「記事を書いても応募に繋がらない」「PVはそこそこあるのに、なぜか応募に繋がらない」、採用広報を担当していると、こうした停滞感に直面する瞬間が必ずやってきます。立ち上げ当初の熱量が落ち着いたころ、投稿頻度が下がり、記事の質も安定しなくなる。あの感覚に覚えがある方は、少なくないはずです。
本記事は、採用広報のnoteやブログ運用において「月間1万PV」という一つの指標を軸に、コンテンツ設計・運用体制・ライティング・データ活用まで、実務で使える判断基準を体系的に整理した教科書です。始め方の話はできるだけ省き、「なぜ止まるのか」「どう動かし続けるのか」という、現場の泥臭い部分に焦点を当てます。読み終えたとき、「明日から何を変えればいいか」が明確になるよう設計しています。
目次|採用広報note・ブログ運用の教科書—月間1万PVを達成する実践ガイド
- なぜ今、採用広報に「PV」が必要なのか?
- 月間1万PVを支える「戦略的コンテンツ」の作り方
- ネタ切れを防ぎ、質を落とさない「運用体制」の仕組み化
- 「CV率」「コンバージョン率」を最大化する「ライティング・導線設計」
- 過去記事を資産に変える「データ分析とリライト」の実践
- まとめ
なぜ今、採用広報に「PV」が必要なのか?
採用広報の目的は「応募者を増やすこと」であり、PVを増やすこと自体が目的ではありません。しかし、PVという数値を意識的に設計しないかぎり、採用広報は「社内報」のような発信になってしまいます。本章では、PVが採用活動に持つ本質的な意味と、それを「成果」に変換するための思考整理を行います。
認知なくして応募なし:採用候補者の「情報収集行動」の激変
転職を考える候補者の行動パターンは、この数年で大きく変わりました。かつては求人サイトを開いて条件を絞り込む「検索型」が主流でしたが、今は「自分が気になった企業の社員ブログを読む」「noteで社長やエンジニアのリアルな記事を探す」という動線が当たり前になっています。
特に転職を積極的に考えているわけではない、いわゆる転職潜在層にとって、求人票は存在しません。彼らが企業を知るきっかけは、検索エンジンでたまたまヒットした働き方の記事であり、Xでシェアされたエンジニアの日常記事です。求人票にたどり着く前に、企業の空気感や人柄をコンテンツで知っていなければ、その候補者はそもそも自社を検討対象にすら入れてくれない、これが現在の採用市場の実態です。
こうした文脈でPVを捉え直すと、採用広報のコンテンツにPVが集まるということは、「まだ転職市場に出てきていない層が、自社の存在を認識しにきている」ことを意味します。母集団形成のさらに手前にある「認知形成」の段階をデータとして可視化できる、それがPVという指標の本質的な価値です。
「PVが多い記事」と「採用に効く記事」の決定的違い
PVを集めることと、採用に貢献することは、同じではありません。ここを混同すると、バズを狙ったコンテンツを量産するが応募は増えない、という状況に陥ります。
コンテンツには大きく二種類の性質があります。一つは「フロー型」、SNSでシェアされることで短期間に爆発的なPVを生み出すが、1〜2週間で忘れられる記事です。もう一つは「ストック型」、検索エンジンから継続的に流入し続け、半年後も1年後もPVを生み続ける記事です。
採用広報において重要なのは、圧倒的にストック型です。フロー型の記事は認知拡大の観点では有効ですが、それを読んだ人が転職を考え始めるのは数ヶ月後かもしれません。そのとき検索エンジンで自社を調べたときに、深く読み込める記事が存在しているかどうか。このストック型コンテンツの蓄積こそが、採用広報の「資産」を形成します。採用に効く記事とは、今すぐバズる記事ではなく、求職者が転職を本格的に検討したタイミングで「そういえばあの会社が気になる」と検索したときに見つかる記事です。
1万PVを「採用成功」に繋げるためのKPI設計思想
「月間1万PV」という数字を目標にしているとき、その先のKPIを設計しているかどうかが、担当者の成熟度を分けます。PVはあくまで入口であり、採用成功という出口に繋がるプロセス全体を設計しなければ、数字の達成が採用貢献を意味しないまま終わります。
一つの考え方として、採用広報コンテンツのKPIを次のように多層化することが有効です。まず「認知指標」としてのPVとユニークユーザー数。次に「興味指標」としての平均読了率と記事ページからの採用サイト遷移率。そして「接触指標」としてのカジュアル面談申し込み数です。
この設計で特に重要なのは、「記事からカジュアル面談への動線」を意図的に設計するという発想です。1万PVを達成しても、その先の行動を誘導するCTAが設置されていなければ、読者は記事を読んで満足して離脱します。PVを採用成果に繋げるとは、コンテンツと採用フローをシームレスに接続する設計の問題です。これについては後の章で詳しく扱います。
月間1万PVを支える「戦略的コンテンツ」の作り方
PVは偶然積み上がるものではなく、戦略的に設計されたコンテンツポートフォリオの結果です。どんなテーマを、どんな比率で、どのプラットフォームに投稿するか。この判断を感覚ではなく構造として持つことが、月間1万PVを安定させる条件になります。
ストック型 vs フロー型:1万PVを積み上げるコンテンツの黄金比率
採用広報コンテンツの設計では、ストック型8割・フロー型2割を一つの基準として設計すると整理しやすくなります。8割を検索流入が見込める長尺の深掘り記事(ストック)に充て、残り2割をSNSでの拡散を狙った話題性のある短期コンテンツ(フロー)に使う、という配分です。
ストック型記事の代表例は「エンジニアの1日の働き方」「○○職で活躍する人に聞いた、仕事のやりがい」「リモートワーク制度の実態レポート」など、求職者が転職活動中に能動的に調べるテーマです。これらは公開直後のPVは地味ですが、検索インデックスに乗り始める1〜3ヶ月後から継続的に流入します。一方フロー型は「創業ストーリーの特別公開」「採用イベントのレポート」など、社内の出来事に連動したタイムリーなコンテンツが該当します。
多くの採用広報担当者がフロー型に偏りがちな理由は、「反応がすぐ見える」からです。いいねやシェアという即時フィードバックが得られるため、ストック型の地道な執筆よりも心理的に続けやすい。しかしそれでは半年後も同じPV水準のまま停滞します。8:2の黄金比は、即効性のある承認欲求と中長期的な資産形成を両立させるためのバランス設計です。
検索から安定流入を生むキーワード選定と「悩み」の逆算
ストック型コンテンツを機能させるためには、キーワード選定が土台になります。ただし「採用広報 事例」「エンジニア 転職」のような競合過多のキーワードを狙っても、新興の採用広報メディアではなかなか上位表示できません。勝てるのは、候補者のリアルな悩みや疑問から逆算した、具体的で複合的なキーワードです。
実務での考え方として有効なのは、「入社前に知りたかったこと」を社員にヒアリングし、そのまま記事テーマにすることです。「フレックス制度は実際どう使っていますか」「エンジニアとビジネス職のコミュニケーションはどんな感じですか」、候補者が面接で聞きにくいと感じている質問ほど、記事として検索されやすいキーワードを含んでいます。
具体的には、職種名(エンジニア・デザイナー・マーケター)、働き方(リモート・副業・育休)、制度名(フレックス・裁量労働・評価制度)を組み合わせた複合キーワードが狙い目です。「エンジニア リモートワーク 実態」「マーケター 評価制度 スタートアップ」のような検索語句は、転職を本気で考えている候補者が実際に入力する言葉です。検索ボリュームは大きくなくても、読者の転職意欲が高い分、採用への転換率が上がりやすくなります。
note・Wantedly・自社ブログの最適解と使い分けの判断基準
採用広報のプラットフォーム選びは、「SEO」「拡散性」「資産性」の三軸で評価することで、自社に最適なポートフォリオが見えてきます。
まずnoteは、拡散性と書き手の個性が出やすいプラットフォームとして、採用広報の入口として非常に有効です。noteには独自のコミュニティと編集部によるピックアップ機能があり、質の高い記事は自然に拡散されます。ただしSEOの観点では、noteのドメインパワーを借りる形になるため、長期的には自社資産にならないという限界があります。
Wantedlyは採用意図が明確な候補者が集まるプラットフォームであり、ストーリーズ機能を使った社員紹介や文化紹介は、すでに転職を考えている顕在層への訴求に向いています。一方でSNS的な拡散性は限定的なため、「今すぐ転職したい層」へのリーチに特化したチャネルと位置づけるとよいでしょう。
自社ブログ(採用サイト内ブログなど)は、SEOと資産性において最も優れています。自社ドメインに蓄積されたコンテンツはそのまま自社の資産になり、採用サイトとの回遊導線も設計しやすい。ただし立ち上げ当初はドメインパワーがなく、検索流入が育つまでに時間がかかります。
理想的なポートフォリオは、初期はnoteで認知を広げながら読者を獲得し、並行して自社ブログを育て、Wantedlyで顕在層にリーチする三層構造です。リソースが限られる場合は、まずnoteと自社ブログを中心に運用を始める形が取り組みやすいといえます。
ネタ切れを防ぎ、質を落とさない「運用体制」の仕組み化
採用広報が失速する最大の原因は、コンテンツの「品質」でも「予算」でもなく、「仕組みの欠如」です。担当者の熱量と個人の努力で回している間は良くても、業務が忙しくなると投稿が止まる。このサイクルを断ち切るのが、仕組み化という発想です。ここでは、1人担当者でも継続できる運用体制の設計方法を具体的に解説します。
日常業務からコンテンツを「自動回収」するフローの構築
「ネタがない」は多くの場合、「ネタが目の前にあるのに見えていない」状態です。企業の日常には、記事になるエピソードが溢れています。問題は、それを回収する仕組みがないことです。
最も実装コストが低い回収方法は、社内Slackチャンネルの活用です。「#採用広報ネタ」のようなチャンネルを作り、「入社してよかったと思う瞬間を一言ポストしてください」「最近の仕事で印象に残った出来事をシェアしてください」といった週次の投げかけをするだけで、素材が蓄積し始めます。重要なのは、広報担当者がすべて書くのではなく、社員の「声」を引き出して素材化することです。
1on1もネタの宝庫です。マネージャーが部下と行う1on1に同席させてもらうか、終了後に「印象的なエピソードがあれば教えてください」と一言添えるだけで、記事の核になるリアルな声が集まります。また、新入社員のオンボーディング期間は特に素材密度が高い。入社直後の「初めて気づいたこと」「入社前とのギャップ」は、まさに求職者が知りたい情報そのものです。入社3ヶ月のタイミングで簡単なアンケートフォームを送り、回答を記事素材として活用するフローを設計しておくと、ほぼ自動でコンテンツの原石が届くようになります。
これらの仕組みを一度設計してしまえば、担当者がゼロからネタを考える時間は大幅に削減されます。採用広報の本質的な工数は「素材収集」ではなく「編集と発信」に振り切れるようになります。
現場を味方につける!「断られない」ヒアリングシートと社内調整術
採用広報において、最も難易度が高い業務の一つが「現場社員への取材依頼」です。「忙しいから」「何を話せばいいかわからない」という理由で断られた経験がある担当者は多いはずです。この問題は、依頼の設計次第でほぼ解決できます。
まず、ヒアリングシートの送付を依頼の前段に挟むことで、社員の心理的ハードルが下がります。「インタビューさせてください(30分〜1時間)」という依頼よりも、「まず5つの質問に文章で答えてもらえますか(10〜15分)」の方が断られにくい。その回答を読んで面白い素材があれば追加インタビューに繋げ、回答だけで記事が書ける場合はそのままコンテンツ化する、という二段階の設計です。
ヒアリングシートに入れるべき質問は、「今の仕事で一番やりがいを感じる瞬間はどんなときですか」「入社前に不安だったことと、実際はどうだったか教えてください」「この会社を友人に紹介するとしたら、どんなところを推しますか」の3点が中心です。答えやすく、かつ求職者が読みたい情報を自然に引き出せる設問設計です。
社内調整の観点では、「採用広報への協力は採用貢献だ」という意識を部門長レベルで共有しておくことが重要です。担当者が個別に頭を下げて回るのではなく、経営や人事部長から「採用広報への協力をお願いします」というメッセージが出ている状態を作れると、現場の温度感が変わります。採用に苦労している部門ほど協力的になりやすいため、採用充足率が低い部門から関係構築を始めるのも実用的な戦略です。
少人数体制でも挫折しない、公開頻度と編集カレンダーの運用術
採用広報の継続において、「毎週1本」という目標は多くの場合、3ヶ月で破綻します。理由は単純で、1人担当者が他業務を抱えながら毎週高品質な記事を書き続けることは、構造的に無理があるからです。重要なのは頻度の高さではなく、頻度の安定性です。
実務で継続しやすい頻度は「月2〜3本」です。これを前提に編集カレンダーを設計すると、月初に「今月公開する記事のテーマと担当社員」を確定し、第1〜2週でヒアリングと素材収集、第3週で執筆と確認、第4週で公開とSNS告知、というリズムが作れます。このリズムを3ヶ月続ければ6〜9本のストック記事が蓄積し、検索流入が育ち始めます。
編集カレンダーの管理はNotionやGoogleスプレッドシートで十分です。「テーマ」「取材相手」「ヒアリング完了日」「執筆状況」「公開予定日」の5列を管理するだけで、進行状況の可視化と締め切り管理が一元化されます。また、ネタの在庫管理としても機能し、「次は何を書けばいいかわからない」という停滞を防ぐことができます。
さらに実践的なコツとして、「書き溜め月」の設定をお勧めします。四半期に一度、通常業務が比較的落ち着いている週を「採用広報集中週」と位置づけ、2〜3本分の記事を先行執筆しておく。この在庫があると、繁忙期でも公開ペースを落とさずに済み、長期的な継続性が格段に高まります。
「CV率」「コンバージョン率」を最大化する「ライティング・導線設計」
良いコンテンツが書けても、読まれなければ意味がありません。スマートフォンで採用広報記事を読む候補者は、最初の数秒で「この記事は自分に関係あるか」を判断します。「CV率」「コンバージョン率」を高めるライティングの技術と、「読んで終わり」にさせない導線設計について解説します。
冒頭3行で離脱を防ぐ!求職者の心をつかむリード文の3つの型
記事の冒頭3行(スマートフォン画面でスクロールなしに見える範囲)が、読了率のほぼすべてを決めます。この部分で読者の「これは自分の話だ」という感覚を引き出せるかどうかが、続きを読むかどうかの分岐点です。
効果的なリード文には、大きく3つの型があります。一つ目は「問いかけ型」で、「入社して1年、自分がここで働き続ける理由を言語化できますか」のように、読者が思わず「考えてみたことなかった」と感じる問いから始めるパターンです。転職を潜在的に意識している候補者の内省を促す効果があります。
二つ目は「共感型」で、「スキルはある。でも今の職場では試せていない、という感覚がずっとある」のように、読者のモヤモヤを先に言語化して「そう、それ」と思わせるパターンです。自社の社員が感じていた葛藤と解消のストーリーを伝えるインタビュー記事に特に有効です。
三つ目は「事実提示型」で、「弊社のエンジニアの7割は、前職で大手SIerかWeb系事業会社に勤めていました」のように、具体的な事実から入って「なぜそういう人たちが集まるのか」への好奇心を喚起するパターンです。数字や具体的な属性を冒頭に置くことで、記事の信頼性を瞬時に高められます。
共通するのは、「自社のことを語る前に、読者の状況や感情を先に映す」という原則です。採用広報の失敗するリード文の典型は「〇〇社は2010年創業の……」という自己紹介から始まるものです。候補者が知りたいのは自社の歴史ではなく、「自分がそこで働いたらどうなるか」です。
スマホ読者を飽きさせない!「読みやすさ」と「視覚効果」の基準
採用広報の記事を読む候補者の多くは、移動中や休憩中のスマートフォンです。この環境で「読みやすい」記事とは、長い段落がなく、視線の切り替えポイントが適切に配置されている記事です。
具体的な基準として、スマートフォンでの可読性を考えると、1段落は120〜200字程度に収める構成が読みやすい傾向があります。それ以上になると、スマホ画面では「壁」のように見えて読み飛ばされます。また、3〜4段落ごとに小見出しを入れることで、読者が「今どこにいるか」を把握しながら読み進められます。
視覚効果の面では、社員の実際の写真を使うことが最も効果的です。フリー素材のビジネス写真よりも、多少クオリティが下がっても実際の職場や社員の表情が映った写真の方が、候補者の「リアルさ」への感度に刺さります。インタビュー記事なら必ず顔写真を入れる、職場紹介なら実際のオフィス写真を添える。この原則だけで読了率は変わります。
また、重要な一文は**太字**にする習慣をつけましょう。流し読みする読者でも、太字部分で視線が止まり、記事の要点を拾い読みできます。ただし、太字が多すぎると効果が薄れるため、見出しの直下の核心文と、記事全体で最も伝えたい一文の2〜3箇所に絞るのが原則です。
「読んで終わり」にさせない!カジュアル面談へ誘うCTA(行動喚起)の鉄則
採用広報のコンテンツをPVから採用成果に繋げるための最重要パーツが、CTA(Call to Action)です。多くの採用広報記事が「読んで終わり」になる理由は、読後に「次に何をすべきか」が示されていないからです。
採用広報において最も転換率が高いCTAは、「応募はこちら」ではなく「カジュアル面談を申し込む」です。転職を積極的に考えていない潜在層にとって、「応募」というアクションは心理的ハードルが高すぎます。一方「カジュアルに話を聞くだけ」という文言は、ノーリスクな接触として受け入れられやすい。記事を読んで少し興味を持った候補者が、次のステップに踏み出せるよう、アクションの難易度を下げる設計が重要です。
CTAの配置場所は、記事末尾のみに置くケースが多いですが、実は記事本文の中盤(読者が最も没入している部分)にも自然な形でCTAを埋め込むことが有効です。たとえばインタビュー記事の中で社員が「一緒に働きたい人はこういう人」と語った直後に、「この話をもっと詳しく聞いてみたい方は、カジュアル面談で○○さんに直接聞いてみませんか」という文章を挿入するだけで、文脈と行動が自然につながります。
CTAの文言自体も重要です。「採用情報はこちら」という無機質な表現より、「○○について、もう少し話を聞いてみませんか」という呼びかけ型の方が、候補者の背中を押す力があります。記事のテーマや登場した社員の言葉を引用して、CTAをカスタマイズする習慣をつけましょう。
過去記事を資産に変える「データ分析とリライト」の実践
新規記事の執筆ばかりに注力している採用広報担当者ほど、「既存記事のリライト」という最も費用対効果の高い施策を見落としがちです。すでに公開されているコンテンツを磨き直すことで、追加工数をほぼかけずにPVと転換率を改善できます。データを正しく読み、リライトの優先順位を適切に設計する方法を解説します。
noteダッシュボードの正しい読み方:追うべきは「全体数」より「率」
noteのダッシュボードやGoogleアナリティクスを開いたとき、多くの担当者が最初に見るのは「総PV数」や「ビュー数ランキング」です。しかしこれだけでは、何を改善すべきかがわかりません。採用広報の文脈でより重要なのは「率」の指標です。
具体的には、「離脱率(バウンス率)」と「平均セッション時間」に注目してください。PVが多い記事でも離脱率が高ければ、読者が冒頭で読むのをやめていることを意味します。逆にPVが少なくても平均セッション時間が長い記事は、少ない読者に対して深く刺さっている優良コンテンツです。
加えて重要なのが、「採用サイトへの遷移率」です。各記事からの採用サイト(または採用エントリーページ)への遷移数を計測することで、その記事がどれだけ採用行動に貢献しているかがわかります。この指標を記事ごとに把握していない担当者は多いですが、これこそが「採用に効くコンテンツ」と「読まれているだけのコンテンツ」を区別する最重要データです。
自社ブログの場合はGoogleサーチコンソールも必ず活用しましょう。「どんな検索キーワードで記事に訪れているか」「検索結果での表示順位は何位か」が把握でき、後述のリライト戦略の基盤になります。
リライトの優先順位:11位〜20位の記事をトップ10に引き上げる手法
リライトの対象記事を選ぶ際、最も費用対効果が高いのは「検索順位が11〜20位の記事」です。これは「Googleの2ページ目」に表示されている記事であり、読者の目にほとんど触れていませんが、Googleがある程度の関連性を認めているコンテンツです。わずかな改善でトップ10入りし、一気にクリック数が増える可能性があります。
リライトの手順は、まずGoogleサーチコンソールで「表示回数は多いがクリック率が低い記事」を特定することから始めます。表示されているのにクリックされないということは、検索結果に表示されるタイトルやメタディスクリプションが魅力的でない可能性があります。まずここを改善するだけで、コンテンツを書き直さずにクリック率が改善するケースがあります。
次に、記事の本文を「検索意図を満たしているか」という観点で見直します。対象キーワードで検索した読者が「知りたいこと」をすべてカバーしているか、情報が古くなっていないか、競合上位記事にある情報で自記事にないものはないか。これらを確認し、情報の網羅性と鮮度を高めます。
また、リライト時には見出し(H2/H3)の構成を見直すことも有効です。検索エンジンは見出しの構造を重要なシグナルとして評価するため、ターゲットキーワードを含む見出しの整理は直接的なSEO効果につながります。
PVを応募に転換させるための「導線リフォーム」チェックリスト
リライトのもう一つの重要な観点が、「記事の導線をリフォームする」ことです。既存記事の中にはPVがそれなりにあるのに、採用サイトへの遷移や面談申し込みがほとんどない記事が少なくありません。これはコンテンツの問題ではなく、導線設計の問題です。
導線リフォームのチェックリストとして、以下の項目を確認してください。まず「記事末尾にCTAが設置されているか」、これがない記事は読後に行動の選択肢が示されないまま終わります。次に「CTAの文言が記事のテーマと連動しているか」「採用情報はこちら」という汎用CTAより、「この記事に登場した○○さんに話を聞いてみませんか」という文脈連動型CTAの方が転換率が高まります。
続いて「関連記事への内部リンクが設置されているか」、一記事だけ読んで離脱するのではなく、別の社員インタビューや制度紹介記事への動線を作ることで、候補者の自社理解を深められます。また「スマートフォンでCTAボタンが見つけやすいか」、PCで設計するとわかりにくいのですが、スマホ表示ではボタンが小さかったり、画面外に流れていたりすることがあります。実機での確認は必須です。
こうした導線リフォームは、新記事の執筆に比べて工数が少なく、即効性が高い改善です。月1回、既存記事のトップ10について導線チェックをする時間を確保するだけで、採用広報全体のROIが改善します。
まとめ
本記事では、採用広報note・ブログの運用を「月間1万PV」という指標を軸に、コンテンツ設計・運用体制・ライティング・データ分析の4領域にわたって解説してきました。
改めて本記事の要点を整理すると、採用広報のコンテンツはストック型を8割に保ちながら継続的に蓄積すること、ネタ切れを個人の努力ではなく仕組みで解決すること、PVを採用成果に繋げる導線を意図的に設計すること、そして新規記事の執筆と既存記事のリライトをバランスよく進めること。この4点が、月間1万PVを「採用資産」に変えるための骨格です。
多くの採用広報が3ヶ月で止まる本当の理由は、コンテンツのクオリティの問題ではありません。「一人が気合で回す」構造になっているために、業務の波に押し流されてしまうのです。継続こそが、採用広報における最大の参入障壁です。今日から始めた企業と1年後に始めた企業では、積み上がる資産量に大きな差が生まれます。
一方で、本記事で解説してきた施策、キーワード設計・編集体制の構築・データ分析・導線最適化を自社のリソースだけで同時に推進することは、担当者が一人や少数である多くの企業にとって、現実的に難しい側面があることも否めません。採用広報を「作業として回す」段階から「戦略として機能させる」段階へ引き上げるためには、専門的な知見と仕組みの支援が有効な場面があります。こうした課題に対して外部のプラットフォームや支援を組み合わせることが、持続可能な採用広報を実現する現実解の一つになり得ます。
採用広報で蓄積したコンテンツと候補者との接点を、採用活動全体の資産として活用するための統合的な考え方について、次のセクションでご紹介します。
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サービス詳細:https://mytalent.jp/hire/
資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/403/input
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。





