
今回は、「Trusted Global Innovator」をビジョンに掲げ、システムインテグレーション事業やネットワークシステムサービス事業を主に展開する株式会社NTTデータ様の事例をご紹介します。
2018年に創立30周年を迎えたNTTデータ様。ここ1~2年で経験者採用に注力し、その中でリファラル採用への取り組みを始めたそうです。人事本部の頓所氏と前田氏にリファラル採用に取り組む理由と気を付けていることをお伺いしました。

株式会社NTTデータ | |
---|---|
従業員数: | 11,263名(単独/2018年3月末現在) |
事業概要: |
システムインテグレーション事業/ネットワークシステムサービス事業 他 |
人事本部 人事統括部 採用担当課長 頓所 孝之氏(左)
人事本部 人事統括部 採用担当 課長代理 前田 悠太氏(右) |
その他企業様の導入事例をまとめています!
下記からダウンロードください。
経験者採用を拡大するにあたり、決定率の高いリファラル採用を検討

ここ最近の採用活動について教えてください。
前田氏:
NTTデータでは、2018年度から経験者採用を活性化させています。
実は、ここ10年間くらいは新卒採用がメインで、経験者採用は年間10人ほどしか採用していませんでした。将来の社員構成をふまえて30歳前後の層を特に増やしたいという背景があり、経験者採用を一気に100人規模まで拡大させることになりました。
それに伴って人事本部側でも同年に経験者専任のチームができたのですが、まだその時点ではチームといっても1人だったので採用活動のための十分な稼働はありませんでした。そのためまずは、主にエージェント(人材紹介)を活用して採用を始めましたね。
そこでリファラル採用に取り組むことになった理由は何ですか?
前田氏:
エージェントだけだと採用コストがかさむこともあり、エージェント以外の流入チャネルを検討していました。そこで、3つの目的があってリファラル採用に取り組むことにしました。
決定率を上げたい
まずは高い決定率ですね。「社員が知人を紹介してくれる採用手法のほうが、自社にあった人物像やスキルをもった人に会えるのでは」と期待していました。
既存の採用チャネルでも一定の母集団は確保できるのですが、採用ハードルの高さもあり、経験者採用として応募があったとしても、なかなか自社にマッチする人財が見つからない状況でした。
採用活動をスケールさせたい
採用担当者が少ないこともあり、現場の社員の力を借りて採用をスケールさせたいと考えました。
全社で多数あるポジションの詳細を全て本部の人事側だけでは把握することは難しいため、現場の社員が一緒に働きたいと思う人、ポジションにあった人を現場の社員が自ら連れてくるほうがよいのではと考えていました。
採用コストを下げたい
経験者採用の拡大に伴ってエージェント採用にかかるコストが一気に増えていたので、一人当たりの採用単価を低く抑えられる手法を検討していました。
これまで、社員紹介などの制度はありましたか?
頓所氏:
もともと管理職のみが紹介できる「社員推薦制度」はありました。ただ、そこまで注力もしていなかったのと、年代的に今一番ほしい30歳前後は紹介につながっていませんでした。
改めて、今回「全社員でもっと気軽に紹介できるようにしよう!」となりました。全社員を巻き込んでリファラル採用を進めていくことは初めてだったので、制度設計のコンサルティングからお手伝いしてもらいました。
制度設計を徹底し、段階的な社内展開でリファラル採用をスタート

今回リファラル採用をするにあたって、MyReferを選んだ理由を教えてください。
前田氏:
制度設計のコンサルティングをしっかり受けられること、そして分析機能が他社よりも充実していたことですね。
最初の制度設計では、社内で経営陣に納得してもらうためのサポートから社員全員への展開方法まで、幅広くコンサルティングしてもらいました。実際に他社のサポート実績もふまえつつ、弊社にあった制度を作ってもらえたことがよかったです。
また分析機能としては、社員数も多いので、募集求人別やリクルーター別の分析を魅力的に感じました。
MyReferの導入にあたって、どのように進めましたか?
頓所氏:
リファラル採用の制度やルールがうまくいくか確かめるため、社員1万人に展開する前に一部にしぼって先行導入しました。
まずは、社外の技術者と接する機会が多い技術部隊に所属する社員と、前職のつながりがある中途社員だけで1か月活用しました。その結果、社員が問題なくツールを活用してくれて、応募もいくつか確認できました。
そこで、制度やルールを再確認し、スピード感をもって翌月には全社への展開に至りました。
歴史ある大手企業だからこそ、気を付けていることとは?

リファラル採用を促進する中で、気を付けている点や工夫している点を教えてください。
紹介のルールをしっかり定めて、MyRefer上やイントラネットに掲載
前田氏:
リファラル採用は新しい取り組みなので、トラブルが起きないよう未然に防ぐためのルールを定めました。他社で作っているルールやこれまでのトラブル事例をふまえて、設計のコンサルティングをしてもらいましたね。
例えば、NTTグループではグループ会社がたくさんありますし、長くお付き合いしている取引先も幅広くいらっしゃいます。普通の転職とは違って当社社員からお声がけする形になるため、”引き抜き”のようにならないようにしっかり明文化して周知を徹底しました。
これ以外にも最初にしっかりルールを設けたことで、特に問題なくリファラル採用を進められています。
分野別にいる人事と連携して、全社へ広めていく
社員が1万人いるので、我々から社員全員に連絡はしていますが、事業領域ごとに管轄している人事担当者と連携してリファラル採用の促進をしてもらっています。
定期的にミーティングを開いて、全社的にどうか?他分野はどうか?どうやって促進していくか?など情報を共有していますね。分野別・応募別の分析結果も活用して、求人内容を見直すこともあります。
インセンティブは、ありがとうのソーシャルギフト
報奨金は従来の「社員推薦制度」でも設定していなく、報酬金を設定している他社事例も聞きましたが、弊社は金銭でインセンティブを出すことにはしませんでした。ただ、MyReferさんが提供するギフト機能は活用しています。
報酬金〇万円!というハードなコミュニケーションではなく、紹介してくれたら「ありがとう」の気持ちを伝えるソーシャルギフトを提供するというソフトなコミュニケーションを意識して展開しました。
決定率は2倍以上!今後も自社にマッチした人財を集めていく

初年度のリファラル採用の成果はいかがでしたか?
前田氏:
1年間で、リファラル経由では10名以上の即戦力人財の採用に成功しました。経験者採用の全応募ルートの10%以上です。
とくに期待していたリファラル採用の決定率については、他の採用手法に比べて2倍以上になりました。その分経験者1人を採用するための選考や面接の回数が減って、人事担当者の頭数が少ない中でも工数がかからず効果的に進められています。
また、エージェントフィーを支払うことなく採用できたので、採用コストを大きく下げることが出来ました。
それは大きいですね。ほかには何か気づいた点などありましたか?
前田氏:
そうですね。実はあまり紹介が起こらないのではと思っていたのですが、紹介に前向きな社員が結構たくさんいることが分かりました。
「どういう風に紹介したらいいの?」という問合せはもちろん、「こういう風にしたら、もっと紹介数があがるんじゃないか?」とアドバイスを連絡してくれる社員もいます!
1年間でリファラルの声掛け数も2500近くありましたし、そのうち応募いただいた方には社員が友人を紹介するときに書く推薦コメントもみんなしっかり書いてくれているのが嬉しい気づきでしたね。
アドバイスまであると、心強いですね。最後に今後の目標を教えてください。
前田氏:
今後は、よりリファラル採用が文化となるように広めて、紹介数を増やしていきたいです。分析した数値をしっかり追いながら、PDCAを回していけたらと思っています。
あとは、決定率をさらに上げていきたいですね。当社のような即戦力人財を中途採用している大手企業は、特に専門性の高い人財の確保に課題認識を持っているケースが多いと思います。
リファラル採用はそんな専門職人財に現場社員からダイレクトに自社の魅力を伝えられる手段なので、自社が「求めている人財」を社員にちゃんと理解してもらう働きかけをすることで、より自社社員が友人に自社を語る機会を提供したいと思います。
頓所氏:
今はNTTデータ内で行っているのですが、NTTデータのグループ会社としてもリファラル採用の活用を検討していきたいです。
編集後記
今回は、リファラル採用に1万人で取り組むNTTデータ様の事例をお伝えしました。
大手企業だからこそ、決定率をあげて効率よくマッチした人財を採用していくことが必要なのだと感じました。そのためには、自社を一番よく理解した社員からの紹介がその手助けになっているようです!
社員全員でリファラル採用をより活性化させていけるように、これからもMyReferとしてサポートさせていただきたいです。
自社に合う人財を採用していきたい企業様、制度設計やルール作りに不安がある企業様、ぜひMyReferにお気軽にご相談ください。
