モバイルワークとは？在宅勤務との違いやメリット・デメリット、導入のポイントを解説

「モバイルワーク」 目次

モバイルワークとは

モバイルワークとは、テレワークの1つのスタイルでありノートパソコン、マートフォン、タブレットなどのモバイル端末と情報通信技術(ICT)を活用して、場所や時間にこだわらず働ける労働形態のことをいいます。

モバイルワークは、外出の多い営業職などを中心に定着しています。例えば、社外の顧客との折衝で外出する営業担当者が、移動中に利用する交通機関や外出先のカフェや宿泊施設で仕事をすることが、モバイルワークにあたります。

モバイルワークの意味

モバイルワークは、情報通信技術(ICT)を活用して場所や時間にこだわらず働ける労働形態です。
ICTを活用して、場所や時間にとらわれない働き方を総称してテレワークと言いますが、モバイルワークの「モバイル」とは「移動できる」「動きまわれる」といった意味でり、モバイルワークはテレワークの一種となります。

モバイルワークと在宅勤務やサテライトオフィスワークとの違い

在宅勤務は、自宅を就業場所として働くことを意味し、サテライトオフィスワークは、所属するオフィスとは別のオフィスで遠隔で働くことをいいます。モバイルワークは、就業場所がカフェや交通機関などになり、在宅勤務とサテライトオフィスワークとは、それぞれ働く場所が異なります。

在宅勤務とテレワークとは？導入のメリットやポイントと、違いをご紹介

モバイルワーク導入のメリット

モバイルワークを導入することによって、どのようなメリットとデメリットが想定されるでしょうか。ここでは、モバイルワークのメリットについて解説します。

• 業務の効率化
• 無駄な移動と経費の短縮
• ワークライフバランスの向上

モバイルワークのメリット① 業務の効率化

モバイルワーク導入によってすきま時間や移動時間を活用して働くことができるので、従業員の時間を有効活用することができ、業務の効率化が可能になることはメリットでしょう。
例えば、外出中に一度会社に戻ることなく、顧客からの問い合わせ対応をしたり、メールの確認や、資料作成を行うことができ、業務をスムーズかつ効率的に行うことができます。

モバイルワークのメリット② 無駄な移動と経費の短縮

モバイルワークを導入し就業場所の縛りがなくなれば、不要な出社をカットすることができるため、従業員にとって多くの移動時間を短縮できることもメリットです。
また、企業にとっても移動に伴う経費の削減をする点は大きなメリットといえるでしょう。

モバイルワークのメリット③ ワークライフバランスの向上

モバイルワークを導入することで業務の効率化や無駄な移動が削減され、従業員個々のプライベートな時間をしっかり確保することが可能になります。
結果的にワークライフバランスの向上が期待でき、更なる生産性の向上やエンゲージメント向上の可能性が高まる点は、モバイルワークの大きなメリットとなります。

モバイルワーク導入のデメリットとリスク

モバイルワークを導入することによるデメリットやリスクについても、正しく理解しておく必要があります。ここでは、モバイルワークによって想定されるデメリットやリスクについてご紹介します。

• セキュリティ面でのリスクが生じる
• 勤怠を管理しにくい
• 導入・運用コストがかかる

モバイルワークのデメリット① セキュリティ面でのリスクが生じる

モバイルワークを行うためには、従業員がPCやスマホ、タブレットを持ち歩くため、端末紛失のリスクが生じます。
また、モバイルワークの場合には社内の安全なネットワーク環境ではなく、外部のネットワーク環境からアクセス等することで、情報漏洩等のリスクが生じる懸念があります。特に個人情報などを取扱う業務の場合は、セキュリティ面でのリスク対策が必要不可欠です。

モバイルワークのデメリット② 勤怠を管理しにくい

モバイルワークを導入すると、一日の中で従業員が一度も出社せずに業務を行うことがあります。そのような場合、従業員の労働時間と業務内容について、企業側が把握しにくくなるデメリットがあります。モバイルワークでは、企業や上司がどのように従業員の業務を把握して管理していくか、考えなければなりません。

モバイルワークのメリット③ 導入・運用コストがかかる

モバイルワークを導入するためには、従業員ごとにPCやスマホ、タブレットなどの端末を準備しなければなりません。また、モバイルワークに対応可能なセキュリティソフトなどの各種ツールやシステムもあわせて導入する場合は、その開発費用や運用コストも考慮する必要があります。

モバイルワークの導入を成功させるポイント

モバイルワークを上手に導入するためには、いくつかのおさえておくべきポイントがあります。モバイルワークの運用を成功させるために必要な点についてご紹介します。

セキュリティ対策を行う

デメリットとしてご紹介したように、モバイルワークにはセキュリティ面でのリスクが伴います。セキュリティソフトの導入や、VPN、リモートデスクトップの導入などを行い、安全にモバイルワークでの業務ができる環境を整備することが必要です。

情報セキュリティポリシーを強化する

モバイルワークの導入にあたって、情報セキュリティポリシーの見直しも行いましょう。社外からモバイルワークでアクセス可能・不可能な業務ファイルを分類したり、利用できる無線LANを明記したり、従業員が守るべきガイドラインを強化しましょう。

勤怠管理方法を検討する

モバイルワークで勤務する場合にはどのような勤怠管理が適しているか、社内で検討しなければなりません。パソコンのログイン・ログアウト時間の記録や、チャットでの勤怠報告など、自社のモバイルワークに合う管理方法を選定しましょう。

モバイルワーク導入の成功事例

実際にモバイルワークを導入し、業務効率アップにつながっている企業の成功事例をご紹介します。

モバイルワークの成功事例：日本航空株式会社

日本航空は、モバイルワークのほか、在宅勤務、部分在宅勤務、サテライトオフィスワークなどのテレワークを2015年より導入しています。特にユニークなのは、国内外の休暇先でのテレワークを可能とする「ワーケーション」も取り入れていること。これらのテレワーク導入で、残業時間の削減に繋がっています。

日本航空のテレワークについて：
https://press.jal.co.jp/ja/items/uploads/fff6878dfbbc7ae3ab04bb3bcbb5795f48a54167.pdf

モバイルワークの成功事例：日本アイ・ビー・エム株式会社

IBMは、自宅などから仕事できる「e-ワーク制度」を1999年から導入。この導入の先駆けとなったのが、営業部のモバイルワークです。就業場所にこだわらずさまざまな働き方に対応することで、育児をする女性社員など、多様な優秀な人材確保に繋がっています。

IBMのe-ワーク制度について：
https://www.ibm.com/ibm/responsibility/jp-ja/inclusion/work-life-integration.html

メリットが多いモバイルワーク

モバイルワークの導入にはデメリットがありますが、それ以上に業務効率や生産性の向上、従業員のワークライフバランス改善など、多くのメリットがあります。
また、柔軟な働き方によって優秀な人材を確保しやすくなるという点もモバイルワークのメリットといえます。今後は日本のビジネスシーンで、モバイルワークなどのテレワークはますます一般化していくでしょう。