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2023.07.27更新

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博報堂DYグループ3社合同、6000人でリファラル採用を開始――DX人材獲得のため“転職市場で見つからない潜在層”にアプローチ

株式会社博報堂株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(MP)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)は、クライアント企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をマーケティングDXとメディアDXの両輪で統合的に推進するため、3社横断の戦略組織「HAKUHODO DX_UNITED」を発足しました。これに伴い必要となるのが、高い専門性を持ったDX人材。3社は合同でキャリア採用を進めています。

複数年で400人超の獲得を目指しており、より効果的な採用を実現するため、リファラル採用が本格導入されました。そのツールとして選定されたのがMyRefer。3社では潜在層へのアプローチや、高いカルチャーマッチの実現に期待を寄せています。今回、博報堂瀬氏、MP吉川氏、DAC布山氏に、MyRefer導入の背景や打ち立てた施策、今後の展望などをお伺いしました。

株式会社博報堂
従業員数: 3,812名(2021年4月1日現在・契約社員含む)
人事局 人事部 マネジメントプランナー 瀬 和成 氏
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
従業員数: 824名(2021年4月1日現在、契約社員含む)
人事局 人事部 マネジメントプラニングディレクター 吉川 誠 氏
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
従業員数: 1,508名(2021年4月時点)
経営管理本部人材開発部 ディレクター 布山 麗央 氏

その他企業様の導入事例をまとめています!
下記からダウンロードください。

リファラル採用導入・運用事例
『Net・広告編』

DX人材400名の採用を目指す。広告ビジネスを脱却し新たな価値創造を

まずは貴社の採用方針についてお聞かせください。

吉川氏:
博報堂DYグループでは、クライアント企業のDXを推進するため、3社のDX機能をひとつながりにした横断的な戦略組織「HAKUHODO DX_UNITED」を発足させました。企業のマーケティング活動の変化に対応し、新たな事業、価値を創造していくことを目指しています。それを強く推し進めるにあたって、戦力となる人材の強化は欠かせません。このたび、複数年で3社合計400名超のDX人材の採用を進めていくことになったのです。

博報堂DYグループでは、「DX」や「DX人材」をどのように定義しているのでしょうか。

瀬氏:
DXの定義はさまざまありますが、当グループでは、クライアントビジネスのデジタル化を「マーケティング」と「メディア」の両輪で推進していくことを指しています。メディアバイイングやプランニングをDX化してクライアントのコミュニケーションメッセージの効果を最大化する「メディアDX」、クライアントの顧客管理をシステム化し新たなビジネスチャンスを可視化するなど、クライアントのマーケティング活動をデータとテクノロジーで科学する「マーケティングDX」。これまで博報堂DYグループが実践してきたフルファネルマーケティングの知見を活かし、統合的なDXの力でマーケティングの上流から下流までを一手に担っていくことになります。

布山氏:
ですので一重にDX人材と言っても、データストラテジストやテクニカルディレクターをはじめ、我々がデジタルアカウントディレクターと呼んでいる、メディア運用から実行まで戦略的にプランニングする人材など、かなり幅広く定義しています。極端ですが、DXに関わるすべての人材が採用の対象者と言ってもいいですね。

DX人材の中でも、特に博報堂DYグループが求める人材はどのような方でしょうか。

吉川氏:
キャリア採用は基本的には即戦力採用の考え方なので、もちろんスキルや経験は必要要件になります。一方で、多くの人にできる限り長く働いてもらいたいので、時代が変化しても陳腐化しないもの、つまり変わらない思考力やパーソナリティを含めたカルチャーフィットを大事にしています。

どういうカルチャーがあるのかと言うと、例えば、「遊び心」ですね。ミーティングも雑談から始める文化がありますが、そうした状況を楽しめるような、ベースに遊び心のある人が博報堂DYグループのカルチャーにマッチすると思います。

布山氏:
そういう部分は3社共通かもしれません。各社、細かい文化の違いはあるものの、吉川が言ったような「遊び心」は共通のように感じますし、博報堂DYグループとしても大事な所なのではないでしょうか。

吉川氏:
クリエイティビティというと大げさに聞こえるかもしれませんが、考えて企画を出してブレストすることに面白さを感じる。ガチガチした会議だといいアイデアが生まれないので、なるべくお互いが打ち解け合って意見を言いやすい関係性を築くことが文化としてありますよね。こうした博報堂DYグループの環境を居心地よく感じていただけるかどうかは、その後の活躍や成長にも繋がるとても重要な要素です。

経営の方向性を社員に届けながら、転職潜在層の専門人材へアプローチする

キャリア採用で課題に感じていたことを教えてください。

瀬氏:
課題として感じるところは、博報堂DYグループの機能がすごく限定領域として認識されていることです。今、DX領域に注力して新たなビジネスを創っていく方向性の中でも、マス広告業務のみをしているイメージが残っている。求める人材が転職をしようと思ったときに、そういったイメージから博報堂DYグループを想起してくれないところが課題ですね。

布山氏:
そうですね、博報堂にDX領域のイメージがあまりないように、DACも同様の課題があります。グループ内で見た時にレガシーメディアと比べるとまだまだインターネットの歴史は浅く、且つ、メディア領域で伸長してきた会社なので、メディアレップというイメージが強く残っているように思います。そうではなくて、これからは博報堂DYグループのデジタル領域を一手に担う中核会社として発信していかなければいけません。

吉川氏:
また、人材獲得競争が激化する中で、転職顕在層向けのアプローチは熾烈さを増しており、特にDX人材など専門性の高い人材の獲得は、レッドオーシャンとなっています。
新たな採用手法を確立させ、転職潜在層のブルーオーシャンで強く戦える体制にしたい。その意味で、リファラル採用に期待するところは大きいです。

瀬氏:
博報堂DYグループの事業や求めている専門性、今後の方向性、カルチャーなどを最も良く理解しているのは現場の社員です。博報堂とMP、DACで合わせて約6000人の社員がいますが、その6000人がリクルーターとして、エージェントのような動きをできたらいいですよね。採用力はとてつもなく強くなるはずです。

社員一人ひとりがリクルーターとなり、転職潜在層へアプローチするためにリファラル採用を導入されたのですね。他に、リファラル採用に期待することを教えてください。

吉川氏:
リファラル採用を通じて、採用活動の全社オープン化を図っていきたいです。複雑化・高度化する採用要件を一番解像度高く把握しているのは現場の社員ですし、「こういう人と働きたい」という強い想いも持っています。採用活動において現場の社員のサポートは不可欠ですので、採用情報を人事だけでブラックボックス化することなく、全社員にできる限り開示し、採用を自分ごと化してもらえるような文化をつくっていきたいと考えています。

瀬氏:
日ごろから現場一体型採用を掲げているものの、採用に関わる社員は、該当する募集ポジションに留まるため、限定的でした。リファラル採用制度は、社員の所属によらず、他のポジションの紹介もできるので、全員が仲間を増やして会社を強くしようという意識を持てるため、有効だと思います。

吉川氏:
これは採用で大事にしているカルチャーフィットにおいても大事な観点です。自社カルチャーを理解しているのは社員しかいないので、社員が一緒に働きたいと思う人ほど魅力的な人材はいません。われわれ人事としても社員の紹介は非常に信頼していますし、協力してくれる社員を全社員まで拡げていくことが、採用活動の成功のキーになると考えています。

布山氏:
現場の社員が自ら紹介した人を採用すれば、採用の納得度も高まりますよね。また、リファラル採用であれば、知り合いの社員がいるのでキャリア入社の方も安心して飛び込むことができますし、入社後の心理的安全性が高いことも魅力です。とりわけ、テレワークが進む昨今の環境下では、キャリア入社の方は社内ネットワークを築きにくい状況だったりします。そうした点も含めて、リファラル採用はコロナ禍において魅力的な採用手法だと感じています。

MyReferを使って、社員の紹介体験を良質なものにする

リファラル採用を始めるにあたり、MyReferを導入した理由をお聞かせください。

布山氏:
DACでは、過去にツールを使わずにリファラル採用を行った実績もありました。しかし、紹介した社員が人事と候補者の窓口にならなければいけないため、やり取りが非常に煩雑で、社員の負担が大きかった。紹介社員の労力を減らして効率化するためには、ツールが必須だと感じましたね。

吉川氏:
私も最初は社員から推薦をもらうだけでよいかと思っていました。ただ話を聞いていく中で、一番大事なのは社員の体験をいかに良質なものにして、紹介の手間をどう減らすかだという事に気づきました。

MyReferは求人をすぐ確認できて、ワンクリックで友人・知人への紹介ができます。また、採用にまつわるトピックスを社内ニュースで配信することができますが、リファラルに関する情報がMyReferに一元集約されているのは、社員にとっても分かりやすいです。恒常的にリファラル採用を行うことを考えたら、MyReferをインフラにすることがベストな選択だと判断しました。

リファラル採用を促進するために、どのような工夫を行いましたか。

吉川氏:
MyReferを展開すること自体が「リファラル採用」の社内認知を広める起爆剤になると思ったので、社内コミュニケーションを丁寧に行いました。例えば、全社展開する前に予め部会等で事前周知を行ってもらったり、ローンチ当日も全社員が閲覧する社内掲示板で案内するだけでなく、人事局長から全社員にメールを送るなどして、会社的に大きな取り組みであることを伝えた上で、満を持してリファラル採用制度を公開しました。

布山氏:
制度さえ知っていたら紹介してくれる社員も多いので、 「そんな取り組み知りませんでした」となるのがもっとも避けたいパターンです。日々忙しく仕事をする中でも、まずは知ってもらうことが前提です。そのために、社内で展開しているデスクトップCMや社内ポスターも作成して、継続的に社員との接点をつくるようにインナーでのコミュニケーションを設計しています。

リファラル採用は毎日取り組むものではありませんが、例えば友人・知人と久しぶりに会って転職相談を受けたときに思い出してもらわなければなりません。そのためにも、オリジナルのコピーやグラフィックも作って、年間を通して定期的にコミュニケーションを続けていきたいと思っています。

開始1カ月で40名紹介。広いネットワークを持つおせっかいな社員ばかりだから、相性が良い

MyRefer導入後、1カ月で40人の紹介があったとお聞きしました。

吉川氏:
想定以上の好反応で、MyRefer展開初日から紹介があがってきました。新しいモノ・コトへのアンテナが高い良い意味でミーハーな社員が多いので、新しいアプリがあったらまずは登録して使ってみてくれています。また、博報堂DYグループの社員はネットワークも広いので、通常の採用手法ではなかなか接点が持てないような人材の紹介もありました。リファラル採用との親和性は抜群で、改めて社員の魅力を再認識しましたね。

博報堂DYグループは、良い意味でおせっかいな人の集まりなのです。例えば、OB・OG訪問でも相手に寄り添って相談に乗る姿勢を持っている社員が多いという声を、学生の方からもいただきます。友人・知人が仕事やキャリアに悩んでいたらなんとかしようという気持ちになるので、紹介も生まれやすいのではないかと思います。

40人はどのようなつながりからの紹介でしたでしょうか。

吉川氏:
前職や学生時代などさまざまなネットワークがあります。リファラル採用が、久しぶりに旧友と話しをするきっかけになったという方も少なくないようです。

瀬氏:
エージェントでは見つからないような人からの応募も来ていると思います。転職潜在層にアプローチできるのは大きなメリットですよね。転職をしようかどうか迷っているくらいの人はまず友人・知人に話すので、その段階の潜在層にアプローチできているのだと思います。

布山氏:
転職活動は心身ともにすごく消耗しますからね。転職サイトやエージェントに登録して、求人を見つけて比較検討して話を聞きにいって、というのは本当に大変です。確固たる決意がないとなかなか動きません。そう考えると、転職しようかどうか迷っている潜在層は思っているより多くいるはずで、リファラル採用でいち早くアプローチするのは非常に有効だと改めて感じました。

最後に、今後の展開についてお聞かせください。

吉川氏:
まずはリファラル採用で成果を出していければと思っています。ただし、そこがゴールでもありません。入社いただいた方が活躍して、その活躍ぶりを他の社員が見てリファラル採用の良さを実感する。リファラル採用が文化として定着することを目指したいです。さらに言えば、リファラルで採用した社員が別の友人・知人を紹介する、という好循環に繋がっていくことが理想ですね。

布山氏:
会社側としては、制度の導入だけで解決するようなことではないと思っています。リファラルが加速する前に、そもそも“友人・知人に紹介したくなるような会社作り”をすることが前提として必要だと考えています。現状の社員と、リファラルを含めキャリア採用で入社した社員が「HAKUHODO DX_UNITED」を機能させ、成果を出す。優秀な人材が集まり、さらに成長戦略を描けるようになると同時に、組織風土や居心地をさらに改善して社員の満足度を上げていく。こうしたスパイラルを作り、組織としてトータルに強くなっていくのが、最終的なゴールです。

編集後記

DXはもっとも人材獲得競争の激しい分野の一つです。博報堂DYグループでは、リファラル採用を通じて転職潜在層にアプローチすることに大きな期待を寄せています。MyReferを活用すれば、潜在層へのアプローチはもちろんのこと、社員の紹介体験をより良いものとし、人事と現場一体型採用の実現も可能となります。さらに詳しくは弊社までお気軽にお問い合わせください。

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監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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