就活学生のトレンドや新卒採用企業の採用課題は何か
近年では就活学生を取り巻くコミュニティの在り方がアップデートされ、身近な友人や知人から体験談などの生の声を聴き、就職先企業からの内定承諾の意思決定を行う学生が増えてきています。
就活学生の70%以上は身近な先輩や友人・知人に就活相談を行い、新卒内定者に内定先の企業を紹介してもらうことで情報収集を行うなど、就活の情報収集の手段は口コミ情報や紹介情報(リファラル)が中心になってきています。
一方で新卒採用活動を行う法人企業は「ターゲットの学生が集まらない(質の高い母集団が形成できない)」ことや「学生が集まっても採用しきれず、選考辞退や内定辞退されてしまう(クロージングに課題がある)」といった採用課題を抱えています。2023年卒マイナビ企業新卒内定状況調査では、50%以上の企業が新卒内定辞退率30%を超えているというデータが提示されています。
そのため、採用企業ではいかにミスマッチのない新卒採用を実現し、同時に内定辞退率を改善するかが新卒採用における大きな課題となっています。
新卒内定者リファラル採用の活用を
新卒内定者リファラル採用とは、「企業の内定者の信頼できる人脈を介した、新卒採用活動」のことを意味しています。内定者リファラル採用は、内定者の辞退防止や内定辞退率の改善、質の高い母集団形成を目的とした中長期的な採用戦略です。
例えば内定者を巻き込んだリファラル採用活動を行うことによって、内定を出した学生が参加しているコミュニティ(学校・ゼミ・部活・研究室・サークルなど)の後輩や友人との繋がりを持つことが可能になります。さらに、会社説明会や就活イベントへの参加者を募集する際には、無断欠席や当日キャンセルのリスクが少なくなるなど、採用したい学生ターゲットの囲い込みや選考辞退率、内定辞退率の低減に役立てることができます。
また、新卒内定者にとっても内定先企業への応募動機や内定承諾動機、魅力的な先輩社員の活き活きとした姿や、事業の将来性やビジョンを声に出して後輩や友人に語ることになります。
内定先企業の一員となることを誇りに思い、組織で働けることに喜びを感じ、企業・経営者・トップマネジメント層を尊敬し、思考や戦略を強く支持し、理解することができ自社の商品やサービスを誇りに思う機会があり、周囲に対して自発的に自社を勧めるといったような機会を意識的かつ戦略的に与えていくことで、従業員ロイヤルティの向上を促進し内定辞退率を圧倒的に抑制することができるのです。
ロイヤルティの高まった内定者は企業のファンになり、リアルな口コミを通して企業ブランディングしていくことで内定者の友人(就活生)や後輩(来年の就活生)のエンゲージメントを高めていき、持続可能な新卒採用を実現できると考えられます。
- ※リファラル(referral)
- 「委託、紹介、推薦」の意
新卒採用で失敗しないための新卒内定者の巻き込みと、リファラル採用の活性化を
企業は新卒内定者に広報活動を行うだけでなく、リファラル採用活動に協力をする意義を伝え、共感してもらうことが必要です。
内定者が自発的にかつ楽しくリファラル活動ができるような制度や、友人や後輩に自社を紹介する動機付け、リファラル採用活動のフローを整理して簡単に情報伝達とリファラル活動ができるよう仕組みを整えなければなりません。
負のスパイラルが恒常的に続く新卒採用市場において正のスパイラルを創出するためには、年数が経つにつれてサポーター(内定者や社員のファン)を増やしていき、リファラル採用を活性化させる持続可能な取り組みが重要となってくるのです。
例えば当年の内定者は翌年入社しますが、新卒で入社後3年目くらいまでは後輩である学生とのつながりがある状態です。
リファラル採用制度の導入初年度に内定者をリファラル採用活動に巻き込むと、翌年にはその新入社員が翌年の内定者に加わった状態でのリファラル採用の協力体制が作られ、翌々年には新卒2年目+1年目+内定者といったように、年々サポーターを増加させていくことが可能です。
こういった協力体制やフローを仕組み化することによって、持続可能で内定辞退率の低い新卒採用活動が実現していきます。
新卒内定者を巻き込んだリファラル採用の事例や具体的な方法
新卒内定者と社員の交流会では、自社の若手社員の出身大学別にチーム編成し同じ大学の内定者に参加してもらい、在籍コミュニティの洗い出しと、後輩へのコミュニケーションプランを作成する事例
新卒内定者研修では、内定者同士のチームを結成し、チーム対抗のリファラル活動を実施し、優勝チームにはお食事などのインセンティブを設けてロイヤルティ強化や内定辞退防止策として展開する事例
母集団形成のために自社の若手社員(リクルーター)に対して、出身校の後輩を自社へ紹介依頼し、インターン・説明会・イベントなど新卒採用イベントに集客するなど企業によって内定者の協力依頼方法や巻き込み方は様々です。
【参考事例】
「行員・会社・地域」三方よしの銀行を目指す―内定辞退率が低下した高知銀行の内定者リファラル採用
先輩・後輩の信頼関係があるからこそ、未知なる業界・企業に目を向けることにつながった―SOMPOシステムズの新卒リファラル採用エピソード
MyRefer Campus を利用して新卒内定者リファラル採用の定着を
MyRefer Campusは内定者がより簡単に楽しくリファラル採用活動を行うためのプラットフォームを展開しております。
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時代とともに個人の志向性・情報の在り方は変化しているがゆえ、若者を取り巻く就活市場もまた変化しております。
会社ではなく、会社ではたらく個人・内定者にスポットライトを当て、彼らの声からリアルな情報を流通させるリファラルこそが新時代に必要なアプローチだと私たちは信じています。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
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