採用市場が多様化する中で、新しい採用手法として注目されているのが「ミートアップ」です。これは企業と求職者がカジュアルな場で直接交流し、相互理解を深めるイベントの一つです。単なる説明会や面接とは異なり、企業の価値観やカルチャーを伝えながら、求職者の生の声を聞くことができる点が特徴と言えるでしょう。本稿では、ミートアップという採用手法の概要と、その背景、実施のポイント、そして具体的な事例を通じて、その効果と可能性を詳しく解説します。また、ミートアップを活用することで「潜在層」へのアプローチがどのように可能になるか、さらにリファラル採用と組み合わせることで得られるメリットにも触れていきます。是非最後までご覧ください。
目次|採用ミートアップが注目される理由とは?
- 採用手法におけるミートアップとは?
- 採用でミートアップが注目されるようになった背景
- ミートアップを実施する際のポイント
- ミートアップを採用に活かしている事例(TalentX, EXIDEA)
- まとめ
採用手法におけるミートアップとは?
ミートアップとは、もともとはアメリカのミートアップ社が作った造語で、ミートアップ社が提供する同名のプラットフォームサービスのことを指していました。採用手法におけるミートアップは、採用活動の中で企業と求職者が直接対話し、お互いの理解を深めるための非公式な交流イベントを指しています。
通常、セミナーや説明会では一方的な情報提供が中心になりますが、ミートアップでは双方向のコミュニケーションに重きを置かれています。形式も柔軟で、カフェやオフィス、オンラインツールを活用して行われる場合もあります。
採用でミートアップが注目されるようになった背景
採用活動におけるミートアップの普及は、社会的背景やトレンドと密接に関連していると言えるでしょう。ここでは3つのポイントに分けて解説していきます。
労働市場の変化
働き方改革の進展や社会全体でのキャリア観の多様化が進む中で、企業の採用活動にも大きな変化が求められるようになっています。従来の「長時間労働を前提とした働き方」や「新卒一括採用を軸にした雇用体系」では、すべての求職者のニーズに応えることが難しくなっていると言えるでしょう。また、求職者の中には、専門的なスキルや経験を持ちながらも、転職意欲が低い「潜在層」と呼ばれる人々が存在します。この層は現状に満足していたり、転職のリスクを回避したいと考えていることが多いため、企業からの通常の求人広告やスカウトに対して反応が薄いのが特徴と言えます。
こうした潜在層の中にこそ、高いパフォーマンスを発揮できる優秀な人材が隠れていると考えられる一方で、従来の採用手法では、求職者との信頼関係を築くまでの時間やコストが高くつくため、効果的な接触が難しいという課題がありました。
ミートアップは、これらの課題を克服する手段として注目されています。
企業文化の重要性
現代の求職者は、単に給与や福利厚生が充実している企業を選ぶとは限りません。
働きがいや自己実現の追求、そして自分の価値観と一致する企業文化を重視する傾向が強まっています。この背景には、ミレニアル世代やZ世代といった若い世代が労働市場の中心に台頭してきたことがあります。これらの世代は、仕事を通じて社会的な意義を見出したいと考えたり、自己成長を促進する環境を求める傾向があると考えられています。
そのため、企業のビジョンやミッション、さらには実際の職場環境や社員同士の関係性が採用の重要な判断材料となります。従来の求人票や面接だけでは、こうした「感覚的な部分」を十分に伝えることが難しいため、企業文化の理解を深めるための新しい方法が必要とされています。
デジタルツールの進化
テクノロジーの進化により、採用活動も大きな変化を遂げています。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、オンライン採用イベントの需要が急激に高まりました。これにより、地理的な制約を超えて、多くの求職者と企業がつながることが可能になりました。
中でもオンラインミートアップは、従来のオフラインイベントと比較して以下のメリットを持っていると考えられます。
・アクセス性の向上
地方在住者や海外在住者といった物理的にイベント会場に行くことが難しい候補者にも、平等に参加機会を提供することができます。これにより、多様なバックグラウンドを持つ人材にリーチできる可能性が広がるでしょう。
・コスト効率の向上
オフラインイベントでは会場費や運営費が発生しますが、オンライン形式ではこれらのコストを大幅に削減することができます。また、録画配信などを活用すれば、より多くの求職者に情報を提供することが可能です。
・柔軟性の向上
忙しい求職者に対して、短時間で参加できるイベントを提供できるため、参加率の向上にもつながります。また、イベント終了後に参加者に資料や動画を送付することで、イベントの余韻を残しつつフォローアップを行うこともできるという点もメリットと言えるでしょう。
ミートアップを実施する際のポイント
成功するミートアップを実現するためには、参加者が満足し、企業側の目的が達成されるようにすることが重要です。そのために考慮すべき5つのポイントを解説していきます。
明確な目的設定
ミートアップを成功させるためには、事前にイベントの目的を明確にすることが重要です。「エンジニア採用を強化する」「企業文化を理解してもらう」「業界内でのネットワークを広げる」など、目標が定まっていなければ、イベントの内容が散漫になり、参加者にとって価値の低いものになりかねません。
また、目的設定の際には、ターゲット層を明確にすることも大切です。例えば、若手エンジニアを対象にする場合には、トレンド技術やスキルアップに関するコンテンツを盛り込み、求職者の関心を引きつける工夫が必要です。一方で、経験豊富な管理職層をターゲットにする場合には、企業のビジョンやリーダーシップについて深く掘り下げたディスカッションが効果的でしょう。
さらに、目的が明確であれば、成功の指標(KPI)も設定しやすくなります。たとえば、「イベント後に20%以上の参加者からエントリーを獲得する」「3カ月以内にミートアップ参加者から2名以上の内定者を出す」といった具体的な目標を立てることで、効果を測定しやすくなります。
価値のある企画
参加者が「このイベントに参加してよかった」と感じるには、価値のあるコンテンツを提供することが不可欠です。具体的に取り入れたい内容を解説していきますので、是非参考にしてみてください。
・先輩社員とのパネルディスカッション
現場で活躍する社員が、実際の仕事やキャリアパスについて語るセッションは、参加者にとって非常に有益でしょう。
・実際のプロジェクト事例の紹介
現在進行中のプロジェクトや、過去の成功事例を詳しく説明することで、参加者に企業の強みや実務環境を具体的にイメージさせることができます。参加者が手を動かせるミニワークを取り入れると、より深い印象を残せるでしょう。
・ワークショップ形式の体験セッション
チームでの問題解決や新しいアイデアを考えるワークショップ形式は、参加者が主体的に関わることができるため効果的です。実際の職場での協力体制や意思決定プロセスを垣間見る機会にもなり、参加者にとって大きな学びとなるでしょう。
これらの内容を組み合わせることで、単なる説明会では得られない深い体験を提供でき、その結果参加者の満足度向上につながるでしょう。
双方向のコミュニケーションを重視する
ミートアップは、一方的な情報提供の場ではなく、参加者と企業側が双方向に関わり合うことが重要です。そのためには、参加者が積極的に関与できるような仕掛けを取り入れる必要があります。参加者が「自分もこの場の一員である」と感じられるように、質疑応答セッションや少人数グループでのディスカッション、リアルタイムでのアンケートや投票といったイベントを行うことで企業への好感度や信頼感が高まると言えるでしょう。
リラックスした雰囲気の提供
緊張感のある場では、参加者が本音を話すことが難しくなります。そのため、イベント全体を通じてリラックスした雰囲気を提供することが大切です。
オフライン開催であればカフェやラウンジ、共有スペースのようなカジュアルな雰囲気の会場を選ぶと、自然と和やかな空気が生まれます。また、オンラインの場合でも、背景画像や音楽、ファシリテーターのトーンなどでリラックス感を演出することも効果的でしょう。
また、イベントの中に、社員と自由に話せる時間を設けることで参加者が気軽に質問できる環境を作れます。この時間は、特に職場の雰囲気や日常業務に関するリアルな話が聞ける場として有効だと言えるでしょう。
アフターフォロー
イベント後のフォローアップは、参加者との関係を継続的に深めるために欠かせないプロセスです。アンケートの実施やフォローアップメールの送信、個別の接触などのアフターフォローを充実させることで、ミートアップの成果を長期的に活かすことが可能になります。
ミートアップを採用に活かしている事例
TalentXのミートアップ「粋ともパーティー」とは
TalentXはリファラル採用促進の一環として、創業期の2018年から「TalentX社員が『当社のことを知ってもらいたい』と思う人や、大切なご友人、候補者の皆さんを自由にリファラル(お招き)して交流する会」として「粋ともパーティー」というミートアップを行っています。
候補者が企業文化や働く環境を事前に深く理解することで、入社後のミスマッチを防ぐ効果や、社員の紹介を経て参加する候補者は、企業に対する信頼感を高めた状態でイベントに参加できます。また、ミートアップ経由で採用された人材は企業文化への理解が深く、長期的に定着する傾向があるという統計結果も出ています。
さらに、TalentXではイベント後にフィードバックを収集し、次回のイベントに活用することで、継続的に質の向上を図っています。
まとめ
ミートアップは、企業と求職者が直接交流し、相互理解を深める場として注目される採用手法です。従来の説明会や求人広告ではアプローチが難しい「潜在層」と呼ばれる人材にリーチできる点も大きな強みです。さらに、リファラル採用と組み合わせることで、社員のネットワークを活用しながら高い定着率を実現することが可能になるでしょう。
転職サイトでは採用が難しい優秀な人材を採用する手段として、ぜひミートアップとリファラル採用を組み合わせた戦略を検討してみてください。下記の資料「リファラル採用の教科書」は、リファラル採用の意義・メリットや、実際に開始するための方法を詳しく解説しています。気になる方はお気軽にお申し込みください。

監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレント・アクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレント・アクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。





