今回は、腕時計のTiC TACやメンズ雑貨のCOLLECTORS、メガネのPOKER FACE、化粧品・化粧雑貨のROSEMARY、ステーショナリー雑貨のTour de Brainなどのセレクトショップを運営する株式会社ヌーヴ・エイ様のリファラル採用事例をご紹介します。
経営理念「ありがとうと笑顔の連鎖をつくる」のもと、ヌーヴ・エイ様では人事と現場が協力をしながら、ビジョンに共感する友人・知人をリファラル採用で集めているそうです。人事部の中村氏とリストウェア事業部の富田氏にリファラル採用に取り組む理由や人事と現場の役割についてお伺いしました。
株式会社ヌーヴ・エイ | |
---|---|
従業員数: | 597名(2019年9月現在) |
事業概要: |
雑貨を核としたユニークなセレクトショップの企画・運営 |
人事部 人事部長 中村 達也氏(右) リストウェア事業部 営業担当 富田 健太郎氏(左) |
その他企業様の導入事例をまとめています!
下記からダウンロードください。
社員紹介制度の形骸化……現場・人事それぞれの「見える化」が重要?
リファラル採用に本格的に取り組むことになった背景を教えてください。
中村氏:
リファラル採用に注力している背景は二つあります。
人手不足から採用チャネルを増やしていた
私が入社した6年前から断続的に人手不足で、採用の対象者やチャネルを増やしてきました。もともと大卒生の方を採用していたのですが、短大卒生や専門学校の方、そして高卒生の採用も始めるようになりました。また、ナビサイトだけではなく人材紹介を活用したり、ダイレクトリクルーティングにトライしてみたりと、とにかく「チャネルを増やしていかなければ」という課題感がありましたね。
その新しいチャネルの一つとして、リファラル採用を検討し始めました。
経営理念のリニューアルに伴って、共感する人を採用したい
また、私自身は昨年「働き方改革プロジェクト」に参画する機会があり、その中で経営層による経営理念の刷新をサポートする活動をしてきました。会社として目指す方向性が固まる中、着眼点や考え方などの多様性はもちろん大事ですが、「会社や組織は根っこの部分で共通の想いを持っている人材の集合体であるほうが望ましい」と思うようになりました。
なので、単に人手不足だからチャネルを増やすだけではなく、採用が厳しい中でも理念に共感できるような人材をとっていかなければと考えました。経営理念の刷新にあたっては、経営層とプロジェクトメンバーが現場スタッフとの共有の場も設けたこともあり、社員は会社のことを経営から直接聞いています。今後の方向性も伝えていったので、それらを理解した社員が紹介をすることで想いを持った人材を集めることができるのでは、と期待しました。
これまでも社員紹介の制度はありましたか?
中村氏:
以前、TiCTAC事業で「サルベージ採用」という制度を独自で作っていました。社員が友人を紹介したら報酬を渡すというものだったのですが、その社員紹介制度はあまり活用されずに形骸化してしまいました。
それから、外部の情報を調べてうまく機能していない問題は何だろうかと考えている中で、リファラル採用を促進するには現場の紹介活動を見える化したり、定点で変化を追ったりすることが必要だったと捉えて、ツールの導入を検討し始めました。アナログでやっていると、各店舗でどれだけ制度が浸透しているのか全く分からなかったからです。
現場からすると、制度が形骸化した理由は何だと思いますか?
富田氏:
その当時は、事業部の中で継続してサルベージ採用をやっていることが現場からは見えにくかったですね。
ドーンと制度はできたものの、「今こういう状況です」という情報共有が無かったので、現場感としては「制度あるけど、今どうなってるのかな?」と思っていました。
おそらく細かいルールもしっかり整備しない状態で始まったので、スタッフが個人で「この場合はどういうふうに伝えたらいいのかな?」、「こういう人がいるんだけど、どうなんだろうな?」という悩みを持っていたこともあったのかなと。
また、簡単にSNSで紹介を送ることもできなかったので、かなり近しい間柄の人にしかアプローチできなかったのではと思います。
現場の動きも、人事の採用状況も、双方に可視化できていなかったことが課題だったんですね。ツールを入れることになって、MyReferを選んだ決め手はなんですか?
中村氏:
最初にお話を聞いたときに、ベイクルーズ様などの小売業界や、多店舗展開しているモスストアカンパニー様の事例を紹介いただいたのが非常に大きかったです。それぞれの店舗で促進していけるか不安だったのですが、事例を聞くうちに成功のイメージがつきました。
どうしても一番の不安は「それぞれの店舗で努力してくれるのか」。各店舗で欠員が出たときに、そのお店の店長がどれくらい動いてくれているのかが分からないと、人事としても「リファラル採用の促進をお願いするか、時給を上げるか、広告媒体に出すか…」いったアプローチがしにくいですよね。
活動状況の見える化ができていると、「ここまで動いているけど人が足りないなら、次は時給を上げよう」など、判断がつきやすいと思いました。
また、MyReferの営業の方と話していてもフランクで非常に波長が合う感じだったこともよかったですね。リファラル採用は、あまりかしこまってやるというよりカジュアルに楽しくやっていきたいと思っていたので!
TiCTAC事業から、現場と協力しながら全国店舗で導入スタート
ヌーヴ・エイ様の中で、TiCTAC事業の全国店舗を対象に導入していますが、どうやって決められたんですか?
中村氏:
全社的に人手不足ではあるのですが、事業上スタッフ数の多いTiCTACにまずは注力しようとなりました。
TiCTAC事業部の富田さんと「店長会の中でどんどん進めていこう!」と話していたので、店舗としては全国一気にスタートさせましたね。去年働き方改革プロジェクトで一緒だった関係性の彼と話して、日頃密にコミュニケーションを取っていけば全国で展開しても大丈夫だろうという決断になりました。
事業部のメンバーと一緒に広めていったんですね。どのように導入していったのですか?
中村氏:
一緒にコミュニケーションを取りながら進めていたので、導入開始してすぐに採用に至ったケースまでありました。利用者が20人に満たないタイミングで成果が出てしまったので想定外でしたが…!
導入時には、全国の店長一同が会する『店長会』の場で、MyReferのコンサルタントの方にも同席いただいてリファラル採用の仕組みについて説明会を実施しました。前段として、今後の人手不足の推移などデータを用いながらリファラル採用の必要性を共有してもらうことも意識しましたね。
また事業部のマネジャーが集まる会議で一緒に話をして、「まずは店長が全員MyReferを利用して、裾野を広げましょう」という話をしました。事業部側から各店舗へと声をかけたことによって、一気に利用人数が100人を超えました。
「この時期にはリクルーター○○人にしたい」、「半年経ったらこうなれば理想だよ」という目標をしっかり共有していたので、「じゃあすぐアナウンスするね」と言って各店舗に一気に広めてもらえたことが本当によかったです。
現場側は、MyReferの導入が始まってどう思われましたか?
富田氏:
現場としては、非常にいい方向へ変わってきているなという印象があります。ツールを入れたことは、一番わかりやすい変化です。採用を人事に任せきりにしても、今はこういう時代なので本当に人が集まらないですよね。普通に求人広告を出してもなかなか応募が来ないですし、応募が来たとしても面接に来ない人もいるんですよ。
そういう状態がずっと続いていたので、リファラル採用制度・ツールの導入をきっかけに現場側では視界が開けました。そう思った店長はきっと少なくないかなと思います。利用者がまだ少ないうちに成果が出たのも、こういった動きを待ってたんじゃないかなって。僕も店長時代は人が採れなくて非常に苦労していたので……。
現場に採用を協力してもらうためにも、人事はオープンな組織・個人に
人事としては、店長に採用活動に協力してもらうため、どのような工夫をされているのでしょうか?
中村氏:
「採用は人事だけがするものではなく、みんなでするもの」ということを、前述の人口動態データなど、「なぜやるのか?」の部分を必ず交えながら伝えるようにしています。それに加えて、最も心掛けているのは、「採用を私たち現場にも担わせるとして、それじゃあ人事って何やるの?」ということを自らが意識すること。店長会では、そのアンサーについてもこちらから話の中に入れるようにしています。
ただ組織や採用に対して当事者意識を持ってもらうだけではなく、人事の採用以外での役割も含めて伝えたほうが「じゃあ採用の部分をちょっと手伝うよ」と思ってもらって、取り組んでくれるかなと思っています。
アンサーの具体的な内容としては、店長力をアップする研修をしたり人事制度を整えたりしていることなどを、それらの活動の進捗も含めて伝えるようにしています。そうやって人事側の動きも伝えつつ、採用を“共有事”にしていますね。
人事の役割と、進捗まで共有しているんですね。
中村氏:
人事として年間の計画を掲げていても、どこまで進んでいるのか分からないですし、現場に明らかになるのは、形となって表れたときだけですよね。もちろんオープンに出来ないような情報もありますが、特に人材成長に繋がるような施策に関しては、出来ないことも進捗もとにかくオープンにすることが大事だと思っています。リファラル採用をやっていく上でも、採用の進捗や成功事例をしっかり波及させていかなければいけません。
人事側も活動状況をオープンにしていたら、現場の困っている声などもあがってきやすくなりそうですね。
中村氏:
そうなんです。去年働き方改革プロジェクトの際にいろいろな現場の声を聞いていて思ったのは、制度を変えるとしても、こんな理論が流行っているから、他の会社がやっているからではなく、やっぱり現場にニーズがないと意味がないんですよね。
ほとんどは実務の中で「こういうのがあったほうがいい」、「ここは変えてほしい」という声があったうえで、それを形にするのが人事パーソンの役割だと思っています。
それを肌ですごく感じたので、現場の声を拾うためにも、人事が何を、どのように動いていて、いつまでにできそうかなどは明確に伝えるようにしています。
その一つの入り口に、リファラル採用があるのかもしれませんね。
中村氏:
そうですね、今一緒にリファラル採用の活動しているのは転換点だと思います。
採用の課題は各事業部と人事と両方もっているんですが、活動がどうしても分かれてしまっていました。リファラル採用を通じて「どういう人を採用しようか」など、改めて一緒に採用を考えることが出来そうです。
成功事例を広げて、さらに横の事業部との連携もつくりたい
まだ始めたばかりですが、どのような成果が出ていますか?
中村氏:
半年間で10名ほどの採用につながっています。友人・知人やご家族の紹介もありますし、以前働いていた方の出戻りのケースもあります。
また、首都圏に勤務するスタッフが関西の知人を紹介してくれたこともあって、SNSで簡単にアプローチできるからこその事例かなと思います。
富田さんも多くの方に紹介されていらっしゃいますよね。
富田氏:
はい。これまで一緒に働いていた社員やアルバイトで辞めても接点のある方が結構多かったので何人かに声をかけました。
どんな人を、どのようにご紹介されたんですか?
富田氏:
何人か紹介したうちの1人は、僕が店長時代に一緒に働いていたスタッフです。何年か前から、「そのうち戻りたいな」とは聞いていたんです。ただ、どうやって事業部や人事のほうにつないでいいかも分からなかったので、MyReferが入ったタイミングですぐに伝えました。
MyReferを使うと直通ですぐ人事のほうに話もいって、そこから選考が始まるので非常に速くてスムーズでした。紹介後のフローが明確だったので、紹介した側としても非常に安心感がありましたね。
それでは、今後の取り組みたいことを教えてください。
中村氏:
リファラル採用は、TiCTAC事業である程度軌道に乗ったところなので、他の事業に展開をしていきたいなと考えています。どの事業でも人手不足の課題はありますし、シナジーも生まれるかなと思っているんです。
例えば、「自分は時計が好きだけど、まわりの知人友人はそんなに時計は好きじゃない。だけどカバンやメガネ、コスメに興味ある人がいる」という人もいるかもしれないので。そういう友人にアプローチできて、他事業の人手不足の解消に貢献できるかなと考えました。
1つのビルの中に複数入っている店舗もそうじゃない店舗もあるので、横のつながりで風通しをよくする副次的な効果もあるかなと期待しています。
横のつながりも活かしていけたらいいですね。リファラル採用以外では取り組みたいことはありますか?
中村氏:
広報を強化していきたいです。採用において「会社のブランド力」があるかどうかの重要性が年々増していると思うので、そこは今後戦略を練って取り組んでいきたいです。現場はお店の認知をあげるためにずっとやっているわけなので、人事としても会社全体のブランド力・認知度を上げていく。リアルだけでなくてデジタルの施策も含めて、そのあたりの知識やスキルも強化しながら進めていきたいです。
何もアプローチしなくても人が集まってくるのが理想ですしね。現場社員が友人に求人を紹介したとき、「ヌーヴ・エイ知ってるよ!」となれば、応募にもつながりやすいかなと思います。
編集後記
今回は、複数のセレクトショップを運営する株式会社ヌーヴ・エイ様の事例をご紹介しました。
人事と現場のコミュニケーションを大事にしていて、現場にニーズがあるからこそ人事がそれを形にしていく、素敵な関係性を感じました。リファラル採用においても、現場の動きの見える化と人事の情報開示、双方向にオープンであることが鍵になります。これから他事業部においても促進していけるよう、我々もサポートさせていただきます。
多店舗でリファラル採用を促進していきたい企業様、現場と人事とのコミュニケーションを大事にさせたい企業様、ぜひMyReferにお気軽にご相談ください。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。