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2025.03.14更新

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導入・運用事例集 『転職潜在層との関係構築編』

少子高齢化による労働人口の減少や、専門・技術系人材を中心とするほぼ全職種での採用ニーズの高まりなど、多くの企業で人材不足が問題となっています。また企業側のニーズが増えている一方で、過去20年で転職者数の推移に大きな変化はない*総務省 労働力調査(令和5年)ことから、採用難易度の上昇に拍車をかけています。

こうした背景もあり、企業は採用ターゲットの大多数を占める、「転職潜在層」を惹きつける施策に注力しています。

今回、転職潜在層と関係を構築し、中長期的に優秀人材の採用をおこなう様々な企業の施策をまとめた事例集『転職潜在層との関係構築編』を作成いたしました。

採用活動において、転職潜在層にアプローチすべき理由と共に、掲載している内容の一部を本記事でご紹介いたします。

導入・運用事例集『転職潜在層との関係構築 編』
無料公開中

目次

  • 事例集『転職潜在層との関係構築編』で取り上げている企業
  • そもそも転職潜在層とは?転職顕在層との違いとは?
  • 採用活動において、転職潜在層にアプローチすべき理由
  • 事例 過去の優秀な候補者への再アプローチ:フューチャー株式会社
  • 事例 他施策との連携による人材獲得:株式会社タイミー
  • 事例 キャリア登録による潜在層獲得:株式会社日立製作所

事例集『転職潜在層との関係構築編』で取り上げている企業

事例集では、下記の企業の『転職潜在層との関係構築』の施策例を紹介しています。

  • 過去の優秀な候補者への再アプローチ
    • テクノプロ・IT社
    • フューチャー株式会社
  • 他施策との連携による人材獲得
    • 株式会社タイミー
    • 日本航空株式会社
    • ウイングアーク1st株式会社
  • キャリア登録による潜在層獲得
    • インフロニア・ホールディングス株式会社
    • 株式会社日立製作所

本記事では、フューチャー株式会社、株式会社タイミー、株式会社日立製作所の事例を紹介します。

そもそも転職潜在層とは?転職顕在層との違いとは?

転職潜在層とは、転職したい希望は持っているものの、積極的な転職活動は行っていない人たちのことを指します。例えば、転職サイトに登録は済ませたものの、求人への応募はしていない人や、転職に関する情報を見ているだけの人たちがこれには該当すると考えられます。自分からアクションを起こすことはしていない人などが該当します。

転職顕在層と転職潜在層の違いは、主に転職活動の状況や意欲、企業側のアプローチ方法にあります。
転職顕在層はすでに転職活動を開始しており、求人情報を収集したり、企業へ応募したりするなど、積極的に転職を進めています。一方、転職潜在層は現時点では転職を具体的に考えていないものの、条件次第では転職を検討する可能性がある層です。

転職潜在層のニーズ分析

転職顕在層は現職への不満を抱えていたり、キャリアアップのため早期の転職を希望していることが多いのに対し、転職潜在層は現在の職場にある程度満足しているものの、より良い条件や新たなキャリアの機会があれば転職を考えることがあります。そのため、企業が転職顕在層を採用する場合は、求人サイトや転職エージェントを活用して直接アプローチすることが一般的ですが、転職潜在層に対しては、SNSやリファラル採用、ダイレクトリクルーティングを活用し、まずは関係を築きながら転職の意向を高めていく手法が有効とされています。

採用活動において、転職潜在層にアプローチすべき理由

採用活動において転職潜在層にアプローチすべき理由は、大きく分けて3つ挙げられます。
その理由について、解説していきます。

①労働人口の94%が転職潜在層

転職市場において、実際に転職活動を行っている「転職顕在層」は全体のごく一部にすぎません。それに対し、「転職潜在層」は転職を強く意識してはいないものの、条件次第では転職を検討する可能性がある人を含むため、母数が圧倒的に多くなります。

令和5年の労働力調査(総務省)では、5730万名の労働人口に対して転職実績は328万名。転職者数は比較可能な2002年以降で大きな変化はありませんが、転職希望者ははじめて1000万名を超えています。

企業が採用活動を行う際、転職顕在層だけに焦点を当てると、限られた人材の中で競争することになり、なかなか優秀な人材を確保できないこともあります。

一方で、転職潜在層に積極的にアプローチすることで、より多くの優秀な人材と接点を持つことができ、採用の選択肢が広がるでしょう。

②他社と戦わずに採用ができる!?(可能他社との競争率が低い)

転職顕在層はすでに転職市場に出ているため、既に複数の企業が同時にアプローチしている場合がほとんどです。

そして、是非採用したいと思うような優秀な人材ほど競争率が高くなります。その結果、企業側は高額な採用コストをかけたり、スピード感を持って選考を進めなければならず、採用ハードルが上がってしまいます。

しかし、転職潜在層はまだ転職活動を本格的に開始していないため、競合企業と直接的に争うケースが少なく、比較的落ち着いた環境で関係を構築できます。特に、SNSを活用した情報発信や、リファラル採用(社員紹介)などを通じてアプローチすることで、他社に知られずに優秀な人材と接点を持つことが可能になります。

また、競争が激しい転職顕在層の採用活動では、給与や待遇面で他社と比較されがちですが、転職潜在層に対しては企業の文化やビジョンをじっくり伝えることができ、給与以外の魅力を訴求することで採用につなげやすくなります。

③声をかけられたことで転職を決意する可能性がある!?

転職潜在層の多くは「今すぐ転職するつもりはない」と考えていますが、企業からのアプローチを受けることで転職を意識し始めるケースは少なくありません。例えば、企業がSNSやダイレクトリクルーティングを通じてキャリアの選択肢を提示したり、企業説明会やカジュアル面談を実施したりすることで、「自分の市場価値を知る」「新しいキャリアの可能性を発見する」といった気づきを与えることが出来るでしょう。

特に、現在の職場に大きな不満はないものの、「より良い環境があれば転職を考えたい」と漠然と思っている人に対して、具体的な選択肢を示すことは非常に効果的です。「今のスキルを活かしてキャリアアップできる」「より柔軟な働き方ができる」「自分の価値観に合った企業文化がある」といった情報を提供することで、転職を決断するきっかけになることもあるでしょう。

このように、転職潜在層にアプローチすることは、優秀な人材の母数を増やし、競争を避けつつ、企業の魅力をじっくり伝えることで採用成功の可能性を高める重要な戦略となります。

事例 過去の優秀な候補者への再アプローチ:フューチャー株式会社

フューチャー株式会社

従業員数:連結:2,671名 (2022年12月末現在)
事業概要:グループ経営戦略、新事業・サービスの企画立案
HRグループ 採用・教育統括リーダー 末髙 奈々 氏

フューチャー株式会社は、ITコンサルタント・エンジニアの採用強化のため、採用広報強化とともに潜在候補者をプールする仕組みを構築しました。(以下、事例集・記事より抜粋)

人材獲得競争が激化し、潜在候補者をプールする仕組みの構築やナーチャリングが急務

採用チームは約20名の体制で、そのなかで新卒採用・キャリア採用で担当が分かれています。現在、自社の認知度を向上させる採用広報を強化しており、オウンドメディア「未来報」や、採用ページのコンテンツ拡充に取り組んでいます。記事の企画・取材・執筆・編集も私たち採用チームの仕事です。

(採用施策について)メインの採用手法はエージェントですが、ここ5年ほどでリファラル採用やスカウト採用といった採用チャネルも強化しています。エージェント一辺倒だった母集団形成が、少しずつですが変わりつつあります。

一方、人材獲得競争が激化し、リファラル採用やスカウトで接点を持った方を潜在候補者としてプールする仕組みの構築やナーチャリングが急務でした。

過去の内定辞退者アプローチで入社が決定

システムにはMyTalentを使用しています。(過去に触る機会があった際に)その時のUIが非常に良かったため、TalentXさんのシステムなら使いやすそうと思ったことが理由の1つです。

もう1つの理由は、伴走支援があることです。当社の採用チームは、リクルーター業務や母集団形成、入社オンボーディング、採用広報と幅広い業務を担っているため非常に多忙な状態です。そのため、採用から定着の一連の流れを採用チームと共に伴走してくれる存在は非常に心強いと感じ、MyTalentの導入を決めました。

まずは即戦力採用のために、過去の内定辞退者約500名を対象にタレントプール登録のご案内をお送りしました。結果的に、約150名にご登録いただきました。そのうち約40名が面談に進み、最終的に入社が決定した方もいました。

より広い内容や、同企業の採用方針・課題感・具体施策を知りたい方は
こちらからダウンロード

事例 他施策との連携による人材獲得:株式会社タイミー

株式会社タイミー

従業員数:477名(うち正社員351名)(※2022年10月時点)
事業概要:アプリケーションの企画・開発・運営
プロダクト本部 プロダクトHR 宮原 望 氏

2017年の創業以来、組織の急拡大を続ける株式会社タイミーでは、急成長する組織でも安定して優秀人材の採用を継続するため、タレントプールを構築し優秀人材の採用に取り組んでいます。(以下、事例集・記事より抜粋)

あらゆる採用施策を試す中で、候補者データの活用に課題があった

これまではエージェント経由の採用をメインに、さまざまな採用活動をしていました。たとえば、技術カンファレンスへのスポンサード、SNSの運用、noteなどでの情報発信です。ほかにも、CTOを中心にイベントへの登壇やテックブログなども運用してきました。

採用における課題は大きく2つあります。1つは、各経路で接点を持った人をデータベースに蓄積していたものの、運用まで手が回っていなかったことです。Notionにログを残していましたが、アプローチができていませんでした。もう1つは、これからの採用数増を考えると、積極的な求職者ではない転職潜在層にアプローチをする必要があったことです。エージェント経由での採用が一番多かったものの、紹介数やダイレクトリクルーティングの対象者数には限界があると強く感じていました。そのため「今のうちにこちらから積極的に働きかけて母集団を形成しないと、いつか枯渇してしまう。そして、枯渇してからでは遅い」という危機感があったのです。

属人化せず効率的にアプローチするにはツールが不可欠

もともとタレントプールをリスト化はしていたのですが、対応が後回しになり、アクションにつながっていませんでした。限られた人的リソースでも効率的に運用ができるような体制をつくるためには、ツールの導入が不可欠だと考えました。

(MyTalentは)他社と比較してタレントプールとしての機能が充実していることと、導入サポートの手厚さ、この2つが決め手になりました。

(最初のアプローチ施策として)プールした人材に対してイベント案内のメールを配信しました。メールの開封率は50~60%で、想定よりも多いと感じました。

より広い内容や、同企業の採用方針・課題感・具体施策を知りたい方は
こちらからダウンロード

事例 キャリア登録による潜在層獲得:株式会社日立製作所

株式会社日立製作所

従業員数:28,672名(2023年3月末現在)
事業概要:データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業
人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部 主任 関 健太 氏
人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部    兼松 和香奈 氏

株式会社日立製作所は、採用競争激化を背景にキャリア登録に注目。短期的に採用成果を創出しています。(以下、事例集・記事より抜粋)

多様な人材獲得ニーズに応えるため、2019年に「タレントアクイジション部」を立ち上げ

(採用方針として、成長戦略に基づき)即戦力として活躍できる人材の採用を進めており、経験者採用を拡大しています。2015年度では経験者採用は約150名、2022年度は約500名、そして2023年度には約600名の採用計画となりました。

拡大する各部門の多様な人材獲得ニーズに応えるために人材獲得を本社へ一元化し、2019年に「タレントアクイジション部」を立ち上げました。経験者採用選任チームは創設当初の1名から、現在は15名ほどの規模となっています。

以前はエージェントからの採用が多かったのですが、採用競争の激化により、採用ブランディングを含む様々な採用施策に取り組む中で、特に優秀な人材の獲得が難しくなっていると感じています。リファラル、ダイレクトリクルーティングなど、人材獲得手段を多様化させるなかで、さらなる転職潜在層へのアプローチ施策としてアルムナイやキャリア登録に注目しました。

半年で300名が登録 

2023年3月から、アルムナイ・キャリア登録の受付を開始しました。ご登録いただいた方には、まずオウンドメディアや事業全体の情報といった日立製作所の“いま”が分かるコンテンツ、募集ポジションやイベントの紹介など、さまざまな情報を配信中です。登録いただいた方にマッチする求人のご案内をしたり、カジュアル面談にお声がけしたりと、個別にアプローチするケースもあります。
半年でおよそ500名の方々にご登録いただいています。そのうちの割合としてはキャリア登録が6割ほどです。ご登録いただいた方からの採用も生まれています。

より広い内容や、同企業の採用方針・課題感・具体施策を知りたい方は
こちらからダウンロード

他に本資料内では、「経験者採用で最も可能性を感じる施策」としてタレントプールを位置づけているテクノプロ・IT社、転職潜在層へのアプローチで新卒採用中心からの脱却を目指す日本航空株式会社、採用の理想像として自社タレントプール構築を位置づけてキャリア登録の仕組みを活用しているウイングアーク1st株式会社の事例を紹介しています。

中長期的なHR戦略の一つとして転職潜在層からの人材獲得をご検討中の担当者様や人事責任者様は、ぜひご覧ください。

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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