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2026.07.31更新

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採用管理システム(ATS)の選び方—比較すべき機能と選定ポイント

採用管理システム(ATS)の導入を検討する際、「機能が多すぎて、何を基準に選べばよいのか分からない」と悩む採用マネジャーは少なくありません。「応募者情報の管理が煩雑になっている」「選考状況をリアルタイムで把握できない」「複数の採用チャネルを十分に活用できていない」といった課題は、多くの企業に共通しています。

ATSには、求人媒体との連携や選考フローの自動化、採用データの分析など、さまざまな機能があります。しかし、自社の課題や運用体制に合わないシステムを選んでしまうと、導入後に現場へ定着しないケースも少なくありません。

本記事では、ATSの基本機能をはじめ、比較・検討時に押さえておきたい7つの選定ポイントや、企業フェーズごとに適したATSの選び方を解説します。さらに、採用市場の変化を踏まえ、ATSを最大限活用するために知っておきたい「もう一段先の視点」についても紹介します。初めてATSを導入する方はもちろん、現在利用しているATSの見直しやリプレイスを検討している方にも役立つ内容です。

目次|採用管理システム(ATS)の選び方

  • 採用管理システム(ATS)とは?導入で改善できる3つの業務
  • ATS導入でつまずきやすい2つのポイント
  • ATSを比較するときのコア基準|見るべき7つの選定ポイント
  • 自社に合ったATSを選ぶためのポイント
  • 【最新の視点】管理するだけでは限界?これからのATSに求められる役割
  • 応募者管理と継続的な人材獲得を両立する仕組み
  • まとめ

採用管理システム(ATS)とは?導入で改善できる3つの業務

採用管理システム(ATS)とは、応募者情報の収集から選考、内定までのプロセスを一元管理するためのシステムです。Excelやメールでの管理から脱却し、採用業務全体を仕組み化したいと考える企業が、導入を検討する最初のきっかけになることが多くあります。

まずは基本の定義と、ATSがどの業務をどのように改善するのかを整理します。

ATS(Applicant Tracking System)の基本定義

ATSは、複数の求人媒体や人材紹介エージェントから届く応募情報を1つの画面に集約し、選考の進捗状況や候補者とのやり取りを管理するためのクラウドサービスです。応募者ごとの履歴書・経歴書の管理、面接評価の記録、内定通知の発行など、採用業務に関わる情報をシステム上で一貫して扱えるようにすることが基本的な役割になります。

もともとは大量の応募者を扱う大手企業の効率化ツールとして広がった経緯がありますが、近年はクラウド型で導入しやすいサービスが増えたこともあり、中小企業やスタートアップでも導入が進んでいる状況です。採用担当者が1名しかいない企業であっても、応募が複数の媒体から並行して届く以上、情報を一元管理する仕組みは必要とされる場面が多くなっています。

従来のExcel管理・属人化された選考プロセスが抱えるリスク

Excelやメールでの管理には、更新の抜け漏れや情報の重複、担当者不在時の対応停滞といったリスクが伴います。応募者数が増えるほど誰がどの選考フェーズにいるかを正確に把握することが難しくなり、対応の遅れが候補者の選考離脱につながる可能性があります。

さらに深刻なのが、選考記録が担当者ごとのメールボックスやローカルファイルに分散し、評価の経緯や判断基準が属人化してしまうことです。異動や退職によって担当者が変わると、過去の選考ノウハウや経緯が十分に引き継がれず、同じ候補者が再応募した際にも、これまでの評価を踏まえた適切な判断が難しくなる場合があります。

また、複数の担当者が同じExcelファイルを同時に編集することで、データの不整合やバージョン違いが発生するリスクもあります。こうした問題は応募者数が増えるほど起こりやすくなり、採用業務の効率低下や判断ミスにつながる要因となります。

ATSの導入で改善が期待できる3つの採用業務

ATSの導入によって改善が期待できる業務は、大きく3つに整理できます。

まず押さえておきたいのが「応募情報の自動一元化」です。複数の求人媒体からの応募がシステム上に自動で取り込まれれば、手動での転記作業が不要になり、媒体ごとに異なる管理画面を確認する手間もなくなるため、担当者が応募状況の把握に使う時間の削減につながります。

次に、「面接日程の調整機能」です。応募者情報を一元管理できるようになることで、候補者と面接官それぞれの空き時間をシステム上で照合し、日程調整を効率化できます。従来はメールで何度もやり取りが必要だった面接日程の調整も、カレンダーとの連携機能を活用することで、調整工数を大幅に削減できる可能性があります。

そして、こうした業務効率化に加え、ATSに蓄積されたデータを活用することで、「チャネル別の効果測定」も可能になります。どの求人媒体からの応募が内定・入社に結びついているかをデータで確認できれば、採用広告費の配分を見直す判断材料として活用しやすくなります。感覚的に「この媒体は効果がある」と判断していた部分を、データに基づいて検証できるようになる点は、多くの企業にとって大きな変化につながります。

この3つの改善は独立したものではなく、連鎖的に効果が積み上がっていく関係にあります。応募情報の一元化によって担当者の手作業が減り、その分の時間を面接調整の質の向上に充てられるようになり、さらに蓄積されたデータをチャネル別の効果測定に活用することで、次の採用活動の精度を高めていくという循環が生まれます。ATSの導入を検討する際は、こうした3つの改善が自社のどの課題にどの順番で作用するのかを、あらかじめイメージしておくと選定の軸が定まりやすくなります。

ATS導入でつまずきやすい2つのポイント

ツール選びで失敗する企業には、いくつかの共通点があります。ここでは代表的な2つの失敗パターンを取り上げ、自社の要件定義が肥大化しないための注意点を整理します。導入前にこれらのパターンを知っておくだけでも、比較検討の際に見るべきポイントの精度が大きく変わってきます。

ポイント①:現場の運用実態に合わないATSを選んでしまう

多機能であることを理由にATSを選んでしまうと、実際に選考現場で使う面接官や現場マネジャーが操作に慣れず、システムが定着しないケースが見られます。人事部門だけで比較検討を進めてしまうと、実際に日々システムを触る現場の使用感が後回しになりやすい点に注意が必要です。

特に、選考に関わる現場社員が普段からITツールを使い慣れていない組織では、評価入力の手間が多い、画面構成が複雑で迷いやすいといった理由から、システムへの入力が徐々に後回しにされてしまう傾向があります。結果として、ATS上のデータが最新の状態に更新されず、システムを導入した意味が薄れてしまうことにもつながります。導入前には、実際に選考に関わるメンバーにデモ画面を触ってもらい、直感的に操作できるかどうかを確認しておくことが望ましいといえます。

ポイント②:知名度や導入実績のみを基準にしたATS選定

導入実績の多さや知名度だけでATSを選んでしまうと、自社の採用形態(新卒・中途・アルバイトなど)や規模に合わない機能構成になってしまうことがあります。たとえば、新卒採用を中心に行っている企業が、中途採用向けの機能が充実したATSを選んでしまうと、インターンシップ管理や説明会運営など、新卒採用特有のフローに対応できず、結局は別のツールを併用することになってしまう可能性があります。

他社での成功事例は参考情報として有用ですが、企業ごとに選考フローや組織体制は異なるため、自社の課題を先に明確化したうえで、その課題を解決できる機能を持つATSを絞り込むという順序が重要になります。「なぜこの機能が必要なのか」を自社の業務フローに当てはめて確認する作業を省略しないことが、ミスマッチを避けるための基本になります。

これら2つに共通しているのは、「比較検討の主体が誰であるべきか」という視点が欠けている点です。人事部門が主導して選定を進めることは自然な流れですが、実際にシステムを使う現場のメンバーや、経営層が求めるデータの粒度まで含めて要件を整理しておくことで、導入後のギャップを事前に減らしやすくなります。

ATSを比較するときのコア基準|見るべき7つの選定ポイント

数あるATSを公平に比較し、自社に最適な選択肢を絞り込むためには、共通の評価軸を持っておくことが有効です。ここでは、選定時に確認しておきたい7つのポイントを、それぞれ「なぜ重要か」という観点まで含めて解説します。

この7つの基準は、「業務効率」に関わるもの(①②③④)と、「経営・組織運営」に関わるもの(⑤⑥⑦)の2つの系統に分けて捉えることができます。比較検討の初期段階では、まず自社にとってどちらの系統の課題がより深刻なのかを見極めておくと、7つの基準に優先順位をつけやすくなります。

①主要求人媒体やエージェントシステムとの自動連携範囲

利用予定の求人媒体やエージェントとAPI連携できるかどうかは、日々の業務量に直結する重要な確認項目です。連携範囲が狭いシステムを選んでしまうと、一部の媒体だけ手動での転記作業が残ってしまい、効率化の効果が半減してしまう可能性があります。

とりわけ、複数の求人媒体や人材紹介会社を同時に利用している企業では、連携できない媒体が1つでも残ると、その媒体分だけ従来のExcel管理が並行して続くことになり、担当者の業務負荷はほとんど変わらないという結果になりかねません。導入検討時には、自社が利用している媒体・エージェントの一覧を事前にまとめ、それぞれとの連携可否を個別に確認しておくことが重要です。

連携方式についても、APIを使ったリアルタイム連携なのか、CSVファイルを介した定期的なデータ取り込みなのかによって、情報が反映されるタイミングに差が出ることがあります。応募からの初動対応スピードを重視する場合は、できるだけリアルタイム性の高い連携方式を採用しているサービスを選ぶことが望ましいといえます。

②自社の選考ステップ(評価基準・ステップ数)に合わせた柔軟なカスタマイズ性

企業によって選考ステップの数や評価基準は異なります。書類選考・一次面接・最終面接というシンプルな流れの企業もあれば、適性検査や複数部署での面接、役員面接などを組み込む企業もあります。ATSの選考フェーズやステータス項目を自社の運用に合わせて柔軟に設定できるかどうかは、導入後の使いやすさを大きく左右するポイントです。

固定的なフェーズ構成しか用意されていないシステムを選んでしまうと、自社の選考フローを無理にシステムの型に合わせることになり、現場の混乱を招く可能性があります。カスタマイズ性を確認する際には、選考フェーズの追加・削除だけでなく、評価シートの項目設計まで自由度があるかどうかも見ておくと安心です。

さらに、職種によって選考フローが異なる企業も少なくありません。たとえば、エンジニア採用ではコーディングテストのフェーズを設けている一方、営業職の採用では設けていないといったケースです。1つのシステム上で職種ごとに異なるフェーズ構成を並行して運用できるかどうかも、比較検討の段階で確認しておきたい観点です。

③日程調整・メール送信などの業務オートメーション機能の充実度

日程調整メールの自動送信やリマインド機能、テンプレートを使った一括返信機能など、業務オートメーションの充実度は、採用担当者の実務負荷に直接影響します。特に応募者数が多い企業では、この機能の差が採用担当者1人あたりの業務時間に大きく反映される傾向があります。

たとえば、面接前日のリマインドメールを自動送信できるかどうかは、些細な機能に見えるかもしれませんが、候補者の面接当日の無断キャンセルを減らすうえで一定の効果が期待できます。こうした細かなオートメーション機能の有無は、日々の業務の中で積み重なると大きな差になります。

また、候補者からの問い合わせに対して、あらかじめ用意したテンプレートから状況に応じた返信を選べる機能があると、返信までのスピードを保ちながら、担当者ごとの対応品質の差を抑えることにもつながります。応募者数が増えるほど、こうした細部の自動化が採用担当者の残業時間や心理的な負荷の軽減に結びつく場面が多くなります。

④現場面接官との情報共有・コラボレーションのしやすさ(UI/UX)

人事部門だけでなく、現場の面接官が候補者情報や評価コメントを確認しやすいUI/UXであるかも重要な選定基準です。評価シートの入力がスマートフォンから簡単にできるか、選考状況がひと目で分かるダッシュボードになっているかなど、現場社員が使用しやすい設計であるかを確認しておくと、定着率の向上が期待できます。

また、面接前に候補者の経歴や過去の評価コメントを面接官がすぐに確認できる設計であるかも見逃せない観点です。事前に候補者情報を把握できていれば、候補者の経験や志向性を深掘りする質の高い質問を準備しやすくなります。反対に、情報共有の仕組みが整っていないと、面接官ごとに把握している情報にばらつきが生じ、評価基準そのものが揺らいでしまう可能性があります。

⑤データ分析・歩留まり分析のレポーティング機能

応募から内定・入社までの各フェーズでの通過率(歩留まり)をデータとして可視化できる機能は、採用活動の改善サイクルを回すうえで欠かせません。どの選考フェーズで離脱が多いのか、どの媒体からの応募者が内定に結びつきやすいのかを定量的に把握できることで、次の採用戦略の精度向上につながります。

レポーティング機能を比較する際には、単に数値を表示できるかだけでなく、その数値をどの単位(媒体別・職種別・期間別など)で切り分けて確認できるかも見ておくことが望ましいといえます。切り分けの粒度が細かいほど、採用活動の課題箇所を具体的に特定しやすくなります。

たとえば、応募数は十分に確保できているにもかかわらず面接通過率が低い場合は、求人内容と実際の評価基準にずれが生じている可能性があります。一方で、最終面接まで進んだ候補者の辞退が目立つ場合は、選考中のコミュニケーションや条件提示のタイミングに課題があるケースも少なくありません。このように、通過率の推移を工程ごとに確認できれば、感覚ではなくデータに基づいて改善すべき箇所を絞り込みやすくなります。

⑥PマークやISMS等、高度な個人情報保護・閲覧権限設定

応募者の個人情報を扱うATSでは、セキュリティ体制の確認も欠かせません。PマークやISMSといった第三者認証の取得状況、閲覧権限を役職や部署ごとに細かく設定できるかどうかは、情報漏えいリスクを抑えるうえで重要な確認事項です。

特に複数拠点・複数部署で運用する企業では、権限設定の柔軟性が実務上の使いやすさに直結します。たとえば、現場の面接官には自分が関わる候補者の情報のみを閲覧できるようにし、人事部門の管理者にはすべての候補者情報を閲覧できるようにするといった、役割に応じた権限の細分化ができるかどうかを確認しておくと、安心して運用を進めやすくなります。

⑦初期費用・月額コストの算出ロジックと、導入後のカスタマーサクセス体制

料金体系は、ユーザー数課金、応募者数課金、機能別プラン制など、サービスによって算出ロジックが異なります。自社の採用規模が今後どのように変化していくかを想定し、料金体系がその変化に対応できるかを確認しておくことが望ましいといえます。

また、導入後のオンボーディング支援や問い合わせ対応の体制も、システムを定着させるうえで見落とされやすいポイントです。導入初期にどれだけ手厚いサポートを受けられるかによって、現場への浸透スピードが大きく変わることもあります。契約前には、カスタマーサクセス担当がつくのか、問い合わせへの対応スピードはどの程度かといった点まで確認しておくことをおすすめします。

自社に合ったATSを選ぶためのポイント

自社のフェーズによって、先ほどの7つの基準のうち「どれを最も優先すべきか」の優先順位は変わってきます。ここでは代表的な3つのタイプに分けて、優先すべき視点を整理します。

スタートアップ・中小企業:現場の使いやすさと「スモールスタート」を最優先

採用人数がまだ多くない企業の場合、機能の網羅性よりも「導入のしやすさ」と「現場での定着しやすさ」を優先することが望ましい傾向にあります。初期費用が抑えられ、必要な機能から段階的に使い始められるプランを持つATSであれば、採用担当者の負担を増やさずに運用を始めやすくなります。

このフェーズの企業では、採用担当者が他の業務も兼任しているケースが多いため、操作を覚えるための学習コストが低いことも重要な条件になります。多機能を後から追加できる拡張性を持ちながら、最初はシンプルな機能構成から始められるサービスを選ぶことで、無理なく運用を軌道に乗せやすくなります。

大手・グループ企業:強固なセキュリティと「複数拠点・複数ブランド管理」を優先

複数の拠点やグループ会社で採用活動を行う企業の場合、拠点ごとにデータを分離しつつ全体の状況を本社側で把握できる権限設計や、セキュリティ体制の強固さが優先度の高い基準になります。ブランドや事業部ごとに異なる採用サイトを運用している場合は、それぞれの採用フローに対応できる柔軟性も確認しておく必要があります。

また、グループ全体での採用データを統合的に分析したいというニーズがある場合には、拠点別のデータを本社側で一括して集計・比較できるレポーティング機能の有無も、比較検討における重要な判断材料になります。拠点ごとに異なるベンダーのシステムを個別に導入してしまうと、全社的な採用状況の把握が難しくなるため、グループ経営の観点からも、統一的なプラットフォームを選ぶメリットは大きいといえます。

最新の選択肢:業務を自動化する「AIネイティブ型ATS」

近年は、書類選考の一次評価をAIが支援したり、候補者とのやり取りの一部を自動化したりする「AIネイティブ型」のATSも登場してきています。従来型のATSが「情報を管理する設計」であったのに対し、AIネイティブ型のATSは「選考業務そのものの一部を巻き取る設計になっている」点が特徴です。

たとえば、応募が集中する時期には、AIが書類選考の一次評価を支援することで、採用担当者は優先的に面接すべき候補者をより早く見極められるようになります。採用担当者の役割が、単純な事務作業からより高度な意思決定へとシフトしていく中で、こうしたAIを活用したATSの重要性は今後さらに高まっていくでしょう。

AIを活用した採用業務の効率化に取り組むATSの一つとして、株式会社TalentXが提供する「MyTalent Hire」があります。AIネイティブ型ATSの機能や特徴に関心がある方は、比較検討の選択肢の一つとして確認してみるとよいでしょう。

MyTalent Hireの資料ダウンロードはこちらから:https://i-myrefer.jp/corp/download/403/input

【最新の視点】管理するだけでは限界?これからのATSに求められる役割

ここまでは、ATSを選定する際に押さえておきたい基本的なポイントを解説してきました。ここからは、採用市場の変化を踏まえた、もう一段先の視点をご紹介します。

求人媒体や人材紹介会社を活用した採用では、応募者一人あたりの獲得コストが上昇傾向にあります。そのような状況の中で、応募者情報を管理し、選考が終了すると関係も終了する従来型のATSだけでは、採用コストを構造的に改善することが難しくなりつつあります。

採用広告費・エージェント手数料の高騰がもたらす影響

労働力人口の減少を背景に、企業間の人材獲得競争は年々激しさを増しています。求人媒体への掲載費や人材紹介会社への成功報酬も上昇傾向にあり、外部チャネルへの依存度が高いほど、1名を採用するためのコストは増加しやすい状況です。

一方で、管理業務の効率化を主な目的とする従来型のATSでは、選考にかかる工数や時間は削減できても、応募獲得に必要な広告費や紹介料といった外部コストを直接抑えることはできません。つまり、業務効率化と採用コストの構造的な改善は、それぞれ異なる視点で取り組むべき課題なのです。

そのため、「ATSを導入すれば採用コストも下がる」と考えてしまうと、導入後に期待とのギャップが生じる可能性があります。この違いを理解することが、次に紹介する「積立型採用」という考え方を理解するうえで重要なポイントとなります。

「辞退=関係終了」が引き起こす機会損失

多くの企業では、内定を辞退した候補者との接点は、その時点で途切れてしまいます。しかし、当時は他社への入社を選んだ候補者であっても、数年後に転職を検討する際、再び自社を選択肢の一つとして考える可能性があります。

こうした候補者との接点を継続的に活用できなければ、それまでに投じた広告費や選考工数を十分に活かしきれません。実際、多くの企業では過去の候補者情報が蓄積されているにもかかわらず、継続的なコミュニケーションや再アプローチにつなげる仕組みを整備できていないのが現状です。

応募者を企業の資産として蓄積する「積立型採用(タレントプール)」へのシフト

こうした課題への対応策として注目されているのが、応募者や候補者の情報を自社のデータベースに蓄積し、必要なタイミングで再アプローチする「積立型採用」という考え方です。蓄積された候補者データベースは「タレントプール」、それを継続的な採用活動に活用する手法は「タレントプール採用」と呼ばれています。過去に接点を持った候補者を採用資産として捉え、中長期的に関係を築くことで、求人媒体や人材紹介会社への依存を段階的に抑えられる可能性があります。

この考え方は、「タレントアクイジション(人材獲得)」とも共通する部分が多くあります。採用を一度きりの活動ではなく、中長期的な人材獲得戦略として捉え、候補者との関係を継続的に構築していくという発想です。そのためには、候補者情報を保管するだけでなく、一人ひとりの状況や関心度に応じて適切なタイミングでアプローチできる仕組みを整えることが重要です。

この違いは、採用活動の進め方を比べるとより明確になります。従来の採用では、「募集する→応募を集める→選考する→採用・不採用で終了」という一度きりの流れが一般的でした。一方、積立型採用では、「候補者と接点を持つ→情報を蓄積する→継続的にコミュニケーションを取り、適切なタイミングで再アプローチする」というサイクルを繰り返します。採用活動を、毎回ゼロから母集団を形成するものではなく、自社に関心を持つ候補者との関係を育てる活動へと転換することが、この考え方の本質です。

積立型採用への移行は、一度に実現できるものではありません。まずは、自社がどの程度の候補者データを保有しているかを棚卸しし、その中に再アプローチできる候補者がどれだけいるのかを把握することから始めるとよいでしょう。現状を可視化することで、自社に合った形で段階的に取り組みを進めやすくなります。

応募者管理と継続的な人材獲得を両立する仕組み

採用業務の効率化と、候補者との継続的な関係構築。この2つを両立することで、採用活動の生産性向上と中長期的な採用力の強化が期待できます。ここでは、それを実現する仕組みについて詳しく解説します。

AIが選考実務を効率化する「MyTalent Hire」

MyTalent Hireは、AIネイティブな採用管理システムとして、書類選考のスコアリング支援や候補者とのコミュニケーションの自動化など、選考業務の効率化を支援する機能を備えています。採用担当者が本来注力すべき「誰と会うべきか」「どのように候補者を惹きつけるか」といった、より付加価値の高い意思決定に集中できる環境づくりを目指しています。

また、求人媒体や人材紹介会社との連携、柔軟な選考フローの設定、採用データの可視化・分析など、本記事で紹介したATSの選定ポイントにも対応しています。特に、応募が集中する時期には、AIが書類選考の一次評価を支援することで、採用担当者は候補者一人ひとりと向き合う時間を確保しやすくなります。採用業務の効率化と判断の質の向上を両立できる点は、AIネイティブなATSならではの特長といえるでしょう。

過去の候補者情報を蓄積し、関係を育てる「MyTalent CRM」

MyTalent CRMは、選考過程における辞退者や退職者など、過去に接点を持ったすべての候補者情報をデータベース化し、タレントプールとして活用するためのサービスです。候補者の属性や選考時の情報をもとに、再アプローチに適したタイミングをAIが支援する仕組みを備えており、エージェントへの依存を下げながら候補者との関係を継続的に築きやすくなります。

先ほど紹介した「積立型採用」を実際の採用活動で実現するための基盤となるのが、MyTalent CRMです。候補者ごとの状況の変化をシステム上で追跡し、再アプローチに適したタイミングを人手だけで判断するのではなく、蓄積されたデータをもとに支援する仕組みを備えている点が、単純な候補者データベースとの違いになります。

二つのサービスが融合することで生まれる「採用コスト削減」と「歩留まり改善」の相乗効果

MyTalent HireとMyTalent CRMを組み合わせることで、選考業務の効率化によって生まれた時間を、タレントプールへの再アプローチに充てるという好循環を生み出せます。採用管理と候補者との継続的な関係構築を1つのプラットフォームで実現することで、ATS単体の導入と比べ、採用コストの最適化や歩留まりの改善が期待できます。

たとえば、書類選考の効率化によって生まれた時間を、過去に接点を持った候補者への再アプローチに活用できれば、新たな広告費をかけずに応募母集団を形成できる機会が広がります。こうした「管理」と「獲得」の循環を実現できることが、統合型プラットフォームの大きな特長です。

また、ATSと採用CRMを別々に導入すると、システム間のデータ連携や候補者情報の重複管理など、運用負荷が生じることがあります。管理と獲得を同一プラットフォームで一元化することで、こうした負担を抑えながら、より効率的な採用活動を実現できます。

まとめ

本記事では、ATSの基本機能から、比較時に押さえておきたい7つの選定基準、企業フェーズ別の選び方、さらに採用市場の変化を踏まえた「もう一段先の視点」まで解説してきました。求人媒体との連携範囲や自動化機能、セキュリティ体制などは、導入後の運用や定着率を左右する重要なポイントです。

一方で、採用コストが上昇し続ける現在では、選考業務を効率化するだけでは採用活動全体の改善につながらないケースもあります。そのため、ATS選びは単なる業務ツールの比較ではなく、中長期的な採用戦略を見据えた意思決定として捉えることが重要です。

その選択肢の一つが、過去に接点を持った候補者を採用資産として蓄積し、継続的な関係構築を行う「積立型採用」という考え方です。一方で、この仕組みを自社だけで構築・運用するには、候補者データの管理や再アプローチの設計、継続的な改善など、一定の体制やノウハウが求められます。特に、日々の選考業務と並行して取り組む場合には、運用負荷が課題となることも少なくありません。

そのため、ATSを比較する際は、目の前の業務効率化だけでなく、自社の採用戦略を中長期的に支えられるかという視点も重要です。本記事で紹介した選定基準や比較ポイントを参考に、自社に適したATSを検討してみてください。

また、採用業務の効率化と候補者情報の資産活用を両立したい場合は、管理と獲得の両方を支援できるプラットフォームを活用することも有効な選択肢です。ここからは、その一例として「MyTalent Platform」の特徴や仕組みについてご紹介します。

AIネイティブ・統合型タレントアクイジションプラットフォーム
「MyTalent Platform」

TalentXでは、自社の採用をDX化し、データを可視化・分析して未来のタレント獲得につなげられるサービスを提供しています。採用マーケティング、採用ブランディング、リファラル採用、採用管理システムなど、トータルでご支援することが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
MyTalent Platformへのお問い合わせはこちら

採用CRMサービス「MyTalent CRM」

「候補者リストを資産に変える」採用CRMサービス。過去の応募者や潜在層をタレントプール化し、AIが自動で最適な候補者をレコメンド。エージェントに依存せず、自社の資産で採用を完結し戦わない採用を実現します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/221/input

AIネイティブ採用管理システム(ATS)「MyTalent Hire」

MyTalent Hireは、AIネイティブな採用管理システム(ATS)です。従来のATSでは解決できなかった工数削減と採用力強化を同時に実現します。企業の人材獲得活動を「管理」から「マーケティング」へと変革します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/403/input

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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