日本を代表する総合化学メーカーである三菱ケミカル株式会社様(以下、「三菱ケミカル」)。同社は採用難易度が高まる技術職層をターゲットに、自社の真の魅力を能動的に発信する「採用オウンドメディア」の構築を決断されました。その中で、なぜ「MyTalent Brand」を選んだのか、そして情報の透明性が生み出す「ミスマッチのない採用」の本質について、人事本部 タレント・ディベロップメント部 人財組織開発グループ キャリア採用チームの田平氏、藤原氏、月橋氏にお話を伺いました。

三菱ケミカル株式会社
・従業員 :連結36,223名、単独12,579名(2026年3月31日現在)
・事業内容 :機能商品、素材他
・取材対象者:人事本部 タレント・ディベロップメント部 人財組織開発グループ
キャリア採用チーム 田平 和之氏、藤原 琢氏、月橋 知子氏
「自ら考え、動く人」を求めて―経営戦略と同期する人材戦略で、人的資本の価値を最大化
はじめに、貴社の事業について教えてください。
田平氏:
当社は素材と化学を基盤に、基礎化学品からモビリティ、半導体・通信、食、メディカル、インフラまで、幅広い分野でソリューションを提供する総合化学メーカーです。当社では「人、社会、地球の心地よさが続いていく、KAITEKIの実現」をパーパスとして掲げており、単に素材をつくるだけでなく、その素材をどのように機能商品として提供できるのか、そして巡り巡って社会にどのような価値を届けるかを常に追求しています。
「KAITEKI」の実現に向けて、人材戦略ではどのようなことを重視されていますか。田平氏:
経営戦略と人材戦略を同期させ、人的資本の価値を最大化することを最優先にしています。具体的には、社員が持っているポテンシャルを引き出し、挑戦できる機会を提供することを非常に重視しており、それが人材戦略の肝になっています。この考え方は採用だけではなく、人材の配置や、入社後の育成、登用にも反映されています。
そんな当社が求めるのは、指示を待つのではなく、自ら考えて規律を持ち意思決定できる方です。社長の筑本も入社式で、「自分の火種を自分で灯し、会社を自分事、家業として引き受けられる人と働きたい」と新入社員に伝えています。

難易度が高まる技術職採用において、「自分たちの言葉で魅力を伝える場」として採用オウンドメディアを構築
今回、採用オウンドメディアの構築に踏み切った背景を教えてください。
田平氏:
正直に申し上げますと、これまでは「三菱」というブランドもあったため、エージェントからの紹介やスカウトサービスによってある程度の応募は確保できており、採用実績にもつながっていました。一方で、技術職の採用競争が激化する中、採用難易度の高いポジションや特定地域の採用においては、従来のやり方だけでは限界を感じていました。
藤原氏:
その中で最も課題に感じていたのが、三菱ケミカルが今どのようなフェーズにあり、どんな面白い仕事があるのかを「自分たちの言葉で語る場所・手段」がないことでした。
「自分たちの言葉で魅力を伝える場」として、採用オウンドメディアが必要だったのですね。
田平氏:
候補者の認知から興味・関心、そして応募に至る一連の採用マーケティングの中で、「情報の非対称性」をなくすことが重要だと考えました。会社が候補者を選ぶだけでなく、候補者にも会社を十分に知ったうえで選んでもらう、そのフラットな「選び、選ばれる関係」を築くための土台が必要だったのです。そのためには、いかに企業の「リアル」を届けられるかが重要になります。候補者に選ばれることだけを考えてしまうと、どうしても企業のポジティブな側面ばかりを見せてしまいがちです。
さらに、入社された方が長く定着・活躍し、ゆくゆくは「良い会社だから友人にも来てほしい」とリファラルにもつながる好循環を生み出すためには、入社前や応募前の段階でどれだけ情報のギャップを埋められるかが鍵となります。その手段として、採用担当が能動的に情報発信できる採用オウンドメディアの構築を決断しました。
情報発信やブランディングの手法としては、YouTubeや各種SNSなどさまざまな選択肢があると思います。その中で「採用オウンドメディア」にフォーカスされたのはなぜでしょうか。
月橋氏:
候補者の皆さまは「三菱」という名前をきっかけに、まずは採用サイトをご覧になると思います。しかし、今のサイトでは「三菱ケミカルのリアル」に触れられる機会が少なく、将来の仲間になるかもしれない候補者が情報を探せない状態であることがもったいないと感じていました。そのため、まずは「どなたでも見られる情報発信の土台」をしっかりとつくりたいという思いが先にありました。XやLinkedInなどのSNSを活用する選択肢もありましたが、まずはキャリア採用サイトに訪れた方をターゲットに、興味・関心を深く育むオウンドメディアを最優先で構築したいと考えました。
数あるツールの中で、「MyTalent Brand」を導入された決め手は何でしたか。月橋氏:
私は前職でオウンドメディアの運用経験がありましたが、自社リソースだけでトレンドを追い続け、質の高い発信を維持するのは非常に困難だと感じていました。「MyTalent Brand」はシステムとしての使いやすさはもちろん、企画から運用までを伴走してくれる制作支援体制が整っていることが魅力でした。
田平氏:
特に導入初年度は、オウンドメディアの運用ノウハウを蓄積する期間と考えていたので、「第三者の目線」を入れることにもこだわりました。私たちだけで進めると、どうしても主観に偏ったり、熱が入りすぎて本来伝えたい内容から逸れてしまったりすることがあります。客観的な視点で「候補者にどう届くか」をアドバイスいただける伴走支援が、立ち上げ期には不可欠だと判断しました。
▼三菱ケミカル様の採用オウンドメディアはこちら
https://m-chemical.brandmedia.i-myrefer.jp/media

三菱ケミカルの「リアル」を適切な形で届けることで、社内外のファンを創出
実際にコンテンツを制作するうえで意識されていることを教えてください。
藤原氏:
地方勤務のポジションでは、あえて仕事だけでなく「生活のリアル」にも触れるコンテンツを発信することで、現地で働くイメージが湧くようにしています。他にも、多様な工場や設備がある三菱ケミカルの特徴を活かし、幅広いポジションで働く楽しさや面白さといったリアルも届けられるよう意識しています。
月橋氏:
「当社では、3〜5年後の三菱ケミカルの利益の柱を自らの手で作り出す経験ができる。だからこそ、泥臭いことや地道な努力が必須になるが、それをやり遂げた人はどこでも活躍できる強力な武器を持てるようになる」と、ある管理職が言っていました。このような当社ならではの「泥臭さ」を理解したうえで、頑張れる人に来ていただきたい。こうしたありのままの想いを、包み隠さず伝えることを重視しています。
また、最近では新しい試みとして、「音声コンテンツ」のトライアル導入も進めています。情報を「ながら聴き」する方も増えていますので、忙しい技術職の方でも散歩中や家事の合間に三菱ケミカルの雰囲気を感じてもらえるよう、情報取得のハードルを下げる工夫をしています。
▼三菱ケミカル様の音声コンテンツはこちら
https://m-chemical.brandmedia.i-myrefer.jp/media/detail/6884
候補者の皆さまからの反応はいかがでしょうか。
月橋氏:
候補者の方々にしっかり見てもらえているという手応えを実感しています。入社を決めていただいた理由として、「オウンドメディアの記事を読んで入社後の活躍イメージが湧いた」「若手が学ぶ姿勢を持てる環境だとリアルに書かれていて魅力的だった」というお声をいただくことが増えました。
藤原氏:
記事が増えていくにつれて、「この部分の情報が足りない」「こういうことも伝えたい」と、これまで気づかなかった視点も見えてくるようになりました。今後どのようにブランディングしていくべきか、次のアクションも非常に取りやすくなってきていると感じます。
社内の反応はいかがでしょうか。
藤原氏:
驚いたのは、インタビューを依頼した社員の反応が非常にポジティブで、社員の皆さんが「採用は自分事だ」と捉えて協力してくれていることです。採用オウンドメディアを通じて社内の熱量が可視化され、社内のエンゲージメント向上にも寄与していると感じます。
田平氏:
当社はリファラル採用にも注力していますが、採用オウンドメディアを起点に社員が自分たちの会社をより好きになり、その結果、エバンジェリストとして社外の知人にその想いを届けることができる―こうしたリファラルにつながる好循環を、今後はさらに加速させていきたいです。
タレントプール採用やリファラル採用との融合で、より本質的なマッチングを
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
田平氏:
採用オウンドメディアをハブにして、リファラル採用やタレントプールとの連携をさらに強めていきたいですね。採用面接時に伝えられる情報には限りがあります。単に記事を置く「箱」としてではなく、蓄積したコンテンツを活かし、候補者一人ひとりの価値観に合った情報を届けられるような、より本質的なマッチングプラットフォームへと進化させていきたいと考えています。
月橋氏:
採用オウンドメディアを読んで「自分には合わないな」と自ら応募を見送る方がいても良いと思います。その代わりに、当社に共感してくださる方には最高の情報を提供し続ける、そんな誠実でフラットな採用ブランディングを、これからもTalentXさんとともに追求していきたいです。

<編集後記>
採用競争が激化する昨今において、ミスマッチのない「採用の質」を高めるための採用オウンドメディアの重要性が伝わる、三菱ケミカル様のインタビューでした。どの企業の皆さまも制作リソースが限られている中で、単なるツールの導入に留まらず、外部パートナーの企画・運用支援を活用して「自社集客力」の土台を固めることこそが、これからの採用競争を勝ち抜く鍵となるのではないでしょうか。
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