労働人口の減少と採用競争の激化により、採用担当の約9割が新たな手法を探し求めています※。その中で注目が集まるのが、欠員補充的な採用に依存するのではなく、継続的に候補者が集まる仕組みで自社独自の採用力を高める「採用マーケティング」の取り組みです。
※TalentX「2025年 採用マーケティングに関する実態調査」より
国内最大級の従業員数を誇る株式会社日立製作所様(以下、「日立製作所」)では、AI採用MAサービス「MyTalent」とリファラル採用サービス「MyRefer」を導入、転職潜在層へのアプローチによる採用で250名以上が決定しています。
候補者との中長期的関係構築でミスマッチを抑制する「タレントプール採用」と、社員のリアルな声を伝播させる「リファラル採用」を活用して安定した採用活動を実現している同社は、個々の採用施策を“点”ではなく“線”として捉えた取り組みを進めています。
なぜ“線”でつなげる必要があるのか、タレントプール採用を推進する髙木氏とリファラル採用を推進する黄氏に、その具体的なお取り組みと今後の展望についてお話を伺いました。
▼日立製作所様の「MyTalent」導入背景についてのインタビュー記事はこちら
URL:https://mytalent.jp/lab/case_hitachi/

株式会社日立製作所
・従業員 :25,892名(2025年3月末現在)
・事業 :データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業
・取材対象者:人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部 髙木 裕文 氏
人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部 黄 芸桜 氏
多様な人財が活躍する未来に向けて、企業と候補者の相互理解が深まるタレントプール採用を強化

まずは、「MyTalent」導入後のタレントプール採用の取り組みについてお聞かせください。現在はどのような層をターゲットに、どのようなアプローチを行っていますか。
髙木氏:
タレントプールの対象は大きく2つあります。1つ目は、かつて日立グループに在籍していた退職者(アルムナイ)の方々。もう1つは、日立グループの採用選考(新卒・キャリア採用問わず)へご応募いただいたもののそのタイミングではご縁がなかった方や、現時点では転職を明確に考えていないものの将来的な検討可能性から「キャリア登録」をいただいた方々です。
これらの方々に向けてメルマガ形式で継続的な情報発信を行っています。求人情報だけでなく、イベント情報や事業部の紹介など、まずは幅広く当社のことを知っていただき、「日立のファン」を増やすことを目的としています。特に、アルムナイの方々に関しては会社の変化もダイレクトに感じてもらえるよう、事業リリースや投資家向けのイベント情報など、「会社の成長」が伝わる情報を届けることも意識しています。
「会社の成長」に関する情報発信を重視されているのはなぜですか。
髙木氏:
多様なキャリア観が広がる中で、候補者の皆さまが転職を具体的に意識するタイミングは多岐にわたります。そうした将来のタイミングに向けて、日立グループの変革や挑戦を継続的にお届けし、いざ転職を考えた際に第一想起される存在になりたいと考えています。長期的な視点で候補者との信頼関係を育むことで、より会社にフィットした人財の採用にもつながり、また入社後のエンゲージメントの観点でも重要だと考えています。
「MyTalent」の機能に関してはどのようにご活用いただいていますか。
髙木氏:
MyTalentの機能で特に重宝しているのが、候補者の転職意欲を可視化する「スコアリング機能」や、直近の活動状況から転職意向の高い候補者がわかる「ホットフラグ機能」です。 例えば、参加者数が限られた採用イベント告知をする場合、すべての候補者に一律で送るのではなく、ホットフラグが立っている「熱度の高い方」から優先的に案内することで、非常に効果的なアプローチが可能になりました。候補者の状況に寄り添った発信が可能になることで、より良い体験提供につながっていると感じています。
貴社は人的資本経営にも注力されていますが、タレントプール採用は組織づくりにおいてどのような価値があるとお考えですか。
髙木氏:
当社での活躍がイメージできる方とより多く出会える重要な手法だと考えています。まず、一定の期間をかけて会社の魅力や事業内容を深く理解いただいたうえで入社いただけるのが、他の採用チャネルにはできないタレントプール採用の魅力です。タレントプール経由で入社された方は会社とのマッチ度や入社後の高い活躍度が期待できると思っています。加えて、転職潜在層にアプローチできることもタレントプール採用ならではだと考えています。転職市場において潜在層が増加する中、継続的に接点を持つ機会が生まれるだけでなく、ご登録されている潜在層の方にとってもしっかりと情報収集をしたうえで転職活動ができますので、より良いキャリアを考えるきっかけにもなると考えています。その積み重ねを通して、当社のビジョンや事業に共感いただける方々と一緒に組織をつくっていくことにつながるのだと捉えています。
「全員ヘッドハンター」が合言葉―”紹介したくなる”仕掛けづくりで250名以上の採用につながったリファラル採用

続いて、「MyRefer」を活用したリファラル採用について伺います。大規模な組織で社員を巻き込むのは容易ではないと思いますが、どのような工夫をされましたか。
黄氏:
「MyRefer」を導入した2020年頃は、まだ社内で「リファラル」という言葉自体が浸透していませんでした。そこで、社員に親しみを持ってもらうために「全員ヘッドハンター制度」というキャッチーな名称をつけ、社員一人ひとりが次の仲間を見出すヘッドハンターであるという意識醸成を図りました。社内サイトのデザインもカラフルで親しみやすいものにし、知人紹介に対する心理的ハードルを下げる工夫を凝らしました。導入後250名以上の入社につながり、紹介数も年々増加しています。社員にとって身近な施策になってきていると感じています。
従業員数2.5万人以上の大規模なリファラル採用において、活用している「MyRefer」の機能を教えてください。
黄氏:
当社は規模が大きく、現在約650件程度もの求人が掲載されています。これでは、社員が友人・知人に紹介しようとしても、適切な求人を探すだけで一苦労です。 そこで、組織ごとに求人をグルーピングし、「あなたの所属組織では今、このポジションが募集中です」とピンポイントで案内することで、工数も減り紹介ハードルが下がっているのではないかと考えています。最近では「自分たちのチームの仲間を自分たちで探す」という意識が高まっており、特に技術職など専門性の高い領域では「自部署へのリファラル」が増えるなど、より親和性の高い採用活動ができていると感じています。
貴社では、リファラル採用時に「どうおすすめしたのか」、社員の口コミコメントを採用サイトで掲載されていますね。
黄氏:
「MyRefer」の推薦コメントを通じて、実際に働いてみないと分からない働きやすさや職場の雰囲気、そしてプロジェクトなどに携わった価値ややりがいといった、求人票の文章だけでは伝わらない”生の声”が多く寄せられています。 また、口コミは社員が「MyRefer」の推薦コメントで投稿した内容をほぼそのまま掲載しています。良い点もそうでない点も含めて、ありのままの情報を伝えることが、結果として入社後のミスマッチを防げるのではないかと思います。
▼日立製作所様の、「MyRefer」で集まった社員の口コミコメントはこちら
URL:https://hitachi.brandmedia.i-myrefer.jp/comment

友人におすすめしたリアルな口コミを「MyRefer」で集め、採用サイトで掲載。
採用の接点を「点」から「線」へ広げる、チャネル連携の取り組み

最後に、「MyTalent」「MyRefer」の活用について、今後の展望を教えてください。
髙木氏:
これまでは、タレントプール採用とリファラル採用をそれぞれ個別の施策として進めてきました。しかし今後は、各チャネルをより連携させていくことが重要だと考えています。例えば、「MyRefer」経由で紹介された方が、そのタイミングでは応募に至らなかった、あるいはご縁がなかったとします。従来であればそこで関係が終わってしまいますが、その方を「MyTalent」のタレントプールへご案内し、継続的に情報をお届けすることでつながりを維持できます。 そうして関係を温め続けることで、将来的に再び応募していただける可能性が生まれます。
黄氏:
まさに、個々の採用施策を「点」ではなく、もっと広く「線」として捉えていくことが今後のテーマです。 さらには、全社が一体となって取り組むことでより相乗効果が発揮されると思っております。退職した元同僚に「また一緒に働きたい」と声をかけたり、部署内のメンバーに「もっと仲間を増やしたいから、良い人がいたら紹介してほしい」と働きかけたり。そうした一つひとつのコミュニケーションの積み重ねが、また新たなつながりを生むという好循環をめざしたいです。
編集後記
日立製作所様のインタビューから見えてきたのは、リファラル採用とタレントプール採用を個別の採用チャネルとして捉えるのではなく、相互に連携させながら候補者との関係を深めていくアプローチでした。
候補者との一度の接点を「点」で終わらせず、タレントプールで継続的な関係を構築し、適切なタイミングでアプローチして「線」にする。さらに、全社一丸となったリファラル採用によってその効果を加速させ、また新たな接点を創出する循環を生む。人財獲得の難易度が高まる今だからこそ、こうした丁寧な関係づくりが、結果として良い採用につながっていくのではないでしょうか。新たな採用トレンドや自社課題に合った施策をお探しの採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声掛けください。
▼日立製作所様のように、「MyRefer」「MyTalent」の掛け合わせによって企業の魅力を伝播させていくレオパレス21様のお取り組みはこちら
URL:https://mytalent.jp/lab/case_leopalace21/
▼採用マーケティングとは何か、具体的な施策内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください







