同社は30以上の国や地域に250以上の工場、研究開発拠点、営業拠点を展開しています。国内でも多数の拠点を有しており、人材の確保は大きな課題。特に地方拠点での即戦力採用を急いでいました。これを受け、同社ではリファラル採用の制度を整え、MyReferを導入。今回、国内人財開発統括部 人事部 採用課 遠藤様と荻山様にリファラル採用の成果やMyReferの活用方法をはじめ、コロナ禍での転職についてもお話いただきました。
TDK株式会社 | |
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従業員数: | 129,284人 |
事業概要: | 受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製製品、その他 |
国内人財開発統括部 人事部 採用課 遠藤 浩紀氏(左) 国内人財開発統括部 人事部 採用課 荻山 彰規氏(右) |
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細分化されたポジションで中途採用を進める中、マッチ率の高い応募に期待
まず貴社の中途採用の目標と方針を教えてください。
遠藤氏:
この5年で中途採用のニーズが急激に高まりました。5年前は年間50名程度の採用でしたが、今は200名の要望があります。背景として、成長市場への投資が進み専門的な人材が必要になっていることと「失われた10年」の採用抑制で30~40代が少ないことが挙げられます。そんな中で必然的に即戦力が求められているのです。
即戦力人材を採用する上で、どのような課題があるでしょうか。
遠藤氏:
当社の場合、中途採用のほとんどをエージェント経由で行っています。しかし、お伝えしたようにニーズは急増しており、さらに当社の場合は1求人1~2名の採用と、ポジションが非常に細分化されているのです。こうした状況を考慮すると、エージェントのみで充足させるのは困難で、エージェント側もマッチする人材を紹介し続けるのは限界があるでしょう。採用のチャネルを広げる必要に迫られていました。
また、秋田県をはじめ地方の工場勤務も多くあり、地方拠点で技術者を採用するのは大変難易度が高いです。加えて、経理や人事など事務系の職種の採用は、募集は集まるものの他社との差別化に難しさを感じていました。
採用チャネルを増加する中でも、リファラル採用を導入した理由をお聞かせください。
遠藤氏:
マッチ率の高い応募に期待を寄せました。現場のスタッフは、必要とするスキル、自社の雰囲気に合致する人物像をよく理解しています。実際、社員紹介からの応募は、エージェント経由に比べ、内定に至る確率が約8倍となっています。また、地方採用で仮に候補者に転居する必要がある場合でも、業務に限らずリアルな生活環境の話が紹介できるので、不安をフォローできると考えられます。
秋田県での採用成功事例。学生時代の友人の転職相談がきっかけ
リファラル採用の促進にMyReferを導入した理由を教えてください。
遠藤氏:
社員が気軽に紹介できることが一番の決め手となりました。SNSと連携しているため、気軽に友人にリンクを送れます。会社で仕事をしながら紹介するというよりは、プライベートで友人と食事をしている時などに気軽に行えるイメージがありました。
どのような効果を期待しましたか?
遠藤氏:
MyReferを導入する前には制度はありませんでしたが、メールなどで紹介を受けることはありました。ただ、採用活動を行っている役職者が、自分のチームや部署に人材を入れたいという形がほとんどでした。そうしたことも継続したいと思いますが、一方で、採用には直接タッチしない若手、あるいは入社したばかりの中途社員にも携わってほしいと考えています。MyReferならクリック一つで簡単に紹介できますし、採用候補者から自分で応募してもらう形なので精神的にも工数的にも負担は少ないです。
貴社では、2019年8月にリファラル採用が本格的に制度化されました。これまでの成果をご紹介ください。
遠藤氏:
これまでに300名以上の社員が紹介してくれており、約40名の応募があり、8名の決定につながっています。およその決定率が20%ですので、他の採用手法よりもマッチ率が高くなっています。
印象に残るエピソードはありましたか。
遠藤氏:
そうですね。秋田県での学生時代の友人紹介が印象に残ります。その方は当社に興味はあるけど、自分にどんな仕事が向いているかわからないということで、地元の友人、つまり、当社の社員に相談を持ち掛けたようです。エージェントに登録するのは少しハードルが高いと思ったのかもしれません。
しかし、結果としてそれが非常に良かったと思います。紹介があったポジションとは別のポジションでの採用になりましたが、リファラル採用だからこそそうした柔軟な対応ができました。興味があるけど、どうしたらいいかわからないという場合にも、友人なら気楽に相談できますよね。リファラル採用が効果的に活用できた事例ではないでしょうか。
コロナ禍での採用は、オンボーディングが重要な要素となる
2020年になり、新型コロナウイルスが採用に大きな影響を与えています。貴社のリファラル採用では何か影響がありましたか。
遠藤氏:
リファラル採用では、学生時代の友人・知人への紹介が多いと想定していました。大型連休などで帰省した時に、当社の求人を紹介するという流れを期待していたのです。このため、コロナ禍になり果たしてリファラル採用がうまくいくのか懸念もありました。しかし、実際には想定とは異なり、前職や日々の活動を通してのつながりによる紹介がほとんどで、SNSなどで簡単に紹介してくれていました。先ほど、学生時代の友人の紹介の例を紹介しましたが、レアケースという意味でも印象に残っています。
荻山様は今年2021年に中途入社されています。コロナ禍で転職活動をされていますが、印象に残ったことはありますか。
荻山氏:
2021年の1~2月にかけて転職活動を行っていました。転職が決まったことを同僚に報告すると「実は私も転職を考えている」と多くの相談を受けるようになったんですね。すぐに転職を考えていなくても、コロナ禍でキャリアを見つめ直し、選択肢の一つとして転職を視野に入れていることもあったようです。そうした方たちの話を聞き、転職の潜在層が多くいることを実感しました。中途入社してすぐの方は前職の同僚と多くのつながりがあり、友人のキャリアのサポートとして自社を紹介することもあるでしょう。
コロナ禍での採用では、どのようなことがポイントになるでしょうか。
荻山氏:
入社後の受け入れは一つのポイントだと思います。現在は働き方がテレワーク中心になっています。その中で、どのように仕事を覚え、新しい環境に馴染めば良いか。採用面接をしていて聞かれることが増えましたし、私自身も転職活動のときには少々不安に思っていた面があるのも事実です。入社後にスムーズに職場に馴染める体制があることを中途入社者が自ら実感すれば、紹介も生まれるのではないでしょうか。
精神面でも実務面でも丁寧にフォローを行うことが非常に重要です。私自身、現在の職場に温かく迎え入れてもらえ、とてもありがたかったのを覚えています。また、私の所属する部署は毎日Webでのミーティングがあり、気軽に話をしながら仕事も教えてもらっています。ミーティングに参加するのは楽しみの一つですので、毎日Webミーティングをするかどうかは別にして、特にテレワークの場合は何らかの手段で顔を合わす機会を作るのはポイントだと感じます。
リファラル採用の比率を3割以上に。文化として根付かせていきたい
今後の目標を教えてください。
遠藤氏:
今後はリファラル採用の比率を約3割にするのが短期的な目標です。そのために、文化としてリファラル採用を根付かせていきたいと思います。最終的には、採用を全社的な活動とする。社員にとってMyReferが身近にあり、リファラル採用は当たり前の活動になるのが大きな目標です。
採用を全社的な活動とするために、どのような取り組みを行う予定ですか。
遠藤氏:
先ほど転職時に多くの相談を受けることがあるという話もあったので、入社後のMyReferへの登録は効果的な施策だと思っています。同時に、インタビューを実施してMyReferで配信するなど、社員同士のつながりをより深めるための広報活動も強化する方針です。また、直近ではリファラル採用のキャンペーンにもチャレンジしてみます。
リファラル採用を通じて、社員にどんな魅力を外部の人たちに伝えてほしいですか。
遠藤氏:
TDKは自由でチャレンジができる会社です。現場で働いている社員はきっと実感しているでしょう。そのことを含め、一人ひとりが感じている良さややりがいをリアルに伝えてほしいと思います。伝えているうちに、自分自身の思いも整理できるのではないでしょうか。社員のエンゲージメントにつながる可能性もあると期待しています。
荻山氏:
TDKに入社する決め手となった当社に魅力を感じた点と、実際に入社してその魅力を実感できたことを忘れずに伝えてほしいです。
編集後記
中途採用のニーズの増加と、地方での即戦力採用の強化を背景に、リファラル採用を本格導入したTDK株式会社様の事例をお届けしました。MyReferの導入にはSNS連携があることを重視し、緩やかなつながりの中から応募に結び付くことが期待されました。同社は募集ポジションが多いため、友人への気軽な相談から採用に結び付くケースもあるようです。
MyReferは社員一人ひとりにとって採用を身近なものにします。中途採用の新たな採用チャンネルを増やしたい企業様、地方での採用を強化したい企業様は、ぜひお気軽にお問い合せください。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。