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2024.01.19更新

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採用コスト削減だけではない!パーソルキャリアがリファラル採用を始めたワケ

パーソルキャリアでは2014年度より「レコ友」という社員紹介制度(以下、リファラル採用)が発足されました。
レコ友とは、『全員採用※1』の一環として社員が当社の社風や仕事内容を友人に伝えることで、友人にパーソルキャリアを推薦することを目的に作られた制度です。2014年10月から運用している制度ですが、2015年からはリファラル採用ツールMyReferを活用して全員採用を促進しています。

昨年はこのレコ友により30名近い決定実績を生んでおり、従来の採用単価と比較すると計3000万円超のコスト削減を実現できております。
今回は本制度の設計に携われました美濃 啓貴氏にお話を伺いました。

※1:全員採用
全社員が採用活動に携わることで、自分の仕事や会社について振り返る施策。リファラル採用はその一部で、面接官やリクルーターをはじめ、採用管理システムの開発など様々な形で自社採用に関わりを持ってもらっている。
美濃 啓貴(ミノ ヒロタカ)
パーソルホールディングス株式会社 グループ人事本部 本部長
1976年東京生まれ。
99年中央大学卒業後パーソルキャリア入社(旧社名:株式会社インテリジェンス)。
2013年より、パーソルキャリア HITO本部 本部長着任。
人事部門の組織改革から、育成、採用、制度の改革を実現し、パーソルキャリアの理念経営を推し進めた。
現在は、パーソルホールディングスグループ人事本部 本部長としてグループ全体の人事部門の統括を担う。

その他企業様の導入事例をまとめています!
下記からダウンロードください。

リファラル採用導入・運用事例
『人材業界編』

パーソルキャリアがリファラル採用を取り入れた背景

初めに、パーソルキャリアがリファラル採用を積極的に取り組まれた背景を教えてください。

実はリファラル採用を積極開始したのは、採用拡大を念頭においてのことではありませんでした。
もちろん「優秀な人材には優秀な友人がいる」という確信はあったので、優秀な自社の社員から優秀な友人が採用出来るかを立証したいとの思いはありましたが、リファラル採用数を増やそうということではなく、社員に企業理念を浸透させ、モチベーションを上げるという目的で取り組みを開始しました。

もともとレコ友を始める2014年は、ちょうど経営陣がパーソルキャリアとして「理念経営」に再度注力しようとしていたころで、その流れの中で人事戦略としても3か年計画を立てました。
理念経営とはつまり「企業理念を中心に置いた経営」であり、改めてパーソルキャリアの存在意義や大切にしたい価値観を明らかにし、社員に共有していくことで、社員により生き生きと働いてもらえる経営をしていきたいと考えている時期でした。

この「理念経営」を実現するために行った一つの施策として、リファラル採用(レコ友)を実施したというのが実際の背景です。

採用が目的ではなく、理念を浸透させるためにリファラル採用を推進したとは興味深いですね。実際、どのように企業理念を浸透していったのでしょうか?

まず、企業理念を再度浸透させるためには、教育・採用・制度の3つの観点から改革が必要だと考え、社員研修の改革、人材採用の改革、人事制度の改革と段階的に進めていきました。
特に、社員研修の改革の中では、社員一人一人が自分と会社を見つめ直し、パーソルキャリアという会社と自身のキャリアを客観的に整理する機会が必要だと感じました。

  • 自分はどんなことを目指しパーソルキャリアへ入社をしてきたのか
  • 入社から現在までどのようなことを経験してきたのか
  • 今後、パーソルキャリアでどんなことを成し遂げていきたいのか

これらを整理し見つめ直して貰うことで、「パーソルキャリアが目指す理念には共感できるし、今一度、その理念に向かってこんなことを成し遂げたいよね」という気持ちを持ってもらうことが重要だと気付きました。

「理念経営への回帰」を実現するうえで全国の社員一人一人に対して上記のようなキャリアの棚卸研修を開始しました。しかしながら日々の業務に従事する社員に8時間の拘束を必要とする研修を実施するのは3年に一度が限界であり、もう少し短いサイクルで内省が出来る仕掛けを追加したいと考えました。
「日常の中で、社員の業務負担無く、自身のキャリアを振り返る機会を設けられないか?」という考えから出てきた答えが「社員が全員面接官として採用に関わること」と「レコ友を通じて社員紹介に関わること」でした。

リファラル採用を通じて自分のキャリアを振り返る機会を

「社員が全員面接官として採用に関わること」と、「レコ友を通じて社員紹介に関わること」が、キャリアの棚卸に繋がるのですか?

社員が採用の面接官になると、大抵のケースは候補者の方に

「何故パーソルキャリアに入社したいの?」
「何がやりたいの?」
「何故パーソルキャリアであれば実現できるの?」

という志望動機を聞きます。また、候補者の方からも

「何故パーソルキャリアに入社したいの?」
「何がやりたいの?」
「何故パーソルキャリアであれば実現できるの?」

という社員に対する入社動機を聞くことがあります。このように自分が面接官として採用に関わることで、相手の話を聞きながら「入社時に自分はどんな思いを持っていたのか」を思い出し、「何を経験し、どんな思いで働いているのか、何を今後実現していきたいのか」を言語化して相手に伝えなくてはいけません。

リファラル採用(レコ友)はまさにこれを体現する制度であり、社員は友人に自社の求人を紹介する際に「パーソルキャリアはどんな会社で、どんな人だと合うのか」を考えお声掛けをするでしょうし、友人からも「どんな会社なのか、また、何故自分を誘ったのか、どんな仕事をしているのか・・・」など聞かれるケースも多分にあると考えております。

  • 入社時の自分はどうだったか
  • パーソルキャリアはどんな会社なのか
  • 自分が今まで歩んできた経験やこれからのキャリアをどうしたいのか

これらを考え言語化し、キャリアの棚卸をする機会提供として研修の代わりにリファラル採用(レコ友)を取り入れました。

「レコ友」を通じた理念経営の回帰の成果はどうですか

まだまだ十分とは言えませんが、一定の成果が出たと感じています。パーソルキャリアでは社内での社員意識調査と外部機関を活用しての調査「働きがいのある会社」調査(Great Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン)が運営)を毎年行い、結果を指標化して集計してきました。
その集計結果から社員の会社への印象は良くなり、年を重ねる毎にさらに良くなっていることが読み取れました。

今回、リファラル採用(レコ友)を積極推進したことにより、社員が自分の言葉にして自社を友人に薦めるリファラル採用を通じて、結果的に社員のエンゲージメント(ロイヤリティ)が向上するということが改めてわかりました。

勿論、レコ友の取り組みや人事の3か年の取り組みだけではなく、あらゆる取り組みが本指標の成果に繋がっていると思いますが、リファラル採用を推進したことにより、着実に社員からの声は良い方向へと変わっているように思います。

「はたらくを楽しもう」の世界観が多くの方に

「レコ友」を通じて、どんな世界観を目指していきたいですか?

採用したい!となった時に、人事としても「もっとレコ友を促進しよう!」と1番に想起されるくらいに、採用を「レコ友主体」へと変えていきたいですね。
そして、レコ友を機に友人に「今、はたらくを楽しんでいるか?」と問いかけてみて欲しいと思っています。「私はつらい時もあるけど楽しんでいる」と社員の皆さんは言えるのかどうか?

当社の約5,000人の社員が100人にはたらくを楽しむ世界観を伝えると、5,000万人いる日本の労働人口の1%に伝わる。10年経ったら1割です。「レコ友」をきっかけに、パーソルキャリアの「はたらくを楽しもう」の世界観が多くの方に伝わったら素敵だと感じています。

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監修者情報

監修 | TalentX Lab.編集部
この記事は株式会社TalentXが運営するTalentX Lab.の編集部が監修しています。TalentX Lab.は株式会社TalentXが運営するタレントアクイジションを科学するメディアです。自社の採用戦略を設計し、転職潜在層から応募獲得、魅力付け、入社後活躍につなげるためのタレントアクイジション事例やノウハウを発信しています。記事内容にご質問などがございましたら、こちらよりご連絡ください。

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