2040年に向けて、エネルギー・情報通信・不動産事業を成長の柱としながら、水素やハイパースケール・データセンター事業をはじめとする新領域にも挑戦し、幅広い事業を通じて強靭な社会基盤の提供を目指す関西電力株式会社様(以下、関西電力)。
同社は「関西電力グループ経営計画2026」を基に、人的資本への投資を重要な経営テーマとして掲げ、「事業を強く、人を豊かに」を根幹とした人財戦略を推進しています。その戦略的エンジンとして注力しているのが、多様な人財の獲得と社員のエンゲージメント向上を両立させる「リファラル採用」です。
今回は、人財・安全推進室 人事部長の三島 英之氏に、事業変革を支える人財ポートフォリオの本質やリファラル採用の重要性について、詳しくお話を伺いました。

関西電力株式会社
・従業員 :8,336名(グループ全体:32,482名、2026年3月31日時点)
・事業内容 :電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業等
・取材対象者:人財・安全推進室 人事部長 三島 英之 氏
「事業を強く、人を豊かに」2040年を見据えた人財戦略とポートフォリオの刷新

貴社における現在の人財戦略について教えてください。
三島氏:
関西電力グループでは、人的資本への投資を重要な経営テーマと位置付けて推進しています。新たに策定した「関西電力グループ経営計画2026」では、「多様な人財が集う」「成長機会が広がる」「成果が見える」「働きがいが高まる」という4つの重点テーマを掲げ、「事業を強く、人を豊かに」する企業を目指しています。
その背景にあるのは、事業ポートフォリオのダイナミックな変化です。当社は2040年に向けて、エネルギー・情報通信・不動産事業を成長の柱として強化するとともに、新領域として水素やハイパースケールデータセンターの事業化を推進し、海外事業にも積極的な投資を進めています。この変化に応じて、事業を支える人財ポートフォリオも継続的に見直し、変化させていく必要があります。
特に事業の持続性を高める人財基盤の強化に向けて、人財確保・育成に加え、AIやロボットとの協働を前提とした人財ポートフォリオへの転換、多様な専門人財の獲得・最適配置を進めています。
さらに、多様な人財を持続的に確保・育成するため、今年度からはグループ各社が個別に取り組むのではなく、事業セグメントごとに人財課題を横断的に捉える新しい体制をスタートさせました。単に人を増やすのではなく、一人ひとりが能力を最大限発揮し、挑戦し続けられる環境を整えることで、事業と個人の成長の好循環を生み出していきたいと考えています。
人財ポートフォリオが変化する中で、なぜリファラル採用が重要なのでしょうか。
三島氏:
リファラル採用は、単なる採用手法ではなく、人財戦略を具現化するための採用・コミュニケーション基盤であり、同時にインナーブランディングの取り組みとしても位置づけています。
事業ポートフォリオの変化にあわせて、専門性の高い即戦力の採用が必要不可欠であり、その結果、多様なバックグラウンドや価値観を持つ人財が集まってきます。そのため採用プロセスにおいては、スキルマッチだけでなく、当社の価値観や挑戦する姿勢への深い共感を重視しています。
また、候補者が企業を選ぶ際も、一緒に働く人や挑戦環境を重視する傾向が年々強まっていると感じています。一方、企業がオフィシャルに発信する情報だけでは、関西電力で働くリアルな魅力や組織文化を伝えきれないのも事実です。実際に働く社員の言葉は、仕事内容だけでなく、挑戦の機会や組織文化、働く人の想いまでを、熱量を持ってリアルに候補者へ伝えることができます。
組織文化や働く想いを、社員が自らの言葉でありのままに語ることで、候補者にとっても入社後のミスマッチを防ぎながら企業理解を深められるだけでなく、社員自身が自社の魅力や挑戦を再認識する機会にもなることから、当社グループの採用ブランディングやインナーブランディングを支える重要な取り組みだと考えています。
「採用の自分ごと化」がエンゲージメントにつながる

リファラル採用において、社員に「自発的」に動いてもらうために、どのような取り組みを行っていますか。
三島氏:
当社は職種や部門が多岐にわたります。そのため、それぞれの事業や現場の状況に合わせて「MyRefer(MyTalent Refer)」で配信する社内ニュースを調整するなど、アプローチの切り口を柔軟に変える工夫を行っています。全社一律に「紹介してください」と広く呼びかけるのではなく、それぞれの事業や現場で働く社員がいかに「自分ごと化」できるかを重視し、適切な切り口を持って丁寧なコミュニケーションを設計しています。
リファラル採用推進後に実感されている社内の変化について教えてください。
三島氏:
最も大きな変化は、社員に採用活動を「自分ごと」として捉えてもらう機会が増えたことです。リファラル採用への参加は、単なる紹介活動にとどまらず、「自分たちはどのような企業を目指しているのか」を考える機会にもつながっています。実際に当社の魅力を伝えるプロセスを通じて、社員自身が当社で働く誇りや当社の強み・存在意義を改めて認識する場面が増え、その結果、エンゲージメントや「未来の仲間を自分たちで迎える」という当事者意識も向上していると感じています。
候補者からも、「社員のリアルな話を聞いて入社後のイメージが具体的になった」「企業の雰囲気がよく分かった」という非常にポジティブな声をいただいています。
今後、リファラル採用をどのように発展させていきたいとお考えですか。
三島氏:
今後は、リファラル採用をより強固な「人と人をつなぐ採用・コミュニケーション基盤」へと発展させていきたいです。
関西電力の魅力や切り拓いていく未来の姿は、社員一人ひとりが日々の挑戦や仕事への誇りを自らの言葉でリアルに語り、その積み重ねによって初めて社外へ伝わるものだと考えています。またそれらは、自分たちの存在意義や価値観を改めて見つめ直す契機にもなります。
社員の日常的な発信やネットワークを通じて、多様な経験・専門性を持つ方々との接点を増やし、社員一人ひとりが未来の仲間を迎える当事者となることで、事業変革を支える新たな出会いにつなげていきたいと考えています。
リファラル採用を通じて届けたい貴社の魅力や、社員の皆さんに期待する行動について教えてください。
三島氏:
当社は「電力の安定供給」という社会的使命を担いながら、脱炭素社会の実現やDXによる業務高度化、新規事業の創出、地域との共創など、社会の未来を支える新たな領域へ全力で挑戦しています。当社には「未来を創造するチャンス」が大きく広がっていると感じます。
社員の皆さんには、ぜひこうした仕事の面白さや可能性を伝えてほしいですが、そのためには何よりもまず、社員自身が「関西電力グループにいてよかった、将来もここで活躍したい」と、心から誇りを持てていることが大切だと思っています。
その上で、「この人と一緒に働きたい」「この仲間とならもっと面白い未来がつくれる」と思える大切な方に、日々実感している当社の魅力を飾らない言葉で率直に届けていただきたいです。リファラル採用は決して人事だけの活動ではなく、未来の仲間との出会いを、社員一人ひとりが自らの手で創っていく取り組みです。
多様な人財が集い、ともに挑戦し続ける組織をつくることで、私たちの人財戦略の根幹である「事業を強く、人を豊かに」の実現へつなげていきたいと考えています。
<編集後記>
関西電力様はリファラル採用を、2040年に向けた大規模な事業ポートフォリオ変革を支える人財戦略の重要な取り組みとして位置づけています。
優秀な人財を持続的に惹きつけるだけでなく、社員の「当事者意識」を育む同社のリファラル採用は、これからの採用戦略を考える上で、大きなヒントになるのではないでしょうか。
「組織風土を改革し、優秀な人財を継続的に獲得したい」「リファラル採用を企業の文化として定着させたい」とお考えの人事・経営層の皆様は、ぜひTalentXにご相談ください。
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