イノベーションは、革新や変革という意味を持つ言葉であり、さまざな場面で使われています。
ビジネス上で使用されるイノベーションとは、モノ、仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどあらゆる領域で、従来の常識を覆し、今までにない革新的な考え方やアイデアによって、社会に大きな刷新、変革や新しい価値を生み出すことを意味してます。
この記事では、イノベーションが現代社会の中で注目される背景には、どのような理由があるのかについて、イノベーションが起きている成功企業とイノベーションが起きていない企業の違いを整理し、企業や組織が目指すべきイノベーションについてわかりやすく解説します。
目次<イノベーションとは?イノベーションの意味と定義や注目の背景・成功する企業の特徴をご紹介 >
- イノベーションとは
- イノベーションの5つ種類と2つの分類
- イノベーションが注目される背景
- イノベーションが起きない企業の特徴
- イノベーションを起こし成功できる企業の特徴
- イノベーションを起こせる人材を見つけるために
- 時代の潮流に目を向け、イノベーションを起こせる企業に
イノベーションとは
イノベーション(Innovation)とは、革新や変革という意味をもつ言葉です。元々は「技術革新」という意味で使われていましたが、現在ビジネスの場面で使用されるイノベーションは、モノ、仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどあらゆる領域において、従来の常識を覆し、今までにない革新的な考え方やアイデアによって、社会に大きな刷新、変革や新しい価値を生み出すことを意味してます。
イノベーションの定義
オーストリアの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、1912年に自身の著書『経済発展の理論』の中でイノベーションの概念について提唱しました。シュンペーターは社会や経済の発展には人口増加といった外的要因よりも、イノベーションのような内的要因が重要でありインパクトが大きいと述べています。
また経済産業省は、研究開発活動にとどまらず、社会・顧客の課題解決につながる革新的な手法(技術・アイデア)で新たな価値(製品・サービス)を創造し、社会・顧客への普及・浸透を通じてビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得する一連の活動を「イノベーション」と定義*しています。
*引用元:日本企業における価値創造マネジメントに関する行動指針(2019年 経済産業省)
イノベーション5つ種類と2つの分類
イノベーションには、さまざまな種類のイノベーションが存在しています。ここでは5つのイノベーションの分類方法と2つに分類方法についてわかりやすく解説していきます。
5つの分類方法
- プロダクト
- プロセス
- マーケット
- サプライチェーン
- オーガニゼーション
2つの分類方法
- オープンイノベーション
- クローズドイノベーション
イノベーションの5つの分類
前述した、オーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーターはイノベーションを次の5つに分類しています。
・プロダクト・イノベーション(新しい商品を生み出すこと)
既存の商品を組み合わせたり、新たな発想を加えることによって、今までにない新しい商品を生み出すイノベーションのことをいいます。スマートフォンは携帯電話とPCを組み合わせた新たな商品であり、プロダクト・イノベーションの一つだといえるでしょう
・プロセス・イノベーション( 新しい生産方法を導入すること)
商品やサービスを提供する際に、新たな方法を駆使することで、生産性向上や効率化、簡略化などを実現するイノベーションのことをいいます。製造過程におけるロボットの導入や小売店のECサイト導入などが、プロセス・イノベーションの具体例になります。
・マーケット・イノベーション(新しい市場、消費者を開拓すること)
対象ではない市場・消費者といった領域に価値を見出し、新たに開拓するイノベーションのことをいいます。既存の商品やコンテンツでブルーオーシャンを発見・新規参入することで大きな売上や利益を見込めることができます。ゲーム業界ではテレビゲームからスマホゲーム(ソーシャルゲーム)への進出・開拓などが、マーケット・イノベーションの一つだといえるでしょう。
・サプライチェーン・イノベーション( 新しい供給資源・ルートを開拓すること)
商品の生産に必要となる材料や部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの一連の流れを改革するイノベーションのことをいいます。Amazonでは配送会社に業務を委託していましたが、自社の物流機能を強化することで柔軟に顧客への配送を行えるようになり、かつ外部への委託費用を削減することができました。これもサプライチェーン・イノベーションの一つになります。
・オーガニゼーション・イノベーション(組織改革を行うこと)
会社の組織や制度・システムの見直し改革を行い、その企業や業界全体に良い影響を与え成果を上げるイノベーションのことをいいます。ティール組織やタレントマネジメントなどによって組織変革、生産性向上を行う取り組みなどもオーガニゼーション・イノベーションにあたります。
オープンイノベーション・クローズドイノベーション
ハーバードビジネススクールの教授クレイトン・クリステンセンはイノベーションを次の2つに分類しています。
・オープンイノベーション
オープンイノベーションは、企業内部の情報は資源のみではなく、外部からのアイデアや技術、ノウハウを内部のものと組み合わせて変革を起こすことをいいます。
企業が他社や研究機関と共同で技術開発を行うことなどがこれに当てはまります。
・クローズドイノベーション
オープンイノベーションに対してクローズドイノベーションは、自社の情報や技術など自社の経営資源のみを活用して変革を起こすことをいいます。
イノベーションが注目される背景
イノベーションに取り組むことの重要性に注目が集まっている背景については次のような事柄が挙げられます。。
イノベーションを起こした企業の成長
イノベーションを起こした企業は新しい技術で著しい成長を遂げたり、市場で優位に立ったりと、イノベーションによって経済的優位性を確立している企業が増えています。現状の生産方法やマーケットに満足せず、イノベーションで新たな価値や市場を創造していくことは、現在の企業成長には欠かせないものになっています。
市場ニーズの多様化
人々の多様化したライフスタイルや働き方、考え方などによって、個々に即した商品やサービスが市場から求められるようになっています。それにともない、商品生産やサービス提供の方法が複雑化しており、企業は効率的に需要に応えることが求められています。
企業はこのような多様化したニーズに応えるためにさまざまな方法で変革(イノベーション)が求められています。
人材不足・働き方改革
少子高齢化などによって日本全体で労働力不足が進んでおり、多くの企業で人材不足が叫ばれてきています。それに加えて働き方改革が進み、従業員の生産性を向上していくことが必要であり、企業は「働き手の減少」と「生産性向上」という二つの課題に対して取り組むことが求められています。
その解決策として、イノベーションによる生産方法変更、市場開拓などビジネスそのものの改善や変革が求められてきています。
イノベーションが起きない企業の特徴
時代の変化に合わせて企業が大きく成長していくためには、イノベーションが欠かせません。しかし、中にはイノベーションが起きない企業もあります。イノベーションが起きにくい企業には、いくつかの特徴があります。
閉鎖的・消極的な企業・ローカル文化である
イノベーションを起こすためには、前提として、これまでの常識では考えられなかったような新しい考え方やアイデアを前向きに受け入れる姿勢が大切です。そのため、閉鎖的で消極的な組織文化・カルチャーであり新たな考えを検討できない企業は、イノベーションを起こしにくい傾向にあるといえるでしょう。
失敗を責める環境
イノベーションにつながる新しい取り組みには失敗はつきものです。しかしその失敗を強く責めたり失敗した当事者の評価を下げたりすると、従業員は失敗を恐れるようになってしまいます。その結果、新しい取り組みに消極的になり、イノベーションどころか現状維持を求めるようになってしまいます。
過去の成功体験に捉われている
既存の成長事業や過去プロジェクトの成功等があると、イノベーションを起こしにくくなります。それは成功体験に固執してそのノウハウややり方に外れた手法を否定しがちになるからです。イノベーションにつながる新しい発想を考えたり受け入れるのが、自然と難しくなってしまうことが考えられます。
イノベーションを起こし成功できる企業の特徴
イノベーションが起きない企業がある一方で、イノベーションを起こし成功できる企業も存在します。ではイノベーションが起きる企業にはどんな特徴があるのでしょうか?
市場と時代の変化など新しい情報へのキャッチアップが早い
時代によって市場で求められているものや、人々の価値観は大きく変わっています。世の中で何が変わってきているのか?市場や顧客は何を求めているのか?変化に対して早く情報をキャッチアップして対応していかなければイノベーションを起こすことは難しいでしょう。
イノベーションが起きる企業は、市場や時代の変化に常にアンテナを張り、その変化にあわせて柔軟に対応できることが求められているのです。
新しいコミュニティ・人との交流が活発的
個人や既存のチームメンバーからの考え方やアイデアには上限がありイノベーションが起こる可能性にも限界があります。新たな考え方やモノの捉え方などイノベーションに必要な情報を新しいコミュニティや人から収集することで、新たな可能性を見出すことができるでしょう。
果敢な失敗ができる環境
新しい取り組みやチャレンジには失敗がつきものです。従業員がイノベーションにつながる新しい取り組みに対して果敢にチャレンジできるような環境があることで、企業は大きく成長する機会を多く作ることができます。結果的にイノベーションのポテンシャルを最大限発揮することにつながり、成功につながっていくでしょう。
イノベーションを起こせる人材を見つけるために
前述のとおり「イノベーション」には今までになかった考え方やノウハウを取得し、新しい取り組みを行うことが必要不可欠です。既存の従業員にチェンジマネジメント等で変化を求めることもできますが、既存のやり方や考え方を180度変えるのは難しいものです。
企業は既存社員の変化を促しつつも外部から新しい血を入れ強制的に変化を起こすことも必要になってきているのではないでしょうか?企業に新しい刺激を与え、新たな価値を創造していくには既存の考え方にあてはまらない新たなハイクラス人材を採用することも求められているのです。
ハイクラス人材を採用するには
企業に革新・変化を引き起こすようなハイクラス人材を採用するためには、採用担当には一般的な新卒・中途採用とは異なる様々なノウハウが必要です。
ハイクラス人材採用にあたって必要な課題の特定、優秀人材と関係を構築し採用に至る各工程のポイントなどをまとめたお役立ち資料を公開しております。興味がある方はお気軽にご覧ください。
時代の潮流に目を向け、イノベーションを起こせる企業に
新型コロナで人々のライフスタイルや価値観が大きく変化したように、時代によって市場ニーズも企業に求められることも変わっていきます。そのような潮流に目を向け柔軟に対応し、イノベーションを起こせる企業が成長を遂げられるものです。人材採用を強化し、企業のイノベーションを推進していきましょう。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
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