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2025.12.19更新

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不動産企業の次世代リファラル採用完全攻略レポート―リファラル × データ × オートメーションによる採用変革

不動産業界では、営業職や施工管理職を中心に人材不足が深刻化し、求人媒体や人材紹介を通じた従来の採用手法は、コスト・スピード・質のいずれの面でも限界を迎えています。
一方で、社員一人ひとりが持つ“人脈”という採用資産は十分に活かされておらず、潜在的な候補者への接点が眠ったままになっています。

今回は、社員のつながりを活用する「リファラル採用」に焦点を当て、リファラル採用の成果を創出するための方法を解説していきます。

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目次|リファラル採用完全攻略レポート -不動産企業版-

  • 不動産業界の採用市況と直面する課題
  • なぜ今リファラル採用なのか?
  • リファラル採用が停滞してしまう理由
  • リファラル採用の「仕組み化」が必要な理由
  • アナログ vs デジタルリファラル-成果を生む仕組みの違いとは
  • デジタル化で加速する、リファラル採用の“戦略化”
  • リファラル採用の成熟フェーズ
  • 不動産企業のフェーズ別事例
  • オートメーションを活用した“リファラルの仕組み化”が生む成果
  • まとめ

不動産業界の採用市況と直面する課題

※参考
株式会社リクルート:不動産業界のデータと事例にみる働く個人目線での環境づくりとは
株式会社リクルート:建設業界に迫る「2024年問題」「施工管理」求人、2016年比で5.04倍に増加

不動産業界では近年、求人件数が増加傾向にある一方で、就業者の退職経験や転職回数が多いことが明らかになっており、求人が増えているにもかかわらず人材が外部へ流出し続けているのが実情です。その結果、業界全体として人材確保の難易度は一段と高まっています。特に施工管理職では採用競争が激しく、求人数が拡大する一方で、労働環境などを理由に他業界へ転職するケースも多く、採用難は今後も継続する見込みです。

採用難が深刻化するなか、人材紹介会社や求人媒体といった従来の採用手法にはさまざまな課題が生じています。求人媒体では応募数の確保が難しく、人材紹介を経由すると採用単価が高騰しやすい状況です。その結果、採用担当者の多くが「量を追えば質が落ちる」「質を追えば人材が集まらない」というジレンマを抱えています。さらに、施工管理などの専門職は転職市場に出てこない層も多く、既存チャネルだけでは十分にリーチできません。こうした状況下で、多くの企業が従来手法の限界を感じつつも、抜本的な打ち手を見いだせずにいるのが現状です。

なぜ今リファラル採用なのか?

リファラル採用はすでに多くの企業で活用が進んでいますが、まだ取り組めていない企業にとっても大きな効果が期待できる採用手法です。すでに取り組めている企業においても、正しく仕組み化することができれば、従来の採用活動では解決しきれなかった課題の改善につながるでしょう。

具体的なメリットの一つとして、採用コストの低減が挙げられます。リファラル採用はエージェント利用時と比べて採用単価を抑えやすく、約10分の1程度で採用することが可能です。企業によっては年間数千万円~数億円のコストカットをすることが可能です。

さらに、社員からの紹介によって応募に至るため、一定のフィルタリングが働き、カルチャーフィットした人材と出会いやすくなる点も特徴です。その結果、入社後の立ち上がりがスムーズになり、組織への馴染みも早く、即戦力として活躍しやすくなります。また、リファラル経由の人材は入社前から会社や社員への理解が深まっているため、早期離職につながりにくい傾向があります。定着率が向上することで、長期的な採用負荷の軽減にも寄与します。

このように、リファラル採用には多面的なメリットがありますが、その成果を最大化できれば、離職率の大幅な低下や採用コストの削減など、従来の採用活動で課題とされてきた点を包括的に改善することが可能です。こうした背景から、リファラル採用は今あらためて注目されています。

営業職・施工管理職におけるリファラル採用の特性

不動産業界の採用は、職種ごとに性質が大きく異なります。

営業職は成果連動型の評価制度と地域密着型の営業体制により、OB・同業・取引先など、広く浅い地縁ネットワークを形成しています。一方で施工管理職は、資格職として専門性が高く、協力会社や元現場仲間との狭く深い信頼関係を中心としたネットワークを持ちます。これらの人脈は、他業界と比べても極めて強固であり、社員一人ひとりの「紹介可能性」そのものが企業の採用力に直結します。

この潜在的な人脈チャネルを可視化し、仕組みとして活用できるかどうかが、今後の競争優位を左右する鍵となります

不動産×営業職におけるリファラル採用状況と課題

営業職では、顧客対応・商談・数字管理など日々の業務負荷が大きく、紹介行動に割ける時間や心理的余裕が不足しています。また、ノルマ文化や離職率の高さにより、社員が自社を他者に薦めにくい状況が生まれ、紹介意欲が安定しにくい傾向があります。

制度周知が不十分な企業も多く、「どの求人が紹介可能か」「紹介するとどうなるか」といった基本情報が浸透せず、紹介活動が一部社員に依存する属人化が発生。潜在的に人脈は豊富であるものの、それを活かし切れない構造が課題となっています。

不動産×施工管理職におけるリファラル採用状況と課題

施工管理職では、建築・土木系有資格者の減少により人材市場自体が縮小し、顕在層5〜10%を各社が奪い合う採用競争が続いています。現場常駐が多いため、最新の求人情報や紹介制度が届きにくく、紹介活動がそもそも行われにくい環境にあります。また施工管理の求人は要件が複雑で、業務内容・資格条件・現場特性などを候補者に適切に伝えるハードルが高い点も課題です。

社員が持つ“元現場仲間やジョイントベンチャー先の企業や協力会社”という強固なネットワークが企業資産として活用されず、個人の記憶に埋もれてしまっていることが、紹介創出の大きな課題になっています。

リファラル採用が停滞してしまう理由

リファラル採用を導入し一定の成果を上げている企業の中には、ある段階で紹介件数が伸び悩む「停滞期」に入るケースも少なくありません。

その背景には企業努力だけでは解消しきれない構造的な課題が潜んでおり、代表的な要因として以下の4点が挙げられます。

想起の限界
 社員が思い浮かべられる人材が身近な関係者に偏り、潜在的な候補者層にアプローチできていない

運用の属人化
 リファラル施策の推進が一部の意欲的な社員に依存し、組織全体の取り組みに広がっていない

見えないファネル
 誰が・いつ・誰に声をかけたのかといった紹介プロセスが可視化されず、改善サイクルが機能していない

社内広報不足
 社員が最新の求人情報や自社の魅力を十分に把握しておらず、紹介行動が発生しにくくなっている

こうした要因が重なることで、リファラル採用は“偶発的な成功”にとどまり、継続的かつ再現性のある成果へつなげることが難しくなってしまうといえるでしょう。

リファラル採用の「仕組み化」が必要な理由

リファラル採用の本質は「信頼の連鎖」と「タイミングの設計」を組み合わせることにあります。社員と候補者の間に築かれた信頼関係が推薦の質を担保し、その信頼を適切なタイミングで想起・提案へとつなげることで、高い決定率を生み出します。

しかし、多くの企業ではこのプロセスが個人の記憶や善意に依存しており、再現性が担保されていません。誰が・いつ・どのように紹介するかを仕組みとして設計し、属人性を排除することが、組織全体で継続的な成果を生む重要なポイントです。しかし、こうした仕組み化を人手やアナログ運用だけで実現するのは難しく、情報の管理やタイミング設計に限界が生じがちです。
そのため、デジタル化によるデータ連携と自動化こそが、リファラルを戦略的手法へ進化させる鍵と言えるでしょう。

アナログ vs デジタルリファラル─成果を生む仕組みの違いとは

これまで、リファラル採用はメールや社内SNSでの声かけ、口頭での依頼など、属人的かつアナログな手法に依存してきました。しかし、これらの方法では情報が流れては埋もれることを繰り返し、行動につながるのは一部の社員に限られます。その結果、想起や紹介行動が継続せず、成果の再現性が担保されにくいという限界がありました。

一方、デジタルリファラルでは、次のような仕組みによって紹介プロセス全体をデータで管理することが可能になります。

・社員の人脈データを構造化
・社員への広報を自動化
・フェーズ別の数値を可視化(誰が・いつ・誰に声をかけたのか など)

これらのデータを活用することで、記憶に頼らないデータドリブンな想起が可能となり、属人的なアナログ運用から脱却して組織全体で継続的な成果を生み出すデジタルリファラルの仕組みを実現できます。

デジタル化で加速する、リファラル採用の“戦略化”

リファラル採用を継続的に成功させるには、社員の記憶に頼った紹介活動を、デジタルの仕組みで支えることが重要です。 デジタルツールを活用して一連のプロセスを自動化・最適化する仕組みを作ることで、社内広報を適切なタイミングで届けられ、社員の潜在的な人脈を引き出し、見えなかった候補者を発掘できます。 また、スマホから手軽に紹介できる環境を整えることは、心理的・時間的なハードルを下げ、紹介活動を自然に続けやすくなるでしょう。 さらに、部署ごとの成果や進捗をリアルタイムで分析することができれば、課題をすぐに見つけ、改善するサイクルを早めることが可能です。

このように、リファラル採用のフローをデジタルツールのオートメーション機能を活用して自動化することで、広報から紹介、分析に至るまでの一連のプロセスが仕組み化され、結果として企業全体の採用力を高めることができます

リファラル採用の成熟フェーズ

リファラル採用の取り組みについては、多くの企業で導入が進む一方、その成熟度によって成果の差が大きく分かれます。

フェーズ1は、報奨金制度の導入や社内周知によって、一部の社員が紹介を始める初期段階です。活動はまだ限定的で、制度設計や運用方法も手探りの状態にあるでしょう。

フェーズ2では、拠点や部署ごとに成功事例が見られるようになり、運用が徐々に定着していきます。一方で、取り組みは個人の熱量に左右されやすく、再現性に欠ける点が課題となります。

最終段階のフェーズ3では、リファラルの仕組みが全社に浸透し、社員一人ひとりが自然に紹介を行う状態が実現します。紹介行動が“文化”として根づき、データに基づく改善サイクルが回ることで、継続的に成果を創出できる段階です。

そして、真の成功は、このフェーズ3の状態を継続的に維持することにあります

不動産企業のフェーズ別事例

成功事例:A社

従業員数3,000名〜
採用数中途100名以上/新卒200名以上

中途採用の3~4割を紹介経由で実現する不動産企業。営業職特有の広い人脈を可視化し、紹介行動を習慣化することで、質の高い即戦力採用と定着率向上を両立した代表的な成功企業です。

フェーズ1:制度導入期

A社では2018年に正式にリファラル採用制度を導入しました。報奨金制度や社内掲示による周知を行ったものの、当初は一部の社員にしか浸透せず、紹介件数も限定的でした。制度を設けただけでは継続的な成果につながらず、求人情報の非公開や上司経由の相談など、心理的ハードルの高さが課題として浮き彫りになっていました。

フェーズ2:運用定着期

2019〜2020年にかけては、4部門・約500名を対象にMyRefer活用による広報施策等を開始しました。社内ニュース配信やキャンペーンを通じて認知が広がり、社員の約3割がアクティブに紹介活動を行うようになりました。現場部門との連携により、成功体験を共有できる環境も整ったことで、“紹介する行動”が自然と定着。データをもとに部門別課題も可視化され、A社は運用フェーズへ移行しました。

フェーズ3:仕組み化期

全社展開後は、MyReferを活用したデータドリブンの制度運用が進み、若手社員の巻き込みや部門を越えた紹介が増加。リファラル比率は30%前後で推移し、もはや人事主導ではなく「社員自発の紹介」が生まれる段階に移行しました。外部発信や称賛文化を通じて、紹介行動が“文化”として根づき、仕組みとしての完成度は大きく向上しています。

成功事例:B

従業員数6,000名~
採用数中途500名以上/新卒200名以上

建設・施工管理領域の採用難が深刻化するなか、B社は現場・協力会社とのネットワークをデジタル化し、人脈データの可視化と運用定着によって紹介率向上・採用単価の削減・現場即戦力の獲得を実現した企業です。

フェーズ1:制度導入期

B社では、建設業界の採用難が進む状況を受けて、2019年に社員紹介制度を正式導入しました。採用コストの最適化と、現場を知る社員からの推薦によるマッチング精度向上を目的とした取り組みです。一方で、導入初期は「周知不足」や「紹介後フォローの煩雑さ」が課題となり、紹介行動が一部社員に偏る傾向がありました。この課題を解消すべく、社内報やイントラネットを活用した認知拡大を進めていきました。

フェーズ2:運用定着期

MyRefer導入後、技術系・施工管理職を中心にスモールスタートで運用を開始。現場主導での紹介が増え、成功事例を共有する文化が定着していきました。特に、協力会社やOBとの強固なネットワークからの紹介が増加し、既存の採用チャネルでは接触しづらい人材のリーチに成功。紹介件数は年々増加し、採用部門と現場が協働する「共創型リファラル」運用へと発展しました。

フェーズ3:仕組み化期

現在はMyReferを活用し、求人情報の自動配信や紹介進捗の可視化を実現。社員がスマホから簡単に紹介できる仕組みを整備したことで、紹介活動の属人化を解消しました。データドリブンな運用により紹介率は大幅に向上し、採用コスト削減や定着率向上の改善にも成功。リファラルは制度から文化へと進化し、「人が人をつなぐ採用」が企業の競争優位として定着しつつあります。

オートメーションを活用した“リファラルの仕組み化”が生む成果

成果を上げている企業の多くでは、入社者の30〜40%が社員紹介経由であり、求人媒体経由に比べて決定率は約20倍に達します。採用コストも、エージェント利用時の平均150万円に対し、リファラルはおよそ15万円と約1/10。低コストで高い成果を実現しています。また、リファラル入社者は他チャネルで入社した社員よりも70%長く在籍し、定着率やエンゲージメントの高さが際立ちます。社員が自社に合う仲間を紹介することで、カルチャーフィットした人材が集まり、組織の一体感や信頼関係の強化にもつながっています。このように、リファラル採用は単なる採用効率化の手段にとどまらず、企業文化を育む「戦略的な採用手法」へと進化しています。

まとめ

従来の採用手法が限界を迎えるなか、社員のつながりを戦略的に活用することは、不動産企業にとって欠かせない選択肢になりつつあります。リファラル採用は、人脈という既存資産を最大限に引き出しながら、採用コストの最適化や即戦力人材の獲得、定着率向上といった多方面での成果につながる取り組みです。デジタルツールのオートメーション機能を組み合わせることで、その効果はさらに高まり、組織全体で継続的な採用力を発揮できる体制へと進化します。

本レポートが、貴社のリファラル採用を強化し、変化の激しい市場環境においても競争力ある採用体制を築く一助となれば幸いです。

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監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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