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2025.09.12更新

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労働人口減少が進む地域の介護現場が挑む、「再び選ばれる職場」への組織改革~データを資産化し、「採用力」で次のステージへ~

2025年に設立46周年を迎えた社会福祉法人 長崎厚生福祉団(以下、長崎厚生福祉団)様は、「福祉文化の創造」に向けて、職員ご自身やそのご家族が利用したいと思う介護を追求し続けています。人の心に向き合うことから「感情労働」と呼ばれる介護業界では、介護職員だけでなく介護職としての就労を考えている方々のロイヤリティをいかに向上させ、労働人口減少の課題に対応し人材不足を解消していくことが重要なポイントです。

今回は採用MAツール「MyTalent」で実現する、採用候補者との関係構築の仕組み化について、業務執行理事の千々岩 源大氏にお話を伺いました。

社会福祉法人 長崎厚生福祉団

・従業員数:642名
・事業概要:高齢者福祉施設を中心とする社会福祉事業
      長崎県内において14拠点34事業を経営
・取材対象者:業務執行理事 千々岩 源大氏

『長崎厚生福祉団で働くことが誇り』と思える前向きな組織作りに向けて、「定着」「育成」「採用」を三位一体で取り組む

貴社の採用方針や求める人物像について教えてください。

千々岩氏:

当法人では、まず「定着」「育成」「採用」を三位一体で進めることを前提としています。採用の前に定着や育成を進めていかなければ、いかに良い人材に来ていただいてもすぐに辞めてしまいます。
介護職員には、利用者様を明るく照らす素直さやポジティブさも求めていますが、研修から積極的に知見を得て、社会人として専門職として成長していきたいという向上心の強い方と一緒に働きたいと考えています。

千々岩様が組織づくりにおいて最も大切にしていることを教えてください

千々岩氏:

職員には、『長崎厚生福祉団で働いている』ことをご家族やご友人に胸を張って言えるような誇りを胸に活躍してほしいと思っています。その実現に向けて、10年ほど前から部署横断で福利厚生などの施策を立案・実行する、ひとづくりプロジェクトを通じて、職場環境の向上を法人全体で考えてきました。

各事業所では意見出しシートを使用して、職場の良いところと改善点を拾い上げ、その声をもとに法人全体で改善に進めており、透明性のあるフラットな組織づくりが職員の働く「誇り」を生み出すきっかけになっていると感じています。

他にも、職員の誕生月に法人理解を深めてもらうバースデー月研修や、事業所PR・紹介動画コンテストなど、職員のエンゲージメント向上を目的としたさまざまな施策に取り組んでいます。

労働人口減少に立ち向かい採用力を高めていくために―人×ソリューションの力で採用における相乗効果を生み出せる「MyTalent」を導入

これまで取り組んできた採用手法を教えてください。

千々岩氏:

長崎県は生産年齢人口の減少が課題にあり、2024年10月時点のデータによると、生産年齢人口(15歳~64歳)の全国平均は59.6%に対し、長崎県は53.4%で全国43位と、他県と比較しても高齢化が進行しています。その中で、法人の採用力を上げて安定した人員確保のため、外部エージェントに頼る人材紹介・派遣はほとんど利用せず、新卒採用や特定技能実習生、ハローワーク、お仕事説明会経由で採用を進めています。現在はリファラル採用・アルムナイ採用に力を入れており、その成果として昨年は中途採用者の56%が同チャネル経由となり、過去最高を記録しました。
※総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」

中途採用実績の約56%を占めるまでに浸透したリファラル採用・アルムナイ採用ですが、これまでどのように進められてきましたか?

千々岩氏:

実は、アルムナイ採用においては私自ら職員に声をかけたのが始まりでした。新卒採用に注力し始めた2007年当時、離職率が約20%と非常に高く、当法人にご縁があって大切に育てていた職員が不本意な理由で辞めていくことに歯がゆさを感じていました。

このご縁を途切れさせたくないと思い、退職者には年に1回ほど定期的に連絡を取り近況報告をしていましたが、次第に、「実は今の職場に悩んでいて…」と悩みを吐露する人が出てきました。その方々から現職での悩みを聞く中で、当法人の環境が当時よりも変化していることや新たな制度について伝えると、徐々にアルムナイ採用者が増えていきました。 退職者に今の姿を知ってもらう機会さえあれば戻ってきてくれる可能性があることに手ごたえを感じ、2016年から法人全体で本格的にアルムナイ採用をスタートしました。具体的には、入社事例を紹介するポスターを各事業所に設置したほか、リクルーティングブックの活用や、リファラル採用においてはリファラルカードなど、視覚で行動を触発させる取り組みを通じて採用数を積み上げてまいりました。

その中で、なぜ「MyTalent」を導入されたのでしょうか。

千々岩氏:

リファラル採用・アルムナイ採用を促進していく中で、事業所ごとの推進状況に差が見られるようになりました。私自身が属人的に始めた施策でしたが、システムで管理することによって組織格差を埋められるのではないかと考えたタイミングで、タレントプール採用を支援する「MyTalent」に出会いました。これまで人の力だけで積み上げてきた取り組みを蓄積(プール)できる仕組みは、当時の私たちには不足していたものであり、とても魅力的でした。人の力×システムによって相乗効果が生まれるのではないかと考え、導入を決めました。

標準化された採用活動の実現と、候補者体験を意識したアプローチで効果を創出―「MyTalent」導入後、魅力に感じた機能がありましたら教えてください

「MyTalent」導入後、魅力に感じた機能がありましたら教えてください。

千々岩氏:

タレントプール対象者である新卒採用や中途採用の辞退者、退職者、お仕事説明会参加者に対して、転職の熱度をスコアリングし、応募意志が高い方がわかる「HOTフラグ」機能は非常に画期的でした。これまでは採用担当の感覚で声をかけていたのが、優先順位をつけてタイムリーにアプローチができるので、再現性ある採用活動にもつながりました。

また、過去の採用候補者のアンケート結果や過去の選考状況といったナレッジが「MyTalent」に取り込まれて採用チーム内で可視化できるので、蓄積されたデータ資産をもとに属人化しない採用活動ができ、法人全体の採用力向上にも役立っていると手ごたえを感じています。

これまで、属人的に電話やメールを行っていましたが、今では「MyTalent」経由で当法人の新着情報や職員インタビューを適切なタイミングで配信できるので便利ですし、TalentXさんにアドバイスをいただきながら取り組んだ結果、導入1年目で3名の採用実績につながりました。

タレントプール導入当初、困難だったことはありましたか?

千々岩氏:

退職者のタレントプール登録が伸び悩む時期がありました。法人とつながることに抵抗や手間を感じる方もいたのではないかと感じています。退職は新たな門出であり応援すべきことなのは勿論のこと、今後も当法人と関係を築きたいと思ってもらえるには何が必要かを考えた結果、職員にとって職場が本気で向き合ってくれていると感じるコミュニケーションだと辿り着き、退職までのプロセスを見直しました。

例えば、管理職1on1研修や上層部による面談を通じて、職員が退職を悩んでいるフェーズから本音を引き出し、目に見えないサインを察知できるようにしています。


また、上長がまた一緒に働きたいと思った方には「ウェルカムリターンパス」というカードをお渡しし、特別な体験として捉えてもらえるように工夫しています。その結果現在では、退職者のタレントプール登録率はほぼ100%を推移しています。他にも、新卒で内定辞退した方に対しては「ゴールデンウェルカムパス」をお渡しし、「あなたはどんな環境でも活躍できるので、将来ご縁があればぜひ一緒に働けたら嬉しいです」とお伝えし、タレントプール登録に誘導しています。内定辞退者にとっても自分が選ばれたというプレミア感を体験いただきたいと思っています。

タレントプール採用により、介護業界で働く誇りを生み出し業界の課題解決に貢献

介護業界では人材不足が深刻な課題の中、タレントプール採用を進める意義は何だと思いますか

千々岩氏:

介護職や看護師の採用費高騰は年々深刻化しており、特に人材紹介による採用費は一人につき100万円超と言われています。本来はご利用者様や地域福祉のために使うべき介護報酬が、採用コストとして大量に消費されている現状は、本来あるべき採用の姿ではありません。介護業界全体の採用力を磨くことが、今、何よりも求められていると確信して採用活動を進めています。

また、当法人を退職されて他業界に転職された方にも介護現場の変化を知ってほしいですし、巡り巡って「やっぱり介護・福祉業界が良かったな」と思ってもらえるような現場改善と、中長期的関係構築の仕組みづくりに力を注いでいきたいと考えています。

最後に、貴法人の今後の展望について教えてください。

千々岩氏:

全職員が当法人で働いていることに誇りを持ってもらえるような、働きやすさと働きがいがある組織を目指していきます。アルムナイ採用・リファラル採用においては、職員が「うちにおいでよ」と自信を持って言えるような環境や風土、仕組みづくりが必要不可欠ですし、今後も伸ばしていきたい点です。

また、今後の採用に関しては、新卒・中途採用、リファラル採用、アルムナイ採用、技能実習生採用と、さまざまな採用を自社の力で行う「全方位採用」を目指します。生産年齢人口が減少の一途を辿る中、先の将来がどのような状況であっても強い採用力をもって進めていけるよう、今後も「MyTalent」を通じてさらなる仕組み化を進めてまいります。

編集後記

千々岩様が独自で進めていたリファラル採用・アルムナイ採用をシステムの力でさらに加速させていくことで相乗効果を生むという、まさに「MyTalent」の価値を体感いただいたエピソードでした。また、人材不足が喫緊の課題である日本において、いかに自社の「採用力」を養うかが重要であることを再認識しました。

採用候補者との中長期的な関係構築手法や、採用候補者毎にカスタマイズしたアプローチに関心のある採用担当者様は、ぜひTalentXまでお声掛けください。

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