アルムナイ(元社員)との関係を見直し、採用活動をおこなう上での重要な候補者として位置付ける企業が増加しています。その背景として、「即戦力」を期待する企業が増えている点や、人材を資本と捉え企業価値向上に繋げる「人的資本経営」を重視する企業が増加している点などが挙げられます。
今回、アルムナイ採用・アルムナイ活用・アルムナイネットワーク運用に取り組む様々な企業の施策をまとめた導入・運用事例集『アルムナイ編』を作成いたしました。
掲載している内容の一部を本記事でご紹介いたします。
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事例集『アルムナイ編』で取り上げている企業
事例集では、下記の企業のアルムナイ採用・アルムナイ活用の施策例を紹介しています。
- 株式会社日立製作所
- 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ
- 三井化学株式会社
- 日立Astemo株式会社
- 株式会社小松製作所
- 医療法人としわ会
- 株式会社スープストックトーキョー
本記事では、株式会社日立製作所、株式会社ほくほくフィナンシャルグループ、医療法人としわ会の事例を紹介します。
アルムナイ採用の成功事例① 株式会社日立製作所
株式会社日立製作所
従業員数:28,672名(2023年3月末現在)
事業概要:データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業
人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部 主任 関 健太 氏
人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部 兼松 和香奈 氏
採用競争激化を背景にアルムナイに注目。日立製作所は単独実施により有効性を確かめた上で、取り組みをグループ8社に拡大しています。(以下、事例集・記事より抜粋)
中長期的アプローチは不可欠
以前はエージェントからの採用が多かったのですが、採用競争の激化により、採用ブランディングを含む様々な採用施策に取り組む中で、特に優秀な人材の獲得が難しくなっていると感じています。リファラル、ダイレクトリクルーティングなど、人材獲得手段を多様化させるなかで、さらなる転職潜在層へのアプローチ施策としてアルムナイやキャリア登録に注目しました。
アルムナイに特化したサービスも検討したのですが、「MyTalent」はアルムナイに限らず、あらゆるデータをタレントプールとして一元管理ができます。その点も魅力でした。サポート面のきめ細やかな支援、プロダクトとしての機能も魅力に感じています。
半年で200名が登録
2023年3月から、アルムナイ・キャリア登録の受付を開始しました。ご登録いただいた方には、まずオウンドメディアや事業全体の情報といった日立製作所の“いま”が分かるコンテンツ、募集ポジションやイベントの紹介など、さまざまな情報を配信中です。登録いただいた方にマッチする求人のご案内をしたり、カジュアル面談にお声がけしたりと、個別にアプローチするケースもあります。
半年でおよそ500名の方々にご登録いただいています。そのうちの割合としてはアルムナイ4割ほどです。ご登録いただいた方からの採用も生まれています。
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アルムナイ採用の成功事例② 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ
株式会社ほくほくフィナンシャルグループ
株式会社ほくほくフィナンシャルグループ
株式会社北陸銀行
従業員数:2,167人(2023年3月末)
事業概要:銀行業務
人事部 須藤 氏
株式会社北海道銀行
従業員数:1,981人(2023年3月末)
事業概要:銀行業務
人事部 林 氏
母集団形成の課題を抜本的に解決すべく、つながりを資産化する採用にシフト。ほくほくフィナンシャルグループは直接の情報収集・コミュニケーションを目的にアルムナイイベントも実施しています。(以下、事例集・記事より抜粋)
ほくほくフィナンシャルグループ初のアルムナイイベント
(DX化、人的資本経営の流れなどもあり)ほくほくフィナンシャルグループでは2023年6月、さらなる成長を牽引する人材の確保・育成に向けて、人的資本経営を指揮する「人事戦略部」を新設いたしました。金融業界経験者のみならず、多様な専門性を持つ方を確保していくために、新卒のみならずキャリア採用も積極的に進めていくことが必要です。その一環として、北海道銀行、北陸銀行の両行では、再雇用制度を一部改正しアルムナイ採用制度としてアップデートしました。
そうしたなか、2024年2月にほくほくフィナンシャルグループ様は自社初となるアルムナイイベントを開催しました。
アルムナイイベント参加者の声
アルムナイの方で東京近郊にお住まいの方を中心に、アルムナイ登録がある方はMyTalent経由でご案内し、合計で約20名のアルムナイの方が参加されました。
現役行員やアルムナイの皆さまがカジュアルに交流して、アルムナイイベントは大盛況に終わりました。参加した方からはこのような声が上がりました。
- アルムナイはもちろん現役の行員とも交流ができた。また、ほくほくフィナンシャルグループの現況の紹介があったが、以前に比べて銀行のイメージはかなり変わったなと感じた。
- 他のOBと会うことで自身のキャリアを見つめ直す良い機会になった。
- 様々な業界にて活躍をされているアルムナイとの交流は大変有意義でした。また、私自身はキャリア形成のために転職をしましたが、将来的に現職にて得た知見を活かす場があれば、アルムナイ採用への応募を検討したいとも思いました。
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アルムナイ採用の成功事例③ 医療法人としわ会
医療法人としわ会 | |
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従業員数: | 320人 |
事業概要: |
医療・介護・保育の施設運営 |
事務部相談課 課長 安達 匡倫氏 |
としわ会は「介護業界内の転職が多い」特性を活用した採用を行い、アルムナイネットワークを運用しています。(以下、事例集・記事より抜粋)
少子高齢化により、年々採用が厳しくなる介護業界
少子高齢化が進む日本では、2025年に高齢化率が30%に到達し、その後も右肩上がりに上がっていきます。それに伴い、介護施設や定員数は年々増加しており、職員も必要になっている状況です。介護関係職種での有効求人倍率は2019年には3.9倍となりました。これは、全職種平均の1.61倍と比較してもかなりの数字です。また、採用の難しさだけではなく、離職率の高さも課題です。
もともと採用チャネルはハローワーク、求人媒体、人材紹介、新聞折り込みなど、できることは全部していました。しかしそれでも目標の採用人数には届かないことがあり、採用コストもかさんでいたのです。
かなりの職員が復職
一度退職した職員さんの出戻り応募も可能にしています。介護職は、業界内での転職が多いです。色々な施設を渡り歩くうちに、一度退職した施設にまた戻りたいと思うこともあるでしょう。しかし、どういうルートを使えば戻れるのか、分からない人が多かったと思います。そこでアルムナイ制度を取り
入れて、退職時にもMyReferに登録いただくようにしました。これにより、かなりの職員さんが復職しました。リファラル採用と併用しながら、アルムナイ採用もうまく活用できていると思います。
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そもそも、アルムナイ採用が注目されている背景
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2020年に1億2615万人存在していた日本の総人口は年々減少を続けており、50年後には現在の7割程度になるとされています。一方で各企業による人材獲得競争は熾烈を極めており、採用需要と労働人口の差が拡大しつづけ、求人倍率が上昇することが予想されています。
また人的資本経営に注目が集まる中で、退職者も資産と考える企業が増加しており、その観点からもアルムナイ人材の活用に注目が集まっています。
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他に本資料内では、属人的なつながりだけでなくデータ管理することで継続性のあるアルムナイ採用の運用体制を確立した三井化学株式会社、採用競合が多い中で”戦わない採用”を実現するためアルムナイに注目した日立Astemo株式会社、カルチャーマッチする採用手法として、アルムナイ・リファラル採用を推進する株式会社小松製作所、会社を辞めてもつながりを大切にする「バーチャル社員証」制度を運用する株式会社スープストックトーキョーの事例を紹介しています。
アルムナイ活用をHR戦略の一つとしてご検討中の担当者様や人事責任者様は、ぜひご覧ください。
監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。