近年では、日本企業においても人手不足の解消や、IT人材・専門性の高い人材を確保するために、中途採用が盛んになっています。多様な経歴を持つ人材からの応募がある中ではリファレンスチェックを取り入れる企業が増えています。
リファレンスチェックとは、中途採用時にその候補者と同じ職場の上司、同僚、部下など第三者から、仕事の実績や経歴、人柄などについて情報を取得し確認をすることです。
中途採用の場合には、少なくとも1社から多い場合には10社以上で就業経験のある候補者もいます。そのように多様な経歴をもった応募者も存在する環境下においては、リファレンスチェックを通じて面接で分からない部分の確認をするとともに応募書類と相違が無いかといった確認をすることによって、入社後のミスマッチを無くし早期離職を防止し活躍を続けられる人材を確保することが求められています。
この記事では、リファレンスチェックの目的やメリット・デメリット、導入・実施する際のポイントをわかりやすく解説します。
目次<リファレンスチェックとは?概要やメリット、質問項目や実施の流れを解説>
- リファレンスチェックとは
- リファレンスチェックのメリット
- リファレンスチェックの質問項目
- リファレンスチェック実施の流れ
- まとめ<リファレンスチェックとは?概要やメリット、質問項目や実施の流れを解説>
リファレンスチェックとは
リファレンスチェック(Reference check)とは、中途採用を行う際にその候補者について、同じ職場の上司、同僚、部下など第三者から、仕事の実績や経歴、人となりなどについて問い合わせを行い情報を取得し確認をすることです。
リファレンスとは、身元照会、信用照会といった意味をもつ言葉であり、採用候補者の仕事ぶりや人柄などについて、同じ職場の第三者に問い合わせを行い情報を取得することを指しています。
リファレンスチェックの概要
リファレンスチェックは、面接で分からない部分や応募書類と相違が無いかを確認し、ミスマッチを無くし早期離職を防止する目的で行われます。実施のタイミングとしては、最終面接や内定決定の前後に行われるケースが多いといわれています。 欧米では採用プロセスの1つとして定着しており、実施される割合は9割を超えるとも言われています。
日本国内においても、中途採用時のリファレンスチェックの実施率は 外資系企業 58%、日系企業23%と非常に多くの企業が実施をしています。
出典:中途採用における、リファレンスチェック実施状況調査 (エンワールド・ジャパン)https://www.enworld.com/newsrelease/survey-20210310.html
リファレンスチェックと前職調査との違い
前職調査は、中途採用時に応募者が提出した履歴書や職務経歴書、面接時の内容ついて食い違いが無いか確認するための調査を指します。 ただし、現在では個人情報保護やコンプライアンスなどの視点から、実施されるケースは大きく減少してします。 リファレンスチェックは応募者がヒアリングする対象となる人物を指定して行われるのに対して、前職調査の場合は企業側がヒアリングする人物を選び、採用企業の担当者や調査会社などによって調査を行うという点が異なっています。
リファレンスチェックのメリット
中途採用を行う際には応募書類や面接だけでは、わからないことや事実と異なる場合がありえるでしょう。ここではリファレンスチェックを行うことによって得られる具体的なメリットや解決できる問題についてわかりやすく解説します。
リファレンスチェックのメリット
- 入社後に必要なスキルと経験のミスマッチを防ぐことができる
- 面接では把握できない人柄や勤務姿勢などの確認ができる
- 応募書類の虚偽や報告されていない事柄を把握できる
入社後に必要なスキルと経験のミスマッチを防ぐ
候補者が所属していた企業においてどのような仕事をしていたのか、どのようなスキルを身につけていたのかを、上司や同僚から客観的に報告してもらうことによって、自社の求める業務や職務にフィットしているのかを判断することが出来るでしょう。 入社後のミスマッチを防ぐことが可能になることは、大きなメリットです。ミスマッチが発生しなければ、早期離職を防止し、長期にわたっての活躍が期待できます。
面接では把握できない人柄や勤務姿勢などの確認ができる
採用面接の場では候補者は、面接対策をして臨みます。面接時の所作や言葉遣いについても、普段よりも丁寧になっているでしょう。また、面接時の回答内容についても、誇張したり修飾されているかもしれません。
リファレンスチェックの回答者は、長時間ともに仕事をしてきた人々なので、候補者の普段の姿を良く知っているでしょう。それらの人から、情報を得ることによって、面接時には把握できなかった人柄や勤務態度などの確認ができることは、大きなメリットです。
応募書類の虚偽や報告されていない事柄を把握できる
提出する応募書類には、選考に不利になるような事実を記載しなかったり記載することを忘れるケースがあります。リファレンスチェックを行うことによって、応募書類に記載されている内容に、抜け漏れが無いか、事実と異なっていないかが確認ができることはメリットです。採用決定後に発覚してトラブルを避けることにも繋がります。
リファレンスチェックの質問項目
ここからは、リファレンスチェックを実施する際の大まかな分類と具体的な質問項目をご紹介します。
- 勤務状況
- 人物像
- スキル
勤務状況
候補者が提出した応募書類や面接時の回答事項の確認ができる質問です。
- 在籍期間
- 職務経歴
- 休職の有無・期間
人物像
応募者の普段の勤務状況や同僚とのコミュニケーションなど人物像がわかる質問です。
- 勤務態度や状況
- 同僚との人間関係
- 仕事に取り組む姿勢
スキル
応募者が保有しているスキルや知識、経験などがわかる内容についての質問です。
- 実績や成果
- 得意業務と苦手業務
リファレンスチェック実施の流れ
リファレンスチェックには、書類(WEBフォーム)での回答と面接(対面、オンライン)を実施するスタイルがあります。ここでは、リファレンスチェックを実際に行う際の実施の流れに沿ってご紹介します。
- 応募者に実施の承諾を得る
- 回答者を決定し、依頼する
- リファレンスチェックの回答を確認する
1.応募者に実施の承諾を得る
リファレンスチェックを実施する場合には、個人情報保護法や職業安定法に抵触することが無いよう十分に留意し進めることが必要です。
応募者にリファレンスチェック実施の目的や調査方法などを説明し正しく理解してもらいます。そのうえで、実施するリファレンスチェックを行うことの承諾を書面などにより得ることが重要です。
2.回答者を決定し、依頼する
リファレンスチェックの回答者を決定する際には、応募者本人から推薦してもらうことが一般的です。回答者を推薦してもらう際にも、個人情報に該当することがらであるため回答者本人の同意が必須です。
回答者にもリファレンスチェック実施の目的や調査方法などを説明し正しく理解してもらいます。そのうえで、リファレンスチェックへの回答を依頼します。
3.リファレンスチェックの回答を確認する
リファレンスチェックは自社に必要な人材の採用には重要な役割を担っています。ここでは、リファレンスチェックを実施する際に注意すべきポイントをご紹介します。
- リファレンス理由によって内定取り消しできない
- 違法にならないよう個人情報の取り扱いに注意する
- 回答を拒否される場合の対応も検討しておく
- 回答を鵜呑みにせず内容を確認する
まとめ<リファレンスチェックとは?概要やメリット、質問項目や実施の流れを解説>
人手不足の解消やIT人材など専門性の高い人材を確保するために中途採用が行われる中で、リファレンスチェックによって、面接で分からない部分の確認や応募書類の内容確認が行われるようになってきました。
リファレンスチェックを実施することは、自社が求める優秀な人材を採用し、ミスマッチを無く長期的な活躍を続けられる人材の確保に繋がるので、人事採用部門の課題を解決する手段の1つになるでしょう。
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