採用市場の変化が加速するなかで、「自社がどんな価値を提供できる企業なのか」を候補者に正しく理解してもらうことは、これまで以上に重要になっています。単に応募数を増やすのではなく、企業の魅力や働く価値を丁寧に伝え、興味・共感・納得のプロセスをつくる―その中心にあるのが“採用ブランディング”です。
採用ブランディングは、魅力的なコンテンツを作るだけの取り組みではありません。企業の実態と発信内容をそろえ、候補者の価値観や行動変化を踏まえた戦略的な設計が求められます。本記事では、採用ブランディングの基本的な考え方から、注目される背景、取り組むメリット、進め方、具体的な施策までの各ステップを順序立てて紹介しています。
採用戦略の見直しや、発信の質を高める際の参考として、ご活用いただければ幸いです。
目次|採用ブランディングとは?
- 採用ブランディングとは
- 採用ブランディングが注目される理由
- 採用ブランディングのメリット・デメリット
- 採用ブランディングの進め方
- 採用ブランディングの具体策
- 成功のポイントと注意点
- まとめ
採用ブランディングとは
採用ブランディングとは、「この会社で働く意味」や「自社ならではの価値」を候補者に正しく理解してもらうための取り組みを指します。単に認知度を上げるだけ、良いイメージを与えるだけではなく、候補者が選考を通じて抱く“認識”を変え、最終的に「ここで働きたい」と思える体験をつくることが重要なポイントです。
近年は、企業同士の採用競争が激しく、条件面や知名度だけでは選ばれにくくなってきています。いわゆる「企業が選ぶ採用」から「候補者に選ばれる採用」へと構造が変化するなかで、自社の文化や事業の意義、働く魅力を透明性高く届けることが、候補者の意思決定に強く影響するようになっています。 ここでは、企業が“自社で働く魅力”を適切に伝えるために活用したい採用ブランディングの考え方や基本要素を、わかりやすく整理していきます。
採用ブランディングの定義
採用ブランディングとは、候補者が自社に対して持つ“認識”を深める取り組みです。従来は「魅力のPR」や「知名度の向上」が中心とされてきましたが、現代の採用では、認知を広げるよりも正しい理解をつくることが重要になっています。
認知 → 検討 → 応募 → 選考 → 内定 → 入社、という一連の候補者体験のなかで、候補者の感情や期待値を丁寧に変化させる“体験設計”そのものです。
たとえば、「事業の魅力が伝わっていない」「実際にどんな人が働いているかわからない」という状態の候補者に対し、リアルなインタビューや社員ストーリーで理解を深めてもらうことで、「ここで働くことに意味がある」と感じてもらう—これが採用ブランディングの役割だといえます。
企業ブランディングとの違い
企業ブランディングは顧客・株主・社会など広いステークホルダーに企業価値を伝える活動です。一方、採用ブランディングは“候補者”に向けて企業の魅力や働く価値を伝えることに特化した取り組みを指します。ただし、両者は完全に分離しているわけではありません。企業としての世界観や理念が土台となり、その上に「働く場としての価値」を乗せて発信するからこそ、候補者は企業を多面的に理解できます。採用ブランディングでは「事業」「文化」「待遇」「環境」「キャリア機会」など、EVP(Employee Value Proposition)の要素からなる“働く価値の全体像”を整理することが大切です。
つまり、企業ブランディングが「企業としての姿」を伝えるものだとすれば、採用ブランディングは「働く立場からの価値」を伝えるものといえるでしょう。
採用活動における位置づけ
採用ブランディングは、候補者が企業を知る最初の段階から、検討・応募・選考・内定・入社に至るまで、すべての体験に影響を与えるため、採用活動全体の“土台”となる考え方といってもよいでしょう。
最初の接点では、企業名や事業を「知る」という入り口の段階ですが、選考が進むにつれ「どんな価値観を大切にしている会社なのか」「自分はここで活躍できるのか」といった“理解の深さ”が問われるようになります。単に認知されているだけではなく、企業への認識が適切に深まっているほど、候補者は前向きに選考へ進みやすくなります。
採用ブランディングが整っている企業では、事業の意義や働く魅力が候補者に伝わりやすく、「この会社で働くイメージが持てた」と感じてもらえる場面が増えるでしょう。反対に、発信内容に一貫性が無かったり、企業の魅力が十分に整理されていない場合、候補者の中に誤解や不安が残り、途中辞退やミスマッチにつながる可能性があります。
そのため、採用活動の成果を安定させるためには、候補者体験の起点となる採用ブランディングを整えておくことが、長期的に大きな意味を持つといえるでしょう。
採用広報との関係性
採用ブランディングと採用広報は混同されやすいものの、担う役割は異なります。採用ブランディングが「どのような企業として見られたいか」「どんな価値を伝えたいか」といった軸を定める戦略であるのに対し、採用広報は、その内容を実際に候補者へ届けるための発信活動を指します。
たとえば、採用広報には採用サイトやオウンドメディア、SNS、社員インタビュー、説明会などがありますが、これらが効果的に機能するためには、背景に“伝えるべきメッセージの一貫性”が必要です。
言い換えれば、採用ブランディングが整っているからこそ、採用広報で発信する情報にも統一感が生まれ、候補者の理解や共感が深まりやすくなります。両者はセットで機能することで、より良い候補者体験をつくることができるといえるでしょう。
採用ブランディングが注目される理由
近年、採用ブランディングが注目されている背景には、採用市場そのものの構造変化があります。労働人口の減少によって採用競争が一層激しくなり、これまでのように求人広告や条件面だけで応募を集めることが難しくなっています。また、求職者が企業を知る情報源が多様化し、企業側が“どのように見られているか”がこれまで以上に選考の行方を左右するようになりました。
そのような環境のなかで、自社の魅力や働く価値をわかりやすく伝え、候補者の理解や共感を丁寧に育てていく採用ブランディングは、多くの企業にとって欠かせない取り組みとなりつつあります。ここでは、その主な理由を整理して解説します。
労働人口の減少による採用競争の激化
日本では労働人口が年々減少しており、企業が採用したい人材を確保する難易度は高まり続けており、求人倍率も上昇傾向にあります。こうした状況では、条件面や知名度だけで候補者を集めることが難しく、自社の魅力や働く価値を丁寧に伝える取り組みが求められています。
採用ブランディングによって、自社がどのような考え方を持ち、どのような環境で働けるのかを明確に示すことができれば、候補者は企業への理解を深めやすくなります。結果として、採用競争が厳しいなかでも応募や選考につながる可能性が高まりやすくなるといえるでしょう。
求職者の情報収集行動の変化(口コミ・SNSの台頭)
求職者が企業を知る手段は、求人票やコーポレートサイトだけではなく、SNS、口コミサイト、社員インタビュー、オウンドメディアなど多岐にわたっています。また、デジタルシフトした現代社会では、情報の透明性やリアルさが重視されるようになり、「実際に働く人の声」や「現場の雰囲気」を参考にする候補者が増えています。
そのため、企業側が発信する情報と、外部に存在する声との“ギャップ”は、候補者の意思決定に影響することも少なくありません。採用ブランディングにより、企業が自ら価値を整理し、発信するメッセージの一貫性を保つことで、候補者は安心感を持って企業を理解しやすくなるといえるでしょう。
企業選びにおける価値観の多様化
働き方に対する価値観は大きく多様化しており、候補者が企業を選ぶ基準も人それぞれになっています。給与や待遇だけでなく、文化、キャリア機会、働く環境、社会的意義など、“自分に合う企業かどうか”を重視する傾向が広がっているといえます。
そのため、企業が一方的に魅力を並べるだけでは不十分であり、どんな価値観の人に向いている会社なのか、働くことでどのような未来を描けるのかを明確にし、正しく理解してもらうことが大切です。
採用ブランディングは、自社ならではの価値を整理し、候補者の視点で伝えることで、価値観のマッチングを促進する役割も果たします。
候補者との認識ギャップによるミスマッチの深刻化
採用後の早期離職やミスマッチは、多くの企業が抱える課題です。その大きな原因のひとつが、「入社前の期待」と「実際の働き方」とのギャップだといわれています。採用ブランディングを通じて、企業の文化や求める人物像、働くうえで得られる経験や成長機会を明確に伝えることができれば、候補者はより現実的な視点で企業を理解できます。その結果、入社後のギャップが小さくなり、定着率の向上につながることが期待されます。
企業と候補者の相互理解が深まることで、お互いにとって納得度の高い選択がしやすくなる点も、採用ブランディングが重要視される理由のひとつです。
採用ブランディングのメリット・デメリット
採用ブランディングは、自社の魅力や働く価値を丁寧に言語化し、適切に発信することで、応募から選考、入社後の定着に至るまで、多くのメリットにつながります。
一方で、短期的な施策とは異なり、成果が表れるまでに一定の時間が必要です。また、発信する内容の一貫性を保つためには、現場との連携や継続的な運用体制も欠かせません。
ここでは、採用ブランディングに取り組むことで得られる主なメリットと、実施にあたって注意したいポイントを整理して解説します。
採用ブランディングのメリット
採用ブランディングは、単に企業認知を高めるための施策ではありません。自社の価値観や魅力を適切に発信することで、応募数の増加だけでなく、候補者との相互理解を深め、定着率やエンゲージメント向上にもつながる可能性があります。ここでは、採用ブランディングによって期待できる主なメリットを紹介します。
1.応募数・母集団の質が向上につながる
採用ブランディングによって、自社の価値観や働く魅力が明確に示されると、企業に興味を持つ候補者が自然に増えやすくなります。加えて「どんな人に向いている企業なのか」が正しく伝わることで、ミスマッチの少ない母集団形成に寄与するといえます。
2.辞退率・早期離職率の低下が期待できる(カルチャーフィットの向上)
仕事のやりがいや文化、キャリア機会などを正しく伝えることで、候補者は入社後のイメージを具体的に描きやすくなります。その結果、選考辞退や早期離職の原因となる“認識ギャップ”を防ぐことができ、定着率の向上にもつながります。
3.社内の一体感・エンゲージメント向上につながる
採用ブランディングに取り組む過程では、企業文化や価値観を整理するため、社員が自社の魅力を改めて理解する機会が生まれます。こうした認識共有は組織の一体感を高め、エンゲージメントの向上にもつながりやすくなります。
4.採用コストの最適化ができる
自社の魅力が市場に浸透し、自然と候補者が集まる状態がつくられていくと、求人広告やスカウトサービスに依存しない採用活動が可能になります。長期的には採用コストを抑えつつ、効率的な母集団形成につながる点も大きなメリットといえるでしょう。
採用ブランディングのデメリット
一方で、採用ブランディングは短期間で成果が出る施策ではなく、継続的な運用や社内連携が求められます。また、発信内容と実態にズレが生じた場合、候補者とのミスマッチにつながる可能性もあるため注意が必要です。ここでは、取り組みを進めるうえで押さえておきたい主な注意点を整理して解説します。
1.効果が出るまでに時間がかかる
採用ブランディングは、企業の認知やイメージ形成に関わる取り組みのため、短期間で成果が表れるものではありません。採用サイトやSNSでの発信が積み重なり、候補者の理解が徐々に深まることで効果が見え始める取り組みといえます。そのため、短期の結果に一喜一憂せず、中長期視点で取り組みの計画を立てることが大切でしょう。
2.企業全体で取り組む必要がある
働く価値を正しく伝えるためには、現場の協力や経営層の理解が欠かせません。もし、採用ブランディングで発信している内容と、実際の働き方や環境に相違がある場合、候補者との認識ギャップにつながり、入社後のトラブルに発展する可能性があります。そのため、発信する内容の正確性を担保するうえでも、現場を含めた全社的な情報共有が重要になります。まずは、小さなチームからでも事実を丁寧に整理し、関係者と共有していくことで、正確な情報を集めやすい体制が整っていきます。こうした全社的な協力がそろうことで、発信内容の一貫性も保ちやすくなるでしょう。
3.運用工数が一定必要になる
採用サイトや記事の更新、SNSでの発信など、継続的に情報を届けるためには、一定の時間と工数が必要になります。また、候補者の反応を振り返り、効果測定を行いながら改善を重ねていくことで採用ブランディングの価値は高まっていきますが、こうした運用負荷を負担に感じる企業も少なくありません。そのような場合は、優先順位を明確にし、まずは取り組む範囲を絞ることが有効です。無理のない形で継続できる仕組みを整えることで、限られた工数でも効果的に運用していくことができるでしょう。
採用ブランディングの進め方
採用ブランディングを形にするには、「どこから手をつけるのか」「何をどの順番で進めるのか」といった進め方の設計がとても重要です。明確なステップを定めることで、取り組む内容が整理され、無理なく効果的に進める土台をつくることができます。
ここでは、効果的に採用ブランディングを進めるために必要な、自社の魅力を伝えるための基盤づくりから、発信・改善までの押さえておきたいステップを、順を追ってわかりやすく整理していきます。
3C分析(求める人物像・競合・自社)
採用における3C分析は、マーケティング手法として広く用いられており、採用市場・競合状況・自社の立ち位置をあわせて整理できるので、非常に実践的なスタート地点となります。
求める人物像・ペルソナ設計、候補者ジャーニーの可視化
まず初めに、自社が採用したい「理想の人物像」を描きます。年齢・経験・価値観・志向などを整理し、可能であれば「Better」「Best」「対象外」の階層に分けると、よりクリアにターゲットが見えてきます。そのうえで、求職者がどのようなきっかけで企業を知り、どのように応募を検討し、最終的に入社・活躍してほしいか――いわゆる「候補者ジャーニー」を可視化すると、採用設計の土台ができます。
競合分析
次に、自社にとっての“採用競合”を洗い出します。それは同業他社かもしれないし、待遇や働き方で似た価値を提示する異業界の企業かもしれません。これらの企業がどのような働き方やメッセージで人材を集めているか、求人票・採用サイト・口コミなどを調査することで、「どこで差別化ができるか」「どこに勝負するか」を見定めます。
自社分析(企業理念/強み/カルチャー整理 → EVPの言語化)
最後に、自社の強みや特徴、カルチャー、働き方、成長機会などを整理し直します。これをベースに、候補者に提示する「自社で働く価値(EVP)」を言語化することが重要です。3C分析の結果を踏まえて、求める人物像とマッチし、かつ競合と差別化できる“自社ならではの魅力”を明確にすることで、採用ブランディングの軸が固まります。
▼EVP設計に本格的に取り組みたい担当者さまは下記の記事を参考にしてください
関連記事:EVPとは?タレント人材獲得のフレームワーク「WORCS」をおさえよ【前編】
:EVPの最先端事例とは?レッドブルが活用する人材獲得のための考え方【後編】
採用コンセプトの言語化
3C分析で整理した情報をもとに、会社として採用で大切にしたい価値観、カルチャー、働く魅力、求める人物像などを言葉にします。これは「どんな人に」「どんな価値を提供する企業か」を表す“採用コンセプト”となり、以降のサイト、SNS、コンテンツ制作などあらゆる施策の基盤となります。
クリエイティブ制作(記事・動画・資料等)
コンセプトが定まったら、それを伝えるためのクリエイティブ制作に着手します。記事、社員インタビュー、ストーリー、動画、資料など、さまざまな形式で企業の価値観やカルチャー、働くリアルを伝えるコンテンツを整えます。こうしたコンテンツは、採用サイトだけでなく、SNSや面接前後のフォロー、説明会資料など、あらゆる接点で活用できる資産となります。
チャネル展開(サイト・SNS・イベント等)
作成したコンテンツをどこで、どう届けるかを考えます。自社の採用サイト、オウンドメディア、SNS、説明会・イベントなど、候補者が企業と接点を持つあらゆるチャネルを設計・整備するのがこのフェーズ。各チャネルで“発信すべき内容”と“届けるべきメッセージ”を揃えることで、一貫したブランド体験を提供できます。
効果測定と改善サイクルの構築
最後に、実施した施策の効果を測定し、改善のサイクルを回せる体制をつくります。応募数、応募の質、サイトの閲覧データ、SNSの反応、内定辞退率や離職率などのKPIを設定し、定期的に見直すことで、“発信の軸”と“実態”との齟齬を防ぎながら、採用ブランディングの精度を高めていくことができるでしょう。
採用ブランディングの具体策
ここまでは、採用ブランディングの土台となる準備と進め方を確認してきました。
ここからは、それらを実務に落とし込むための主要な施策を、目的とともに整理していきます。
採用ブランディングを効果的に進めるには、企業の魅力や働く価値をどのような形で候補者に届けるかを整理することが欠かせません。ここでは、採用コンセプトの策定から、採用サイト・SNS・動画・イベントといった具体的な施策まで、企業が実践しやすい主要なアプローチを紹介します。
これらの施策は単体で機能するものではなく、共通する“発信の軸”があってこそ効果を発揮します。自社の状況やリソースに合わせて取り入れながら、候補者が自社を理解しやすい情報設計を進めていきましょう。
採用サイト・採用LPの強化
採用サイトや採用LPは、候補者が企業の情報を深く理解する中心的な接点です。企業理念、事業内容、仕事内容、働く環境、社員の声、キャリアステップなどを整理し、候補者が「この企業で働く具体的な姿」をイメージできるように設計します。
特に、文化や価値観、求める人物像など“働く上で重要になる情報”を丁寧に伝えることで、候補者が安心して応募を検討しやすくなります。定期的に更新し、タイムリーな情報を提供することで、企業の信頼性や透明性を高める効果も期待できるでしょう。
社員インタビュー・ストーリーコンテンツ
社員インタビューやストーリー記事は、企業の“実際の働き方や雰囲気”を候補者に伝えるための強力なコンテンツです。業務内容やキャリアの歩み、挑戦経験、働く価値観などを取り上げることで、職場のリアルな空気感を届けることができます。
また、同じ職種・年代の社員を紹介することで、「自分もここで働けそう」という具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。こうした生の声は、企業文化の理解やミスマッチ防止にもつながり、採用ブランディングにおいて欠かせない要素といえるでしょう。
動画コンテンツ(会社紹介・職場紹介)
動画は短時間で多くの情報を伝えられるため、企業理解を深める施策として高い効果があります。会社紹介や職場紹介、社員の一日などを映像で見せることで、文章や写真だけでは伝えきれない「音」「雰囲気」「表情」などの情報を候補者に届けられます。
また、動画は採用サイトだけでなく、SNS・説明会・面談前後の共有など、さまざまなチャネルで活用が可能です。候補者が企業の“リアルな姿”を短時間で理解できるため、関心を高めるきっかけとしても有効な施策だといえます。
SNS(X・Instagram・TikTok)の活用
SNSは、候補者が企業の日常や雰囲気をつかむうえで身近な情報源となっています。Xでは言葉、Instagramでは写真やビジュアル、TikTokでは短尺動画など、それぞれの特徴を生かして企業の「働く空気感」を伝えることができます。
重要なのは、何を発信するかの軸が採用コンセプトと揃っていることです。投稿内容に一貫性があるほど、候補者が自然と企業の価値観を理解しやすくなります。SNSはリアルタイムな情報発信にも向いているため、採用活動の補完としても活用できるでしょう。
説明会・ミートアップなどのイベント設計
説明会やミートアップは、候補者と企業が直接コミュニケーションを取れる貴重な場です。事業内容や文化の説明に加え、社員との対話・質疑応答を通じて“人”の魅力が伝わるため、候補者が企業への理解や安心感を深めるきっかけになります。
特にミートアップ形式では、カジュアルに質問できる空気をつくり、候補者が不安や疑問を解消しやすい場を整えることが重要です。直接会える場だからこそ得られる情報は多く、採用ブランディングの強化にも効果的な施策といえるでしょう。
会社パンフレット・資料の刷新
会社パンフレットや採用資料は、説明会や選考のタイミングで候補者の手元に残る重要な情報源です。企業理念や事業概要、働く環境、評価制度、キャリアなどをわかりやすくまとめることで、候補者が自社理解を深めやすくなります。
また、PDF資料は社内回覧されやすいため、“第三者に伝わるか”という視点も大切です。内容を最新化し、採用コンセプトに沿って整理し直すことで、より信頼性の高い情報提供ができるでしょう。
タレントプールによる接点づくり(キャリア登録導線の活用)
タレントプールは、すぐに転職しない潜在層や、過去に接点があった候補者と継続的な関係を築くための仕組みです。採用ブランディングの観点では、「候補者が企業に触れる回数」を増やし、理解を深めるきっかけをつくれる点が大きな特徴です。
特に、採用サイトや記事、SNSからのキャリア登録導線を整えることで、興味を持った段階の候補者と無理なくつながり続けることができます。メール配信やSNS連携、イベント招待などを通じて適切な情報を届けることで、将来的な応募にもつながりやすくなります。
短期的な採用成果にとどまらず、中長期的に自社への関心を育てていく母集団形成の取り組みとして、タレントプールは非常に有効な施策といえるでしょう。
▼キャリア登録を活用したタレントプール施策にご興味のある担当者さまは下記の記事を参考にしてください
関連記事:導入から1年半で約1000名の登録、9名の採用成果を創出!-学生からアルムナイまで、自社と接点のあるすべての人を候補者にするAstemoのタレントプール構想
成功のポイントと注意点
採用ブランディングは、単に魅力的な情報を発信すれば成果が出る取り組みではありません。企業の実態と発信内容が一致しているか、候補者が知りたい情報が適切に届けられているかなど、いくつかのポイントを押さえることで、より効果的に取り組むことができます。
ここでは、採用ブランディングを成功に導くために大切な視点と、実施する際に注意しておきたいポイントを整理して紹介します。
現場社員を巻き込んだ“リアリティ”の担保
採用ブランディングでは、企業の実態と発信内容が一致していることが重要です。そのためには、現場社員を巻き込みながら情報を整理し、実際の働き方や文化が正しく伝わる表現にする必要があります。現場の声が反映されていないと、候補者が入社後にギャップを感じる原因にもなります。社員インタビューや部署別の仕事内容紹介など、“現場ならではの視点”を取り入れることで、リアルで信頼性の高い情報発信につながります。結果として、候補者の理解が深まり、ミスマッチの防止にも寄与するでしょう。
候補者目線での情報設計
採用ブランディングの中心にあるのは、候補者にとって「知りたい情報が適切に届いているか」という視点です。企業が伝えたい内容だけを並べるのではなく、候補者が不安に思う点や知りたいポイントを踏まえて情報設計を行うことで、理解が深まりやすくなります。
たとえば、仕事内容、評価制度、キャリアパス、働く環境など、応募前に気になる情報を整理して提示することは重要です。候補者目線で必要な情報がそろうことで、納得感を持った選考につながるでしょう。
メッセージの一貫性
採用ブランディングは、複数のチャネルで情報を発信するケースが多くなります。採用サイト、SNS、説明会、パンフレットなどがバラバラのメッセージを伝えてしまうと、候補者に違和感が生まれ、企業の印象にも影響します。採用コンセプトを基軸に情報を統一することで、どのチャネルから企業を知っても“同じ価値観”が伝わる状態をつくれます。メッセージの一貫性は、企業理解の促進にもつながり、ブランドとしての信頼性を高めるうえでも欠かせない要素です。
誇張しすぎない・ギャップを作らない
採用ブランディングで特に注意したいのは、実際以上に魅力的に見せようとする“誇張表現”です。良く見せようとするあまり実態とかけ離れた情報を発信すると、入社後のギャップを生み、早期離職や不信感につながる恐れがあります。採用の段階から“リアルな価値”を誠実に伝えることで、候補者の期待値を適切に整えることができます。企業と候補者の間に誤解を生まないことが、結果としてミスマッチを防ぎ、信頼性の高い採用活動につながるでしょう。
継続的なコンテンツの更新
採用サイトやSNS、インタビュー記事などのコンテンツは、一度作って終わりではありません。事業内容や組織体制、働き方が変化するなかで、情報を最新の状態に保つことが信頼性の維持につながります。古い情報が残ったままだと、候補者が誤解したり、企業の姿勢に不安を感じる原因にもなります。定期的に見直し、必要に応じて刷新していくことで、企業のリアルな姿を伝え続けることができるでしょう。
データを活用し改善する
採用ブランディングの取り組みは、成果の見える化と改善が不可欠です。応募数や選考通過率、サイト閲覧数、SNSのエンゲージメントなどのデータを定期的に確認することで、課題や改善点が明確になります。感覚だけで発信を続けるのではなく、データに基づいて施策を振り返ることで、より効果的な改善につなげることができます。継続的な分析と改善は、採用ブランディングの精度を高めるうえで大切なプロセスといえるでしょう。
まとめ
採用ブランディングは、企業と候補者の相互理解を深め、納得度の高い採用につながる重要な取り組みです。市場環境や価値観の変化が進むいま、企業の魅力をどのように言語化し、どの接点で伝えていくかが成果を左右します。
本記事で紹介したステップと具体策を参考にしながら、自社に合った形で継続的に取り組んでいくことで、より良い採用体験づくりに近づけるでしょう。
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監修者情報
監修 | TalentX Lab.編集部
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