将来採用の可能性がある優秀な人材と関係を維持し、アプローチしていくため、候補者のデータを蓄積(データベース化)するタレントプール。そのタレントプールを活用した採用をタレントプール採用といいます。 本記事ではタレントプール構築の目的や実現できること、またメリットやデメリットなどを解説します。
目次<タレントプールとは?優秀な人材を採用するための新たな手法をご紹介>
- タレントプールとは
- タレントプールで実現できることとは?
- タレントプールが注目されている5つの理由
- タレントプールを実施する企業のメリット
- タレントプールを実施する企業の注意点
- タレントプール候補者の属性
- タレントプール運用のフロー
- タレントプール運用のポイント
- タレントプール導入事例
- タレントプール活用に関するアーカイブ動画を無料公開中
- タレントプールを成功させるツール『MyTalent』
- タレントプールは自社の採用を成功させる近道
「以前選考を受けてくれたあの候補者、タイミングが合うのであれば、もう一度会いたい。」人事担当者の皆さんは、そのように思うことが少なからずあるのではないでしょうか。
タレントプールとは一度きりの掛け捨て採用ではなく、つながりのある採用候補者をデータベース化し中長期的に活用していく手法であり、そんな「もう一度会いたい」を実現できるものです。
タレントプールとは
タレントプールとは、将来的に採用の可能性がある優秀な人材と関係を維持していくため、候補者のデータを集約することをいいます。
タレントプールの意味と目的
タレントプールのタレントとは「才能がある人」、プールとは「蓄え」を意味しており、直訳すると「優秀な人材の蓄積」という意味になります。
タレントプールの目的は、一緒に働きたい優秀な採用候補者に対して、短期的あるいは中長期的かつ適切なタイミングでアプローチを行うことで、採用に繋げるタレントプール採用を成功させることです。
タレントプールという言葉の由来
タレントプールという言葉は、アメリカの大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下マッキンゼー)から生まれました。マッキンゼーは、1997年から2000年にアメリカにて行った人材獲得・育成調査結果「The war for Talent」にて、やがて人材獲得競争が世界中で起こることを予測しました。同調査結果は20年以上も前に刊行されていますが、今の日本の採用市場は人材獲得競争に直面しており、まさに「The war for Talent」で定義された状況であるといえます。今後採用市場において、ますますタレントプールは注目を浴びていくと予想されます。
タレントプールで実現できることとは?
タレントプールを運用することによって、長期的な企業成長が期待できます。
これまで日本企業の主な採用活動は、リクルーティングでした。リクルーティングとは、「社内の空きポストを埋めること」を指します。急な人員補充や空きポストの発生等、社内で人員が必要となるまでは候補者の募集をかけないことが、これまでの日系企業では一般的でした。リクルーティングは企業の差し迫った短期的なニーズを満たすものですが、タレントプールは自社に引き入れたい優秀なタレントのデータを集約することをいいます。タレントプールを採用活動に活用することができれば、長期的な視点を持ちながら社内で雇用の最適配置を実現することができます。また、自社が求める優秀な人材獲得(タレントアクイジション)にもつながるので、結果的に長期的な企業成長にも効果的です。
タレントプールが注目されている5つの理由
なぜタレントプールが注目されているのでしょうか?タレントプールによる採用が注目されている5つの理由について解説していきます。
①労働力の大幅な減少
タレントプールが注目されている理由の一つ目は、「日本の労働力減少」です。
総務省によると、今後日本の労働力は増加の身通しがなく、減少の一途を辿り、2065年には2020年対比で約4割減になると予測されています。
今後、一部の産業以外のほぼすべての職種で人出不足が嘆かれる未来が予測されています。特に、インターネットがグローバル規模で普及している現代において、エンジニア・専門職・技術職等のIT人材の減少は喫緊の課題と考えられるでしょう。
そのような状況の中、企業がタレントプールを活用することができれば、過去お会いした応募者や将来自社に引き入れたい候補者を資産化することができるので、新たに候補者を探すよりも効率的に採用活動を行うことができるのです。
②雇用の流動性が低いため
タレントプールが注目されている理由の二つ目は、「雇用の流動性が低いため」です。
2020年の転職者数はコロナの影響もあり、前年2019年に比べて大きく減少していますが、総じて2006年から2020年まで、日本の転職者数はほぼ横ばいで推移しています。このように転職者数が増えないということは、同一の企業に留まり続ける人材が一定数いると推察できます。
反して採用市場はというと、人材不足によりこれまで以上に転職顕在層に対しての人材獲得競争が激化しています。獲得競争が激化するということは、一人の候補者に対して候補者を採用したい企業数が相対的に多くなってしまうことを意味します。転職顕在層を各企業で取り合うのは限界があるため、転職潜在層へアプローチできる手法としてタレントプールが注目されています。タレントプールを上手く運用できれば、転職市場には出回っていない転職潜在層へのアプロ―チが可能となるので、過去出会った候補者など、他社が狙っていない優秀な人材へアプローチすることができるのです。
出典:労働力調査 (詳細集計)2021年(令和3年)平均|総務省統計局
③転職潜在層への接点を持つことができる
タレントプールが注目されている理由の三つ目は、「転職潜在層への接点を持つことができるため」です。
日本の人口と年間転職者数のグラフを見てみると、日本の総人口1億2580万人のうち、2020年における転職者数は319万人です。現在日本には個人事業主と法人を合わせて約400万社が存在しますが、そのうちのおよそ8割の企業が採用未充足といわれています。8割=320万社が、転職市場に出回っている転職顕在層319万人を取り合う様はまさにレッドオーシャンであるといえるでしょう。
タレントプールを活用することができれば、転職市場に出回っていない人材にアプローチすることができます。また、特にエンジニアが求められている現在、国内のエンジニアは6割強が転職顕在層であるといわれており、エンジニアを獲得するためにもタレントプールは有効な手段であるといえるでしょう。
出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果|経済産業省
④候補者は企業からの再接点に好意的である
タレントプールが注目されている理由の四つ目は、「候補者が企業からの再接点に好意的であるため」です。
2022年にMyReferが行った「過去最終選考に進んだ企業からの再スカウトに関する調査」によると、8割以上の候補者が再スカウトに好意的な印象を抱いているということが分かりました。
また、再スカウトが好意的だと回答した人の中で、タイミングによって企業に再応募したいと答えた人は、約8割もいました。
一度選考を終えてしまえば、過去選考していた候補者とその後の接点を持つことは少ない企業が大半である中、タレントプールを活用すれば、過去接点を持った候補者にもアプローチすることができます。
出典:過去不採用/辞退した会社からのスカウトに対する意識調査|株式会社MyRefer
⑤従業員=人的資本という考えへシフトしている
タレントプールが注目されている理由の五つ目は、「従業員=人的資本という考えへシフトしているため」です。
これまでの日系企業は新卒一括採用、終身雇用をはじめとするメンバーシップ型雇用がベースにあり、人材も掛け捨てで採用することが定着していました。人材はあくまで「消費」の対象である「資源」と考えられていたのです。
しかし、2020年9月に経済産業省が発行した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書 ~人材版伊藤レポート~」をきっかけに概念が徐々に広まっていき、日系企業の間でもより人材=資本であるという価値観が広まってきています。「資本」は「投資」の対象であり、従業員が保有するスキルや知識、企業の独自性や風土などの人的資本が、企業の業績や成長性に大きな影響を与えると言われています。
「資本」となる優秀なタレントの獲得は各企業の課題となっており、特に従業員規模が少ない企業においては、平凡な数名を採用するよりも優秀な一名を採用することが企業の未来に大きなインパクトを残します。優秀な人材を獲得するための土台作りであるタレントプールが、企業を発展させる近道であるといえるでしょう。
タレントプールを実施する企業のメリット
企業がタレントプールを実施するとどんなメリットがあるのでしょうか?タレントプールの仕組みを構築することにより得られる「再度アプローチできる 」「採用コストが削減できる」「 採用後のミスマッチを防ぐことができる」の3つのメリットをご紹介します。
もう一度会いたい人物に再度アプローチできる
タレントプールのメリット一つ目は、「もう一度会いたい人物に再度アプローチできる」点です。
例えば他社とのバッティングに負けてしまい入社してもらえなかった候補者や、当時は求める人物にそぐわなかったが、ゆくゆく自社に必要となりそうな候補者など、「機会があればもう一度会いたい」と思う候補者が過去にはいたのではないでしょうか。
タレントプールの仕組みを構築していれば、採用候補の人材情報を常に蓄えておくことができるため、貯蓄している情報を活かして繰り返し採用候補者にアプローチすることが可能となるのです。
採用コスト削減
タレントプールのメリット二つ目は、「採用コストの削減ができる」点です。
例えば多くの企業が活用している人材紹介を例にあげると、中途人材における人材紹介の費用相場は、採用者の年収の35%ほどと言われています。しかしながら技術職などの専門職人材を紹介してもらう場合は、紹介手数料が理論年収の50%にもなりえるのです。
また求人媒体においても、掲載期間の長さにより料金が左右するため、なかなか応募が来ず母集団形成に苦戦してしまうと、掲載料金が高騰してしまう場合も考えられます。
タレントプールは、もともと自社の採用活動の中で出会った候補者情報をデータベースで蓄えておく手法であるため、データベース上の候補者にアプローチをする際は、新たに料金は発生しません。そのため、従来の採用手法と比べ採用コストを削減できることもメリットの一つであるといえるでしょう。
採用後のミスマッチを防ぐことができる
タレントプールのメリット三つ目は、「採用後のミスマッチを防ぐことができる」点です。
従来の採用手法では、全く接点のない候補者を1~3回の面接で見極める必要がありましたが、タレントプールを活用しながら採用活動を行っていくことによって、候補者がどのような人物なのかをあらかじめ知っている状態で選考まで引き入れることが可能です。また、候補者側からしても、選考を受ける中で徐々に企業を知っていくのではなく、あらかじめ事前情報をインプットした状態で選考に臨むことができるので、双方が双方を理解した状態で選考でき、採用後のミスマッチを防ぐことが可能です。
タレントプールを実施する企業の注意点
タレントプールを実施する場合の、デメリットはどのようなものでしょうか?タレントプールを実施する際の2つの注意点について解説します。
候補者へアプローチするタイミングの見極めが難しい
タレントプールの1つ目の注意点は、アプローチの見極めが難しいという点です。
タレントプールは、候補者のデータをどんどん積み重ねていくことを指し、長期的にタレントにアプローチを繰り返していくために使用されるものですが、自社を採用成功へ導くには、候補者へのアプローチのタイミングが重要です。
従来のリクルーティングでは、候補者の「転職したい気持ち」と、企業の「人材が欲しいタイミング」が一致しています。しかし、タレントプールを活用した採用は、候補者の時期、転職意向度等を担当者が図りながらアプローチを繰り返していくものになるので、アプローチするタイミングの見極めが難しいといえるでしょう。
データクレンジングに工数がかかる
タレントプールの2つ目の注意点は、データクレンジングに工数がかかってしまうという点です。
蓄積されている人材が少ないうちはデータクレンジングの手間もかからないですが、日々候補者と出会い、データの蓄積を繰り返していくうちに、データをまとめるのに工数がかかってしまうでしょう。
例えば過去出会った人材が現在求職中なのか、保有スキルはどの程度変わっているのかなど、一人ひとりに合わせて、日々情報のアップデートをしていかねばならないため、プールするデータ量によっては工数がかかってしまう方法であるともいえるでしょう。
タレントプール候補者の属性
タレントプールにおける候補者には、二つの属性が存在し、さらに7つのジャンルに分類することができます。タレントプールを行う際は、ジャンル分けを行ってデータを集約すれば、無駄なく効率よく候補者へアプローチを行うことができます。
タレント認定プール
リファレンスの信用性が高く、そもそも能力や経験などから優秀であることが分かっている候補者のことをいいます。
(1) 中途採用最終フェーズ辞退者…
選考内定レベル。リファレンスがほぼ明確。評価がすでに分かっており、すぐにでも自社に欲しい人材。
(2) リファラル・アルムナイ対象者…
選考可能~選考内定レベル。リファレンスは不確か~明確で、候補者によって様々だが、すでに評価が分かっているため、再度会いたい。人によってはすぐに自社に欲しい人材。
タレント潜在プール
リファレンスは不確かな可能性があるが、優秀である可能性が高い、または自社とマッチする可能性が高い候補者のことをいいます。
(3) 二次面接以降辞退者…
選考可能レベル。リファレンスはほぼ明確。過去選考時の評価内容がわかるため、また会いたい。
(4) 特定イベントで出会った候補者(Tech勉強会やハッカソンなど)…
選考可能レベル。リファレンスが明確でない可能性がある。しかし、選考可能レベルではある。専門領域に特化した人材を集めたイベントであるため、希少価値が高く、再度会いたいと思える人材。
(5) 面談後辞退者…
選考可能レベル。リファレンスが明確でない可能性がある。選考評価が不明瞭である可能性が高いが、また会いたいと思える人材。
(6) 選考不合格者…
選考可能レベル。リファレンスが明確でない可能性があるが、以前受けたポジションとは別ポストでの選考であれば採用の可能性がある人材。
(7) 新卒内定辞退者…
選考可能レベル。リファレンスは、過去選考フェーズによって明確~不明確に幅がある。現在のスキルは明確に分からないが、過去の選考評価が分かるため、また会いたいと思える人材。
タレントプール運用のフロー
ここまで、タレントプールを活用するメリット、デメリットを述べました。それでは実施・運用までどのようなフローを設計すべきなのでしょうか?下記で解説します。
①候補者のタレントプール属性を細分化
上記に沿いながら、接点チャネルによって候補者のリファレンス分けをし、候補者が「タレント認定プール」なのか、「タレント潜在プール」なのかを振り分けておきましょう。
注意すべきポイントとしては、タレントプールに集約する候補者は、中途採用最終フェーズ辞退者やリファラル・アルムナイ対象者だけでなく、リファレンスが完全に分かりきっていない「過去応募者」も対象となることです。例えば、選考辞退者や不合格者などの過去応募者」も対象とすることで、タレントプールの幅が広がります。
②求める人物像の設計
次に、求める人物像の設計を行う際、下記のポイントを抑えましょう。
(1)ターゲット設計
・MUST(必須条件)とWANT(希望条件)に条件を詳細に定めること
・学歴や資格などのハード面と、価値観やスタンスなどのソフト面を明確にしておくこと
(2)ペルソナ設計
・年齢や職歴、ライフスタイル、ビジネスに対するスタンス、どのような価値観を持っているのか等、仮想の人物を明確にすること
・今来てほしい人物、数年後に必要となる人物、5年かけても口説く人物等、引き入れたい時間軸ごとにペルソナ設計を行うこと
上記を抑え、求める人物像の解像度を高めておきましょう。
③候補者のデータベース化
続いては、候補者のデータベース化です。
すでに活用している求人媒体、人材紹介以外にも、SNS、会社説明会、リファラル採用等、候補者と出会う場面は多々存在します。日々候補者と出会いながら、今後ともアプローチを続けたい人物をピックアップし、候補者を自社のデータベースにまとめましょう。なお、その際は、後で検索をかけて見やすいよう、項目を細かく分けておきましょう。
(1)項目例
- 基本情報…氏名、年齢、連絡先
- 仕事…所属企業、職種、役職
- 過去応募した際の情報…応募日、応募職種、最終選考フェーズ、選考担当者、選考評価、辞退・不合格理由、履歴書、職務経歴書に関する評価
- 現在の情報…レコメンド理由、現在の転職意欲
下記は、実際にタレントプールで使用されているデータベース例です。
・エクセル
無料で、かつ、使用者がフィルター機能等に使い慣れていれば管理が楽です。
・Linkedin
ビジネスSNSの一種。Linkedinに登録していない候補者を仮想的に登録する機能があるため、これから候補者となり得る候補者までを一元管理することが可能。直接メッセージも送ることができるため、ダイレクトリクルーティング機能も備わっている。
・Wantedly
ビジネスSNSの一種です。名刺管理ツールであるWantedly PEOPLE、採用広報ツールであるWantedly VISIT、チャットツールであるWantedly CHATという機能がある。タレントプールからダイレクトリクルーティングまで一気通貫で使用可能です。
・MyTalent
なるべく人事負荷をかけず、タレントプールを推進したい企業様におすすめのサービスです。
弊社が提供するMyTalentでは、利用されている採用サイトに訪れる候補者を特定し、スコア化できるため、候補者が自社にどれくらい興味があるのか可視化が可能です。また、データ集約においては、ATSやCSVから候補者を一括登録できるため、自動的に潜在層タレントプールが増えていく仕組みつくりができます。また、候補者の興味スコアを自動計測し、適切な時期や文面で効率的なタレントソーシングが可能なので、タレントプール構築をより効率的に行いたい企業様に適しているサービスです。
④情報をもとにグループ分け
続いて、候補者の情報をもとに、グループ分けを行いましょう。
ここで重要となるのは③で例に挙げた、候補者のデータベース情報です。③のデータベース情報を踏まえて、候補者の属性分けを行いましょう。重要になるのは候補者の転職意向度です。各候補者によって転職意向度などは様々であるため、グループ分けせずに同じ内容でアプローチしてしまうと、スカウト内容がうまく候補者に響かないこともあります。候補者にアプローチ内容が響かないと、自社を印象付ける機会を損失してしまうことにもなりかねません。アプローチ時の工数を削減するためにも、グループ分けを念入りに行いましょう。
⑤アプローチ
データを集約したら、④で行ったグループによって、都度アプローチを変更しながらスカウトを行っていきましょう。スカウト文面を作成・送付する際、属性別に文面を変更することがポイントです。
例えば、「タレント認定プール」文面には、中長期的につながりを持てるような文面で作成し、「潜在候補者プール」にはより候補者のことを知れるような接点を作るなど、意図を分類しましょう。社内の動向や、ポジションなどにも目を配りながら、日々アプローチを行いましょう。
タレントプール運用のポイント
タレントプール活用を成功させるポイントとは、どのようなものでしょうか? タレントプールの運用を成功させるために候補者に対して必要な「定期的に情報発信」と「質の高い情報を伝える」の2つのポイントについてご紹介します。
0から簡単にタレントプールの運用方法・成功メソッドを知りたい方はこちら!
タレントプール運用のポイント① 定期的に発信
一つ目は、定期的に発信を行うことです。
日々の採用活動の中では候補者の「この企業に転職したい」というニーズがいつ発生するか、予測を立てることは困難です。また、連絡したタイミングで候補者が転職を検討していない限り、応募にはつながりません。連絡しない時間が空いてしまうと、いつのまにか転職のタイミングを逃してしまったり、そもそも候補者に連絡した内容を忘れられてしまうことも考えられます。まずは定期的に連絡を取り、候補者にとって自社が忘れられない存在になることを目指しましょう。
タレントプール運用のポイント② 質の高い情報を伝える
二つ目は、質の高い情報を伝えるということです。
定期的にアプローチを続けていても、候補者の興味をひかないようなコンテンツを発信し続けてしまえば、メールマガジン配信を停止されてしまったり、SNSでブロックされてしまったり、最悪の場合クレームをもらってしまうことも考えられるでしょう。そうなってしまえば、今後ともアプローチする機会を損失してしまうため、まずは候補者に継続的に興味を持ってもらえるような情報を伝えることが必要です。タレントプール内のグループ分けに沿いながら、各グループによって伝える内容も変化させていきましょう。メールマガジンや、特別なイベント招待など、日々の情報コンテンツを面白く工夫することも有効だといえます。
タレントプール導入事例
弊社タレントプールサービス「MyTalent」でタレントプール採用をご支援させていただいている企業様の事例を紹介します。
タレントプール導入事例① IT業界急成長スタートアップ企業様
【タレントデータの入力工数を削減】
課題…本企業では、これまで過去応募者1500名の情報をスプレッドシートで管理していましたが、情報が膨大すぎて、運用を効率的に行えていませんでした。
運用開始後…MyTalentを使用することで、ATS情報から過去応募者を一括でアップロードすることができるようになりました。候補者をローデータで手入力せずとも、まとめてデータを投入することができるので、データ入力の工数削減を実現しました。
タレントプール導入事例② AI系ベンチャー様
【エンジニアへのアプローチと人事の工数削減】
課題…本企業は、年間採用目標40名を掲げている企業様ですが、エンジニア採用熱が社会全体で高まっていることも影響し、エンジニア採用に苦戦を強いられていました。また、人事一名体制で採用を行っていたのもあり、リソースが足りず、スカウトまで時間が割けない状況が続いてしまっていました。
運用開始後…MyTalentでは、候補者の過去辞退理由などの情報をもとに、スカウトに最適なタイミングが分かる機能が備わっているため、各企業がレッドオーシャン市場で取り合っている転職顕在層のエンジニア人材だけでなく、過去接点を持ったことのあるエンジニアへ効率的にアプローチすることが可能となりました。適切なタイミングで過去辞退者に連絡を取ることで、候補者との関係性構築に効果的で、入社前から候補者のエンゲージメントを高めることが可能です。今後、候補者が転職するタイミングで自社が第一想起されるような仕組み作りを行えています。
また、MyTalentを使用することで、過去辞退者の辞退理由によってスカウト文面のテンプレ―トを設計できるため、0→1ベースでスカウト文面を考えなくてもよくなり、人事の作業工数の削減を実現しています。
タレントプール導入事例③ 中堅IT企業様
【内定辞退者の傾向を分析、採用においてPDCAを回す】
課題…本企業では内定を出しても、自社の採用条件よりも好条件の企業へ内定者が逃げてしまう状況が続いてしまっていました。競合他社に競り負けることにより、年間の採用目標人数もビハインドしていました。そこで、辞退者の傾向を正確に分析し、採用においてPDCAを回すためにMyTalentを導入しました。
運用開始後…MyTalentでは過去候補者のコンタクト履歴・初回応募日・サイト来訪等の情報から、候補者がどれくらい自社のファンなのかを計測することができます。候補者がサイト内のどこで離脱をしたのか、応募に至るまで効果的だったのかを解析が可能なので、PDCAを回すことができるようになります。MyTalentを運用して知りえた情報を活かしつつ、自社の強みや弱み・タレント一人ひとりに刺さる文章をスカウト文面へ盛り込むことで、候補者に熱度の高い再アプローチをすることが可能です。
タレントプール採用を成功させるツール『MyTalent』
弊社が提供するMyTalentでは、人事負荷をかけず、優秀な人材を獲得するためのタレントプール構築から採用までを支援しています。
過去応募者のデータクレンジングからタレントリストの作成代行、潜在層やタレントの掘り起こし、ヘッドハンティングメールの送信代行、初回面談の代行など、一貫したタレントプールのフローを通じ、持続可能なタレントアクイジションを支援しています。
タレントプールは自社の採用を成功させる近道
これまでの採用活動の主流であった「リクルーティング」は、採用活動の中で他社とバッティングすることも多く、労働人口減少に直面している状況で、優秀な人材の獲得がより難しくなっています。そこで、タレントプールを採用活動に取り入れ、うまく自社で活用することができれば、自社が求める優秀な人材を引き入れる近道となりえます。自社の欠員補充などの短期的なニーズを満たすリクルーティングではなく、中長期的な事業成長を目指し、自社の採用を成功へと導いていきましょう。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。