組みもスタートし、自ら手を挙げてチャレンジする機会を設けております。
社員の主体性を重んじる経営を進められたきっかけを教えてください。
吉野氏:
2018年に発生した施工不備問題に遡ります。それまではトップダウン経営の色が強く、従業員も上からの指示を行うという受け身の姿勢があったのではないかと感じています。
問題発生後、深い反省とともに「会社を変えていかなければいけない」という強い覚悟で経営体制を一新し、「新生レオパレス」に向けてカルチャー変革を進めていきました。その中で大切にしていたのが、現場から挙がった「社員が主役」というキーワードです。
採用においては、採用候補者に対しどのような点を重視していますか?
音氏:
先述の通り、仕事を通じて何を実現したいかを自律的に決められ、自業務と経営を連動して考えられる方に来ていただきたいと思います。会社が目指す姿に対して「私はこれを成し遂げるんだ」と当事者意識と高い視座をもって動ける方には、日々の業務にも自信や誇り、達成感が生まれると感じております。
採用面接では、応募者の方々に過去に所属していた組織において自発的に進めたことや、他者に影響を与えたことについて必ず聞くようにしています。過去に影響を与えた行動や、自身で考えて動いた経験は、「主体性」において必要不可欠と考えるからです。加えて、「レオレボ」のキャリアアップ機会といった企業の魅力を発信することで、より良いマッチングに繋げていきたいと考えています。
会社の変化や魅力を多くの方に伝播させるために―多様な採用手法を網羅できる「MyRefer」「MyTalent」による仕組み化で企業イメージの刷新に挑む

今回「MyRefer」「MyTalent」の導入に際し、貴社で抱えていた採用課題は何でしたか?
音氏:
施工不備問題に加えて、不動産業界はハードワークだというイメージを払しょくするために、「採用ブランディング」が喫緊の課題でした。一方で、当社の経営状況の回復や働きやすさなどの良いギャップを選考過程で感じていただき、入社に繋がるケースが次第に増えていくのを感じました。実は、当社の定着率は94.1%と業界水準でも非常に高く、有休消化率も80%以上、平均残業時間も月20時間以内と、国内トップクラスの働きやすい環境が整っております。このパーセプションチェンジをさらに加速させるために、会社の魅力を広報する新たな仕組みが必要と感じておりました。
採用ブランディングを重視する中で、「MyRefer」「MyTalent」の導入を決めた決め手を教えてください。
音氏:
リファラル採用とアルムナイ採用自体は、2016年頃から「社員紹介制度」「カムバック制度」という名称で導入をしており、社員紹介採用・退職者の再雇用実績もございました。一時、制度運用を休止しておりましたが、昨年12月に施工不備問題の目途が立ったことで、今こそ全社員を巻き込みながら会社の魅力を伝えていく必要があると考え、リファラル採用とアルムナイ採用に再注力したいと考えておりました。
貴社からは、リファラル・アルムナイだけでなくさまざまな採用手法を網羅した総合的なサービスが受けられること、そしてこの数年で多くの企業実績を上げていることに魅力を感じ、導入を決定いたしました。
MyRefer」「MyTalent」の機能面で魅力に感じた点を教えてください。
音氏:
コミュニケーションの手軽さですね。これまでは社内イントラネットで人事部から情報共有をしていましたが、「MyRefer」「MyTalent」によって携帯電話で簡単に操作でき、友人や元同僚とプライベートで会った際に、社用PCを開く手間もなくLINEで共有できるのが今の時代に合っていると感じます。わざわざパソコンで会社のホームページから募集要項を探す手間がなく、その場で簡単に共有できるのがとても良いです。
「MyRefer」「MyTalent」によって、新たに見えてきた会社の変化やリアルも活かしながら、全社一丸となった採用活動をさらに加速へ
アルムナイ採用においては、「MyTalent」運用開始2か月後に2名採用が決定されたと伺いました。運用後、どのような変化を感じられましたか?
音氏:
「MyTalent」を活用してアルムナイ採用を進めたところ、驚くべき反響がありました。タレントプールに登録された約540名の退職者にアンケートを送信したところ、150名からアクションがあり、「すぐにでも選考に進みたい」という回答が30名近くあったのです。経営層ともそこまで反応がないのではと懸念していた中で、手応えを感じました。
吉野氏:
アルムナイの方の中には退職後も会社のリリースをチェックしていた方が多かったようで、当社への関心度の高さや「会社に戻りたい」という意思表示があったことに驚きました。過去に働かれていた時期から『業績』『給与』『人事制度』が改善されたことを知っていただき、働きやすさが信頼に変わり、再び一緒に働きたいと思ってもらえたのだと感じています。
リファラル採用についても実感された効果があれば教えてください。
音氏:
「MyRefer」によって、社員が自社に対して熱心に、そして熱意を持ってコメントを付けて紹介してくれていることに気づくことができました。自身が働く組織の魅力を明確に伝えて「一緒に働こう」と言い切れている状況は、少し前は想像できませんでしたが、組織に対する従業員の意識変化も少しずつ実感しています。当社は全国展開しているため、現場一人ひとりの想いをすべて汲み取ることができませんでしたが、「MyRefer」のおかげでリクルーターとしての社員の行動が可視化されたことで、リファラル採用の効果やリアルな声を知ることができました。
最後に、貴社の人的資本経営や採用に関する今後の展望についてお聞かせください。
吉野氏:
リファラル採用やアルムナイ採用は、社員にとって当社の良さを再確認し、それを自分の言語で誰かに伝える機会になり、社員エンゲージメントを高める効果もあると実感しています。だからこそ、採用は人事部だけでなく従業員みんなで取り組むものでありたいと思いますし、「社員が主役」の会社への第一歩として進めていきたいと考えています。「MyRefer」「MyTalent」を活用することで、社員一人ひとりが会社の魅力に改めて気づき、自身が勤めている会社に自信を持てるような状態を目指します。
音氏:
また、当社は今後も人的リソースが理由で事業を止めることのない会社でありたいと考えています。当社はこの数年で大きく変化した一方、業界の中で常にニュースタンダードを創り上げていくという根本的な理念を持ち続けております。経営に寄与するアイディアが人手不足で実現できないということにならないよう、人事部として今後も尽力してまいります。現在はキャリア採用だけでも数万人の応募をいただいており、有価証券報告書記載の採用目標を毎年上回っており、良いサイクルが出来てきております。今後はこの状態をより強固なものにし、国内の優秀な人材と手を取り合える状況を常につくっていきたいです。
編集後記
会社の変革に際し「社員が主役」の会社に成長させるうえで、リファラル採用・アルムナイ採用が重要であることを改めて実感しました。より透明性が高くリアルな情報を伝える採用手法として、外部の採用手法ではなく自社の採用手法を強化することは非常に重要です。
従業員を巻き込んだ採用など、新たな採用トレンドや自社課題に合った施策をお探しの採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声掛けください。
▼レオパレス21様と同様に、「MyRefer」「MyTalent」を活用した自社採用力強化を実現されているJTB様のお取り組みはこちら。
記事URL:https://mytalent.jp/lab/case_jtb/
タレントプール採用を導入するために何から始めれば良いか気になる方は、以下の「タレントプール採用の教科書」も併せてご覧ください。







