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2025.03.21更新

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川崎重工が目指す、緩やかにつながり続ける「アルムナイネットワーク」──自社独自の人財データベース構築に加えて、ビジネス連携といった新たな価値創造にも期待

川崎重工業株式会社様は、1878年の創業以来、造船、鉄道車両システム、航空機、各種産業用機械、モーターサイクル、エネルギー環境プラントと、時代の変化に応じて事業分野を幅広く拡大されています。

世界規模で社会構造や経済構造がダイナミックに変化している21世紀において、社会課題へのソリューションを提供するため、今後注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、時代の変化に合わせて、より成長できる事業体制への変革を目指しています。

その一環として、人事制度の刷新や採用変革にも取り組んでおり、アルムナイネットワークの構築にも力を入れています。今回はアルムナイネットワーク構築に着手している背景や今後の展望について、人事本部 人財開発部 採用課 課長 田辺氏と同課 渡邉氏に伺いました。

川崎重工業株式会社

・従業員数 :39,689人(連結|2024年3月31日現在)
・事業概要 :船舶、鉄道車両、航空機、宇宙機器、ジェットエンジン、各種エネルギー設備、各種舶用機械、プラントエンジニアリング、鉄鋼構造物、各種油圧機器、産業用ロボット等の製造・販売
・取材対象者:人事本部 人財開発部 採用課 課長 田辺氏(左)
       人事本部 人財開発部 採用課 渡邉氏(右)

グループビジョン2030の達成に向けて、人事制度の刷新や採用変革を推進──社外とのシナジーを強化するため、キャリア採用を強化

まず、貴社の事業内容を教えてください。

田辺氏:

川崎重工は船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業プラント・油圧機器・ロボットなどの多彩な事業を展開する総合エンジニアリングメーカーです。

川崎重工グループでは、2030年に目指す将来像として、グループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」を制定しました。そのなかで、今後注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、より成長できる事業体制への変革を目指しています。

次に、人事戦略や採用戦略を伺えますか。

田辺氏:

刻々と変わる社会課題に対して、革新的なソリューションをタイムリーに提供するためには、多様な人財を獲得することと、成長と活躍できる環境整備と組織体制の構築が不可欠です。

実力のある人財が活躍できるような会社に変革していくため、年功序列の廃止など、今の時代にはマッチしていない人事制度の刷新に取り組んでいる最中です。加えて、上司と部下で丁寧にコミュニケーションを取り、チャレンジングな目標・課題に対して取り組む過程やアウトプットがしっかりと評価される制度のアップデートにも着手しています。

渡邉氏:

採用に関しては、新卒一括採用に加え、キャリア採用にも注力しています。今は新卒一括採用だけでなりゆく時代ではないですし、事業変革を推進するためには外からの知見も有効に活用していかなければなりません。

従来の川崎重工の枠組みに囚われるのではなく、新たな事業にもチャレンジするため、社外の人財も積極的に獲得したいと考えています。

そうした事業変革を推進されるなか、具体的にはどのような人財を求めていますか?

田辺氏:

ベースとして、さまざまな関係者と一緒に仕事をするため「人を巻き込む力」と「コミュニケーション力」は重要になります。また、私達の部門では「志」と呼んでいますが「この事業を通じて、社会課題を解決できる」と信じて挑戦する強い推進力を持つ人財を求めています。

渡邉氏:

川崎重工はインフラに携わっているため、これまで品質や安全に対する意識が高い社風がありました。もちろん品質や安全に対するコミットメントは重要ですが、それに加えて挑戦や意味のある失敗を奨励する文化に変わりつつあります。

果敢に挑戦し、失敗から多くのことを学んで進むことができる人財というのは、川崎重工が求める人物像にマッチしていると思います。

一度つながりを持った社外の人財と中長期でコミュニケーションを取るため、採用MAサービス「MyTalent」を導入

キャリア採用において、これまでの採用施策について教えてください。

渡邉氏:

数年前まではキャリア採用の人数自体がそもそも少なく、エージェントからの紹介が9割以上を占めていました。直近ではキャリア採用の目標が増えるなかで、部門ごとにダイレクトリクルーティングの導入などもスタートしています。

今回、アルムナイネットワークをスタートしたきっかけを教えてください。

田辺氏:

一番は、組織の垣根を超えて社外とつながり、新たな価値創造を推進できるネットワークを作ることにあります。

川崎重工のグループビジョンや事業に共感して接点を持ってくださった社外の方々の知見をかけ合わせることで、川崎重工の事業変革もスムーズに進めることができるでしょう。一度つながりを持った社外の人財と持続的にコミュニケーションを取り、ゆくゆくはビジネス連携や再入社につながると嬉しいと考えています。

渡邉氏:

採用の観点では、自社独自の母集団を作り、人財供給機能を作る目的もあります。人財獲得競争が激化するなかで、適所適材の人財を十分に確保する難易度は上がる一方です。そのため、このまま外部のデータベースや母集団に依存するのはリスクが非常に高いと考えています。川崎重工として、マッチ度の高い人財データベースを自社で作る取り組みが必要だと考え、まずはアルムナイからスタートしました。

アルムナイネットワークなど新しい取り組みをスタートするにあたり、社内から慎重な意見はありましたか?また、工夫した浸透施策があれば教えてください。

田辺氏:

川崎重工はこれまで既存事業を深化させてきた歴史があり、プロダクトアウトの思想や現場志向が強い傾向にありました。そのため、新しいことに抵抗感を持つ社員も一定数いたと思います。その一方で、多くの社員が新しい事業にも目を向けないと社会の変化に取り残されてしまうという不安や課題意識も持っていました。

会社としても、時代の変化に合わせて、より成長できる事業体制へ変革するため、「探索型」の新規事業をいくつも打ち出しています。例えば、2024年11月に「HANEDA INNOVATION City」(東京都大田区)に開所したソーシャルイノベーション共創拠点「CO-CREATION PARK – KAWARUBA」(カワルバ)も新しい取り組みのひとつで、意志ある多様な人々が組織の垣根を超えて出会い、集うことで価値創造し、社会実装を目指す場です。多様な実証フィールドを活用しながら、事業起点でソリューション開発を推進します。

こうした新しい取り組みや想いを浸透させるために、経営陣からの粘り強いメッセージの発信を続けています。また、プロジェクトが実際に動き、社員が見聞きする機会が増えることで、少しずつ新しい施策や想いを受け入れる土壌が形成されていくと考えており、まさに今が過渡期だと捉えています。アルムナイネットワークもこのような新しい取り組みのひとつであり、会社の新たな変革のなかで大きく前進させたいと思っています。

今回、「MyTalent」を導入した理由を教えてください。

田辺氏:

「MyTalent」は、タレントプール内にどのような職種やポジションの人が多いのか、転職意向があるのかどうかなどを可視化できる点が優れていると感じました。

職種も幅広くあるなかで、一人ひとりの情報を管理・可視化しないと実際の活用は難しいと思います。人財管理という観点で「MyTalent」は非常にわかりやすく、人財データを整理・管理できるという印象でした。

渡邉氏:

川崎重工として初めての取り組みになるので、他社事例のナレッジや実績がある点は非常に心強かったです。取り組みを進めるなかで、さまざまな疑問や不安も出てきますが、他社事例も含めて情報共有をいただいており、導入後のやり取りでも非常に安心感があります。

川崎重工に興味を持って共感してくれた仲間たちと緩やかにつながり続けるコミュニティを目指す──採用だけでなく、ビジネス連携といった組織の垣根を超えた価値創造にも期待

「MyTalent」の活用やアルムナイについて、今後の展望を教えてください。

田辺氏:

まずは「MyTalent」のコミュニティに多様な人財に登録していただきたいと考えています。また「社外の人たちと緩やかにつながること」を大切にしたいので、気軽に交流できるイベントなども計画したいと思います。

加えて、アルムナイで川崎重工に戻ってきて現在活躍している社員のインタビューなどを通じて、川崎重工はアルムナイに対してポジティブに捉えており、いつでも門戸が開かれているということを伝えていきたいです。

渡邉氏:

採用観点では、数年後に自社独自の人財データベースとして機能し、適所適材の人財を獲得できている状態を目指します。また、結果的に採用につながらなくても、ビジネス連携といった組織の垣根を超えた価値を創出する取り組みに貢献したいと考えています。

今回アルムナイからスタートされましたが、社外の人財と緩やかにつながり続ける取り組みについても、今後の展望を教えてください。

田辺氏:

アルムナイに加えて、選考辞退者や過去候補者など、川崎重工のグループミッションである『世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する”Global Kawasaki”』に少なからず共感してくださった方々と緩やかにつながることが重要だと考えています。

そうした共感を軸に、川崎重工とつながっていると良いことがあると思ってもらえるような相互にメリットを感じられる関係構築ができると良いと考えています。それは当社に再入社する・しないに関係なく、新しいビジネスを作るきっかけになったり、川崎重工とつながることで最新技術に触れられるようになるなど、多岐にわたると思います。

編集後記

世界規模で社会構造や経済構造がダイナミックに変化している21世紀において、社会課題へのソリューションを提供するため、事業変革を推進されている川崎重工業株式会社様。その一環としてスタートした、緩やかにつながり続ける「アルムナイネットワーク」の取り組みのインタビューをお届けしました。

アルムナイや選考辞退者などの一度つながりを持った社外の人財と持続的で良好な関係を構築するための「タレントプール」や自社独自の人財データベース構築に興味のある採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声がけください。

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