「内定者フォローをしているのに、なぜか辞退されてしまう」「候補者への連絡文面、これで大丈夫だろうか」「他社と迷っていると言われたとき、何と返せばいいかわからない」—内定者と日々やり取りをしている採用担当者であれば、一度はこうした迷いに直面したことがあるのではないでしょうか。
内定者フォローの重要性や全体設計については、すでに多くの情報が発信されています。しかし実際の現場では、「制度は整っているが、目の前の候補者にどう声をかければいいかがわからない」という、もっと具体的なレベルでのつまずきが起きています。返信のタイミング、言葉選び、候補者の小さな変化への気づき方—こうした一つひとつの積み重ねが、最終的な入社の決断に影響します。
本記事では、内定者フォローについて、担当者が日々の業務で実際に直面する場面に焦点を当て、そこでどう考え、何を話せばよいのかを具体的に解説します。
目次|内定者フォロー実践ガイド
- 内定者フォローで担当者が直面する「よくある迷い」
- シチュエーション別トーク例—OK・NGな言い回し
- 候補者の温度感の変化に気づく—言葉や態度に表れるサイン
- 複数内定者を同時に抱えるときのタスク管理と優先順位
- 記録の残し方—引き継ぎでも困らないメモの型
- 内定辞退後に行う記録と社内報告
- 明日から使えるチェックリスト
- まとめ
内定者フォローで担当者が直面する「よくある迷い」
内定者フォローの業務は、マニュアル通りに進まないことがほとんどです。候補者一人ひとりの状況や性格が異なるため、同じ場面でも適切な対応は変わってきます。現場でよく聞かれる迷いには、次のようなものがあります。
- 連絡の頻度が「多すぎないか」「少なすぎないか」判断できない
- 返信が遅い候補者に対して、催促しているように受け取られたくない
- 「他社と迷っている」と打ち明けられたとき、押しが強くならないか不安になる
- 内定辞退を切り出されたとき、引き止めるべきか、それとも快く送り出すべきか迷う
- 候補者の家族に関する話題にどこまで踏み込んでよいかわからない
これらに共通するのは、「正解が一つではない」ということです。マニュアルに沿った対応だけでは、候補者との信頼関係は築きにくくなります。以降では、代表的な場面ごとに、考え方の軸と実際の言い回しの例を紹介します。
シチュエーション別トーク例—OK・NGな言い回し
返信が遅い候補者へのリマインド
数日返信がない候補者に連絡する際は、「催促」と受け取られるような言い方を避けたいところです。単に「ご確認いただけましたか」と繰り返すだけでは、候補者にプレッシャーを与えてしまう可能性があります。「お忙しいところ恐れ入ります」など、相手の状況を気遣う一言を添えるだけでも、受け取られ方は大きく変わります。
| 避けたい言い方 | 置き換えの例 |
|---|---|
| 「まだご返信いただけていないようですが」 | 「その後お忙しくされていませんか。お時間のあるときで構いませんので」 |
| 「〇日までにご回答をお願いします」(理由なし) | 「〇日までに社内の準備を進めたく、可能であればで結構ですので教えていただけますか」 |
| 「ご検討状況はいかがでしょうか」のみ | 「何か気になる点があれば、いつでも遠慮なくご相談ください」を添える |
期限を伝えること自体に問題はありません。ただし、「なぜその期限なのか」という理由も添えることで、一方的な催促ではなく、スケジュール上必要な確認として受け止めてもらいやすくなります。
「他社と迷っている」と言われたとき
候補者から複数内定を受けていることを打ち明けられた場合、無理に自社を選ばせようとする姿勢は逆効果になりやすいとされています。むしろ、候補者が納得して意思決定できるよう、判断材料を整理する手助けをする姿勢が有効です。
避けたい対応:他社の欠点を指摘する、即答を求める、自社の魅力を一方的に畳みかける
有効な問いかけの例
- 「今回の転職(就職)で、一番大事にしたいと思っていることは何ですか」
- 「それぞれの会社で、具体的にどんな点が決め手になりそうですか」
- 「もし何か迷っている点があれば、こちらで確認できることもあるかもしれません」
候補者自身に判断軸を言語化してもらうことで、自社の強みが実は候補者の軸と合致していることに、候補者自身が気づくケースもあります。無理に説得するのではなく、「一緒に整理する」姿勢が信頼につながります。
「保護者に反対されている」と相談されたとき
新卒採用では、候補者本人が納得していても、保護者の意見が意思決定に影響することがあります。この話題は非常にデリケートなため、担当者から踏み込みすぎないことが基本です。
- 「もしよろしければ、会社案内などご家族にお見せいただける資料をお送りしましょうか」と、資料提供にとどめる
- 保護者との面談や説明の場を設ける場合も、候補者本人の意思を確認したうえで提案する
- 「ご家族の意見も大切にしながら、〇〇さんご自身が納得できる形で決めていただければと思います」と、本人の主体性を尊重する姿勢を伝える
担当者が保護者を直接説得しようとする対応は、かえって候補者や家族に不信感を与えることがあるため注意が必要です。
カウンターオファーを受けたと聞いたとき
中途採用の候補者が、退職を伝えた現職から引き止め(待遇改善などの提示)を受けるケースは珍しくありません。この場面で焦って条件面の再交渉を持ちかけると、候補者に「結局、条件の話なのか」と受け取られ、かえって不信感につながることがあります。
有効な問いかけの例
- 「今回の転職を考え始めたきっかけは、どんなことでしたか」
- 「今の会社に残った場合、そのきっかけになった課題は解消されそうですか」
- 「条件面以外で、転職によって実現したかったことはありますか」
候補者が転職を考え始めた「原点」を一緒に振り返ることで、条件面だけでは解決しない本質的な転職理由に気づいてもらいやすくなります。無理な引き止めは避けつつ、候補者自身が納得して意思決定できるよう支援する姿勢を保つことが重要です。
内定辞退を切り出されたとき
辞退の意思を伝えられた瞬間、多くの担当者は動揺します。しかし、感情的な引き止めや、候補者を責めるような言葉は避けるべきです。
- まずは「ご連絡ありがとうございます。差し支えなければ、理由を伺ってもよろしいですか」と、冷静に理由を確認する
- 理由が確定的なものであれば、無理な引き止めはせず「ご決断、承知いたしました。またご縁がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします」と丁寧に締めくくる
- 理由に誤解や情報不足がある場合(例:業務内容の認識違いなど)に限り、事実確認のための説明を行う
辞退の理由を丁寧にヒアリングしておくことは、候補者への配慮であると同時に、後述する「記録」として今後のフォロー改善にも役立ちます。
候補者の温度感の変化に気づく—言葉や態度に表れるサイン
候補者が明確に「迷っている」と口にすることは、実はそれほど多くありません。多くの場合、言葉にならない小さな変化として現れます。担当者は、こうしたサインに日頃から注意を払う必要があります。
注意したい変化の例
- 返信の速さが以前より明らかに遅くなった
- 返信の文章が短くなった、絵文字や語尾が事務的になった
- 面談や懇親会への参加について、以前は即答だったのに曖昧な返事が増えた
- 「まだ決めていないのですが」といった前置きが増えた
- 質問の内容が、入社への期待を感じさせるものから、事務的な確認だけになった
これらのサインが一つ見られたからといって、必ずしも辞退につながるわけではありません。単に多忙な時期で、連絡が取りづらくなっているケースもあります。重要なのは、変化に気づいた時点でそのままにせず、相手の負担に配慮しながら、早めに連絡を取ることです。
声をかける際の例 「最近お忙しそうですね。何かこちらでお手伝いできることがあれば、いつでも教えてください」
この一言だけでも、候補者が抱えている不安を打ち明けるきっかけになることがあります。問い詰めるのではなく、扉を開けておくという姿勢が大切です。
複数内定者を同時に抱えるときのタスク管理と優先順位
担当する内定者が増えるほど、フォローの質にばらつきが出やすくなります。全員に均等に時間を割くことは現実的ではないため、優先順位の考え方を持っておくことが重要です。
優先度を判断する視点の例
- 直近で意思決定の節目を迎える候補者(承諾期限が近い、入社日が近いなど)
- 前述のような「変化のサイン」が見られる候補者
- 自発的に質問や相談を寄せてくれている候補者(関心の高さの表れでもあり、迅速な対応が信頼につながる)
- 定型的な確認事項のみで進行している候補者(テンプレートで対応可能な範囲)
すべての候補者に同じ熱量で対応しようとすると、結果的に対応の遅れや漏れが生じやすくなります。担当している候補者を上記のような軸で定期的に棚卸しし、今週・今月、誰に重点的に時間を使うべきかを意識的に決めておくと、業務の負荷を抑えながら重要な対応を後回しにせずに済みます。
記録の残し方—引き継ぎでも困らないメモの型
内定者とのやり取りの中で得た情報は、担当者の頭の中だけに留めず、必ず記録として残すことが重要です。異動や急な不在があっても対応が途切れないようにするためだけでなく、自分自身が次の連絡で何を話すべきかを見失わないためにも役立ちます。
候補者ごとに残しておきたい記録項目
- 直近のやり取りの日付と内容の要約
- 候補者が重視していること(給与、働き方、成長環境など)
- これまでに出た懸念・不安(他社比較、家族の意見、業務内容への疑問など)
- 懸念に対して、自社側がすでに回答・対応した内容
- 次回の連絡予定日と、その回で話すべきこと
記入例
8/20 電話にて。他社(B社)とも選考が進んでいる様子。決め手は「配属先の雰囲気」とのこと。9/1に若手社員との1on1を設定済み。次回はその後の感想を確認する。
この程度の簡潔さで構いません。重要なのは、「次に何をすべきか」まで書き残しておくことです。過去の記録を残すだけでは、行動につながりにくくなります。
内定辞退後に行う記録と社内報告
内定辞退は、担当者にとって精神的な負担が大きい出来事です。時間をかけて関係を築いてきた候補者であるほど、その傾向は強くなります。ここで大切なのは、辞退という結果を担当者個人の力不足として抱え込みすぎないことです。
辞退には、担当者のフォローだけでは防ぎきれない要因(他社の条件、候補者本人のキャリア観の変化、家庭の事情など)が関わっていることも少なくありません。すべての辞退を防ぐことは現実的に難しいという前提を持ちながら、次に活かせる学びとして受け止める視点が、担当者自身の負担を軽減することにもつながります。
上司への報告で押さえておきたいポイント
- 辞退の直接的な理由(候補者が語った内容をそのまま)
- 辞退に至るまでの経緯(いつ頃から様子に変化が見られたか)
- フォローの中で実施した対応と、その反応
- 今後の改善につながりそうな気づき
感情的な報告ではなく、事実ベースで簡潔にまとめることで、チーム全体の改善材料として活用しやすくなります。
明日から使えるチェックリスト
日々の内定者フォロー業務で、次のようなチェックリストを活用すると、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。
- 直近1週間、返信がない候補者はいないか確認したか
- 各候補者の「次回連絡予定日」を確認・更新したか
- 変化のサインが見られた候補者に、負担にならない範囲で声をかけたか
- やり取りの内容を記録に残したか
- 今週、重点的に対応すべき候補者を把握できているか
まとめ
内定者フォローは、制度や仕組みが整っているだけでは機能しません。最終的に候補者の心を動かすのは、担当者一人ひとりが交わす日々のやり取りの質です。返信のタイミング、言葉の選び方、小さな変化への気づき—こうした積み重ねが、候補者との信頼関係を築いていきます。
とはいえ、担当する候補者の数が増えるほど、一人ひとりに丁寧に向き合う時間を確保することは難しくなります。日々のやり取りの記録や、候補者の状態把握を仕組みとしてサポートするツールを取り入れることも、現場の負担を軽減しながら対応の質を保つための有効な選択肢の一つです。
こうした採用活動全体の仕組み化を支援する選択肢の一つが、次に紹介するAIネイティブ・統合型タレントアクイジションプラットフォームです。
AIネイティブ・統合型タレントアクイジションプラットフォーム
「MyTalent Platform」
TalentXでは、自社の採用をDX化し、データを可視化・分析して未来のタレント獲得につなげられるサービスを提供しています。採用マーケティング、採用ブランディング、リファラル採用、採用管理システムなど、トータルでご支援することが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
MyTalent Platformへのお問い合わせはこちら
採用CRMサービス「MyTalent CRM」
「候補者リストを資産に変える」採用CRMサービス。過去の応募者や潜在層をタレントプール化し、AIが自動で最適な候補者をレコメンド。エージェントに依存せず、自社の資産で採用を完結し戦わない採用を実現します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/221/input
採用ブランディングサービス「MyTalent Brand」
候補者をファンにする採用ブランディングCMS。採用サイトや社員ストーリーを作成し、独自のノウハウで「自社のファンづくり」を自動化します。認知から獲得までを一気通貫でデータ化し、採用広報のROIを劇的に改善します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/338/input
リファラル採用サービス「MyTalent Refer(MyRefer)」
国内初のリファラル採用サービス。社員のエンゲージメントを可視化し、自発的な紹介を促進。AIが紹介されやすい候補者を特定し、マッチングを支援することで、入社後の定着率向上と採用単価の大幅削減を同時に実現します。
-1024x394.jpg)
資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/support/download/input/
AIネイティブ採用管理システム(ATS)「MyTalent Hire」
MyTalent Hireは、AIネイティブな採用管理システム(ATS)です。従来のATSでは解決できなかった工数削減と採用力強化を同時に実現します。企業の人材獲得活動を「管理」から「マーケティング」へと変革します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/403/input
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。





