一覧へ戻る

2026.09.03更新

Share

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • Copied!

SNS採用広告の始め方—採用したい人に求人を届けるターゲティング広告の活用法

採用におけるターゲティング広告とは、SNSが保有する年齢・興味関心・行動データなどをもとに、自社が求める人物像に近いユーザーへ絞って求人情報を配信する手法です。求人媒体への掲載のように不特定多数へ情報を届けるのではなく、条件に合致する相手に対して、まだ転職活動を始めていない段階からピンポイントにアプローチできる可能性がある点が大きな特徴です。

ただし、「ターゲットを細かく設定すればするほど成果が出る」とは限りません。広告を見る人、クリックする人、応募する人では、それぞれ心理状態や転職意欲が異なります。そのため、ターゲティング条件だけでなく、クリエイティブ、採用LP(ランディングページ)、応募後のフォローまでを一連の導線として設計することが、成果を左右する重要なポイントです。

本記事では、主要なSNSの特徴やターゲティング方法、課金方式や予算の考え方といった基礎知識を整理します。さらに、現場で直面しやすい「成果が出ない6つの原因」とその対策についても詳しく解説します。

目次

  • SNS採用広告とは?注目される理由と基本の仕組み
  • 【主要6大SNS別】SNS採用広告の特性比較
  • SNS採用広告で使える5つのターゲティング手法
  • SNS採用広告の課金方式と予算の考え方
  • SNS採用広告の始め方|成果につなげる5ステップ
  • 「運用しているのに成果が出ない」を招く6つの原因と改善策
  • まとめ

SNS採用広告とは?注目される理由と基本の仕組み

SNS採用広告とは、SNSが保有する年齢や興味関心、行動履歴などのデータを活用し、自社が求める人物像に近いユーザーに絞って求人情報を配信する手法です。従来の採用手法と何が違うのか、そしてなぜ今このアプローチが注目されているのかを、まずは順を追って確認していきます。

求人媒体・人材紹介だけに頼る採用の構造的限界

求人媒体や人材紹介サービスは、基本的に「今すぐ転職したい」と考えている顕在層に向けたサービスです。多くの企業が同じ顕在層を奪い合う構造になりやすく、人気職種や専門職ではとくに競合が集中し、応募単価が上昇しやすい傾向にあります。また、掲載期間中に応募が集まらなければ機会損失につながるという、時間的な制約もこの手法特有の課題といえます。

特定の業界経験に加えて職種経験やマネジメント経験、勤務地など複数の条件を組み合わせて採用したいポジションでは、求人媒体で応募を待っているだけでは十分な母集団が形成されないことも珍しくありません。求人サイトに掲載されている情報は職種や条件面での比較が中心になりやすく、企業の雰囲気や働き方といった定性的な魅力が伝わりにくい面もあり、条件面だけで比較検討された結果、入社後のミスマッチにつながってしまうケースも見受けられます。こうした構造的な限界が、「転職活動をしている人を探す」だけでなく「自社が採用したい人材との接点を先につくる」という発想への転換につながっていると考えられます。

転職市場の「潜在層」にピンポイントで届く仕組み

転職市場には、今は積極的に転職活動をしていないものの、良い条件やきっかけがあれば話を聞いてみたいと考えている層が一定数存在するとされています。こうした層は求人サイトを能動的に検索することが少ないため、従来の求人媒体だけではリーチが難しい対象です。SNSのターゲティング広告は、こうした層が日常的に利用しているタイムライン上に自然な形で情報を届けられるため、転職活動を始める前の段階から接点を持てる点に強みがあります。

こうした潜在層に求人票をそのまま見せて応募を求めても、十分な反応は得にくいかもしれません。一方で、社員インタビューや仕事内容の紹介であれば、転職を決めていない段階でも興味を持ってもらいやすくなります。SNS広告の役割を「求人を見せる場所」ではなく「候補者との最初の接点をつくる場所」と捉え直すことで、活用の幅が広がります。求人サイトのように「探しに来た人」だけを対象にするのではなく「まだ探していない人」にもアプローチできることは、採用競争が激しい職種ほど大きな意味を持ちます。競合他社がまだ接点を持てていない層に先んじてアプローチできる可能性がある、という点もSNS広告ならではの利点といえるでしょう。

SNS採用広告で重要なのは「誰に・どう届けるか」

SNS採用広告を成果につなげるうえで欠かせないのは、媒体そのものの機能を理解することではなく、「自社が採用したい人物像に対して、どの媒体で、どのような条件で届けるか」という設計です。ターゲット条件を設定する前に、必要な経験・スキル、想定する役割、候補者が転職先に求めそうな条件、自社が提供できる魅力までを整理しておくと、広告の訴求内容を具体化しやすくなります。「誰に届けるか」と「何を伝えるか」は切り離さず、セットで考えることが重要です。

機能の豊富さに目を向けるよりも先に、採用要件からターゲット像を明確にし、そこから逆算して媒体・ターゲティング条件・クリエイティブ・遷移先を設計するという順序で検討することが、遠回りに見えて成果への近道になります。次の章からは、この「誰に・どう届けるか」を具体的に検討するための材料として、主要SNSごとの特性とターゲティング手法を順に見ていきます。

【主要6大SNS別】SNS採用広告の特性比較

SNSはそれぞれユーザー層や広告機能の設計が異なり、同じ「ターゲティング広告」といっても得意とする採用ターゲットは変わってきます。媒体選定を誤ると、いくらターゲティング精度を高めても求める層に届きにくくなってしまうため、まずは各媒体の特性を正しく理解しておくことが重要です。ここでは主要な5つの媒体について、どのような採用ニーズに適しているかを整理します。

Facebook広告:実名データによる「職種・役職・ミドル〜ハイクラス」指定

Facebookは実名登録が基本のため、勤務先や職歴、学歴などのプロフィール情報に基づいたターゲティング精度が高い点が強みです。管理職や専門職など、経歴情報で対象を絞り込みたい採用シーンとの親和性に優れています。ビジネス目的で利用するユーザーも多く、キャリアに関する情報へ抵抗なく触れてもらいやすい点もメリットの一つです。

Instagram広告:ビジュアル訴求による「若手・20〜30代・社風共感型」の獲得

Instagramは写真や動画を中心としたビジュアル訴求に強く、職場の雰囲気や社員の働く様子を直感的に伝えやすい媒体です。比較的若い年齢層の利用が多く、社風への共感を軸にした採用や、ビジュアル面の魅力を伝えたい職種との相性がよい媒体です。文章での説明よりも、写真や短い動画で「働く様子」を見せる方が伝わりやすい採用ターゲットに対しては、特に効果が期待できます。

X(旧Twitter)広告:「興味関心・キーワード」で専門スキル層やIT人材へ訴求

Xは特定のキーワードやアカウントへの関心を軸にしたターゲティングが可能で、エンジニアやマーケターなど専門性の高い職種に関心を持つユーザー層へのアプローチに向いています。情報感度の高いユーザーが多く、業界動向や技術トピックへの関心をきっかけにした訴求と親和性があります。拡散性の高さも特徴の一つであり、共感を得られるコンテンツであれば、狙ったターゲット以外への波及も期待できる媒体です。

LINE広告:圧倒的なリーチ力で「地方・店舗・ノンデスクワーカー」を網羅

LINEは国内で幅広い年代・地域に浸透しているため、他のSNSでは接点を持ちにくい層にも広くリーチできる点が強みです。店舗スタッフや現場職など、必ずしもビジネス系SNSを日常的に利用しない層へのアプローチや、地域を絞った採用活動との相性がよい媒体です。日常的な連絡手段として定着していることから、堅苦しさのないカジュアルなコミュニケーションを取りやすい点も採用活動における利点です。

TikTok広告:Z世代・若年層に向けた動画訴求

TikTokは短尺動画を中心とした表現力が強みで、Z世代を中心とする若年層への訴求に適した媒体です。テキストや静止画だけでは伝えにくい職場の雰囲気や社員の人柄、仕事の魅力などを動画で伝えられるため、企業や仕事にまだ具体的な関心を持っていない層に対しても、認知や興味を喚起しやすい特徴があります。

若手人材や新卒・第二新卒などを採用したい場合は、TikTok広告を活用することで、募集要項だけでは伝わりにくい企業の魅力を直感的に届けることができます。

LinkedIn広告:専門職・ハイクラス人材へのアプローチ

LinkedInはビジネス色の強いプラットフォームであり、職務経歴やスキルなどの情報を活用したターゲティングを通じて、専門職やハイクラス人材へのアプローチに適した媒体です。

募集する職種やポジションに必要な経験・スキルを持つ人材に対して訴求しやすいため、管理職や専門職、経験者採用など、特定のキャリアを持つ人材を採用したい場合に活用しやすいでしょう。

SNS強み向いている採用ターゲット主な訴求軸
Facebook実名データによる職種・役職の把握ミドル〜ハイクラス、管理職・専門職キャリア・仕事内容
Instagram写真・動画によるビジュアル訴求若手層、社風重視の候補者社員・職場・働き方
X(旧Twitter)興味関心・キーワードベースの訴求IT・専門スキル層技術・専門テーマ
LINE圧倒的なリーチ力地方・店舗・ノンデスクワーカー求人・仕事内容
TikTok短尺動画による表現力Z世代・若年層仕事のリアルな雰囲気
LinkedIn職務経歴に基づく精緻な指定専門職・ハイキャリア人材キャリア・ポジション

※各媒体で利用できるターゲティング項目や配信の仕様は変更されることがあるため、実際の出稿時には管理画面上の最新設定もあわせてご確認ください。

こうして並べてみると、どの媒体が優れているというよりも、自社が採用したい人物像がどこに多く存在するかによって最適な選択が変わることが分かります。複数の媒体を比較検討する際は、機能の豊富さではなく、採用ターゲットとの親和性を軸に判断することをおすすめします。

SNS採用広告で使える5つのターゲティング手法

媒体を選んだあとに成果を左右するのが、「誰に届けるか」を決めるターゲティング設定の精度です。同じ媒体を使っていても、どのターゲティング手法を選ぶか、あるいはどう組み合わせるかによって、届く相手も広告の反応も大きく変わってきます。ここでは基本となる5つの設定方法を、それぞれどのような場面で活きるかとあわせて解説します。

デモグラフィックターゲティング

年齢、性別、居住地域、言語といった基本属性で配信対象を絞り込む方法です。勤務地から一定の範囲に絞った配信や、特定の年齢層を想定したポジションの募集など、条件がある程度明確な採用シーンで活用しやすい設定です。もっとも基本的な設定方法である一方、これだけに頼ると配信対象が広くなりすぎ、自社の採用ターゲットとの関連性が薄いユーザーにも広告が表示されやすくなる点には注意が必要です。

インタレスト(興味・関心・行動)ターゲティング

ユーザーが日頃どのようなトピックに関心を持ち、どのような行動をとっているかというデータに基づいて配信対象を絞り込む方法です。特定の職種に関連するキーワードへの関心が見られるユーザーに絞ることで、専門性の高いポジションへの訴求効果が期待できます。

カスタムオーディエンス

自社が保有する既存の応募者リストやサイト訪問者データを活用し、そのユーザーやそれに近い属性のユーザーに広告を配信する方法です。過去に接点のあった候補者への再アプローチにもつながりやすく、ゼロから母集団を作るよりも反応が得られやすい傾向があります。過去に選考を辞退した候補者や、条件が合わずご縁のなかった候補者に対して、状況が変わったタイミングで改めて情報を届けられる点も見逃せないメリットです。なお、候補者データを広告配信に活用する場合は、個人情報の取り扱い方針や利用目的、各媒体の規約に沿った運用になっているかを事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

類似オーディエンス

自社で活躍している社員や過去の応募者データをもとに、それらと近い特徴を持つユーザーをプラットフォーム側のアルゴリズムが自動で見つけ出し、配信対象として拡張する手法です。自社にマッチしやすい人材像を手がかりに、新しい母集団を広げていける点が特徴です。どのような人物データを「元データ」として設定するかによって拡張される層の質が変わるため、活躍している社員のデータを継続的に更新していく運用姿勢も重要になります。ただし、優秀な社員のデータを設定すれば必ず理想の人材だけに配信対象を限定できるというものではありません。実際の応募・選考につながったユーザーの傾向を確認しながら、ターゲティング自体を継続的に見直していく前提で活用することが現実的です。

リターゲティング

自社の採用サイトを訪れたものの応募には至らなかったユーザーに対して、再度広告を配信してアプローチする方法です。一定の関心を示した後に離脱したユーザーであるため、初回接触のユーザーに比べて反応が得られやすい層として位置づけられます。

SNS採用広告の課金方式と予算の考え方

求人媒体のような掲載期間と料金があらかじめ決まっている手法とは異なり、SNS広告は課金の仕組みや予算の使い方を自社で設計する必要があります。固定的な相場で考えるのではなく、広告の目的と検証したい内容から逆算して予算を組み立てることが基本になります。ここでは課金方式の違いと、予算をどのように組み立てて考えるべきかを整理します。

主な課金システム(CPM/CPC/CPV)の選び方

SNS広告の課金方式には、広告の表示回数に応じて費用が発生する「CPM(Cost Per Mille)」、広告がクリックされた回数に応じて費用が発生する「CPC(Cost Per Click)」、動画が再生された回数に応じて費用が発生する「CPV(Cost Per View)」などがあります。

たとえば、企業や求人の認知を広げることを優先したい場合はCPM、採用サイトや求人ページへの誘導を重視したい場合はCPC、採用動画などを多くのユーザーに視聴してもらいたい場合はCPVを選ぶなど、広告を出す目的に合わせて課金方式を使い分けることが基本です。

採用広告の予算は「テスト運用→改善→規模拡大」で捉える

SNS採用広告の予算は、最初から大きな金額を投じるのではなく、小規模なテスト運用から始め、反応の良いターゲティング条件やクリエイティブを見極めたうえで、本格運用や規模拡大の段階に予算を積み増していく進め方が一般的です。初期段階から成果を求めすぎると、十分な検証がないまま予算だけが消化されてしまうため注意が必要です。

このテスト運用の段階では、広告費を「採用費」としてだけでなく「学習のための投資」と捉えることが有効です。具体的には、次のような観点を検証していきます。

  • どのSNSが自社の採用ターゲットと相性がよいか
  • どの訴求メッセージに反応が集まるか
  • どのクリエイティブがクリックされやすいか
  • クリック後に採用LPを読み進めてもらえているか
  • そこから実際に応募まで進んでもらえているか

複数のクリエイティブや訴求軸を同時に試し、結果を次の配信に反映していくことで、配信を続けるだけの運用から学習しながら改善する運用へと移行しやすくなります。

広告費以外にかかるコスト

SNS広告の予算を検討する際は、広告費そのものだけでなく、バナーや動画といったクリエイティブの制作費用、運用を代理店に委託する場合の運用手数料なども見込んでおく必要があります。これらのコストを踏まえずに広告費のみで予算を組んでしまうと、想定していたよりも自社での対応工数や追加費用が発生するケースが見受けられます。自社で運用する場合は、クリエイティブの制作や配信結果の分析にかかる社内リソースも実質的なコストとして考慮しておくことが望ましいでしょう。

SNS採用広告の始め方|成果につなげる5ステップ

SNS採用広告は、アカウントを開設して配信を始めるだけでは十分な成果につながりにくいものです。採用要件の整理から改善のサイクルまでを含めた一連の流れを押さえておくことが重要です。

STEP1:採用ターゲットの解像度を極限まで高める

どのような経験・スキルを持ち、どのような価値観で働いている人物を求めているのかを具体的に言語化します。この解像度が低いままでは、後続のターゲティング設定やクリエイティブ制作の精度も上がりにくくなります。整理する項目としては、次のような観点が挙げられます。

  • 必須となる業界経験・職種経験
  • 想定する役割やマネジメント経験の有無
  • 転職先に求めていそうな条件(裁量、働き方、待遇など)
  • 自社が候補者に提供できる魅力
  • 現在活躍している社員に共通する特徴

求人票に書かれている条件だけでは見えてこない「自社で活躍しやすい人材像」が見えてくることもあるため、現場のマネージャーへのヒアリングとあわせて整理することをおすすめします。

STEP2:ターゲット属性に合ったSNSと配信方法を選ぶ

明確にした人物像をもとに、どの媒体でどのようなターゲティング条件を組み合わせるかを検討します。ここで大切なのは、「若手だからInstagram」のように年齢だけで媒体を選ぶのではなく、ターゲットがどのような情報に日常的に触れているかという視点を持つことです。前述の媒体特性やターゲティング手法を踏まえ、「ターゲット像」「情報接触の傾向」「伝えたい訴求内容」の3点を組み合わせて考えると、媒体選定の精度が上がります。複数の媒体を並行して試すことも可能ですが、初めて取り組む場合はまず一つの媒体に絞って運用ノウハウを蓄積し、その後に展開していく進め方が現実的です。

STEP3:ターゲットが「自分ごと化」するクリエイティブを制作する

ターゲットが自分に向けられた情報だと感じられるようなコピーやビジュアルを準備します。汎用的な求人広告の表現ではなく、対象となる職種や層に語りかけるような表現を意識することで、反応率の向上が見込まれます。例えば「営業職募集中」という表現よりも、「大手企業への提案経験を、次は事業づくりに活かしませんか」といったキャッチコピーのように、候補者の経験と入社後の役割を結びつける表現の方が、対象者が自分の状況と照らし合わせやすくなります。同じ採用要件であっても複数パターンのクリエイティブを用意し、どの表現がターゲットに響くのかを比較しながら見極めていく姿勢が大切です。

STEP4:広告から応募までの導線(採用LP・フォーム)を準備する

広告で興味を持ったユーザーがスムーズに次のアクションへ進めるよう、遷移先の採用LPや応募フォームを整備します。広告のクリエイティブと採用LPの内容に一貫性がないと、せっかくの興味が離脱につながりやすくなります。「広告で興味を持つ→詳細を知る→自分に合うか判断する→応募する」という流れが途切れないよう、広告で訴求した内容を遷移先でも一貫して伝えられているか、事前に候補者目線で確認しておくことをおすすめします。

STEP5:数値データ(CTR・CVR・CPA)に基づく改善サイクルを回す

配信後はクリック率や応募率、応募単価といった数値を確認しながら、ターゲティング条件やクリエイティブの改善を継続的に行います。一度の配信結果で判断せず、複数のパターンを検証しながら精度を高めていく姿勢が求められます。数値の変化を定点観測できる体制を整えておくことで、どの要素を変更した際に成果が動いたのかを把握しやすくなります。

「運用しているのに成果が出ない」を招く6つの原因と改善策

ターゲティング設定を正しく行ったつもりでも、クリックは増えるのに応募にはつながらないという声は珍しくありません。ここでは現場で見られがちな停滞の要因を、改善の考え方とあわせて解説します。

【自社の広告運用 簡易チェックリスト】

  • ターゲティング条件を絞りすぎて、配信対象が極端に狭くなっていないか
  • 広告のメッセージとターゲット層の関心事がかみ合っているか
  • 遷移先の採用LPで、候補者が知りたい情報(仕事内容・働き方・キャリアなど)を伝えられているか
  • 応募フォームの入力項目が、必要以上に多くなっていないか
  • CTRだけでなく、応募・面談・採用までの流れを追って評価できているか
  • いきなりの本応募だけをゴールにせず、段階的な接点を用意できているか

ターゲットを絞りすぎて配信量が消化されない

条件を厳しく絞り込みすぎると、配信対象となるユーザー数自体が少なくなり、広告が十分に配信されない状態に陥ることがあります。多くのプラットフォームでは、ある程度のユーザー数を確保したうえで配信の最適化を行う設計になっているとされており、絞り込みすぎず条件に一定の幅を持たせることが有効と考えられています。採用要件のうちどうしても外せない条件(勤務地など)と、広告側で必ずしも厳密に限定する必要のない条件(年齢や興味関心など)を分けて設計することも、配信の消化を改善する一つの方法です。

ターゲットとクリエイティブの訴求メッセージがズレている

ターゲティング設定自体は適切でも、表示されるクリエイティブの訴求内容がそのターゲット層の関心事とかみ合っていない場合、反応が伸びにくくなります。例えば管理職経験者を対象にしているにもかかわらず「未経験から成長できる環境」とだけ訴求しても、経験者にとっては魅力を感じにくいかもしれません。誰に向けた広告なのかを、コピーやビジュアルの段階でも一貫させることが重要です。

広告クリック後の受け皿(採用LP)で自社の魅力が伝わっていない

広告で興味を持ってもらえても、遷移先の採用LPで自社の魅力や働き方が伝わらなければ、そこで離脱が発生します。広告の訴求内容と遷移先の情報に一貫性を持たせ、候補者が知りたい情報(仕事内容、一緒に働く人、キャリアの広がり、働き方など)にすぐアクセスできる構成にしておく必要があります。

応募フォームの入力負担が重く離脱されている

応募のハードルが高いフォームは、特に転職意欲がまだ高まっていない潜在層にとって離脱要因になりやすいものです。入力項目を必要最小限に絞る、あるいは応募より手前のアクション(カジュアル面談の申し込みなど)を用意することで、離脱の抑制が期待できます。スマートフォンからのアクセスが中心となるSNS広告の性質上、入力のしやすさそのものが成果を左右する要素になっている点にも注意が必要です。

CTR(クリック率)だけを見て広告が成功したと誤認している

クリック率が高いこと自体は、広告に関心を持つユーザーを集められているという意味で良い兆候です。ただし、クリック率が高いだけで、採用広告として成果が出ているとは限りません。クリック後の採用LPや応募プロセスに課題があれば、せっかく生まれた関心も応募に至る前に失われてしまいます。

そのため、「CTR(クリック率)→採用LPの閲覧→応募→面談→採用」という一連の流れを確認し、どの段階で数字が落ちているのかを把握することが重要です。単に「クリックされる広告」を目指すのではなく、「応募や採用につながる広告」として評価する視点を持ちましょう。

潜在層に「いきなり本応募」を求めてしまっている

まだ転職を具体的に検討していない潜在層に対して、いきなり正式な応募を求めるのはハードルが高すぎる場合があります。応募という重いアクションだけをゴールに設定してしまうと、興味は持ったものの行動には至らない候補者を数多く取りこぼしてしまう可能性があります。「企業・仕事を知る→社員インタビューを見る→カジュアル面談に参加する→求人を確認する→応募する」というように、心理的な負担が軽いアクションから段階的にゴールを設定することで、接点を持てる候補者の幅を広げられる可能性があります。すべての候補者を同じゴールに誘導しようとせず、それぞれの検討状況に合わせて「今取りやすい次の行動」を用意することがポイントです。

まとめ

ここまで、SNS採用広告が採用に向いている理由から、媒体ごとの特性、ターゲティングの設定方法、費用感、運用のステップ、成果が出ない場合に起こりやすい原因と改善方法まで解説してきました。

SNS採用広告は、従来の求人媒体では接点を持ちにくかった転職潜在層にもアプローチできる可能性がある一方、適切なターゲティングやクリエイティブ、運用体制がなければ、十分な成果につながらないこともあります。

だからこそ、広告を出稿すること自体を目的にするのではなく、ターゲットに合わせた訴求を設計し、広告から採用LP、応募、面談、採用までの流れを一貫して改善していくことが重要です。こうした運用を積み重ねることで、応募単価の改善や、これまでリーチできていなかった人材との接点創出が期待できます。

改めて本記事の要点を振り返ると、SNS採用広告を成功させるための土台となるのは、次の5点です。

  1. 採用したい人材を具体的に定義する
  2. ターゲットに合ったSNSと配信方法を選ぶ
  3. 候補者が自分ごととして捉えられるクリエイティブを作る
  4. 広告から応募までの導線を一貫させる
  5. CTR・CVR・CPAだけでなく、最終的な採用成果まで確認する

この5点を丁寧に積み重ねることで、応募単価の改善や、これまでリーチできていなかった層との接点創出が期待できます。SNS採用広告は、正しく設計し、運用しながら改善を重ねていくことで、着実に成果へつなげていける採用手法です。

最後に、SNS採用も含めた、こうした採用活動を支援するサービスとして、MyTalent Platformをご紹介します。

AIネイティブ・統合型タレントアクイジションプラットフォーム
「MyTalent Platform」

TalentXでは、自社の採用をDX化し、データを可視化・分析して未来のタレント獲得につなげられるサービスを提供しています。採用マーケティング、採用ブランディング、リファラル採用、採用管理システムなど、トータルでご支援することが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
MyTalent Platformへのお問い合わせはこちら

採用CRMサービス「MyTalent CRM」

「候補者リストを資産に変える」採用CRMサービス。過去の応募者や潜在層をタレントプール化し、AIが自動で最適な候補者をレコメンド。エージェントに依存せず、自社の資産で採用を完結し戦わない採用を実現します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/221/input

採用ブランディングサービス「MyTalent Brand」

候補者をファンにする採用ブランディングCMS。採用サイトや社員ストーリーを作成し、独自のノウハウで「自社のファンづくり」を自動化します。認知から獲得までを一気通貫でデータ化し、採用広報のROIを劇的に改善します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/338/input

リファラル採用サービス「MyTalent Refer(MyRefer)」

国内初のリファラル採用サービス。社員のエンゲージメントを可視化し、自発的な紹介を促進。AIが紹介されやすい候補者を特定し、マッチングを支援することで、入社後の定着率向上と採用単価の大幅削減を同時に実現します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/support/download/input/

AIネイティブ採用管理システム(ATS)「MyTalent Hire」

MyTalent Hireは、AIネイティブな採用管理システム(ATS)です。従来のATSでは解決できなかった工数削減と採用力強化を同時に実現します。企業の人材獲得活動を「管理」から「マーケティング」へと変革します。

資料ダウンロード:https://i-myrefer.jp/corp/download/403/input

監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

Share

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • Copied!

人事が作業から解放され、
人に向き合える世界に

Talent Acquisition Economy.

MyTalent Platformで
はじまる、
あなたの会社の変革

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
  • TOP
  • HR用語集
  • SNS採用広告の始め方—採用したい人に求人を届けるターゲティング広...