2017年、U-NEXTとUSENの経営統合によって新たな歴史を歩み始めたUSEN-NEXT GROUP。「必要とされる次へ。」をビジョンに掲げ、店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、コンテンツ配信事業、エネルギー事業、メディア事業の6つのセグメントで事業を展開しています。
経営統合によって社員数は5,000名を超え、年間約200名以上を採用している同社では、積極的にリファラル採用を活用。社員約1,500名がリファラル採用に参加し、直近の1年間ではリファラル採用によって43名の入社が決定しました。また、USEN-NEXT GROUP独自の働き方改革=「Work Style Innovation」によって社員のエンゲージメントが高まり、定着率も上昇傾向にあるといいます。
今回は、同社の中途採用業務をけん引する藤島様に、リファラル採用導入の背景やMyReferの活用術、さらには「Work Style Innovation」の取り組み内容についてもお伺いしました。
株式会社 USEN-NEXT HOLDINGS | |
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従業員数: | 4,876名(2019年8月時点) |
事業概要: |
店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、コンテンツ配信事業 エネルギー事業、メディア事業 |
代表取締役社長CEO 宇野 康秀氏 コーポレート統括部 People Activation部 Career Agent課 課長 藤島 紫織氏 |
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USEN-NEXT GROUPの戦わない採用
さまざまな事業や地方拠点で自社にマッチする人材を採用する、リファラル採用を制度化
社員数が約5,000名。日本全国に事業所を展開している御社ですが、直近1年間で40名以上をリファラルで採用したと伺っています。それではまず、リファラル採用を導入した経緯をお聞かせください。
藤島氏:
当社では以前から、一定の割合で「社員の知り合いが入社する」、「卒業した社員が戻ってくる」というケースがありました。その他にも、ビジネスで関わった社外の方に対し「ぜひ一緒に働きたい」と声をかけ、入社いただいたというケースもあります。さらに、当社には事業所が全国に約150か所あり、特に地方では社員紹介による採用の比重もかなり大きい状況でした。このような背景から、ホールディングス化に伴ってリファラル採用をきちんと制度化して、推進していくことになりました。
リファラル採用をより強化していくことで、社員が一緒に働きたいと思う自社にマッチした人に出会えること、地方での採用活性化につながることを期待しました。
MyReferを導入することになった理由を教えてください。
これまでは、紹介してくれる社員や応募者とのやり取りはメールで、情報はExcelに入力して管理するというアナログなやり方で運用しており、それが採用業務を圧迫していました。年間200名ほどの採用を行っているため、運用方法を効率化しなければリファラル採用を積極的に推進できないと思い、MyReferの導入を決めました。
また当社は事業領域が広い分、募集職種も多種多様です。採用チャネルも人材紹介や求人メディア、ハローワークまで多岐に渡ります。それぞれのチャネルにある募集職種を一括管理して、社員が紹介するときにすべての求人がわかるようにできればと思いました。
MyReferをどのように展開しましたか?
藤島氏:
最初は新卒採用から導入をスタートさせました。新卒内定者に向けて「当社にマッチする人がいたらぜひ紹介してほしい」とアナウンスしたんです。紹介された方は一次選考スキップで、選考を進められるように工夫もしました。最終的に19年卒の内定者のうち約50名がリファラル採用で決定しました。そうした経緯を踏まえて、2019年春から新卒採用だけではなく中途採用やアルバイト採用にもMyReferを活用しています。
採用活動を「自分ごと」化してもらうための工夫とは
リファラル採用を導入するうえでどのような取り組みをしていますか?
藤島氏:
制度導入当時は、人事担当が各部署を訪問し、リファラル採用の啓蒙活動を行っています。現場の中でもマネジメント層は、人材不足だと業務に支障が出ることを理解しているので、採用活動を「自分ごと」として捉えている人が多くいる一方、メンバークラスですと「自分は採用活動に無関係」だと思っている人が少なくありません。
そこで、人事担当が直接各部署に伺い、説明会を開催して「採用の必要性」を伝えています。あわせて、MyReferを使って気軽に紹介してもらう工夫をしています。自分の組織に紹介するのは不安だと懸念する方や負担がかかると感じる方もいらっしゃると思いますが、自分の組織だけでなく他の事業所やアルバイトの求人まで紹介できるようにして、選考フローも明確にしました。
リファラル採用を「自分ごと化」してもらうことが重要ですよね。説明会後はどのような工夫をしましたか?
藤島氏:
社内の一斉メールでアナウンスしたり、MyReferから社員へメッセージを送ったりしています。また、例えばある地方限定で人を採用したいと思ったら、その地域の社員だけにMyReferで絞ってメッセージを送るなど、情報発信の工夫もしています。拠点がたくさんあるからこそ、全員に同じメッセージを配信するのではなく個別に丁寧なコミュニケーションを取り、地方のつながりを活かしたリファラル採用を促進していけたらと思います。
社員の反応に変化はありましたか?
藤島氏:
最初は友人の紹介をためらっていた方も紹介してくれるようになりました。当社にはさまざまな事業所や職種があるものの社員に十分に認知浸透できていなかったため、今回MyReferを通じて紹介するときの選択肢の幅が広がったことが要因として大きいと思います。
説明会や個別のコミュニケーションなど地道な活動が奏功し、社員の意識にも少しずつ変化が見え始め、「転職活動している友人に自分の会社を紹介していいんだ」と思ってくれるようになりました。
社員がおすすめした「生の声」を集め、今の会社のありのままを伝える
リファラル採用の手応えはいかがでしょうか?
藤島氏:
直近1年間で応募数は323名、採用決定数は43名です。年間約200名の中途採用をする中で、かなりインパクトのある数字になってきましたね。まず採用を「自分ごと化」してくれる社員が増えたことが嬉しいです。またこれだけの人数をメール対応とExcel管理で運用しようとしていたら、オペレーションが回っていなかったと思います。
新卒採用や中途採用だけでなく、アルバイト採用についても成果が出ています。アルバイトでは求人メディアで募集しても反応が無いこともありますが、リファラル採用を活用することによって社員の友人はもちろん、ご家族や後輩など、様々な人がアルバイトで働いてくれるようになりました。社員は当社のイメージを分かっているので、その雰囲気にマッチする人をアルバイトとして紹介してくれて非常に助かっています。
ご家族の紹介もあるんですね。社員がアルバイトの方を紹介するといったケースは珍しいです!実際にMyReferのどんなところが役立ちましたか?
藤島氏:
約1,500名の社員とのやり取りを効率的に
システム管理によってメールのやり取りがなくなり、作業工数が減って業務効率が格段に上がりましたね。
求人票も作りやすいです。「紹介する社員に見てほしい部分」と「応募者に見てほしい部分」はそれぞれ違うので、その項目を出し分けられるのは便利です。
また、MyRefer導入以前は、紹介してくれた社員と応募者の双方に選考結果を伝えていてかなり大変でした。でも今はMyReferをみると採用決定がわかるようになっているので、社員にとっても安心だと思います。
社員が実際に会社をおすすめした声が集まる
MyReferから紹介した社員のおすすめの声が集まってきました。これからその声をブログで活用することも検討しています。中途入社を考えている方は口コミサイトを見て、当社の評判をチェックする場合が多いと思います。実際、口コミサイトのネガティブな意見は随分昔に書かれたものが多いのですが、それに影響されて不安に思う方もいらっしゃいます。今の働き方や会社のリアルを伝えるために、MyReferから吸い上げた社員のクチコミを活用していきたいと思っています。
実際に、御社のおすすめポイントをみると「働きやすさ」や「成長できる環境」をあげている人が多いですね。
そうですね。独自の働き方改革である「Work Style Innovation」の効果が出てきているかなと思います。
~実際に紹介した社員からのおすすめコメント~
「数年前の体制から大きく労務環境も変わり、自身の生活スタイルに合った働き方を自身でプランニングできる点」
「職種問わずそれぞれがやりたいことに手を挙げられる環境であり、今の職種以外にもチャレンジでき、成長できる環境があること」
「自発的な考えを持って仕事をこなしていき、しっかりとした内容説明をして周りを説得し、納得させ巻き込んでいければ必ずチャレンジさせてもらえる環境だと考えます。自己成長につながり一緒に働く人もさまざまな考え方やスキルを持っているので切磋琢磨できます。」
社内の働き方改革が、採用にも影響を与える
社員のエンゲージメントを高める取り組みの「Work Style Innovation」という独自の働き方改革について教えてください。
藤島氏:
当社代表である宇野が、働くことの“本質”を見直して「かっこよく、働く」ための環境を整えるために始めたのが働き方改革プロジェクト「Work Style Innovation」です。「いつも同じ時間に、同じ場所で仕事をする」という従来の働き方を抜本的に見直し、社員一人ひとりがより生産性を高め、「仕事ファースト」で柔軟に自分らしく働ける環境を作っています。これにより、フレックスタイム制度やテレワーク勤務制度など、働く時間や場所を自律的に選択できる自由度の高い働き方が実現できました。
実際、私には部下が7 名いますが、出社時間も仕事場所もバラバラです。また、自分自身で時間を管理する必要がありますので、時間に対する意識も変わりました。1年前に実施した、「Work Style Innovationによって働き方の意識は変わったか?」という社内アンケートでは、実に社員の約8割が「変わった」と答えています。
かなり自由度の高い働き方を実現されているんですね。
藤島氏:
はい。当社が「Work Style Innovation」に取り組んでから、新卒入社の承諾率が約4割から約6割にアップしたというデータもあり、社員の定着率も上昇傾向にあると実感しています。新卒採用ではフレックスタイム制度やテレワーク勤務制度などの自由な働き方やきれいなオフィス、中途採用では定年70歳制や育休産休制度など、それぞれで惹かれるポイントは違うと思います。
また、「Work Style Innovation」では社内のキャリア支援制度に注力している点も特長です。興味のある部署や仕事があれば自発的に応募でき、グループ会社間で異動することが可能になりました。自分のキャリアや将来やりたい業務を登録しておけば、そのポジションで募集が出た時に、人事から声をかけることもできます。やりたいことが見つかった際に、転職せずにグループ会社間の異動だけで実現できるのは、社員にとても好評です。また会社としても離職率の低下や社員のパフォーマンスを最大限発揮できる最適配置につながっています。
転職せずともグループ内で希望に合わせたキャリアアップが実現できる。積極的な採用だけではなく、社員の成長を持続させる施策も推進されているんですね。それでは最後に、御社のリファラル採用戦略のこれからについてお聞かせください。
藤島氏:
当社の社員数は約5,000名ですが、リファラル採用に参加しているのは約1,500名。まだまだ伸びしろがあると思っています。今後さらに社内の認知度を上げていき、リファラル採用の「自分ごと化」を推進していきたいですね。
またリファラル採用によって当社に入社していただく社員が増えてきましたが、その後どのように活躍しているかまでは追えていないのが現状です。今後は所属部署でどのように活躍しているかまで追っていきたいと思っています。その情報をMyReferや社内サイトなどで発信し、採用した方にとってさらに親しみやすい会社にしていきたいと考えています。これからもさまざまな事業、拠点で自分らしく働ける職場を創っていきたいです。
編集後記
今回は、MyReferを活用しながら着実にリファラル採用の実績を積み上げている、株式会社 USEN-NEXT GROUP様の事例をご紹介しました。
リファラル採用をよりスムーズに行うためにMyReferを導入し、業務効率と情報発信力を向上。さらに、独自の取り組みである「Work Style Innovation」を実践することで、入社者のエンゲージメントも高める、同社の採用戦略と組織づくりの両面を知ることができたインタビューでした。
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監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。