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2024.12.13更新

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リテンション・リテンション施策とは?メリットやリテンション強化のための5つの施策をご紹介

リテンションとは

近年、人事分野でリテンションという言葉をよく耳にするようになっています。

マーケティング分野でのリテンションは「既存顧客と継続的な関係を維持していくための(既存顧客の流出防止)マーケティング施策」を指します。一方、人事分野で使用するリテンションは、「優秀な人材の離職を防ぎ、継続して活躍してもらうための(人材流出防止)施策」のことを指し、「リテンション施策」「リテンションマネジメント」「リテンション戦略」とも呼ばれています。

この記事では、人事分野で使用されるリテンションの意味や、優秀な従業員を自社に確保しておくためのさまざまな施策として、報酬や福利厚生など待遇の改善、ワークライフバランスなどの働きやすい環境づくり、研修による能力開発やキャリアプランの実現など具体的なリテンションについて、解説しています。

人事分野でリテンションが注目された背景、メリットや実施している企業の実例についてもご紹介していきますので、是非最後までご覧ください。

「リテンション」目次

  • リテンションとは
  • リテンションが注目されている背景
  • リテンション導入の3つのメリット
  • リテンション強化のための5つの施策
  • リテンションを実施している企業事例
  • 「リテンション」まとめ

リテンションとは

リテンション(retention)とは、保持、維持、保有という意味をもつ言葉です。

マーケティング分野でのリテンションは「既存顧客と継続的な関係を維持していくための(既存顧客の流出防止)マーケティング施策」を指します。一方、人事分野で使用するリテンションは、「優秀な人材の離職を防ぎ、継続して活躍してもらうための(人材流出防止)施策」のことを指し、「リテンション施策」「リテンションマネジメント」「リテンション戦略」とも呼ばれています。

同じリテンションという言葉でも、使われる分野や場面によって意味が異なります。それぞれのケースで使われる意味の違いを理解していただけるよう解説していきます。

マーケティング用語としてのリテンションとは

マーケティング分野で使われるリテンションとは、既存顧客との関係を維持していくためのマーケティング活動のことを指します。すでに契約・購入履歴のある既存のお客様に対して、継続利用の促しや、購入を促す施策等がリテンションに当てはまります。具体的にはメルマガの配信や、SNSアカウントからの情報発信、WEB広告による顧客離れ防止などがリテンション施策としてあげられます。

人事用語としてのリテンションとは

人事分野で使われるリテンションとは、社員の退職などによる人材流出防止のために行われる人事施策全般のことを指します。優秀な従業員を自社に確保(≒離職防止)しておくためのさまざまな人事施策がリテンションに該当します。具体的なリテンション施策としては、報酬や福利厚生など待遇の改善や、ワークライフバランスなどの働きやすい環境づくり、研修による能力開発や希望部署への異動といったキャリアプランの実現などがあげられます。

このように、人事分野でマーケティングの考え方を導入する動きが広まっています。採用マーケティングについて理解を深めたい方は『採用マーケター』についてまとめた記事も併せてご覧ください。

リテンションが注目されている背景

なぜ人事の場面でリテンションが注目されているのでしょうか?
人事分野でリテンションが注目される理由と背景をご紹介します。

労働人口の減少・慢性的な人材不足

少子高齢化等により労働人口は減少しており、企業は必要な働き手を確保できず慢性的な人材不足に悩まされていることが増えています。そのためリテンションによって自社の社員の離職を防止し働き続けてもらうことが重要となります。

総務省のデータでは労働力人口は徐々に減少しており、2065年には2020年対比で約61%まで減少すると推測されています。

欧米諸国では優秀人材の定着のために、報酬制度の見直しや、育成研修、キャリア支援活動が盛んに行われていますが、日本では少子高齢化や急速なグローバル化によって、人材獲得競争が激化し、人材の流動化が激しく進んでいます。

参照:「少子高齢化で労働力人口は4割減」図表2労働力人口と労働力率の見通し/みずほインサイト
https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/mhri/research/pdf/insight/pl170531.pdf

人材の流動化によるノウハウ流出・利益損失

従業員の退職により、個々人が持っていたノウハウやネットワークが失われてしまい、企業の売上・利益が下がることに繋がってしまうでしょう。

また、ノウハウをもった従業員が競合他社に転職すると、技術やノウハウ、人脈なども流出してしまう懸念があり企業にとって既存社員の流出は非常にマイナスです。リテンションは人手の減少を防ぐとともに、ノウハウ流出や利益損失も防止する施策といえます。

リテンション導入の3つのメリット

リテンション導入によって企業にどのようなメリットがあるのでしょうか?
リテンションのメリットとして以下の3つについてご紹介します。

  • 採用・育成コストダウン
  • ノウハウや人脈の流出防止・蓄積
  • 従業員のモチベーションアップ

採用・育成コストダウン

リテンションのメリットの1つ目は、離職率低下に伴う採用・育成コストの削減です。

従業員の離職によるコストは間接的なものまで含めると非常に多きなものになり、企業にとっては大きなマイナスになりますが、その分、離職率が低下すれば非常に大きなメリットになります。

 ・採用コスト:エージェント費用や採用媒体への掲載料など
 ・育成コスト:研修やOJT等でかかる外注費や社内工数など

ノウハウや人脈の流出防止・蓄積

リテンションのメリットの2つ目は、離職率低下によるノウハウや人脈の流出防止・蓄積です。

リテンションが注目された背景でもご紹介していますが、終身雇用制度の廃止や活発な転職活動による昨今の人材流動化加速に伴い、ノウハウや人脈の流出が問題視されています。採用・育成コストに比べて可視化することが難しいですが、企業にとって非常に大きなマイナスとなることが多く、流出防止・さらなる蓄積によるメリットは非常に大きいといえるでしょう。

従業員のモチベーションアップ

リテンションのメリットの3つ目は、リテンション施策実施によるモチベーションアップです。

リテンションを行うことによって、従業員は自社から大切にされていると感じ、エンゲージメント向上、モチベーションアップにつながるでしょう。またエンゲージメントが高く、モチベーションの高い従業員が多い企業はリテンションを行うことでさらなる離職率低下を見込め、離職率低下とエンゲージメント向上・モチベーションアップの良いサイクルを生み出すことができるでしょう。

リテンション強化のための5つの施策

リテンション強化のためにどんな施策があるのでしょうか?
5つのリテンション強化の施策についてご紹介します。

  • 報酬制度改善
  • 労働環境の整備(ワークライフバランス)
  •  能力開発
  • 社内コミュニケーションの活性化
  • 社風に合った人材の採用(リファラル採用)

リテンション強化施策① 報酬制度改善

従業員がの報酬に不満を感じることは、転職を検討する主な理由の一つです。そのため、報酬制度の改善はリテンション強化の重要なポイントとなるでしょう。

従業員が自身の成果や貢献度に見合った公平な報酬を受け取れる仕組みを整えることが重要です。具体的には、給与やボーナスだけでなく、インセンティブ、福利厚生、ストックオプションなど幅広い項目を検討する必要があります。これらを透明性の高い正当な人事評価システムに基づき実施することで、従業員のモチベーションを向上させ、離職を防ぎます。

また、定期的な市場調査を行い、業界水準と照らし合わせて報酬を見直すことも欠かせません。報酬制度は従業員の生活の安定だけでなく、長期的なキャリア形成の支援に繋がるため、戦略的な設計を行い、従業員の離職を防いでいきましょう。

※給料やボーナスなど、以下さまざまな項目がこの報酬制度改善の対象になります。
・給料、ボーナス、インセンティブ
・福利厚生
・ストックオプション など

リテンション強化施策② 労働環境の整備(ワークライフバランス)

働きやすい環境の整備は、従業員の満足度を高め、離職率を下げるための基本的な施策です。

長時間労働や休暇取得のしにくさは、従業員が転職を考える要因となるでしょう。そのため、残業時間の削減、有給休暇の取得促進、テレワークやフレックスタイムの導入といった柔軟な働き方を支援する制度が重要です。また、育児や介護との両立を支援する産休・育休制度、時短勤務の導入も不可欠です。これらの施策により、従業員が中長期的に安心して働ける環境が実現し、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。労働環境を整える際は、定期的に従業員満足度調査を実施し、課題を早期に把握して対応することが効果的でしょう。

リテンション強化施策③ 能力開発

能力開発の施策は、従業員に「成長実感」や「働きがい」を与え、離職を防ぐ上で重要です。

研修制度や資格取得支援、ジョブローテーションを通じてスキルの向上を支援することで、従業員の成長を促します。また、目標達成を支援するメンター制度やキャリアプランニングの機会を提供することも有効です。これにより、従業員が将来のキャリアに対する明確なビジョンを持ち、企業内での役割をより強く感じるようになります。特にデジタル時代においては、最新技術やトレンドに対応するスキルの育成が不可欠であり、これにより従業員の市場価値も向上します。成長の機会を提供することで、企業の競争力を高めつつ、リテンション効果を実現することができるでしょう。

リテンション強化施策④ 社内コミュニケーションの活性化

職場での人間関係が悪化すると、従業員のストレスが増加し、離職のリスクが高まります。そのため、社内コミュニケーションを活性化させる施策も重要です。

具体的には、定期的なチームビルディングイベントや社内SNSの活用、従業員の声を直接聞くタウンホールミーティングなどが有効です。また、上司と部下間の信頼関係を築くための1on1ミーティングを定期的に実施し、業務上の課題やキャリアの悩みに対応することも効果的です。

コミュニケーションの強化は、従業員が「組織に所属している実感」を持ち、働く意欲を向上させる重要な要素です。さらに、多様性を尊重する社内文化の醸成が、全ての従業員にとって働きやすい環境を作り出すことが出来るでしょう。

リテンション強化施策⑤ 社風に合った人材の採用(リファラル採用)

企業文化に適合した人材の採用は、入社後の早期離職を防ぐ上で効果的です。

リファラル採用では、現職社員が知人や友人を推薦するため、候補者が企業の文化や理念に対する理解を深めた状態で選考に進むことが期待できます。また、採用プロセス自体がエンゲージメント向上の場として機能し、従業員満足度や採用成功率も向上するでしょう。さらに、社員が企業の魅力を積極的に発信することで、インナーブランディング効果を生み出し、既存社員のモチベーション向上にも寄与します。リファラル採用を成功させるには、推薦者に対する報酬や感謝の仕組みを明確にし、制度を持続可能に運用することが鍵となります。

採用支援サービス”MyRefer”ではリファラル採用の支援を行っており、社員の方々が簡単に楽しく自発的に友人紹介ができるよう、制度設計から広報施策の提案、改善施策の提示までクラウドサービスの提供とリファラル採用に対するコンサルティングを行っております。

リテンションを実施している企業事例

離職率低下のために多くの企業がリテンション施策を実施していますが、その中でもリテンション施策の成功事例としてよく取り上げられている企業をご紹介していきます。

リテンション実施事例:サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社はグループウェア製品を中心に企業向けのソフトウェアを提供しているIT企業です。メインの商材である「サイボウズ Office」シリーズは、国内2万社を超える企業に導入されています。

◆リテンション施策について
そんなサイボウズでは、社内コミュニケーションの活性化を目的として『社内部活動』を推奨・推進しています。日常的にコミュニケーションをとることが難しい、組織の横のつながりを形成することを目的として、社内コミュニケーションの活性化から部署間の連携スムーズにしたり、業務の効率化につなげています。

①複数の部署をまたがった5人以上の部員で構成する
②年数回の活動報告書の提出をする
上記2点をクリアすれば、どんな部活動も設立することができ、会社から補助を受けられることができます。こうした社内部活動の促進によって離職率低下を成功させたといわれており、実際に離職率が28%から4%にまで低下しています。

リテンション実施事例:三幸グループ

三幸グループは教育事業を担う「学校法人三幸学園」と、人材サービス・資格スクール事業を担う「株式会社日本教育クリエイト」を中心に、計7つの事業を展開するグループ企業であり「教育×人材」をメインの領域として事業展開されています。

◆リテンション施策について
そんな三幸グループでは、『キャリアチャレンジ制度』を導入しています。この制度は、2年間同一の部署に在籍していた従業員が、新たなチャレンジのために他部署への異動を申請することができる制度です。
前述の通り複数の事業を展開している三幸グループでは多種多様なポジションがあり、このような制度と非常に相性がよく従業員の継続的な成長やエンゲージメントの向上を後押ししています。

リテンション実施事例:株式会社ラコステ ジャパン

株式会社ラコステ ジャパンはフランス生まれのプレミアムカジュアルブランド『LACOSTE』やライフスタイルブランド『AIGLE』を運営しています。

◆リテンション施策について
そんなラコステ株式会社では、社員がプライドをもって働き続けられるように「安心」をテーマに、ハード面では「ラコステ4つの安心」という制度、ソフト面では「チームワーク」のカルチャーを推進してされています。

4つの安心は、教育制度、退職金制度、女性の働きやすさを追求する制度、ライフ・ワークバランスの両立がしやすい環境です。

また、チームワークにおいては一緒に働いていて気持ちがいい関係性がつくれるかということ。そのためには、話しかけやすい雰囲気であったり、相手に安心感を与える話し方をしたり、不測の事態にも冷静に対応するなど、つまりはコミュニケーション能力を大事にしています。

また、本社と店舗のコミュニケーションのきっかけに、リファラル採用を活用されています。

「リテンション」まとめ

労働人口の減少、人材の流動化が激しい昨今では既存従業員のエンゲージメント向上を図り生産性向上や離職率低下を図ることが非常に重要になっています。今回ご紹介したリテンションを通して対策してみてはいかがでしょうか。

また、リテンションにつながる採用施策であるリファラル採用について、構造を理解し、採用戦略の一つのチャネルとして取り込めるようまとめた教科書もご用意しています。ご興味をお持ちの方は併せてご覧ください。

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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