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2025.12.26更新

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“全社で取り組む採用”スクラム採用とは?メリット・デメリット・成功事例まで徹底解説!

スクラム採用TOPイメージ

近年、企業の採用活動において「スクラム採用」という新しい手法が注目を集めています。これは、エンジニア組織などで用いられる「スクラム開発」の考え方を採用活動に応用したもので、人事だけでなく現場メンバーも主体的に採用に関わる手法です。
現場とのミスマッチを防げる点から、特に即戦力人材やカルチャーフィットを重視する企業で広まりを見せています。本記事では、スクラム採用の基本から、メリット・デメリット、導入のポイントや成功事例までを解説します。

現場と連携しながら、より良い採用活動を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次|スクラム採用とは?

  • スクラム採用とは
  • スクラム採用が注目される理由
  • スクラム採用のメリット・デメリット
  • スクラム採用導入時のポイント
  • スクラム採用と親和性の高いリファラル採用を実践する企業の取り組みとは
  • まとめ

スクラム採用とは

現場メンバーが主体的に関わり、チーム全体で採用を進める「スクラム採用」が注目を集めています。従来の人事主導型採用では、求人設計から面接、最終判断までの多くを人事部門が担ってきましたが、採用のスピードや現場とのミスマッチといった課題が浮き彫りになってきました。
スクラム採用は、現場メンバーが初期段階から積極的に関与することで、候補者のスキルが業務に合うか、カルチャーフィットをより的確に見極められる点が特徴です。特に、スピード感が求められるIT業界やスタートアップ企業において有効性が高く、人材の定着率向上にも寄与すると期待されています。本章では、スクラム採用の定義や背景、リファラル採用との関係性について解説していきます。

スクラム採用の定義と背景

スクラム採用とは、2018年に株式会社HERPが提唱し、エンジニアリング分野の「スクラム開発」の考え方を採用活動に応用した手法です。人事部門だけでなく、現場メンバーも求人設計からスクリーニング、面接、最終的な意思決定に至るまで主体的に関与し、チームで採用を進めていきます。

この手法が注目される背景には、採用のミスマッチや人材の定着率の低下といった課題があります。特にIT・スタートアップ業界ではスピード感とチームフィットが重要視されるため、「現場が採用に関わる」という意識が求められています。スクラム採用は、こうした課題への解決策として徐々に広まりを見せており、組織文化や働き方の多様化に適応する新たな採用モデルとして注目されています。

スクラム採用が注目される理由

近年、企業の採用活動において「スクラム採用」が注目されている背景には、深刻化する採用難と組織運営の多様化があります。IT業界やスタートアップだけに限らず様々な業種で優秀な人材の獲得競争が激化しており、「スキルだけでなく、チームとの相性や自律性を重視したい」「人事任せではなく、現場も当事者として採用に関わりたい」といったニーズが理由に上げられるでしょう。

このような中、従来の人事部門中心の採用手法ではスピードや精度に限界があり、採用難を乗り越えるには、より現場に根ざした柔軟なアプローチが求められています。スクラム採用では、求人要件の設計段階から現場が関与するため、現実に即した採用活動が可能となり、候補者への説明や評価の質も向上します。

さらに、組織文化とのマッチやオンボーディングのスムーズさにもつながり、早期離職やミスマッチの防止といった定着面の課題にも貢献します。スクラム採用は単なる採用手法ではなく、「全社で人材を迎え入れる」という企業姿勢を体現する仕組みとして、注目されているといえるでしょう。

スクラム採用のメリット

スクラム採用は、単に採用プロセスを現場と共有するだけでなく、企業全体の採用力を底上げする可能性を秘めています。ここでは、具体的にどのような効果が期待できるのかをご紹介します。

・採用力の向上

現場メンバーが求人作成や面接に関わることで、実務に即した視点で候補者を評価できるようになります。技術的スキルや業務理解だけでなく、チームとの相性や価値観といった目に見えにくい要素にも目が届く点が特長といえるでしょう。その結果、選考の精度が高まり、採用全体の質を高められると考えられます。また、現場の声を直接反映できるため、意思決定のスピードが上がる点も大きなメリットといえるでしょう。

・ミスマッチの防止

「仕事内容が想像と違った」「チームに馴染めなかった」といった入社後のミスマッチは、早期離職の大きな要因です。スクラム採用では現場が積極的に関与することで候補者との接点が増え、相互理解が深まることが期待されます。候補者にとっても、実際の職場環境やチームの雰囲気を知る機会があることで、納得感を持って入社を決断できるといえるでしょう。

・優秀層の獲得

優秀な人材ほど「仕事内容」だけでなく「誰と働くか」を重視する傾向があります。スクラム採用では選考過程で現場メンバーと関わる機会が多く、候補者はリアルな職場の雰囲気やメンバーの人柄に触れることができます。これにより企業理解が深まり、信頼感や入社意欲を高めやすくなると考えられます。現場を巻き込むこと自体が、採用力を強化するブランディング効果につながるといえるでしょう。

・エンゲージメントの向上

採用活動に現場メンバーが関わることで、「自分たちの仲間を自分たちで選ぶ」という意識が芽生え、組織に対する当事者意識や責任感が高まると期待されます。新しく入社する人材にとっても、すでに顔見知りのメンバーがいることで安心感が生まれ、チームに馴染みやすくなるといえるでしょう。このように、採用段階から関係性を築いておくことは、入社後の定着や活躍を後押しすると考えられます。

・人事の負担軽減

従来の採用活動では、人事が求人設計から面接対応まで多くを担い、大きな負担がかかっていました。スクラム採用では現場と役割を分担することで、プロセス全体の効率化が期待できます。さらに、現場からのフィードバックをすぐに得られる体制を整えることで、人事はより戦略的な業務に集中できるようになるといえるでしょう。組織全体で採用を進める体制を築くことは、安定的な運用にもつながると考えられます。

スクラム採用のデメリット

スクラム採用には多くのメリットがある一方で、導入や運用の過程では注意すべき点も存在します。現場の工数増加や情報管理の煩雑さ、意識のずれなど、組織全体で取り組むからこそ発生する課題もあるといえるでしょう。あらかじめデメリットを理解したうえで、体制やフローを整備することが、スクラム採用を成功に導く第一歩と考えられます。

・現場の負担

スクラム採用では、現場メンバーが採用プロセスに深く関与するため、通常業務に加えて面接や候補者対応などの工数が発生します。そのため、特に採用に慣れていない社員にとっては、面談準備や評価方法に戸惑う場面も出てくるかもしれません。メンバーに過度な負担がかかると、本来の業務に支障が出たり、採用活動へのモチベーション低下につながる恐れもあるでしょう。こうしたリスクを防ぐためにも、適切な役割分担やサポート体制を整えておくことが重要といえるでしょう。

・管理の複雑化

人事と現場の複数メンバーが関与するスクラム採用では、情報共有や進行管理が煩雑になりやすい点も課題です。誰がどのタイミングでどの候補者に対応するのか、評価基準をどのように統一するのかを事前に設計しておかなければ、混乱を招く恐れがあります。意見の食い違いや進行の遅延を防ぐためにも、情報の一元化やタスク管理の仕組みを構築することが不可欠といえるでしょう。

・意識統一の難しさ

スクラム採用では「採用は全社の取り組みである」という共通認識が必要ですが、現場の立場や関与度によって意識の温度差が生じることもあります。採用に積極的なメンバーとそうでないメンバーの間で評価軸や関わり方に差が出てしまうと、選考の一貫性が損なわれる可能性もあるでしょう。効果的に運用するためには、定期的なすり合わせや全社的な意識づけを行うことが大切といえるでしょう。

スクラム採用の導入時のポイント・意識すること

スクラム採用を効果的に導入・運用するには、単に「現場を巻き込む」だけでなく、全社的な仕組みや意識の整備が欠かせません。現場の負担を最小限にしつつ採用の質を高めるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があると考えられます。ここでは、スクラム採用を始める際に意識しておきたい具体的な観点をご紹介します。

・トップの協力

スクラム採用を導入するうえで、経営層や部門責任者といったトップ層の理解と協力は欠かせない要素といえるでしょう。採用活動を全社的な取り組みとするためには、会社全体としての方向性や意思決定が伴っていることが重要です。トップが積極的にスクラム採用の価値を発信することで、現場メンバーの巻き込みもスムーズに進みやすくなります。経営視点からの後押しがあることで、現場の関与も「業務の一環」として正当に認識されやすくなるでしょう。

・採用権限の委譲・再定義

スクラム採用では、採用に関する判断を部分的に現場へ委ねることが求められるため、従来の「人事主導」の枠組みを見直す必要があります。たとえば、一次面接の合否判断やスカウト対応を現場に任せる場合には、明確なルールや役割分担が不可欠です。採用権限を柔軟に再設計することで、現場が自発的に関与しやすくなり、意思決定のスピードや納得感の向上につながるといえるでしょう。

・成果の可視化

現場を巻き込む以上、その効果や貢献度を見える化することが大切です。スカウト返信率や一次面接通過率、内定承諾率といったKPIをチームで共有することで、採用活動に対する意識が高まり、改善点の議論も活発化しやすくなるでしょう。加えて「良い人を採用できた」という声や、入社後の活躍といった定性的な成果も共有することで、メンバーのモチベーション維持にもつながると考えられます。

・情報の一元化

人事と現場が連携するスクラム採用においては、候補者の情報や進捗状況を一元的に管理できる仕組みが欠かせません。情報が分散すると評価のばらつきや連絡ミスを招く恐れがあります。採用管理システム(ATS)やチャットツールを活用し、情報共有のルールを明確にしておくことで、業務の重複や混乱を防ぎ、円滑な採用活動を実現しやすくなるといえるでしょう。

スクラム採用と親和性の高いリファラル採用を実践する企業の取り組みとは

スクラム採用は、スタートアップ企業を中心に広がりを見せていますが、近年では大手企業においても導入が進みつつあります。現場を巻き込んだ採用体制は、スピード感や納得感を伴った意思決定を可能にし、成果につながっている事例も少なくありません。さらに、スクラム採用と相性の良い「リファラル採用」を組み合わせることで、社員が主体的に人材を呼び込み、カルチャーフィットを高める取り組みも見られます。
ここでは、スクラム型の採用やリファラル採用を積極的に推進している企業の事例をご紹介します。ぜひ、具体的な実践イメージを描くうえでのヒントにとしてご活用ください。

富士通が3万3千人の全社員に展開してリファラル採用に取り組む理由

富士通株式会社は、全社員約3万3千人を対象にリファラル採用を推進しています。​同社は、デジタル革新を進める中で、多様な人材の確保が不可欠と判断し、社員からの紹介による採用を強化しました。​リファラル採用の利点として、企業文化への適応度が高い人材の獲得や、採用プロセスの効率化が挙げられます。​富士通では、社員が積極的に知人・友人を紹介できるよう、インセンティブ制度や紹介プロセスの簡素化を図り、全社的な取り組みとしてリファラル採用を展開しています。​
参考URL:https://mytalent.jp/lab/case_fujitsu/

将棋AIなどテクノロジーの力で世界を驚かすHEROZのリファラル採用戦略とは?

HEROZ株式会社は、将棋AIなど先進的なテクノロジーを駆使し、世界を驚かせるサービスを提供しています。​同社は、高度な技術力と企業文化にマッチした人材を獲得するため、リファラル採用を積極的に導入しています。​社員が自らのネットワークを活用して優秀な人材を紹介し、組織の成長を支えています。​リファラル採用により、候補者のスキルやカルチャーフィットを事前に把握でき、採用のミスマッチを減少させる効果が期待されています。​HEROZでは、社員が紹介しやすい環境を整えることで、リファラル採用の成功につなげています。​
参考URL:https://mytalent.jp/lab/case_heroz/

トヨタがリファラル採用を推進する理由と今後の展望──採用や職場の変革が、会社の変革のスタートである

トヨタ自動車株式会社は、モビリティカンパニーへの変革を目指し、多様な人材の確保が重要と考え、リファラル採用を推進しています。​同社は、社員が信頼する人材を紹介することで、企業文化に適した優秀な人材の獲得を期待しています。​リファラル採用の導入により、採用プロセスの効率化や、社員のエンゲージメント向上も図られています。​トヨタは、今後もリファラル採用を強化し、組織の変革と成長を支える人材の確保に努めています。​
参考URL:https://mytalent.jp/lab/case_toyota/

まとめ

スクラム採用は、人事主導にとどまらず、現場メンバーを巻き込んで採用を進めることで、より実態に即した選考を行い、組織への定着率やエンゲージメントを高めることができる手法です。従来の採用の枠組みを越え、企業全体で「仲間を迎え入れる文化」を育てていく取り組みとして、多くの企業が注目し始めています。

とはいえ、いきなり全社規模でのスクラム採用を導入するのはハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。そんなときは、まず比較的始めやすく、現場の巻き込み効果も得られる「リファラル採用」から取り組んでみてはいかがでしょうか。現場と人事が協力しながら採用を進める体験は、スクラム採用への第一歩となるはずです。下記の資料「リファラル採用の教科書」は、リファラル採用の意義・メリットや、実際に開始するための方法を詳しく解説しています。下記より無料でダウンロードいただけます。

資料|リファラル採用の教科書 基礎編 -導入・促進するためのメソッド-
無料ダウンロードURL https://i-myrefer.jp/corp/download/1/input

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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