今回は、
- これからリファラル採用を始めるうえで、メソッドを理解したい。
- リファラル採用を実施しているが、どのように促進したらいいかわからない。
と悩んでいる経営者、人事責任者、人事担当者様がリファラル採用の構造を理解し、採用戦略の一つのチャネルとして、リファラル採用を取り込めるようにする教科書です。
採用市場のトレンド(なぜ今、リファラル採用なのか?)
そもそもなぜ今、リファラル採用が注目されているのでしょうか。採用手法として、人材紹介や広告・求人媒体など多くの手法があります。その中でリファラル採用に注目が集まっているのには以下の理由があります。
日本の労働市場の変化
少子高齢化に伴い、日本の労働力は減少の一途を辿っており、総務省のデータでは労働力人口は徐々に減少を続け、2065年には2020年対比で約4割減になると推測されており、今後、人手不足による採用市場の激化が予想されています。
出典:「少子高齢化で労働力人口は4割減」図表2労働力人口と労働力率の見通し/みずほインサイト
一部の産業を除き、ほぼ全ての業界・職種にて人手不足が余儀なくされる未来ですが、インターネットのグローバル規模での普及、第四次産業革命に伴う産業構造の変化により、特に専門・技術職の労働人口の減少は喫緊の課題だといわれています。
日本の採用市場の変化
少子高齢化に伴う人手不足が加速する中求人数は増加し続けており、求人倍率は上昇し、採用競争は日々激化しています。また従来、求職者の情報収集の手段は求人広告や求人票でしたが、情報の流通量が爆発的に増えたことによって求められるのはよりリアルな情報になっています。その情報の中から求職者が取捨選択し、応募へ進んでいくのです。これらの理由で圧倒的な売り手市場となっており、領域問わずに採用難易度とコストは高騰しています。
採用難時代に企業に求められる3つの施策
- 自社の採用力を強化し、採用市場で戦略的に攻める
- 組織エンゲージメントの強化
- 社員の育成
第一に自社の採用力を強化し、採用市場で戦略的に攻めるということ。従来のままでは採用数は先細りしていく一方です。
第二に社員の離職を減らすために、組織エンゲージメントの強化。採用数を伸ばしても同じだけ離職者が発生しては何の意味もありません。
第三に育成や研修を通じて社員を育てること。採用に限らず既にいる社員の能力を強化し生産性を高めることももちろん重要です。
“リファラル採用”への関心の高まり
リファラル採用は採用手法の中でも、「自社の採用力を高める」「組織エンゲージメントを強化する」“持続可能な採用手法”であることに関心が高まっています。
リファラル採用とは
前項でなぜリファラル採用に関心が集まっているかの背景をお伝えしましたが、ではリファラル採用とはどういった採用手法なのでしょうか。
リファラル採用とは
リファーラル(referral)とは「委託、紹介、推薦」の意味です。
狭義の意味で「自社の経営者や優秀な社員からの紹介」、広義の意味では「外部の専門家や著名人からの推薦」などを指します。
リファラル採用の4つのメリット
他の採用手法と比較してリファラル採用のメリットは大きく4つあります。
転職者潜在層への効率的なアプローチ
人材紹介や求人広告などの他の採用手法ではリーチしにくい積極的には転職活動をしていない潜在層に効率的にアプローチすることができます。具体的には他社に在籍する社員の友人知人に声掛けをしてもらうことで競合よりも先にリーチすることができます。
採用コストの削減
リファラル採用を推進している企業、していない企業で採用費用だけで2億円の差が生まれるという統計データがあります。また離職率についても倍以上の差があり、中長期的な生産性も含めて考えるとその差は計り知れません。
マッチング率/定着率の向上
リファラル採用は情報の信頼性が高く、最もマッチング率・費用対効果が高い採用手法です。なぜマッチング率が高いのかというと候補者は友人から得られる生の情報をもとに応募しているので求人情報などハード面だけでは伝えきれない部分まで理解してくれています。また定着率についても友人がいる会社を辞めにくいというのはもちろんですが、業務において他の人に相談しにくいようなことでも友人がメンター的なフォローをできるというのが大きな利点です。
社員エンゲージメントの向上
リファラル採用で効果が発揮されるのは採用に限らず、既存社員のエンゲージメント向上や帰属意識の向上も実現します。リファラル採用を通じて友人知人に対し、自社の理念や人事制度、働くメリットなどを話すことで、紹介者側である社員自身が改めて自社の魅力に気づき結果的にエンゲージメントの向上や帰属意識の向上につながっていくのです。
リファラル採用のメリットについてはデメリットも含めて下記ページにも記載しておりますので、あわせてご覧ください。
https://mytalent.jp/lab/s_referral/
リファラル採用を促進するうえでの3つのステップ
では実際にリファラル採用を促進するためにはどうしたらよいでしょうか。リファラル採用を構成する要素は3つあります。
STEP1:認知
社員紹介制度は社員に浸透しているでしょうか。社員紹介制度の存在自体は認知されていてもどういう紹介のフローやどうしたらインセンティブが支給されるかなど踏み込んだところまで社員は認知しているでしょうか。
また社員が実際に紹介したいとなったときにどの求人で募集があるのか、求める人物像をしっかり理解しているのかということも重要です。
一口に認知といっても必要な情報が浸透していなければリファラル採用の効果を最大限発揮させることはできません。この社員認知の浸透が成功の鍵となるのですが、課題意識を持たれている方は少ないです。
ホワイトペーパーでは実事例でのリファラル採用の認知率、なぜ認知されないのか、どうすれば認知されるのかということを解説します。
STEP2:動機付け
社員が実際にリファラル採用に取り組もうと思う要素、仕組みは構築されていますか?
リファラル採用が認知された後、動機付けによって実際に友人を紹介してくれる社員(リクルーター)は2つのパターンに分かれます。
- アクティブな社員:自ら積極的に声をかけてくれる
- パッシブな社員:自ら積極的に声はかけないが機会があれば紹介してくれる
パッシブな社員をいかにリファラル採用に巻き込んでいくかということが重要ですが、大事なのは社員に「採用の手伝いをしてもらう」のではなく、社員が「自発的に動く(動きたくなる)仕組み」を用意することです。
ホワイトペーパーでは社員を動機付けする5つのポイントに関してご紹介しております。
STEP3:行動
社員に工数・負荷をかけず紹介ができるフローは整備されていますでしょうか?
リファラル採用では紹介行動の障壁をできる限りなくし、社員が紹介しやすい条件やフローの設計が重要です。たとえば、現場の社員と交流できる気軽なイベントやカジュアル面談など、社員が紹介するにあたり重く捉えない設計をするのが好ましいでしょう。
また、1度紹介をした社員に「また紹介したい」と思ってもらえるような仕組みを整えることも非常に重要です。
ホワイトペーパーでは、リファラルの行動障壁を下げる条件から、2人目・3人目を紹介いただくための方法を紹介しております。
リファラル採用の教科書(基礎編)~リファラル採用を促進したい企業様へ~
本資料は
- 採用市場のトレンド(なぜ今、リファラル採用なのか?)
- リファラル採用(リファラルリクルーティング)とは
- リファラル採用を開始するための3つのSTEP
- リファラル採用促進クラウドMyRefer
などをまとめています。
ここまでで採用市場のトレンドやリファラル採用を促進するための3つのメソッドについてご説明してきましたが、ホワイトペーパーでは上記内容について解説して参ります。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。