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2024.03.08更新

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ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や推進方法をご紹介

ダイバーシティ&インクルージョン

昨今、「ダイバーシティ&インクルージョン」といわれる、多様な従業員を受け入れて活かそうという動きが多くの企業で見られるようになりました。ダイバーシティは多様性、インクルージョンは包括という意味であり、それを組み合わせてダイバーシティ&インクルージョンと呼んでいます。

この記事では、ダイバーシティ&インクルージョンに関する法律や制度、推進方法とメリット、推進のポイントについて解説します。また、ダイバーシティ&インクルージョンを実践していく中で考えられる課題や問題点についてもご紹介します。

「ダイバーシティ&インクルージョン」目次

  • ダイバーシティ&インクルージョンとは
  • ダイバーシティ&インクルージョンに関する法律や制度
  • ダイバーシティ&インクルージョンを推進するメリットは?
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進方法
  • ダイバーシティ&インクルージョンを実践する際の課題・問題点
  • 企業の成長のためにもダイバーシティ&インクルージョン推進を検討しよう

ダイバーシティ&インクルージョンとは

ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)とは、人種や国籍、年齢、性別、障がい、価値観、宗教などのあらゆる違い(ダイバーシティ/多様性)を受け入れ、一体化(インクルージョン/包括)し受け入れ、それぞれが個性を発揮して活躍できる社会の実現を目指す考え方のことです

ダイバーシティ(Diversity)とは多様性という意味で、人種や国籍、年齢、性別、障がい、価値観、宗教などの属性が異なる多種多様な人々がいる状態を指しています。また、インクルージョン(inclusion)は包括という意味を持ちます。ダイバーシティ&インクルージョンは、多種多様なものを受け入れて、一体化することを表わす言葉です。

ダイバーシティ&インクルージョンの概要

ダイバーシティ(Diversity)とは多様性という意味で、人種や国籍、年齢、性別、障がい、価値観、宗教などの属性が異なる多種多様な人々がいる状態をダイバーシティと言います。一方、インクルージョン(inclusion)は包括という意味であり、多種多様なものを受け入れて、一体化することを言います。
つまり、これらのダイバーシティとインクルージョンの2つの言葉を組み合わせた「ダイバーシティ&インクルージョン」は、年齢、性別、国籍、価値観などさまざまな多様性を認めて、それぞれ個人を尊重し、認め合い、受け入れて、一体化し活かしていくことを意味します。

企業のグローバル化が進みさらに労働人口が減少していく現代では、さまざまな働き手を受け入れていこうと「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉が使われ、多様な従業員を受け入れて活かそうという動きが、多くの企業で見られるようになりました。

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ダイバーシティとESGの関係性

「ESG」とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス/企業統治)を組み合わせた言葉であり、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した投資活動や経営・事業活動を意味します。2006年、当時の国連事務総長コフィー・アナン氏が発表した「責任投資原則(PRI)」の中で、投資判断の新たな観点としてESGが紹介されました。

企業はESGの環境・社会・ガバナンスの3つの視点で取り組みを行うべきという考えが広く浸透してきており、その中でもダイバーシティはSocial(社会)の重要な項目でだと認識されています。性別や年齢、人種などを問わず、多種多様な人々を従業員として積極的に雇用し、ダイバーシティを推進した職場環境づくりが企業に求められているのです。

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ダイバーシティ&インクルージョンに関する法律や制度

ダイバーシティ&インクルージョンには、多くの法律や制度が関連しています。実際にダイバーシティ&インクルージョンを実行していくためには、日本にあるさまざまな法令、制度、ルールなどについて知っておく必要があるでしょう。ここでは、ダイバーシティ&インクルージョンに関連するものとして「女性活躍推進法」「障害者雇用促進法」「高年齢者雇用安定法」「外国人の受け入れ」の4つについてご紹介していきます。

女性活躍推進法

女性活躍推進法とは、女性が活躍しやすい社会の実現を目指して2015年8月に成立した法律です。
女性活躍推進法は女性の就業に関するさまざまなルールを定めており、正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」と言います。
下記が主な施行内容になっており、301人以上の企業は義務。300人以下の企業は努力義務となっています。

(1)自社の女性活躍に関する状況把握・課題分析
(2)課題解決のための数値目標と行動計画の策定・届出・周知・公表
(3)自社の女性活躍に関する情報の公表

また、行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、厚生労働大臣の認定を受けることができます。

参考:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法とは、障害者の職業の安定を図る目的で、企業の従業員数に応じて一定数の障害者を雇用することを義務付ける法律です。
下記5つの措置があり事業主に対して対応が求められています。

(1)雇用義務制度
(2)差別禁止と合理的配慮の提供義
(3)障害者職業生活相談員の選任
(4)障害者雇用に関する届出
(5)職業リハビリテーションの実施

参考:【最新版】障害者雇用促進法の2020年改正を図解!企業が取るべき対応とは?(d’s JOURNAL)
https://www.dodadsj.com/content/200602_employment-promotion-act-for-persons-with-disabilities/

高年齢者雇用安定法

高年齢者雇用安定法とは、働く意欲のある高年齢者が長く働き続けることができるよう、雇用の確保や職場環境の整備を目的として制定された法律で、正式名称は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」になります。

2021年4月1日の改正により、現行法上の雇用確保義務に加え65歳から70歳までの就業機会を確保するため、 以下のいずれかの措置を講ずる努力義務が新設されました。

(1)定年を70歳まで引き上げ
(2)定年制の廃止
(3)70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
(4)70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
(5)70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

参考:高年齢者雇用安定法改正の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000694689.pdf

外国人の受け入れ

労働人口の減少やグローバル化が進んでいることを背景に、外国人の雇用を行う企業が増えています。
外国人労働者の受け入れ制度として、「特定技能1号(※1)」や「特定技能2号(※2)」などの外国人向けの残留資格があり、受入れ機関が外国人を受け入れるための基準や義務が厳重に設定されています。

(※1)特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
(※2)特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

参考:新たな在留資格「特定技能」について(法務省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000485526.pdf

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するメリットは?

ダイバーシティ&インクルージョンを推進すると、企業はさまざまなメリットを得ることができます。ダイバーシティ&インクルージョンによって期待できるメリットとして、「人材の獲得」「イノベーションの創出」「従業員のエンゲージメント向上」の3つについて解説します。

人材の獲得

ダイバーシティ&インクルージョンの推進は人材獲得の面で大きなメリットになります。女性、シニア層、障がい者、外国人など、多種多様な人を受け入れることによって、採用対象の母数が広がり従来よりも多くの人材を獲得することができます。
セクシャルマイノリティの方が気持ちよく働ける環境を整えることで、より多くの質の高い人材を確保できるようになるでしょう。

イノベーションの創出

多種多様な人材がいるということは、それだけ発想や視点が異なる人材が集まっているということです。思いもよらないアイデアが生まれたり、それぞれのスキルを掛け合わせて優れた製品ができたり企業のイノベーション創出ができる可能性があることは、ダイバーシティ&インクルージョンのメリットです。

従業員のエンゲージメント向上

多様な人材を受け入れる企業の姿勢があれば、従業員は自身の個性が認められていると感じられ、企業に対するエンゲージメント向上につながります。それぞれのエンゲージメントが向上することで、業務に対するモチベーション向上・業績アップにつながることはダイバーシティ&インクルージョンのメリットです。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進方法

企業がダイバーシティ&インクルージョンを推進したい場合、具体的にどのようなステップで進めていけばいいでしょうか。

①計画の策定

ダイバーシティ&インクルージョンをなぜ推進するのか、経営理念とともに企業が今後どのような方向を目指していくかその目的を整理します。
また現在、その企業がどのような状態にあり、どのような問題を抱えているのか整理し、目指すべき組織のために必要なことを計画していきます。

②人事制度の見直し・整備

ダイバーシティ&インクルージョンを導入し、多様な人材を受け入れていくためには、人事制度の見直しは欠かせません。職務能力と担当職務で等級を区分していくのか、それとも新たな改革が必要なのか、検討する必要があります。
さまざまな人材が活躍できる環境を用意するためには、公正かつ透明性のある評価制度であり、だれもが納得できる仕組みが必要です。

③勤務形態の見直し・整備

育児や介護を行う従業員、通勤が難しい障害者など、多様な人材が活躍できるように勤務形態についても見直しを行いましょう。
ダイバーシティ&インクルージョンに対応するためにフレックスタイムやリモートワーク、短時間勤務など従業員が働きやすくなるように各制度の導入を検討するといいでしょう。

④職場環境の整備

勤務形態の選択肢が増え、多様な人材を受け入れるようになると、社内のコミュニケーションを円滑にする取り組みがさらに重要になります。
ダイバーシティ&インクルージョンに関連するマニュアルや研修などを用いて従業員が気軽にコミュニケーションをとれて、自由に意見を言える職場環境についても整備していきましょう。

ダイバーシティ&インクルージョンを実践する際の課題・問題点

ダイバーシティ&インクルージョンの進めるにあたって推進を妨げるさまざまな要因が想定されます。実際にどのようなことが、ダイバーシティ&インクルージョン推進のネックとなるのか、具体的にご紹介していきます。

従来の価値観・企業文化から脱却できない

年功序列や男性優位の考え方などこれまでの価値観や企業文化に捉われすぎて、新しい体制について理解が進まないことが懸念されます。
経営層がダイバーシティ&インクルージョンを推進しようとしても、社内でそれを理解して受け入れられなければ実現はできません。浸透・推進をしていくには社内全体の意識改革が必要不可欠です。

コミュニケーションが難しい

ダイバーシティ&インクルージョン推進により、考え方や価値観が異なる人材が集まると、コミュニケーションの部分で課題が出てくることがあると考えられます。情報を正確に伝えることが難しかったり、本来の意図とは違うように受け取られてしまったり、予期せぬ認識の齟齬が発生する可能性が考えられます。
このようにコミュニケーションの問題からトラブルが発生したり、プロジェクトがうまく進まないことが考えられます。

様々な働き方が受け入れられない

リモートワークや短時間勤務、産休・育休など、働きやすい環境づくりは重要ですが、制度を利用した人と利用していない人の間で不公平感がうまれ、予期せぬ不満や差別・偏見につながることがあります。
これを防ぐためには、ダイバーシティ&インクルージョンの本質的な目標を社員に周知して理解を促進することが必要です。

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企業の成長のためにもダイバーシティ&インクルージョン推進を検討しよう

ダイバーシティ&インクルージョンを推進することは、決して簡単なことではありませんし、短期間で成果が表れるものではありません。しかし企業が今後も成長していくためには、多様な人材を受け入れ、従業員全員が活躍できる環境を整えていくことが大切です。
企業の成長戦略の中核として、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を考えてはいかがでしょうか。

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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