近年の新型コロナウイルス感染症拡大などを経て、DXを推進する動きがより一層活発化しています。
DXとは、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用することによって、生活やビジネスモデルを変革し競合に対して優位に立つということといえます。
2020年12月に発表された調査では、日本企業の74%がDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に着手しており、新型コロナウイルスの影響で導入が加速したと答えた企業は50%となっており、さらに、近年ではDXの必要性がより一層増しています。
出典:「日本企業の DXはコロナ禍で加速するも推進の障壁はDX人材の育成(株式会社電通デジタル)」
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2020-1218-000737
この記事では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義から、類似用語との違い、企業の課題から取り組むべき理由などをわかりやすく解説します。
「DX」目次
- DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
- DXとデジタイゼーション、デジタライゼーションの違い
- 企業がDXに取り組むべき理由とは
- DXの推進における企業の課題
- DXの推進に活用されるデジタル技術
- 「DX(デジタルトランスフォーメーション)」まとめ
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用することによって、製品やサービス、ビジネスモデル、組織全体の変革を実現させることを意味しています。
DXは、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「デジタル技術の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方を起源とする概念になります。
DXに関する厳密な定義はありませんが、経済産業省は「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」の中で以下のようにDXを定義しました。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
出典:産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
なお、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)が「DT」ではなく「DX」と表記されるのは、英語圏では「Transformation」の「Trans」を「X」と略すことが一般的なためです。
DXとデジタイゼーション、デジタライゼーションの違い
DX(デジタルトランスフォーメーション)と混同されやすい言葉に、
Digitization(デジタイゼーション)とDigitalization(デジタライゼーション)があります。
いずれも直訳すると「デジタル化」という意味ですが、2つの言葉はDXとは意味が異なるため注意が必要です。DX(デジタルトランスフォーメーション)、Digitization(デジタイゼーション)、Digitalization(デジタライゼーション)それぞれの意味や関係性について説明します。。
デジタイゼーション
デジタイゼーション(Digitization)とは、アナログなものにデジタル技術を取り入れ効率化を図る「手段」のことを指します。
例えば、単純な入力業務にRPAを導入して自動化したり、CRMを導入して顧客データを管理したりするような、部分的なデジタル化「手段」のことをデジタイゼーションと言います。
デジタライゼーションとは
デジタライゼーション(Digitization)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、新たな顧客体験や価値を創造・提供することです。デジタイゼーションが「手段」だとするとデジタライゼーションは「目的」になります。
例えば、自動車を売買するビジネスモデルから、カーシェアリングという利用する権利を複数のユーザーと共有し利用料金を支払ってもらうビジネスモデルへの変革「目的」のことをデジタライゼーションと言います。
デジタルトランスフォーメーションとは
デジタイゼーション「手段」、デジタライゼーション「目的」から差別化・競争優位を確立して社会に影響を与えることがデジタルトランスフォーメーション「ベネフィット」になります。
例えば、自動車を売買するビジネスモデルから、カーシェアリングという利用する権利を複数のユーザーと共有し利用料金を支払ってもらうビジネスモデルへの変革をして、競争上の優位性を確立する「ベネフィット」ことをデジタルトランスフォーメーションと言います。
企業がDXに取り組むべき理由とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)に企業が取り組むべきべき2つの理由をご紹介します。
- デジタル化によるビジネスの多様化
- 消費者のマインド変化
デジタル化によるビジネスの多様化
GAFAをはじめインターネット企業が台頭してきたり、あらゆる産業においてデジタル化の波が押し寄せ、これまでにない新しい製品やサービス・ビジネスモデルが生まれています。
このようにデジタル化によりビジネスの多様化が急速に進む状況から、デジタル化の波に乗って業態を変化・進化させていく必要があることが理由の1つとなっています。
消費者のマインド変化
近年、ユーザーはモノ消費からコト消費へと移行しており、製品を購入して所有するよりも、その場でしか体験できないこと、楽しい体験でしか得られないことを重要視するようになりました。企業は、こういった時代のニーズに合わせてビジネスを提供できるように事業や組織全体を変革していく必要があり、市場の変化から取り残されないようにサービスを刷新していくことが求められています。その際にDXによる変革が必要となるのが理由の1つです。
DXの推進における企業の課題
DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際の2つの課題をご紹介します。
DXの理解が足りない
経済産業省のレポートでは、デジタル変革の実現における課題の第一位に「デジタルに対するビジョンと戦略の不足(世界61%)(日本69%)」が上がっており、DX の必要性に対する認識は高まり、そのための組織を立ち上げるような動きはあるものの、ビジネスをどのように変革していくか、そのためにどのようなデータをどのように活用するか、どのようなデジタル技術を活用すべきかについて、具体的な方向性を模索している企業が多いのが現状と言えるでしょう。
出典:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf
デジタル人材が足りない
デジタル人材不足もまた、DX推進の大きな課題となっており、特にシステムに精通した人やプロジェクト・マネジメントができる人材が不足していると言われています。
その結果、ベンダー企業に経験・知見を含めて頼らざるを得ないというのが日本企業の現状であり、デジタル人材不足は少子高齢化による労働人口の減少とIT需要の急速な高まりが相まって、今後更に深刻化していくと予想され、DXの推進において大きな課題となっています。
DXの推進に活用されるデジタル技術
DXの推進にはどういったデジタル技術が活用されているのでしょうか?
主なデジタル技術4つをこちらで紹介していきます。
IoT(モノのインターネット)
IoTは”Internet of Things”の略で、身の周りの「モノ」を「インターネット」に繋げ活用することを言います。
センサーやカメラでモノの状態や動きを感知してデータを取得したり、入手したデータを「インターネット」を介して人や「モノ」に伝送することがIoTの基本的な仕組みです。
身近なものでは、Apple Watchによる心拍数・睡眠時間の計測や、スマートハウスのように家の設備や家電製品をスマートフォンから操作するようなものが当てはまります。
AI(人工知能)
AIは”Artificial Intelligence”の略で、一般的には「人工知能」と呼ばれていますが、その定義は研究者によって様々です。
コンピューター自身が膨大なデータをインプットし、そこに隠れているルールや相関関係などの特徴を発見し、自律的に“意味”や“概念”を見つけることができ、さらに、その後も継続して学習を続け精度が上がっていきます。音声認識や画像認識もこのAIの技術を利用したものです。
身近なものでは、Apple社のSiri(音声認識)やお掃除ロボットのルンバ、などもこのAIを活用したサービスになります。
クラウド(クラウドコンピューティング)
クラウド(クラウドコンピューティング)とはクラウド環境(インターネット環境)でコンピューティングサービス(サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベース、ソフトウェアなど)を利用することであり、クラウドコンピューティングの技術によって企業はコスト削減や導入スピードの高速化などのメリットがあります。
クラウドサービスの種類は、SaaS、IaaS、PaaS、等があり、営業支援システムのsalesforceや、チャットアプリのSlackはSaaSにあたり、クラウドコンピューティングサービスの一つになります。
TalenXではリファラル採用支援のクラウドサービスを提供しており、採用領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しております。
汎用資料を下記にまとめておりますのでご確認・ご活用頂けますと幸いです。
https://mytalent.jp/resource/
5G(第5世代移動通信システム)
5Gは、超高速・大容量、超低遅延、超高信頼性、多数同時接続が可能な移動通信システムになります。
5Gの普及によって高速かつ大容量のデータ通信が必要であった、AR・VR・MRコンテンツや、4K・8Kといった高画質の映像コンテンツが高速でダウンロードが可能で、映像コンテンツを提供するような企業・サービスがさらに増えてくると考えられています。
【移動通信システムの各世代の通信速度】
第1世代_1979年:0.002〜0.01Mbps
第2世代_1993年:0.01〜0.02Mbps
第3世代_2001年:0.06〜0.38Mbps
第3.5世代_2006年:3.6〜14Mbps
第3.9世代_2010年:37.5〜150Mbps
第4世代_2015年:110Mbps〜約1Gbps
第5世代_2020年:約10Gbps
参考「令和2年度版 情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/n1100000.pdf
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」まとめ
今回はDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する定義から、類似用語との違い、企業の課題から取り組むべき理由をご紹介しました。
近年、あらゆる産業や領域でDX化が進んでおり、厳しい市場競争を勝ち抜くにはDX推進は欠かせないものになっていると言えるでしょう。また、各社DXを推進をするための人材確保が必要な中、少子高齢化による労働人口の減少やIT需要の急速な高まりが相まって、DX人材の獲得は非常に難しくなっています。
今後DX人材を安定的に獲得していくためには、競争の激しい転職顕在層のみにアプローチするのではなく、転職潜在層に対していかに効率的にアプローチできるかが非常に重要になっています。
当社では候補者のタレントプール構築・アプローチ・持続可能な仕組み化までを一気通貫で実現するタレントアクイジションSaaSサービス「MyTalent」を提供しております。
MyTalentを通して、中長期的な観点で採用候補者と接点を持ちながら採用マーケティング活動を促進し、転職潜在層へアプローチしていくことが可能です。是非一度MyTalentを検討してみてはいかがでしょうか?
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。