近年では、オフィスワークとテレワークを組み合わせて複数の場所で働くハイブリットワークが、多くの企業で取り入れられています。
ハイブリッドワークとは、会社に出社してオフィスで働く形に加えて、在宅勤務やシェアオフィス、コワーキングスペースといった会社以外の場所で働くテレワークを組み合わせ、それを選択して働くワークスタイルを意味しています。
この記事では、ハイブリッドワークの意味や求められている背景、メリットと課題点、導入方法とポイントなどについてわかりやすく解説します。
目次<ハイブリッドワークとは?テレワークとの違いやメリット・デメリットを解説>
- ハイブリッドワークとは
- ハイブリッドワークのメリット
- ハイブリッドワークの課題点
- ハイブリッドワークの導入方法とポイント
- まとめ<ハイブリッドワークとは?テレワークとの違いやメリット・デメリットを解説>
ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは、出社して働くオフィスワークと、自宅やシェアオフィスなどで働くテレワークの働き方を組み合わせたワークスタイルを意味しています。
オフィスワークとテレワークを曜日によって振り分けたり、月間や週間のテレワークできる日数をあらかじめ決めるなどによって、オフィスワークとリモートワークを週2~3日ずつ組み合わせてハイブリッドワークとする事例が増えています。
ハイブリッドワークが注目される背景
企業と従業員の両方の視点から、テレワークのメリットを活かしながら、課題やデメリットを最小限に抑えるために、オフィスワークとテレワークを組み合わせるハイブリッドワークという働き方が求められています。
ハイブリッドワークでは、個々の社員の状況や事情に合わせてテレワークしたり、業務内容に合わせてオフィスワークを行ったりといったように、オフィスワークとテレワークを組み合わせることで、メリットを生かし、デメリットを補うことが可能になります。
テレワークには、働く場所という視点で分類すると、自宅で働く在宅勤務、レンタルオフィスなどで働くサテライトオフィス勤務、移動中や出先で働くモバイル勤務などがあるといわれています。
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なぜハイブリッドワークが必要となったのか
テレワークなど多様な働き方が広まる中で、オフィスワークに比べ在宅勤務などのテレワークでは、社員間のコミュニケーションがとりにくいといわれています。また、業務の中にはセキュリティの問題や、設備などといった物理的な問題などから会社のオフィスでないと対応しきれないような業務があります。それら両方の仕事に対応するために、ハイブリッドワークが必要とされています。
ハイブリッドワークのメリット
テレワークとオフィスワークを組み合わせるハイブリッドワークには、さまざまなメリットがあるといわれています。
ここでは、ハイブリッドワークの4つのメリットをご紹介します。
- 多様な働き方を実現できる
- 生産性が向上する
- 従業員の満足度が向上する
- 優秀な人材を確保できる
多様な働き方を実現できる
ハイブリッドワークのメリットの1つに、多様な働き方を実現できることがあげられます。ハイブリッドワークはテレワークとオフィスワークのどちらかに限定するのではなく、個々の社員の状況や事情に合わせてテレワークしたり、業務内容に合わせてオフィスワークを行ったりといったように、組み合わせることで多様な働き方が可能になります。
生産性が向上する
ハイブリッドワークにより従業員は、自分の担当する業務内容に適した場所、つまり仕事をしやすく効率よく仕事ができる環境を選択することが可能になります。仕事をしやすい環境下では効率よく仕事ができるとともに、仕事に対するモチベーションもアップすると考えられ、その結果として業務の生産性が向上することをハイブリッドワークには期待できるでしょう。
従業員の満足度が向上する
ハイブリッドワークのメリットには、従業員の満足度が向上することがあげられます。個々の従業員の業務内容、周囲の環境、子育てや介護との両立が必要といった「状況」に適した働きやすいワークスタイルを選び働くことができるため従業員のモチベーションはアップし、満足度も向上します。
優秀な人材を確保できる
ハイブリットワークを取り入れることは、働きやすい環境を整えられるということに他なりません。優秀な人材の採用時には他社との競合が発生するケースが多くみられますが、ハイブリットワークによって自身の状況やライフスタイルに合わせて、働きやすい環境を柔軟に選択できることは重要なアピールポイントになり、入社の意向を高めるとともに、入社後の早期離職防止と定着に繋がります。このように、優秀な人材を確保できることはハイブリッドワークのメリットです。
ハイブリッドワークの課題点
オフィスワークとテレワークを組み合わせて働くハイブリッドワークにはメリットがある一方で、課題点やデメリットがあるといわれています。ハイブリッドワークの課題・デメリットを3つご紹介します。
- コミュニケーション上の問題が起きやすい
- 帰属意識が薄れる可能性がある
- 勤怠管理が複雑化する
コミュニケーション上の問題が起きやすい
ハイブリッドワークでは、テレワークをする人とオフィスワークをする人が混在するため、従業員同士が顔を合わせる機会が減り、組織内でコミュニケーション不足になる可能性が高くなります。従業員同士のコミュニケーションが不足することにより、業務に必要な情報共有もうまく行われず、業務上のミスやトラブルの発生につながる危険性があります。また、コミュニケーションが不足することによって、従業員間の人間関係の悪化や一体感の欠如につながることは大きな課題となり得ます。社内コミュニケーションが不足しないよう、定期的にミーティングを実施したり、コミュニケーションツールを導入するといった対策が必要です。
帰属意識が薄れる可能性がある
従来からのオフィスワークは、従業員が同じ一つのオフィスでともに働くことにより、帰属意識の醸成やチーム連携を高める場としての役割も果たしていました。 テレワークをする人とオフィスワークをする人が混在するハイブリッドワークでは、帰属意識やチームワークの醸成が難しく、導入する企業にとって大きな課題となりえるでしょう。
勤怠管理が複雑化する
ハイブリッドワークの問題点として、勤怠管理が複雑化する可能性がある点があげられます。テレワークとオフィスワークが混在するため個々の従業員によって勤務形態がバラバラになるケースが発生し、労務管理や人事評価などが複雑になる可能性が高い点は大きな課題といえるでしょう。
ハイブリッドワークの導入方法とポイント
ハイブリッドワークという働き方を取り入れていくことは、多くの企業に求められている状況です。ここでは、ハイブリッドワークの導入方法と重要なポイントを3つに絞ってわかりやすく解説します。
ハイブリッドワークに適応した環境整備を整える
テレワークをする人とオフィスワークをする人が混在するハイブリッドワークでは、オフィス環境の整備とテレワーク環境の整備が求められます。オフィス環境では、出社する社員の数が変動するため、柔軟に対応できるようフリーアドレスにすることや、社員間のコミュニケーションスペースを設けることが必要です。一方、テレワークで働く場合には社外からでもオフィスと同じように仕事ができるようにICT環境の整備が重要なポイントとなります。
ハイブリッドワークのルールを決めておく
テレワークとオフィスワークを選択して働くことが出来るハイブリッドワークを導入する際には、運用ルールを作成し、周知徹底することがとても重要です。勤怠や業務の報告・連絡・相談などに関するルールや禁止事項など設定しておくことで、トラブルや混乱防止に繋がります。また、状況や環境の変化に応じてルールを見直すことも重要です。
情報セキュリティに関するリテラシーを高める
ハイブリッドワークを導入する際には、事前にセキュリティ教育を行い、情報セキュリティに関するリテラシーを高める必要があります。シェアオフィスやコワーキングスペース、自宅などオフィス以外の場所で働くテレワークの場合には、情報漏洩リスクがあることを従業員に理解させるとともに、不正アクセスやコンピューターウイルス対策などを行うことも大切です。
まとめ<ハイブリッドワークとは?テレワークとの違いやメリット・デメリットを解説>
企業にとってハイブリッドワークを導入し多様な働き方ができる状況を整備することは、優秀な人材の採用や従業員の満足度向上に繋がり、それらによって生産の向上も実現できるといえます。
多くの企業では、少子高齢化による労働人口の減少や人材需要の拡大による求人倍率の上昇によって、人材獲得競争にさらされています。そのような状況においてハイブリッドワークを取り入れることは、優秀な人材確保という人事部門の課題を解決する有効な手段の1つになるといえるでしょう。
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