「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」ことを使命に、ITサービスの基礎となるソフトウェアの受託開発をしているベース株式会社様。事業成長につれて採用目標が上がる一方で、労働人口の減少や求人倍率の高騰により人材獲得競争が激化しており、エージェント依存の採用活動からの変革が急務でした。
そこで、知名度のある企業や採用コストが潤沢にある企業と熾烈な競争をせずに、優秀な人材を獲得するために採用ブランディングに着目。業界・規模問わず、採用変革支援の実績があるTalentXの採用ブランディングサービス「MyBrand」を導入して、自社の透明性高い情報を発信する採用オウンドメディアの取り組みを始めました。
今回は採用ブランディングに注目した背景や今後の展望について、管理本部 人事教育部 須藤 しずか 氏に伺いました。
ベース株式会社
・従業員数 :単体:1,008名 連結:1,134名(2023年12月末現在)
・事業概要 :コンピュータソフトウェアの開発および関連業務
・取材対象者:ベース株式会社 管理本部 人事教育部 須藤 しずか 氏
お客様に対して常に新しい価値を提供し続けることを使命に、ITサービスの基礎を創るベース株式会社──事業成長につれて採用目標も増加し、約300名の採用を目指す
まず、貴社の事業内容と特長を教えてください。
須藤氏:
ベース株式会社は、ソフトウェアの受託開発事業をしている会社です。産業のグローバル化が進む中、最新のIT技術によってお客様の競争力向上や、業務の効率化・自動化を実現することで、「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」ことを使命としております。
私たちがIT業界で目指すのは、ITサービスの基礎になることです。ITの一番の基礎・土台・核となる「モノづくり」「運用保守」を支える縁の下の力持ちとして、社会にとって欠かせない存在になることが目標です。
大きな特長は日本人と外国人の比率が6:4と、外国人社員の比率が高いことです。外国人社員の多くは中国籍ですが、これは社長の中山が上海出身ということに由来します。日本人のサービス精神や品質への高い意識、調和を大切にする文化、中国人の高い技術力や最新技術に対する探究心、チャレンジ精神等、お互いの良さを刺激し合って自律的に成長することが、当社の成長の源泉です。
次に、採用目標や方針を伺えますか。
須藤氏:
日本と中国に在住している人材を合計して約300名の採用を目標に掲げています。採用目標は事業成長に連動して年々増えている状況です。
採用方針としては、環境や技術の変化に柔軟に対応できる素質があるかどうかを重視しています。先ほどお話しした「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」という使命の「常に」「提供し続ける」という点がポイントで、技術や事業、環境の変化が激しいIT業界で継続的に価値提供し続けるためには、私たち自身も変化する必要があるからです。
透明性の高い情報発信を通じて自社採用力の強化と正しい認知獲得を図るため、採用ブランディングをスタート
これまで取り組んできた採用施策とその中での課題を教えてください。
須藤氏:
新卒・キャリア採用いずれもエージェントがメインです。その中で最も課題になっていたのはコスト面です。当社は経営指針として「営業利益の成長」を掲げており、販管費をどれだけ抑えられるかが重要になります。その一方で、労働人口の減少や求人倍率の高騰によりエージェントフィーが上がり続けており、採用コストを削減しなければならない状況でした。
また、採用目標が年々増加するなかで、新しい採用チャネルを開拓しないと頭打ちになるという危機意識もありました。
今回、採用ブランディングをスタートした理由を教えてください。
須藤氏:
仕事に対する価値観の変化や、就職・転職市場の変化など総合して、エージェント依存の採用活動を続けることは厳しいと考えており、変革していく必要があると感じていたからです。エージェントをはじめ転職顕在層に向けたアプローチは、多くの企業と熾烈な獲得競争をするということです。そうなると、知名度の高いBtoC企業や採用コストが潤沢にある企業と真正面で戦ってもなかなか勝てません。そうした企業と戦うことなく、優秀な人材を獲得するためには、自社のブランド力や独自の採用力を高めることが重要だと考えました。
もうひとつは、透明性の高い情報発信を通じて、正しい認知を獲得するためです。情報が溢れかえっている現代では、SNSや口コミサイトなどで当社に関する情報もよく見かけます。個人が多くの情報を簡単に得られるようになった反面、事実と異なる情報や古い情報もあります。こうした状況のなか、正しい認知を促進するためには、ありのままの“ベースのいま“を伝える情報発信を自ら行うべきだと考えました。
そのなかで、なぜ「MyBrand」導入に至ったのでしょうか。
須藤氏:
サービスへの期待と人的支援のふたつです。
「MyBrand」は候補者が求める情報を発信する採用オウンドメディアを簡単に作れるサービスだと感じましたが、新規事業として今後の進化も期待しています。以前、他のサービスを使ったこともあるのですが、老舗のサービスで利用者も多かったので、いちユーザーの声を反映した機能アップデートは簡単ではないと感じていました。また、さまざまなユーザーや利用用途を想定したものだったので、採用目的でコンテンツを作るには不向きに感じることもありました。「MyBrand」は採用特化のサービスであり、今後かゆいところに手が届くようなアップデートもされていくだろうと期待しています。
人的支援の観点では、約5年前から「MyRefer」を利用していますが、TalentXの社員は非常にレスポンスが早く、コミュニケーションがしやすいと感じています。また、採用ブランディングに関する知見も豊富に持っていることも安心でした。
ありのままの姿を社内外に発信して自社のブランド力や採用力を高め、持続可能な採用活動への変革を目指す
「MyBrand」導入後の取り組み内容についてお聞かせください。
須藤氏:
導入してまだ間もないですが、採用オウンドメディア制作にあたり、TalentX社独自のフレームワークである「WORCS」に沿って、ベースが従業員に提供できるリアルな価値(EVP:Employee Value Proposition)の言語化を行いました。
TalentXの担当者と一緒に、ベースが考える自社の魅力や第三者から見たベースの魅力などを四象限に整理してみましたが、意外と伝わっていないことや気づいていない魅力など新しい発見がありました。
参考:EVPとは?タレント人材獲得のフレームワーク「WORCS」をおさえよ【前編】https://mytalent.jp/lab/article_evp/
また、採用オウンドメディアの制作と並行して、記事企画のブレストも行っています。人事だけで企画検討や記事制作をするのは工数的にも厳しく、企画もマンネリ化しやすいのですが、人的支援があって大変助かっています。
「MyBrand」の活用について、今後の展望を教えてください。
須藤氏:
定着率の向上を目的とした社内の組織理解を促すオープン社内報としての活用をしていきたいです。例えば、退職者に理由や背景を聞くと、社内で対応できたことを言われることが意外と多いんですよね。「他の部署がどういうことをしているのか分からない」「育休や産休などの社内制度をしっかりと活用している事例を知らない」という声をいただくこともあるので、日常の業務では入ってこない情報を社内に流通させる役割も担っていきたいと考えています。
採用全体や人材戦略についても、今後の展望を教えてください。
須藤氏:
先ほどもお話ししましたが、労働人口の減少や有効求人倍率が高騰するなかで、優秀な人材を獲得するためには、自社のブランド力や独自の採用力を高めることが重要だと考えております。
今回の採用ブランディングの取り組みも含め、ありのままの“ベースのいま”を社内外に伝えることで、持続可能な採用活動に変革していこうと思います。
編集後記
知名度のある企業や採用コストが潤沢にある企業との熾烈な競争をせずに、優秀な人材を獲得するために採用ブランディングに取り組むベース様のインタビューをお届けしました。ありのままの姿を社内外に発信して自社のブランド力や採用力を高め、持続可能な採用活動への変革を目指しています。
採用ブランディングやオウンドメディア制作に興味のある方は、ぜひTalentXまでお声がけください。