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2026.10.30更新

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YKK APが「AP-Base -Talent Network & Alumni-」を本格始動―“巡環型採用”の実現に向けた新たな取り組みとは

住宅用の窓・サッシ・ドアからビル用のカーテンウォールまで、建築の「開口部」を核に一貫生産体制を貫くYKK AP株式会社様(以下「YKK AP」)。創業から90年続くYKKグループの理念「善の巡環」を受け継ぐ同社は今、アルムナイや選考不合格・辞退者といった「過去のご縁」を資産に変える「AP-Base -Talent Network & Alumni-」(以下「AP-Base」)を本格始動しています。採用体制を見直し、点在していた情報発信を一つのストーリーとしてつなぎ直す取り組みの背景と、「MyTalent CRM」選定の決め手、今後の展望について、田中氏、上杉氏にお話を伺いました。

YKK AP株式会社

・従業員  :18,422名(2026年3月末時点)
・事業内容 :建築用工業製品の設計、製造、施工および販売
・取材対象者:人事戦略本部 人事統括部 採用戦略部長(兼)採用企画室長 田中 雄介 氏
      人事戦略本部 人事統括部 採用戦略部 採用企画室 上杉 七海 氏

「善の巡環」を体現する、一貫生産体制の思想

まずは、貴社の事業内容についてお聞かせください。
田中氏:
YKK APは、住宅用の窓・サッシ・ドアと、ビル用のカーテンウォールを展開する、建築用工業製品を設計・製造・販売するメーカーです。高断熱樹脂窓「APW」シリーズなど、省エネ・快適性に注力した商品開発にも力を入れており、「窓を考える会社」というフレーズが浸透し、評価をいただいております。

この評価を支えているのが、材料から製造設備、部品の開発・製造まで自社開発をベースとしている「一貫生産体制」です。すべての工程に責任を持つからこそ高品質を担保でき、社員からは「入社の決め手は自社製品の品質が高く、自信を持って提供できることだった」という声がよく上がります。今後は、これまで培ってきた技術や品質を強みに、さらにグローバルに事業を広げていくフェーズにあります。

そうしたものづくりの姿勢は、どのような理念に基づいているのでしょうか。
田中氏:
根幹にあるのは、創業者である吉田 忠雄がYKKグループの基本的姿勢として表現した「善の巡環」―「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という企業精神です。YKKグループ創業から約90年間、常に事業活動の基本として受け継がれてきました。YKK APが掲げている2030年に向けた経営戦略「Evolution 2030」や、2025年に発表した人事戦略「Architect HR」も、この理念に紐付いて策定されたものです。

先ほどお話しした「一貫生産体制」のもとでは、材料から製造設備、部品の開発・製造まで社内の非常に多くの人や部署が関わり合いながら仕事を進めます。ビジネスモデルと一貫した思想があるからこそ、日々の業務を通じて自然とこの理念が浸透しており、共感する社員が社内に多くいることも当社の大きな特徴だと思っています。

組織内のサイロ化とご縁の消失―「AP-Base」導入前の課題

今回「AP-Base」を始動された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
上杉氏:
まず、採用市場の競争が年々厳しくなっており、求人を出して候補者を受け入れるだけの「受け身」の体制には限界があると感じていました。より能動的に候補者へアプローチする「タレントアクイジション(戦略的な優秀人材の獲得)」の考え方が世間の主流となるなか、組織内には大きく2つの課題がありました。

1つ目は、全国の営業拠点・製造所ごとに採用機能が分散しており、本社と各拠点の採用に関する情報が共有できていない「サイロ化」の状態だったことです。たとえば、ある拠点ではご縁がなくても別の拠点であれば採用できる可能性のある候補者の情報を共有できておらず、全社的なネットワークを活用しきれていませんでした。

2つ目は、選考参加者やアルムナイ(退職者)をはじめとする「過去のご縁」に対して、その後何もアクションできず、つながりが途絶えてしまっていたことです。これまで、当社側のポジションニーズの変化や採用計画の見直し、また候補者側の転職タイミングなどといったやむを得ない事情で、ご縁がなかった方も少なくありません。また、アルムナイに関しては、制度が存在していても、積極的な情報発信ができず関係が形骸化していました。せっかく出会い、少しでも当社に興味を持ってくださった方々との貴重なご縁を活かせていない、というのが私たちの大きな課題でした。

「点」を「線」、そして「面」に―ブランディング起点の採用改革へ

こうした課題を踏まえて、どのようにして「AP-Base」の導入に至りましたか。
田中氏:
実は2024年3月頃から、「キャリア登録」という窓口を設ける取り組みを先駆けて始めていました。それまでは、今すぐの転職は考えていなくても当社に興味を持ってくださる方が、自らエントリーして関係をつなぐ窓口がなかったのです。実際に開設してみると1年も経たない間に70名から100名ほどの登録が集まり、中長期的に関係を構築することで実際の採用につながる手応えも感じ始めていました。

そのなかで私たちが目指そうとしたのは、適切なタイミングで一方的に採用情報(=スカウトメール)を送るだけのコミュニケーションではありません。継続的な情報発信を通じてお互いの理解を深め、当社のファンになっていただくこと、つまり「ブランディング」そのものです。その後、新卒・中途を問わず、選考参加者やアルムナイを含めたタレントプール採用として本格的に取り組み始めたのが、約1年前のことです。

「AP-Base」を構築するにあたって、重視していたことを教えてください。
田中氏:
最も重視したのは、タレントプールという「仕組み」をつくること自体を目的にしないことです。加えて、人や組織、仕事の情報を「点」のまま発信して終わらせず、「線」の設計を意識し、さらには「面」へとつなげていくことも重視していました。たとえば「登録者にゆかりのあるエリアの工場で、産休・育休明け後も活躍する女性社員」という一つの具体的なストーリーがあれば、登録者にとってそれは単なる会社紹介ではなく、「自分の理想のキャリアもこの社員のように実現できるかもしれない」と身近に感じてもらえる接点になり得ます。それだけでなく、ご縁がなくても「ゆかりのあるエリアに根付くYKK APから商品を買ってみたい」と思っていただける可能性もあります。こうした採用活動にとどまらない発信の積み重ねこそが、私たちの考える採用ブランディングでした。

実際に「AP-Base」を本格化させる前の2027年卒の新卒採用から、ブランディング重視の戦略へと大きく転換し、その柱の一つとしてコラム形式のメールマガジン配信を始めました。結果としてエントリー数は爆発的に伸び、歩留まりも劇的に改善しました。直近のインターンシップ応募も前年の4倍ほどに増えるなど、1年で着実な成果が表れています。この実績を経営層に報告した際には「ブランディングにはこれほどの効果があるのか」という驚きの反応もあり、今回の施策導入に対してもスムーズに承認を得ることができました。

一方通行から双方向のコミュニケーションへ―「MyTalent CRM」に感じた価値

「MyTalent CRM」を導入した決め手を教えてください。
上杉氏:
他社サービスと比較するなかで、決め手となったのは主に2点です。

1つ目は、送った情報に対する登録者の興味度合いがスコアリングされる機能です。企業側が情報を蓄積して発信するだけのサービスは他社様にもありましたが、送信相手の温度感まで可視化できる機能を備えたサービスはほとんどありませんでした。田中も申し上げた通り、私たちが目指す「採用ブランディング」の実現には、一方通行でスカウトを送るだけでは意味がなく、受け取る側の反応を知ることで双方向のコミュニケーションをとることが不可欠だと考えていたため、とても魅力的な機能でした。

2つ目は、導入検討の初期段階から採用ブランディングの視点を持って伴走いただけたことです。TalentXさんが当社の魅力を事前に言語化してくれたうえで、「今後どのようなストーリーで発信していけば良いか」をご提案いただきました。単なるシステムやツールの導入にとどまらず、その先の登録者へのコミュニケーションや魅力訴求まで一緒に考えてくれる姿勢に、大きな期待と安心感を覚えました。

ただ情報を送って終わりではなく、届けた情報への反応を見ながら効果検証し、TalentXさんに伴走いただきながら建設的なコミュニケーションを磨いていける―この仕組みがあれば、当社の目指す「巡環型採用」の実現につながると考え、導入を決めました。

「縁の巡環」で描く、巡環型採用モデルの未来

今後、登録者とは、どのような関係を築いていきたいですか。
上杉氏:
当社では、これまでつながりのあったすべての皆さんを総称して「APタレント」と呼んでいます。そして、APタレントの皆さんにとって、ライフステージの変化や次のキャリアを考えるなどのタイミングが訪れた際、YKK APが自然と選択肢の一つになれるよう、ゆるやかに中長期的な関係を築いていきたいと考えています。

さらに、APタレントご本人だけでなく、ご家族やご友人など、その方を中心にYKK APの良さが伝われば、いずれ採用につながるかもしれませんし、ひいては住まいづくりの際に当社の商品を選んでいただくお客様になっていただけるかもしれません。そうした「縁の巡環」を広げていきたいです。

この仕組み自体が、貴社の「善の巡環」を体現するものになるのですね。
田中氏:
はい。当社では現在、新採用戦略のキーワードとして「巡環型採用モデル」を掲げており、一度でも出会えたご縁は巡り巡っていずれ返ってくるという思想のもと、メンバーで共通認識を持ちながら日々活動しています。

一方で、これまでの日本の採用活動のスタンダードは、各活動で得た接点が「点」で終わっているケースが多かったと感じています。

当社が「AP-Base」を通じて目指していきたいのは、たとえ最終的に採用というご縁がなくても、当社自体のファンになっていただき、いつかはお客様になっていただくような、採用活動を超えた「“ヒト”と“ヒト”の縁の巡環」です。親から子へ、子から親へと、良いご縁が世代を超えて広がっていく―このサイクルを生み出す「巡環型採用」こそが、私たちが成し遂げたい採用変革であり、未来の採用活動のスタンダードモデルになると確信しています。

※「AP-Base -Talent Network & Alumni-」専用サイトはこちら

https://recruiting-ykkap.com/recruit/apbase/

<編集後記>

YKK AP様の取り組みは、「善の巡環」という企業思想を採用活動に落とし込み、点在していた発信を「線」、そして「面」へとつなげていくブランディングの実践です。

今までは見過ごしていた候補者との「ご縁」に光を当てる今回の取り組み。双方向のコミュニケーションを可能にする機能と、伴走型のブランディング支援を決め手に、「MyTalent CRM」をお選びいただきました。知名度のある企業であっても発信を見直し、中長期的な視点で候補者と向き合うことで採用ブランディングを大きく刷新できるという事例をお届けしました。

「候補者や退職者とのご縁を、その後の関係構築に活かしきれていない」「情報発信が点在してしまい、自社の魅力が正しく伝わっていない」とお考えの人事・採用ご担当者様は、ぜひTalentXまでご相談ください。

AIネイティブ・統合型タレントアクイジションプラットフォーム
「MyTalent Platform」

TalentXでは、自社の採用をDX化し、データを可視化・分析して未来のタレント獲得につなげられるサービスを提供しています。採用マーケティング、採用ブランディング、リファラル採用、採用管理システムなど、トータルでご支援することが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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