名鉄グループの中核会社として、昭和3年に運行を開始して以来、約90年にわたり地域と共に歩み続けている名鉄バス様。路線バス・高速バスの運行だけでなく、名古屋市バス営業所の管理・運行受託、自治体のコミュニティバスの運行、花火大会やお祭りなどのイベント時の大規模輸送など、様々な形で「地域の足」としての役割を担っています。
そんな「地域の足」に不可欠なのが、バス運転士の方々です。慢性的な人材不足の中、様々な採用手法を試してきたのち、最近は特にリファラル採用に力を入れています。シニア世代の方々も多いバス運転士ですが、同社ではMyRefer活用率が高く、全社で採用意識を持って取り組んでいることが特徴です。そこで今回は、人事部 入江様、西川様に、MyRefer導入の理由や、社内に浸透させるための施策、そして具体的な活用方法などについて伺いました。
名鉄バス株式会社 | |
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従業員数: | 1,711名 |
事業概要: |
旅客自動車運送事業(バス事業) |
人事部 人事課 人材開発担当 主任 入江 直美 氏(中央) 人事部 人事課 人材開発担当 事務サブリーダー 南部 大輔 氏(右) 人事部 人事課 人材開発担当 担当員 西川 空良 氏(左) |
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より多くの人にバス運転士の募集を知らせるために、MyReferを導入
まず、名鉄バス様での採用状況について教えてください。
入江氏:
主にバスの運転士を採用しています。中途採用は40代が一番多いですが、先々を見据えて若年層も採用したいと考えています。他社で経験を積んだベテランの方だけではなく、未経験者の採用も積極的に行っていて、特に未経験者に対しては大型二種免許の取得までサポートしていることが特徴です。
これまで採用についてどのような課題を持っていらっしゃいましたか。
西川氏:
慢性的な人手不足が大きな課題です。これまでは、紙・ネットの求人媒体、バナー広告、転職フェア、そしてバス運転士専門の求人媒体など、様々なチャネルを活用してきました。しかし、なかなか人を集めることが難しい状況が続いています。そのため、5年ほど前から紙を使っての紹介制度を始めていました。
紹介制度を活性化するために、今回MyReferを導入された理由についてお聞かせください。
入江氏:
効率化と正確さ、そして拡散力を求めていたからです。まず効率化の点で、従来当社が運用していた紹介制度では、従業員が求職者に紹介制度の案内用紙を渡す必要があったため、手間がかかっていました。MyReferを使うと友人に会わなくても簡単にSNSやメールで送ることができるので、従業員にとって効率的になると考えました。
次に正確さですが、従業員が友人・知人に対して会社や仕事について説明を行うとき、細部にわたって正確に情報を伝えることはなかなか難しいと思います。例えば、福利厚生など付加価値の部分が伝えきれないこともあるのではと思います。こういった会社説明のハードルを下げることが二つ目の狙いです。
最後に拡散力については、紙を渡して紹介する手法では1対1の関係ですが、SNSを活用することでより多くの人に伝えることができるのではないかと考えていました。
「スマホ教室」で、シニア世代にもアプリが浸透。全社員が仲間集めに協力する体制に
リファラル採用活動を社内に浸透させるために、どのようなことに取り組みましたか。
入江氏:
当社には営業所が11カ所あり、バス運転士はそれぞれ営業所に所属しています。そのため、各営業所でポスターを掲示してもらったり、チラシを配布してもらったり、そして社内報に掲載したりして周知を図りました。また、人事メンバーが分担して営業所に出向いて会議に参加して、なぜMyReferのリファラル採用活動をするのかという背景から説明を行いました。
こうした活動で認知度は高まりましたが、運転士には年配の方も多く、アプリの使い方がよく分からないという方もいます。そこで、スマホが苦手な従業員に対しては、営業所の総務担当がスマホ教室のような形で、MyReferの使い方を手取り足取り教えていったのです。そうやって周知していると、「私にもアプリを入れて!」と年配の方が若い方の周りに集まって、どんどん広がっていきましたね。
また、MyReferの分析機能を使って営業所ごとに参加者数を発表して、いい意味で競争意識を高めていくような工夫もしました。もちろん、新入社員研修の時にも声をかけて、前職での知人などを紹介してもらえるように案内も行いました。このように草の根レベルの丁寧さで取り組むことで、ほぼ全員の方に参加していただき、中でも85%の方がアプリを活用してくれるようになりました。
なるほど。年齢層が高い中でも、アプリの利用率が高い理由は、そうした丁寧な活動にあったのですね!
入江氏:
これは当社の風土なのかもしれませんが、バスの運転士の皆さんは非常に協力的ですね。やり方が分からないからやらないだけで、教えてもらえたら前向きに取り組む方が多いのです。私が営業所に出向いた際も、総務担当の社員に年配の運転士が使い方を尋ねているシーンを何度か見かけました。総務担当が中心となって丁寧に教えてくれることも、普及率の高い理由の一つだと思います。
もちろん、シニアドライバーの中には、スマートフォンを持っていない人もいるため、従来のような紙での紹介も並行して続けています。
素晴らしいですね。もともとの社風もあるのだと思いますが、どのようにして協力的な文化を醸成していったのでしょうか。
入江氏:
「やらされ感」ではなく、自分たちが採用担当として動くんだという意識付けをしていきました。人が足りなければ、どうしても時間外労働も多くなってしまいます。リファラル採用で営業所の仲間が増えれば、その分自分たちの働く環境もよりよくなる、ということがちゃんと伝わったことが良かったのかもしれません。
西川氏:
社長を含めた経営層もMyReferに参加していることも大きいと思います。特に社長が協力的で、社内ニュースなどを発信すると必ず「いいね」してくれるんです。そうすることで、採用の重要性がより社員に浸透していきました。
紹介からの応募者が、MyRefer導入後2倍に!SNS経由でバス好きフォロワーからの応募も
紹介を促進するために、どのような工夫をしていますか?
西川氏:
MyReferで社内ニュースを配信するタイミングに気を遣いました。たとえばお盆やお正月など、人が集まる時期に案内することで、タイミングよく友人・知人に展開しやすいよう工夫をしています。また、MyReferのギフトキャンペーンも活用しています。これによって、積極的に取り組んでくれる方も見られました。
入江氏:
普段は会社のいいところを目にする機会があまりないと思うので、会社が始めた新しい取り組みや福利厚生制度などを従業員に知ってもらえるように社内ニュースを工夫して配信しています。採用についても、人手不足で時間外労働が増えてくると、「採用が全然動いていない」と不満がたまってしまいますよね。そのようなとき、透明性をもって会社の動きを共有することで、「採用もちゃんと活動していくれているんだ」と認識してもらえると思います。
特に今年はコロナ禍で内定取り消しになった学生さんのニュースを見聞きしました。そこで、「お困りの学生さんが知り合いにいたら紹介してください」と、発信をしたところ反応がとても良かったんです。そういった機会を見逃さず動いていることを認識してもらうことで、「採用チームが頑張っているのだから、自分たちも頑張ろう」と思ってくれたのではないかと考えています。
MyRefer導入後の成果を教えてください。
入江氏:
20名くらいの紹介がありました。紙ベースでの紹介制度では、年間8~10名程度だったので、MyRefer導入してから2倍ほどに伸びたということですね。従業員の関心度も、以前とは段違いに高まっています。
従来の採用手法との違いを、どう感じていらっしゃいますか。
西川氏:
選考途中での辞退率が低いと感じています。条件面だけではなく、従業員から生の声を聞いているため、入社後もギャップがほぼありません。また、MyReferを通じて会社の情報も正確に伝わっているのだと思います。
導入理由で拡散性を期待されていらっしゃいましたが、実際にSNSの活用はいかがでしょうか?
西川氏:
バス好きな社員のSNSのフォロワーの方が、選考を受けてくださったことはありました。「バスが好き」という共通点から、応募に至ったようです。このように当人同士に直接的なつながりがなくても、応募をいただくケースもあります。こうした広がりは、MyReferならではですね。
入江氏:
どこにご縁があるか分からないので、広く発信できることは大きな魅力ですね。ただ、同時に一番気を付けていることもあります。従業員が懸念していたのが、「直接的な知り合いではない人が応募してきて、もしその人に問題があった場合、責任を取れないから紹介するのが怖い」ということ。確かにその通りですよね。「採用担当者の責任で入社していただくので、個人の責任はまったくありません」と皆さんに説明して、理解してもらいました。
アルムナイ採用や高卒採用、そして新卒採用へ、活用範囲を広げていく
リファラル採用で入社された印象的なエピソードがあれば、ぜひお聞かせください。
西川氏:
もともと名鉄バスで働いていて、一旦他社に転職をした後、「やっぱり名鉄バスが良かった」と戻ってきてくれる人もたくさんいます。しかし、出戻りで受験できることを知らず、迷っている方もいたんです。MyRefer経由で求人を配信することによって、受験できると知って戻ってきてくれたケースも多いです。そういう方が広告塔となって、「バス運転士として働くなら、名鉄バスだ」と説得力のある発信までしてくれています。
入江氏:
1人で何名も紹介してくれる、まるで採用担当者のような動きをしてくれる運転士もいます。実際に数名入社に至っているのですから、すごい貢献度です。その人には、採用担当者から直接お礼を伝えたり、採用に至った時には社長や役員が「いいね」を押したりしています。それがモチベーションになり、紹介できる人がいないかアンテナを張ってくれているようです。
こうしてリファラルで入社に至った場合、極力その紹介者のいる営業所に配属するように配慮しています。それは、紹介者と同じ営業所の方が馴染みやすいということももちろんですが、もともと、所属する営業所の人手不足を解消すべく、当事者意識をもって紹介してくれている背景があるので、そうした面に配慮しながら配属を決めています。
お礼や配属への配慮も、モチベーションアップのために重要なポイントですね。従業員の方々からの反応はいかがですか。
入江氏:
リクルーター意識が全体に広がっていると感じています。MyRefer導入と同時期に当社は高校生採用を開始することになりました。その際、ある従業員から「高校生もリファラル採用制度で紹介してもいいのか?」という質問がありました。まだMyReferで高校生用の求人を出していなかったのですが、そうやって紹介していただき、結果的に入社に至ったのです。これは、運転士が採用活動に関心を持ってくれていて、当事者意識を持って動いてくれたことを象徴するエピソードだと思います。
最後に、これからの展望をお聞かせください。
西川氏:
これまでは主に中途採用の領域でMyReferを活用してきましたが、今後は新卒採用にも活用を広げていきたいと考えています。具体的には、内定者フォローの一環としてMyReferの社内ニュースを使って内定者に名鉄バスの魅力を伝えつつ、インターンシップなど採用に関するイベントを友人・知人に広めてもらおうと考えています。
編集後記
シニア世代の従業員も巻き込んで、全社でMyReferを活用していらっしゃる名鉄バス様の事例をお届けしました。
各営業所への周知活動、総務担当と協力して開催したスマホ教室、社内ニュースの効果的な配信、SNSの活用、それに伴う従業員の不安払しょくなど、従業員の立場に立った丁寧で網羅的な工夫が印象的でした。
会社全体を巻き込んで人材の採用を実践していきたい企業様は、お気軽にMyReferへお声がけください。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
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