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2023.07.19更新

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ファッションブランドの採用はファン作りから―世代を超えて愛されるLACOSTEのリファラル採用

フランス生まれのプレミアムカジュアルブランド『LACOSTE』やライフスタイルブランド『AIGLE』を運営する株式会社ラコステジャパン様。世代を超えて愛されているラコステでは、2年前からリファラル採用を取り入れはじめたそうです。

創業者ルネ・ラコステさんが大事にしていた「チームワーク」が大事なカルチャーの一つ。採用活動によってつながれる、本社と店舗、先輩と後輩のチームワークとは?今回は、グローバルな会社での人事経験が豊富な人事最高責任者髙村様と人事総務部中村様に、社員に採用活動に関わってもらう狙いについてお話をお伺いしました。

株式会社ラコステ ジャパン 人事最高責任者

髙村 竜也 氏(右)

電機メーカーやラグジュアリーブランドの人事マネジメントを経験し、2017年から現職。急速な少子高齢化やテクノロジーの発展により市場や社会は激しく変化しており、個人の就労観も多様化している。こうした環境下で、ファッションブランドに求められることも時々刻々と変化しており、人事部門の課題も多岐に渡る。ラコステジャパンでは、優秀な人材を魅了し一人ひとりが生産性高く長期間働けるよう“安心・安全“をテーマに様々な人事改革に取り組む。

株式会社ラコステ ジャパン 人事総務部 タレント アクイジション マネージャー

中村 かおり 氏(左)

2015年、人材開発&トレーニング担当としてラコステジャパンに入社。グローバルのトレーニングプログラムを日本へローンチさせる傍ら、ローカルトレーニングを企画し全国にトレーナーを配置し実行の強化に従事。育休を経て2018年から採用担当に着任、本社と店舗の採用全般に取り組む。

その他企業様の導入事例をまとめています!
下記からダウンロードください。

リファラル採用導入・運用事例
『メーカー・商社編』

『LACOSTE』入社のきっかけは、おじいちゃんからのジャケット!

ラコステジャパンで働いている人は、どのような人が多いですか?

髙村氏:
社員はファッション好きかスポーツ好きな明るい人が多いですね。

『LACOSTE』はプレミアムなカジュアルブランドです。そして創業者ルネ・ラコステ氏はテニス界のトッププレイヤーだったので、ファッションブランドですがDNAはスポーツに結びついています。

ポロシャツを買いに行ったときも、明るく対応してもらいました!

髙村氏:
店舗へ足を運んでいただき、ありがとうございます。実は店舗によって客層も全く変わります。

当社の強みの一つは、85年を超える非常に長い歴史のあるブランドだということ。若い方からご年配の方まで、多くの人が知ってくれています。こんなに世代を超えて愛されるブランドはなかなかないと思っています。

たしかに、老若男女みなさん着ているイメージがあります。「プレミアムなカジュアルブランド」というポジションは、採用戦略にも紐づいているのでしょうか?

髙村氏:
そうですね。やはり採用の最初の入り口にあるのが、『LACOSTE』という商品ブランドそのものなので。商品がプレミアム感あって、かっこよくて、親しみもあって……このブランドが好きだからこの会社で働いてみたい、と思ってもらうことが最初にあります。

ですから、お店や商品、メディアを通じたブランド全体の訴求は根本的な取り組みで、採用とも密接にリンクしています。ブランド自体の認知度が広がり、人事制度や働きやすい環境を整備していく―ブランド自体の魅力と働く環境をそれぞれ高めていくことが重要です。

もともとLACOSTEブランドのファンの方が、入社することが多いのでしょうか?

中村氏:
これは興味深いことに、本人が好きなこともありますし、親御さんが好きなこともあります。

先ほど世代を超えて愛されるブランドでありたいと話しましたが、「おじいちゃんから初めてプレゼントされたのがラコステの商品。それが自分の人生を変えた」と言って来てくれる学生さんもいました。

オーバーサイズのジャケットで最近のものじゃないなと思っていたら、おじいさんから受け継いだものと聞いてとっても驚きましたね(笑)。

また、ラコステに内定が出たことを報告したら、親がすごく喜びましたと報告してくれることもあります。お父さんがずっと着ていても生地が変わらないから、当社の商品の品質にも信頼をもってくれていたそうです。

ラコステが大事にする「チームワーク」カルチャー

人事ではどのようなミッションをもっているのでしょうか?

髙村氏:
さまざまなミッションがありますが、なかでも「採用」と「リテンション」はとても重要なミッションです。少子高齢化で人材獲得がどんどん難しくなっていく中で、採用だけでなく、社員がプライドをもって働き続けられる会社を作ることがますます重要になってきています。※リテンション=人材の離職を減らし、維持・確保すること

そのなかで、ラコステでは「安心」をテーマにしています。

マズローの欲求5段階説のように自己実現や帰属意識をもつステージに上がるためには土台となる安心・安全が大事ですし、チームがパフォーマンスを一番発揮するのは心理的安全性があるときだといいます。

そこでラコステで働くことによって「安心だな」と感じてもらえる環境を作りたいと思い、ハード面では「ラコステ4つの安心」という制度、ソフト面では「チームワーク」のカルチャーを推進しています。

「ラコステ4つの安心」は、どのような制度なのでしょうか?

髙村氏:
1つ目は教育制度で、現場で働く前にしっかり教育研修を実施しています。特に新卒社員の場合は、入社3年目までの研修を充実させ同期同士の関係性を高めることで、いわゆる「3年目の壁」を同期皆で乗り越えれるような仕組みづくりをしています。

2つ目が退職金制度と充実した収入保障プログラム。どんなに健康であっても突如大きな病気になることもありますよね、そのような時に、例えば治療に専念するために会社を辞めなければいけなくなったとしても、収入が途絶えないように定年まで一生一定の保障を受け続けられるものです。

3つ目として我々はフレンチカンパニーなので次世代の育成と女性の働きやすさを追求しています。具体的には、女性社員が出産・育児といったライフイベントでキャリアが途絶えたり、収入が男性社員に比べて不利になったりしないような制度をもっています。

4つ目は残業が少ないこと。インセンティブを計算するときに売上を労働時間で割るので、自浄作用的にみんなが早く帰るような仕組みになっていてライフ・ワークバランスを両立しやすい環境になっています。

グローバルな視点をもった制度ですね。「チームワーク」のカルチャーはどのようなものでしょうか?

髙村氏:
ブランドの創始者であるテニス選手のルネ・ラコステさんがチームプレイを大切にしていたことから、当社のカルチャーとして「チームワーク」が受け継がれています。

採用の基準でも、「チームワーク」を大事にしています。チームワークの上で大事なのは、この人と一緒に働きたいなと思うかどうか。チームワークの基礎は一緒に働いていて気持ちがいい関係性がつくれるかということ。そのためには、話しかけやすい雰囲気であったり、相手に安心感を与える話し方をしたり、不測の事態にも冷静に対応するなど、つまりはコミュニケーション能力が大事ですよね。

このコミュニケーション能力は接客にも繋がりますし、接客の入り口は笑顔だと思っているので、面接の場面でいい「笑顔」をもっているかどうかはとても重要です。

「チームワーク」のカルチャーの浸透では、どんな工夫をされていますか?

髙村氏:
創業者から受け継がれたカルチャーなので、創業者の価値観にふれる機会を作るなど様々な工夫をしています。私は先日マネジメント研修で、ラコステファミリーの末裔の方と会ってきました。その人が直に自分のおじいちゃんの話として創業者の話をして、「創業者のルネ・ラコステは終生仲間との絆を大事にし、チームワークの重要性を説いた」というような話を聞くとすごくインパクトがあるし、ブランドへの親密感が増します。

また、もちろん新入社員教育でもしっかりと伝えますし、日常的にバリューに沿って話をすることもあります。「今やっているこれって、うちのバリューに沿っているかな?」という風に。評価制度にも紐づいていて、キーワードの掲示もしていますね。

カルチャーの浸透を図って、心理的安全性を作っているのですね。

髙村氏:
そうですね。ハラスメントが起きないような環境作りにもしっかり取り組んでいます。職場のリーダーの行動を変えるような質問をしていくようにしています。「最近チームはどう?」「どういうことをしている?」「こういう時どうしている?」と質問をして、その人に答えさせることで、自ら内省してもらい行動の変革をさせるということをしています。

チームワークは、採用活動で生まれる?

御社が取り組んでいるリファラル採用の背景や取り組みについて教えてください。

中村氏:
先ほどからお話している当社の価値観を理解した優秀な社員からの紹介が、一番会社としてクオリティが高い人材が取れると考えていて、リファラル採用に取り組みはじめました。

リファラルに協力いただいた社員に対するインセンティブは、マネージャークラス、店長、店舗スタッフのそれぞれに分かれています。とくに最近は新店舗の採用に力を入れていて、ときにはキャンペーンとして3倍に金額をつりあげることもしています。

3倍は大きいですね。

中村氏:
はい、ただあくまでもコミュニケーションの一つです。お金をあげて動機付けにしようというよりも、事業としてここを伸ばしていくという優先順位を知ってもらうためにやっています。

新店舗の情報をタイムリーに知っていただく場にもなりますし、関心を持って協力をしてもらってその進捗を共有することは大事ですよね。採用活動によって当事者意識を醸成して、全国の店舗にアンテナをはってくれるきっかけになっています。

しっかりバリューを浸透させたうえで、会社からのコミュニケーションの一環としてインセンティブ設計しているのは本質的ですね。実際にどれくらい採用しているのでしょうか?

中村氏:
昨年はリファラル採用を通して18人採用できて、かつ決定率が8割近くありました。今年はもう少しいいペースで23人すでに決定しています。新店舗に紹介してくださって人員が充足したという良い流れも出てきています。

当社の社員が紹介する人は当社の価値観に共感する人が多いため、フィット感ももちろん高くなりますし、入社したあとも当社のカルチャーになじんでくれます。ちょっとしたことでも質問できるなど、仲のいいメンバーがいることが安心につながり、生産性を高めることにもつながるかなと。

決定率が8割も!社員が会社のファンになっておすすめしてくれている結果ですね。

髙村氏:
幸いにもそういうことかなと思います。取る側もこの人が紹介してくれるなら取りたいと思いますよね。勤めている社員が生の声をそのまま届けていることで、すごく信用性があるというか、応募する側も採用する側も安心感があると思います。

いいですね。全社を巻き込んで進めるうえで大変なことはありましたか?

中村氏:

全国に店舗があるのでもちろん簡単ではないですし、まだ全員の社員に協力してもらえている訳ではありません。

でも逆に、本社と店舗のコミュニケーションのきっかけにもなっていると思います。

今朝もちょうど一つリファラル採用での入社が決まりましたが、その方に結果のご報告として「ご紹介いただいた方の入社が決まりまして、ありがとうございます」とご連絡したら、「まだもっと素敵な人います!また紹介します」とお返事をくださって。離れていても、全国にいる社員と人事部とそういうコミュニケーションが取れることが嬉しいなと感じています。

髙村氏:
我々人事チームと店舗の距離が近いことは大きな強みです。その近さを助けてくれているのは、エリアマネジャーを中心としたリテールチーム。リテールチームの責任者やエリアマネジャーたちが人事チームにとても協力的なので大変助かっています。彼らを通してお願いすると現場も喜んで協力してくれる体制が出来ています。

店舗の方々は、リファラル採用だけでなく、会社説明会や面接にも協力してくれています。これらの採用活動を通じて、チームワークも醸成されていると思います。

社員の成長と、後輩にカルチャーを受け継ぐきっかけに

社員にリファラル採用に協力してもらったり、説明会に参加してもらったりしている狙いはなんでしょうか?

髙村氏:
学生や候補者の方々も、私たちから話を聞くよりも歳が近い人や友人から聞くほうが「実際働いていてどうなんだろう?」と、現実感がわくじゃないですか。説明会では若いスタッフを呼んできて、「自分はこういう思いで会社に入ってきて、今実際こうで…」という話を座談会形式で実施していますが、「社員の生の声が聞けて実際に働いた場合のイメージがしやすい」と学生からの評判も上々です。

採用に関わってもらうことで、人事と店舗の方々との距離感も近まっていくんですね。

髙村氏:
採用活動をお願いすると、店舗のスタッフは本当に喜んできてくれます。

「こういうこと話してね」とガイドしなくても、しっかりと彼らの言葉で素晴らしい経験談を話してくれるので、我々も本当に感動しています。素晴らしいことを言ってくれてありがとうって。

中村氏:
始める前は緊張すると言っていたスタッフが、座談会を終えると「採用活動に関わったことで今までと感覚が変わった」と言ってくれることがあります。

「こうやって自分たちの後輩が採用されてお店に配属されるからこそ、しっかりトレーニングや採用をサポートしようという気持ちになった」というように、次の世代の採用に関わることで後輩を育てていこうという意識が芽生えたと。これは、協力してもらった意味が見いだせたなと感じる瞬間ですね。

採用活動がそのまま、当事者意識をもって後輩を育てる想いに変わっていく。素敵ですね。

髙村氏:
人事目線でいうと、一番効果的なトレーニングは人にモノを教えさせることだと思います。人にモノを教えるためには、自分が思っている以上にそのことを理解しないといけない。いろいろな質問に対して答えなきゃいけないから、表面的な理解では足りず包括的に理解する必要がありますよね。

ですから、採用へ関わってもらうことは、まさに大きな成長の機会そのもの。学生や友人に対して自分の経験を話して質問に答えていく、その過程で彼ら自身も大きく成長していくのが見て取れます。

教えることが成長につながる。まさに、我々もリファラル採用の魅力はそこにあると思っています。

中村氏:
自社のビジョンや魅力、自分の仕事のことを友人に語ってもらうことは重要ですよね。

友人に対して、我々の仕事はこういうもので、こういうことを大事にしていて、こういうブランドなんだよと。

リファラル採用や面接官になることはすごく大事なことですし、その人自身の学びもたくさんあるので、それが次のステージへ押し上げることにつながればと思っています。

髙村氏:
こうやって協力してもらっているときにスタッフと触れ合うじゃないですか。そこで我々人事と現場のスタッフの距離感もどんどん埋まっていくし、すごくいい人材が見えてくる。そういう人材を今度はこのポジションに…とキャリアアップになっていくというように、いい循環にもつながっています。

成功を次のチャレンジへ

今後、新たに取り組みたいことはありますか?

中村氏:
今は中途採用でリファラル採用をしているのですが、今後新卒採用にも取り入れていきたいと思っています。

新卒採用が激化しているので、出身大学の後輩に声をかけてもらうなど新しくチャレンジしていきたいです。目先の流行だけをみるのではなく、その先をしっかりと見据えて、ルートを考えていかなければと思っています。

新卒領域でのリファラル採用もかなり増えてきています。HR全体としては他にありますか?

髙村氏:
強化していきたいのは、店舗の採用です。なんといっても私たちはファッションブランドなので、各店舗にクオリティの高いスタッフを採用し、しっかりとトレーニングし、育成することが大事。その意味で全国、北海道から沖縄まである店舗の人を同じレベルで採用し、クオリティを引き上げていくことは重要なテーマです。

入り口の採用はすごく大事で、いいクオリティの人材をとって、ちゃんとトレーニングし、採用・育成・処遇のサイクルをしっかり回していく。そこにリテンションという軸をななめにかけることによって、先輩から新人に対する伝統をつなぐ。ラコステの文化をさらに深みをもって実現していき、どの店舗にいってもラコステの高いスタンダードな接客をうけることができることを目指していきたいです。

採用の入り口にある「LACOSTE」ブランドそのものが、店舗そして商品に表れるからこそ、店舗の採用は大事なんですね。

髙村氏:
はい。少子高齢化でとくに地方は採用が難しくなってきています。全国の店舗スタッフが日々の仕事に集中できるよう、今まで以上により戦略的にしっかりと取り組んでいかないといけないと思っています。

成功事例をまた新たな取り組みにつなげ、さらに濃いものにもっと強化して結果が出せればと思います。リファラル採用も、うまくいっているところから徐々に広げて、一つ一つ確実に取り組んでいきたいです。

リファラル採用でも、いかに自社の熱狂的なファンや愛着のある人たちを巻き込んで、その成功事例を広めていくかが重要ですよね。

中村氏:
小さなものでもつなげていく、継続して広げていくことは本当に大事です。SNS全盛の今、まさに新卒採用では学生たちの間での評判が重要になってきている。リファラル採用はじめ、クチコミがどんどん広がっていくので、そうやって濃いファンをいかに作っていくかが重要だと思いますね。

編集後記

今回は、ラコステさんのカルチャーと全国の社員を巻き込んだ採用活動についてご紹介しました。チームワークのカルチャーのもと、採用活動を通じて人事と店舗の距離も縮まり、かつ店舗スタッフの成長やキャリアアップの機会にもつながっている取り組みでした。
またアパレルブランドだからこそ、店舗スタッフの採用と成長が、採用の入り口となる商品ブランドそのものの価値を上げていくことにつながっているのでしょう。店舗力を高めたい、現場社員の成長機会を作りたい企業様、ぜひリファラル採用を検討してみてはいかがでしょうか。

リファラル採用導入事例 メーカー・商社編 バナー画像

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監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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